http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/800.html
Tweet |
アメリカ帝国主義は、一体なぜアフガニスタンの泥沼を好むのか
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2018/09/post-78c3.html
2018年9月 6日 マスコミに載らない海外記事
Finian CUNNINGHAM
2018年8月27日
アフガニスタンの泥沼を意図的に引き延ばすことで、アメリカに一体どのような利益があるのか実に奇妙に見える。国家債務を何兆ドルも増やすのだから、アメリカの政策計画者連中は、戦争を段階的に縮小し、膨大な損失を止めようと躍起になっているだろうと考えたくなる。ところが、そうでないように見える。
1960年代の古典的な風刺映画『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』と同様、現在、アフガニスタンでの大混乱に執着するのに全く問題がないように見えるアメリカ軍安保機構の集団がある。
この戦争は、海外でアメリカ軍が戦うものとして、ベトナム戦争 (1964年-75)より6年長く、公式に最長で、今も続いている。
GWブッシュが、2001年10月に作戦を開始して以来、この戦争は続く三人目の大統領による監督下にある。しかもこれまでで、17年にわたる軍事作戦は、ドナルド・トランプ大統領が、昨年ペンタゴンに行動の管理を任せて、今後数年間、終わる可能性は低い。
今週、アフガニスタン戦争に関し、アメリカ国家内の強力な連中が、ごく普通の市民のものと比べ、全く違う計算をしていることを示す二つの進展があった。
第一に、来月予定されている和平サミットに参加するようにというロシアの誘いを、ワシントンが拒否した。モスクワ会議の狙いは、アメリカが支持するアシュラフ・ガニー大統領のアフガニスタン政府や、アメリカ軍事占領に反対して戦っているタリバン戦士を含め、戦争の当事者たちを引き合わせることだ。
ワシントンと、そのカーブルのアフガニスタン人代理政権は、そのような対話は無駄と思うので、参加するつもりはないと答えた。
以前、明らかな関心を示しておいての、アメリカによるモスクワ会議出席拒否はロシアから怒りの対応を引き出した。ロシア外務省は“アフガニスタンに関するモスクワ会議参加拒否はワシントンには和平交渉を始める興味が皆無なことを示している”と述べた。
アメリカが嫌気を示している理由の一つは、シリアへのロシア軍事介入が成功し、シリア和平仲裁で主導的役割を演じるようになって以来、モスクワの国際的立場を強化させたくないのだろうと考えたくなる。
ようやく先週、アメリカが支援するガニー政権が、イスラム教の宗教的祭日イード・アル=アドハーに合わせて、タリバンに休戦を呼びかけたのは首尾一貫しないように見える。ガニー大統領が過激派に休戦を呼びかけるのが適切だと考えられるなら、モスクワで、彼らと同席して話し合うことに、一体なぜ大反対なのだろう?
もう一つの、より悪質な進展は、今週、アフガニスタン北部の過激派集団に対する大規模兵器供給を、ロシア外務省が突き止めたという暴露だ。兵器は国籍不明の軍ヘリコプターから投下されたと外務省は述べている。
しかもヘリコプターが、アメリカ軍部隊とアフガニスタン国軍によって、飛行許可を与えられていたのは明白だ。結論は一つしかあり得ない。彼らが打ち負かそうとしていることになっている武装反抗勢力への武器供与にペンタゴンかCIAが共謀しているのだ。ロシア外務省が、アフガニスタンにおける、アメリカ軍によるそのような秘密の兵器密輸を報告するのは、これが初めてではない。
シリアにおける同様なテロ組織に対するアメリカ軍の不正な関与も実証されている。
元アフガニスタン大統領ハミド・カルザイが、アメリカ軍司令官たちには、アフガニスタンで「イスラム国」 (IS、ISIS、あるいはダーイシュ) テロリスト・ネットワークを醸成した責任があると、きっぱり語った昨年末のインタビューも想起願いたい。これら集団はタリバン各派から別れたもののように見える。
皮肉にも、アメリカ軍司令官たちは最近ロシアをタリバン戦士に兵器を供給していると非難した。モスクワとタリバンはそれぞれ別個にそのようなつながりを否定している。
ワシントンの主張は、アフガニスタン国内の違法過激派集団に武器を与えている連中自身の策謀の実態を見えにくくするためのペンタゴンによる企みと見た方が辻褄が合う。
疑問はこうだ。アメリカ軍は、一体なぜ、過激派を支援し、煽り、アメリカの納税者に何兆ドルも負担させている戦争を引き延ばしたがるのだろう? 9月4日に予定されている、紛争に平和的解決解決を見出すことを目指すモスクワが招集するサミットに参加する好機を、ワシントンは一体なぜはねつけるのだろう?
要するに、この最悪の戦争を引き延ばすことに一体どのようなアメリカの利益があるのだろう?
アメリカ軍によるアフガニスタン占領は、アメリカの国家経済と、税を負担する国民にとっては重荷で、アメリカの21兆ドルもの借金に、5兆ドルも積みましているが - 兵器メーカーや納入業者にとっては戦争は恩恵だということに留意しなければならない。戦争のおかげで、軍産複合体は超もうかる事業で、好調であり続けられるのだ。議会に対する主要ロビイストの一員であるロッキード・マーチンやレイセオンなどの企業は、冷酷な合理的論理に従って、この戦争を止めたいと思ってはいないのだ。決して。連中の企業権益は、普通のアメリカ国民や現地の歩兵とは全く異なっているのだ。兵器メーカーの幹部と株主が膨大な利益をかき集められるなら、21兆ドルの国の借金などかまうものか。
何兆ドルものアヘン麻薬密売を推進する上で、CIAがアフガニスタン国内の無法さに頼っていることに関する証拠はたっぷりある。ベトナム戦争中の悪名高い東南アジアのゴールデン・トライアングル同様、CIAは、世界の他の国々でのCIA“秘密作戦”に資金を供給する方法として、国会議員連中による政治的監視から隠したままにしておける資金調達として、世界的な麻薬不正取り引きを利用しているのだ。
アメリカ帝国主義計画者が、アフガニスタンを混乱状態におき続ける三つ目の動因は、それによって、ロシアとイランをしつこく苦しめる目的で、アメリカが代理軍を動員し、兵器化することが可能になることだ。アフガニスタンは、西でイランと国境を接しており、ロシア南側面に対する先鋒なのだ。アメリカにとって、イランやロシアに侵入し、不安定化するための過激派用の基地を維持することは、決して戦略的損失ではなく、戦略的資産なのだ。イランとロシアが、シリアでアメリカが支援する聖戦戦士の基地を完敗させるのに成功したことを考えればなおさらだ。
実際、ロシアは既に、無法なアフガニスタンが、ロシアの国益にとって、直接の安全保障上の脅威だという懸念をはっきり表明している。
だから常識的にどう考えても、アメリカ国民にとっても、もちろん最愛の人、自宅、仕事、暮らしを失い、ひどい貧困の中、辛うじて最低水準の生活を送っている何百万人ものアフガニスタン人にとっても、アフガニスタンは大惨事だ。
ところが、より邪悪に考え、アフガニスタン人の苦悩と惨状を、継続すべき大いにもうかる戦略的冒険的事業と見なす強力なアメリカ既得権益集団があるのだ。
アフガニスタンは、苦しむ人々にとっては、煮えたぎる泥沼かも知れない。だがそこは同時に、アメリカ帝国主義者の権益を監督しているごくわずかの連中にとって、膨大な利益を生み出す沼地でもあるのだ。これにより、アフガニスタンの悲劇は一層痛烈なものになる。悪辣なことに、決定的な動機は、戦争を止めることではなく、継続し続けることにあるのだ。
記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2018/08/27/why-us-imperialism-loves-afghan-quagmire.html
----------
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。