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世界潮流を読む 岡崎研究所論評集
防衛産業基盤を強化したい米国
岡崎研究所
2018/10/19
10月5日、米国大統領府は、「トランプ大統領は、我々の防衛産業基盤を強化するため、重要な措置を取っている。」と題するファクト・シートを発表した。以下、その要点を紹介する。
Joel Carillet/Anthro/GetUpStudio
・ドナルド・トランプ大統領「米国軍の優位を維持するには、我々は常に最前線にいなければならない。」
・米国の軍隊は世界で最高の技術、製造、産業能力によって支えられている。これを確保することを大統領は約束した。
・本日(10月5日)、大統領は、米国の防衛産業基盤を包括的に見直した報告書を受理した。これは、2017年7月に、大統領が、防衛産業基盤とサプライ・チェーンの強靭性を評価し、それを強化する方策を提示するよう命じたことに応じたものである。報告書は、米国防衛産業基盤が抱える約300件のリスクと、その包括的解決策を提示した。
・政府は、今後、産業基盤への直接投資を拡大する。人材育成のため、科学技術、工学数学(STEM)の国内教育を発展させる。合同防衛基盤など、同盟諸国、友好諸国と協力する。
・トランプ政権は、国家の防衛が、新たな、そして予測できない挑戦に対処できるようにする。大国間競争の時代、紛争を抑止する能力は、健全な防衛産業基盤にかかっている。新たな、予測不可能な挑戦に対処するため、国家は、戦闘員にきちんと装備させる能力を有しなければならない。
・この見直し報告書作成には、国防総省、商務、労働、エネルギー、国土安全保障及び他の省庁から300人以上の専門家が係わった。前例のない防衛産業基盤の見直しは、伝統的な造船業から、労働力に関する項目まで多岐にわたった。
・我々が直面するあらゆる脅威から国家を守るための歩みを進める。2017年12月の国家安全保障戦略は、米国の力の不可欠の要素として、健全な産業基盤の重要性を掲げた。国家の安全保障にとって重要な鉄鋼アルミニウムの国内産業を守るため、トランプ大統領はそれらの輸入に関税を課した。最近、トランプ大統領は、テロ、サイバー、バイオに関する新たな戦略を発表した。それらは、我々の防衛を近代化し、安全保障を強化する。
参考:White House ‘President Donald J. Trump Is Taking Important Measures to Strengthen Our Defense Industrial Base’(October 5, 2018)
国家の安全保障を支える一つの要素として、防衛産業基盤は、大変重要なものである。国家を守るには、そのための人、装備が必要である。特に、現代のようなハイテク戦の時代には、技術の性能が勝敗を決めると言っても過言ではない。
米国は、昨年の国家安全保障戦略で明記された防衛産業基盤に関して、詳細な調査を行い、約300のリスクを割り出し、その解決策を提案したとある。日本でも、防衛産業基盤の重要性が言われ、防衛装備庁も新設されたが、政府全体として新たな防衛産業基盤の強化策が実施されたとは言い難い。
米国は、自国の防衛産業基盤の強化のために、同盟諸国等との協力もすると明記されている。日本も、米国の同盟国として、技術協力や共同生産、人的交流などを推進して、日米両国が、互いの能力を高め合って、安全保障に貢献できれば良い。気をつけたいのは、米国に依存するあまり、自国の産業基盤の強化を疎かにしないことである。http://wedge.ismedia.jp/articles/print/14212
したたか者の流儀
暗殺された記者、ダイアナ妃の義理の従弟だった?
2018/10/19
パスカル・ヤン (著述家)
(alexis84/gettyimages)
ダイアナ妃は、地雷撲滅運動でも有名であった。その一方で、地雷供給者の一味にもなったという話が欧州で時々聞かれた。大富豪であり、武器商人のモハメッド・アルファイドの別荘に滞在しながら、ショートステイでボスニア・ヘルチェゴビナにも出張ったという報道があった。その後すぐ亡くなったので、その話はうやむやになったが、10月になって亡霊のように再登場しつつあるので、状況を知るものとして一言。
今回、イスタンブールのサウジアラビア領事館でアップルウオッチをしたまま拷問されて、死んだといわれるジャマール・カショギは、いわば日本の池上彰ともいえる著名ジャーナリストでもある。ジャマール・カショギは、60歳とはいえ、結婚のための種類が必要となりトルコのイスタンブールで母国サウジアラビア領事館に入って、一部報道ではアップルウオッチをしたまま八つ裂きにされたとされている。
アドナン・カショギとは何者か?
1980年代、地中海のマジョルカ島の浜で寝そべっていると、大騒ぎがあった。アドナン・カショギの豪華船が、パルマに入港するというのだ。当時世界最高の個人所有の船といわれ、一目見ようと浜が騒然となったのだ。
世界一の武器商人で大富豪のアドナン・カショギを知らない人はいなかった。日本では、一部の金融業者とその筋では有名であったが、いまだにピンとくる人は少ないだろう。逆に欧米では、ケネディー夫人の夫となったソクラテス・オナシス並みに超有名人であり続けている。
アドナンの父親はシリア人の医者で、サウジアラビア国王の御殿医として鳴らした人物として、サウジアラビアでは名が通っている。その息子であるアドナン・カショギは、そのコネで世界一の武器商人となったのだろう。中東戦争続き、商売には事欠かなかったのだ。おかげで、ボーイングの自家用機やマンハッタンのアパートなどとともに、豪華船も手にいている。
アラビア半島にいくつも土侯国ができたが、武装闘争で建国されたサウジアラビアを筆頭に国家運営の人材は多くはなかった。日本の明治初年のお雇い外人のようなもので、文明国であったシリアやヨルダン、イランからサウジアラビアに招聘した外国人のなかに、医者カショギがいたようだ。
殺された記者ジャマール・カショギは、武器商人のアドナンの甥っ子
今回、イスタンブールで殺されたジャマール・カショギは、医師カショギの孫にあたると聞いて驚いた。そうであれば、武器商人のアドナン・カショギの甥っ子となってしまう。そうなると、死んだダイアナ妃とも本来であれば義理の従弟になってしまうのだ。
武器商人アドナン・カショギは、その後、スイスで逮捕され、その後は精彩を欠いた人生となったが、最盛期サウジアラビアのジェッダのカショギ事務所で、お茶を出していたエジプト人モハメッド・アルファイドは、アドナン・カショギの妹を妻とし、武器ビジネスも乗っ取り、後にロンドンのハロッズ・デパートまで手にいれている。ついでにパリの最高級ホテル・リッツも手中に収めたのだ。
彼の息子のドディはダイアナ妃まで、手に入れるところで、彼女と事故死してしまった。ちなみに死のドライブの出発点はパリのホテル・リッツである。
事故が起きずドディ・アルファイド、すなわちアドナン・カショギ妹の子と、ダイアナ妃が予定通り結婚していれば、今回殺されたとされるジャマール・カショギは、ダイアナ妃の義理の従弟となっていたのだ。
ジャマールは、サウジアラビアの事実上に最高権力者でクラウン・プリンスのムハンマド・ビン・サウド(M.B.S)が、忌み嫌う目障りなジャーナリストなのだ。
ツイッターのフォロワーが170万人
ジャマールを嫌っているのは厳然たる事実である。なんせサウジアラビアの有名記者でツイッターのフォロワーが170万人もいて、耳の痛い話を垂れ流されているのだからたまらない。
加えて、カショギ祖父が御殿医であったので、王様の裏話はいくらでも知っている。一般に爺さんはよもやま話を孫に話すので、ジャマールはすべて、聞いているにちがいない。建国の王、アブドラアジズ・ビン・サウドから始まって、いまだにその子たちが国王となっている国だ。語れない話も多いことであろう。
ジャマールが体制の中にいた頃はよかった。人気者の記者ですんだ。しかし、改革者M.B.Sが実権を握って以来、逆に危険人物となったのは容易に想像できる。
ダイアナ忙殺説はフランスでもいまだに根強い。ダイアナ妃が存命でドディと結婚していたら、将来、英国王の義理の祖父さんや大叔父が武器商人となってしまう。ここでも忖度があって、ダイアナ車をあんなことにという話が大衆は大好きだ。
そんな、まがまがしい話にも良いことはある。米国とトルコ関係が抜き差しならぬ状況にしていたなか、カショギ事件間隙をぬって、懸案の米国人牧師が解放され、世界混乱の火種のひとつであった米トルコ問題が改善したことであろう。しかし、今後、アップルウオッチがつかんが音声も含めて目が離せない。
http://wedge.ismedia.jp/articles/print/14276
中東を読み解く
サウジ皇太子の“命令”を米が傍受、ジャーナリスト失踪の全貌
2018/10/12
佐々木伸 (星槎大学大学院教授)
トルコで発生したサウジアラビア人ジャーナリストの謎の失踪事件は、同国を牛耳るムハンマド皇太子(33)が命じた作戦の一環だったことが米情報機関の傍受で濃厚になった。ジャーナリストはすでに殺害されたと見られており、トルコ政府系紙はサウジ暗殺チーム15人の顔写真まで掲載、王宮深く練られた陰謀事件の全貌が浮かび上がってきた。
現場となったイスタンブールのサウジアラビア領事館(AP/AFLO)
遺体をばらばらにして搬出か
行方不明になっているのは米在住のジャマル・カショギ氏(59)。同氏は離婚に必要な書類を提出するため10月2日午後1時過ぎ、イスタンブールのサウジ領事館に入ったまま失踪した。トルコ人のフィアンセが領事館の外で真夜中過ぎまで待っていたが、出てこなかった。
トルコ当局がサウジ政府に情報開示と領事館の立ち入り捜査を求めているのに対し、サウジ側はカショギ氏が入館後すぐに館外に出たと弁明、捜査協力を事実上拒んでいる。トルコや米メディアなどが報じるところによると、トルコ当局者は同氏が入館してから2時間以内にサウジの暗殺チームによって殺害されたと見ている。
事件を当初から順序立てて組み立ててみよう。この日の午前3時13分、サウジの首都リヤドから1機のチャーター・ジェットがイスタンブールのアタチェルク国際空港に到着。同機には9人のサウジ人が搭乗し、領事館に近いモーベンビック・ホテルにチェックインした。同機に続いて、午後5時過ぎにもう1機がリヤドから到着、この機には6人が乗っていた。6人は事件の後始末の応援組だったと見られている。
トルコ政府に近い日刊紙サバハは10日、この暗殺チームの15人の身元を特定し、顔写真付きで掲載した。うち1人はサウジ治安機関の検視の専門家。またサウジ空軍の中尉も含まれていた。サバハ紙には、トルコ政府が情報をリークしたもようで、真相を隠蔽しようとするサウジへの警告だったようだ。
領事館に入ったカショギ氏は暗殺チームの待ち伏せに遭い、殺害された。チームが最初から同氏を殺害するつもりだったのか、本国に拉致しようとして、抵抗されて偶発的な殺害に至ったのかは不明だ。いずれにせよ、同氏はバラバラされて搬出されたと見られている。チームに検視の専門家が含まれていたこと、「骨のこぎり」を携行していたと見られること、事件のあった2日は領事館の職員に臨時休暇が出されたいたことなどを考えると、殺害も選択肢に入れた準備周到な作戦であったことは間違いない。
同氏の入館2時間後、領事館からベンツのバンなど2台が出て、近くの領事の自宅に向かった。この1台にカショギ氏の遺体が隠されていた可能性が大きいという。暗殺チームは同夜、乗ってきた2機に分乗してリヤドに向かった。
おびき出し拉致狙う
こうした中、米ワシントン・ポストは10日、サウジのムハンマド皇太子が同氏を拘束するよう指示していたと特ダネで報じた。米情報機関がサウジ当局者の会話を傍受したことから明らかになったとされるが、米側が友好国も含めた各国の交信などを常時傍受している事実もはからずも浮き彫りになった。
同紙によると、サウジ政府を厳しく批判してきたカショギ氏はこの4カ月、皇太子に近い王室顧問からたびたび電話を受け、帰国すれば要職に就けると誘われていた。しかし、同氏はこのオファーが信用できないとして拒否していたという。もし、同氏が誘いに乗って帰国すれば、拘束する計画だった。
イスタンブールの事件は当初のおびき出し作戦がうまくいかなかったための「代替計画」だった可能性がある。だが、米国には、米市民であるなしにかかわらず、拉致や殺害などの危険がある人間に迫っていることを情報機関が探知した場合には、当該の人物に警告しなければならないという法律があり、カショギ氏のケースではその義務を怠ったのではないか、との見方も出ている。
今回の事件の決着がどうつくのかはまだ見えない。トルコはサウジに真相を明らかにするよう迫っているが、当初の大方の見立てに反して、激しく非難することは避けているように見える。通貨の大幅下落などで経済的な苦境に陥っている状況を考慮し、石油大国サウジとの関係を決定的に悪化させないよう配慮しているのかもしれない。
このトルコ・サウジ関係の行方とともに、焦点になっているのは米・サウジ関係だ。仮にムハンマド皇太子が殺害計画を指令していたことがより鮮明になれば、トランプ政権としても対サウジ関係を見直さざるを得ないかもしれない。トランプ大統領自身「深刻な状況だ」と事件の感想を語り、ポンペオ国務長官、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)、クシュナー上級顧問が相次いでムハンマド皇太子に電話し、情報の開示を求めたという。
議会も厳しく動こうとしている。超党派の上院議員22人がカショギ氏の失踪に関与した者に制裁を加えるよう大統領に求める書簡を送った。書簡には、制裁の対象者として「サウジ政府のトップを含め」と記されており、暗にムハンマド皇太子も容赦してはならないことを示唆している。下院情報委員会すでに公聴会を開いた。
クシュナー氏がピンチに
事件で最もピンチに立たされているのが大統領の娘婿クシュナー上級顧問(37)であるのは衆目の一致するところ。同顧問は昨年の春に皇太子と初めて会って以来、親しい関係を築き、トランプ大統領の初外遊の地にサウジアラビアを選択させた。2人は個人的に電話をし合っており、政権の一部から“暴走”を懸念する声もある。
トランプ政権はイラン孤立化と中東和平推進のため、サウジを米政策の支柱と位置付けてきた。その中心となってきたのが若手の2人の親密な関係だった。しかし、事件を機にクシュナー氏に対する風当たりが強まるのは必至で、同氏は政治的なピンチに立たされた格好だ。
サウジでは来週、スイスのダボス会議をもじって「砂漠のダボス会議」と銘打った投資会議が開催される予定。米国はムニューシン財務長官が財界の大物たちを引き連れてサウジに大挙押し掛け、皇太子が講演する計画だった。しかし、事件を受けて参加を自粛する動きが出れば、クシュナー氏にとってはさらに打撃となるだろう。
http://wedge.ismedia.jp/articles/print/14205
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