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米国は朝鮮半島の制圧を望み、平和を望まない(その2)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201809160000/
2018.09.17 櫻井ジャーナル
現在、アメリカの支配層はロシア以上に力を入れて中国の現体制を潰そうとしている。朝鮮半島の問題は米中問題の一部にすぎない。
ロシアにとっても朝鮮は重要な意味を持っている。高速鉄道やエネルギー資源を運ぶパイプラインでロシア、中国、そして朝鮮半島をつなごうと考えているのだ。ロシアのドミトリ・メドベージェフ首相は2011年夏にシベリアで金正日と会談、朝鮮がロシアに負っている債務の90%(約100億ドル)を帳消しにし、10億ドルの投資をすることで合意、14年にロシア議会はこの合意を承認した。
朝鮮側もこの申し出に前向きの姿勢を見せ、2015年の行われる対ドイツ戦勝利70周年記念式典へ金正日が出席することも決まったが、11年12月に金は死亡してしまう。その後、朝鮮はロシアの構想にとって好ましくないこと、つまりアメリカにとって好都合なことを繰り返しすことになる。
アメリカ支配層はヨーロッパでロシアとの国境近くにミサイルを配備し、中東や北アフリカでは自国軍で侵略したり、傭兵軍を送り込んで破壊と殺戮を繰り返してきた。
1989年にベルリンの壁が壊され、90年には東西ドイツが統一された。その際、アメリカの国務長官だったジェームズ・ベイカーはソ連のエドゥアルド・シェワルナゼ外務大臣に対し、統一後もドイツはNATOにとどまるものの、東へNATOを拡大することはないと約束したことが記録に残っている。それをミハイル・ゴルバチョフも信じて統一を認めたわけだが、アメリカは約束を守らなかった。
すでにNATO軍はロシアの玄関先まで到達、軍隊を配備し、ミサイルを設置してロシアを恫喝している。その結果として軍事的な緊張は高まり、全面核戦争の危険性は冷戦時代よりはるかに高まってしまった。これがドイツ・モデル。
また、ジョージ・W・ブッシュ政権の要求に従い、リビア政府は2003年に核兵器や化学兵器の廃棄を決定したが、アメリカは約束を守らずに「制裁」を続ける。2010年にはバラク・オバマ大統領がムスリム同胞団を使った侵略計画(PSD11)を作成、「アラブの春」という形でリビアは侵略され、破壊、殺戮、略奪で現在は暴力が支配する破綻国家だ。これがリビア・モデル。
ベトナム戦争でアメリカ軍は負けたが、その戦争でベトナムの国土は惨憺たる状態。アメリカ軍による「秘密爆撃」ではカンボジアやラオスでも国土が破壊され、多くの人々が殺された。戦闘では通常兵器だけでなく、化学兵器の一種である枯れ葉剤(エージェント・オレンジ)やナパーム弾が使われている。CIAのフェニックス・プログラムでは人々を殺すだけでなく、共同体を破壊した。
ソ連が消滅してから3年後の1994年にアメリカはベトナムに対する「制裁」を解除するが、その代償としてベトナムは新自由主義を受け入れる。IMFなどの「毒饅頭」を食べることになったのだ。しかもベトナム戦争中にアメリカ側が行った犯罪的な行為は不問に付され、ベトナムの庶民は低賃金労働者として西側巨大資本の金儲けに奉仕させられている。これがベトナム・モデル。
アメリカの支配層が朝鮮半島で目論んでいるのはこの3モデルのひとつだろう。真の意味の平和など望んでいない。その先には中国やロシアを侵略するというプランがあるはずだ。それが19世紀から続くアングロ・サクソンの長期戦略。
韓国、朝鮮、中国、ロシアが東アジアの平和、そして経済発展を望んでいるのに対し、アメリカやイギリスは侵略による略奪を目論んでいる。共同連絡事務所の開設と連合軍の編成は象徴的だ。(了)
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