イラクの米領事館を閉鎖へ、イランの脅威受け外交官を避難 今月15日、バスラのイラン総領事館放火事件に反対しイラン国旗などを掲げ抗議する人々 By Ben Kesling and Michael R. Gordon 2018 年 9 月 29 日 07:49 JST 【ワシントン】米国務省は、イラク南部バスラにある米領事館を閉鎖し、駐在の外交官を避難させる。イランを起因とする安全保障上のリスクが高まっていることが背景にある。政権関係者が明らかにした。 バスラの領事館は、イラク内に3つある米外交拠点の1つで、イランや同国の支援を受けるイラク内の勢力による脅威が現実味を増しているという。 政権関係者によると、マイク・ポンペオ米国務長官が28日朝、最終決定した。米外交官を守るとともに、イランが米外交官の安全を脅かすことで、トランプ政権の政策を巡る取引材料に利用しないよう阻止する狙いがある。 ポンペオ長官は外交経路を通じて、イランに脅しは許容できないと伝えたとしている。また22日にイラン南西部アフワズで開催された軍事パレード中に武装勢力が襲撃した事件について、米国は全く関与していないと強調したという。 トランプ政権は目下、中東での影響力拡大をもくろむイランを抑制しようと、厳しい制裁措置を実施しており、イラン政権と対立する姿勢を鮮明にしている。 ある政府高官は「仮に米国が攻撃を受けたら、われわれは反撃するということだ」とし、イラン支援の勢力が米国を攻撃すれば、イランに責任を負わせると述べた。
飲酒禁止のイランで横行する密造酒、計22人死亡 2018年9月30日 20:46 発信地:テヘラン/イラン [ イラン 中東・北アフリカ ] このニュースをシェア 飲酒禁止のイランで横行する密造酒、計22人死亡 イランの首都テヘランで、密造ビールを処分する警察官(2009年7月22日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / FARZIN NEMATI 【9月30日 AFP】イラン国内の3つの州で、不純物が入った密造酒を飲んで少なくとも計22人が死亡した。イラン学生通信(ISNA)が29日、伝えた。
イランでは1979年の革命以降、飲酒には罰金、むち打ち、禁錮刑など厳罰が科される。それでも密輸された酒や密造酒が広く出回っているのが実情だ。安価な密造酒には、正規の手法で製造された蒸留酒に用いられるエタノール(飲用アルコール)の代わりに毒性のあるメタノールを混ぜている場合が多い。 ISNAによると、密造酒による死者が最も多かったのは南部ホルモズガーン(Hormuzgan)州の港町バンダルアバス(Bandar Abbas)だ。州保健当局は「これまでにアルコール中毒で入院した人の数は168人に上った」と発表。うち16人が死亡し、8人が重体だと明らかにした。バンダルアバス警察の話としてISNAが報じたところによると、警察は密造酒製造の容疑で夫婦1組を逮捕したほか、密造酒を販売した疑いで1人の身柄を拘束した。 このほか、北部アルボルズ(Alborz)州でも、これまでに3人が密造酒を飲んで死亡。また北東部の北ホラサン(North Khorasan)州でも、29日までの10日間で25人がアルコール中毒の治療を受け、うち3人が死亡したと、地元警察が国営イラン通信(IRNA)に語った。同警察は28日夜、極秘に密造酒を製造していた違法蒸留所を摘発し、31人を逮捕したという。(c)AFP 米イラン 強硬派主導の対立、歯止め失う恐れ 中東・アフリカ 2018/9/28 19:30 【ドバイ=岐部秀光】米国のイラン核合意からの撤退に伴う、イランへの関連制裁の11月の完全再開まで1カ月あまりとなった。今週、国連総会に出席するため訪米したイランのロウハニ大統領とトランプ米大統領の直接会談は実現せず、代わりに激しい舌戦を繰り広げた。強硬派が主導する両国政権の対立は先鋭化する一方で、歯止めを失う恐れが強まる。 トランプ米大統領はイランを公然と批判した(25日、ニューヨーク)=ロイター 画像の拡大 トランプ米大統領はイランを公然と批判した(25日、ニューヨーク)=ロイター 名指しは避けながらトランプ氏の姿勢を批判したイランのロウハニ大統領(25日、ニューヨーク)=AP 画像の拡大 名指しは避けながらトランプ氏の姿勢を批判したイランのロウハニ大統領(25日、ニューヨーク)=AP イラン政策を巡っては米欧の亀裂が深まるが、トランプ氏に譲る気配はない。一方のイランも、経済の苦境が深まる中で保守強硬派が勢いを増し、本来は穏健派のロウハニ師も強硬な発言が目立つようになった。 「民衆の感情にうったえて人気を得ようとする現在の支配者は、まるでナチスのようだ」。25日の国連総会の演説で、ロウハニ師は、名指しは避けながらもトランプ氏を激しく批判した。 トランプ氏も国連総会演説で「イランは腐敗した独裁体制」だと批判し、対イランでの国際社会の結束を呼びかけた。米の制裁効果は強力で、欧州企業のイランビジネスからの撤退は止まらない。だが、欧州の政治家はイラン核合意の維持で結束し、中ロとの連携を深める。 欧州連合(EU)のモゲリーニ外交安全保障上級代表は制裁回避のための独自決済システムをつくる考えを示した。短期的な効果には疑問も向けられるが、米政権の政治的な孤立を印象づける。 22日にイラン南西部アフワズで起きた軍事パレードを狙ったテロ。ロウハニ師や最高指導者ハメネイ師は矛先を敵対するサウジと米国に向けた。外敵の脅威を強調し、国内の結束を演出したい立場とみられる。 隠れた深刻なリスクは偶発的な事故が大規模な衝突に発展することだ。内戦が続くシリアではイスラエルが、イランの支援を受けるイスラム教シーア派民兵の軍事拠点が築かれることに神経をとがらせている。イスラエルは今月、過去18カ月に200回を超す空爆を実施したと明らかにした。 サウジは、イランがサウジの反体制派を支援していると批判しており、双方の内政への干渉が激しくなるおそれがある。 テロが発生したアフワズは豊富な石油資源が眠るイランにとって重要な地域だった。イエメンの内戦ではイランの支援を受けるシーア派武装勢力フーシが、暫定政府を支援するサウジのタンカーや石油施設を狙う立場を公言している。イラン革命防衛隊は8月に世界の石油輸送の大動脈であるホルムズ海峡近くで軍事演習を実施した。 イランを巡る危機は同国からの石油の供給減少だけでなく、潜在的な紛争リスクの懸念として石油市場の心理的な重荷となっている。 2018年9月28日 / 16:23 / 33分前更新 ブログ:北朝鮮、いたる所に金一族の肖像画がある理由 Danish Siddiqui 4 分で読む
[平壌 25日 ロイター] - 北朝鮮への旅行者が最初に気づくことの1つは、平壌国際空港を出てすぐの道路沿いにある、飛行機と労働者を背にした金日成(キム・イルソン)氏の巨大な肖像画だ。そしてすぐに、こうした肖像画をあらゆる所で目にすることになる。 北朝鮮を建国した金日成氏と、同氏の息子で、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の父である金正日(キム・ジョンイル)氏を描いた数百万もの肖像画やモザイク画、絵画が、同国の物語において金一族がどれほど中心的な存在であるかを、日々国民に思い出させている。 笑顔の指導者父子の絵は、いたる所に飾られている。 肖像画は、駅や病院、学校や工場などの公共の場だけでなく、住宅の居間などの私的な場所でも掲示が義務付けられているのだ。 記者や観光客に同行する政府の世話人によると、誰も指導者より上に立つことがないように、肖像画は高い位置に掲げられなければならない。 夜になると、平壌ではさまざまな建物に飾られた巨大な肖像画がライトアップされる。 北朝鮮は、今でも世界で最も厳しい監視体制が敷かれた国の1つだ。国の大部分は部外者に閉じられており、観光客の団体は、平壌のほか数都市の訪問しか許されていない。そしてそれが、貧しいこの国に残された貴重な外貨獲得手段の1つとなっている。 もう1つ、すべてのものに及ぶ金一族の影響力を訪問者に見せつけているのが、北朝鮮の国民全員が必ず身に着けている金日成氏と金正日氏が描かれたバッジだ。 このバッジは、12歳になる国民全員に配られる。それ以後、自宅から外出するときは必ずこのバッジを身に着けていなくてはならない。バッジは神聖なもので、売ることはできないと、世話人は言った。 「われわれ北朝鮮人は全員、こうした肖像画バッジを常に身に着けている。人体で一番大事なのは、心臓でしょう」と、政府が外国人記者向けに設定した訪問先である平壌の教育大学で音楽を教えていたアン・ソルヨン氏は言った。彼女の生徒も、全員白いシャツにバッジを着けている。 「偉大なる指導者がいなかったらわれわれは生きていないという信念を、心臓に一番近い場所に着けたバッジを通して常に心にとどめておくことができる」と、アン氏は付け加えた。
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