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https://jp.sputniknews.com/opinion/201807315178094/
日本の政治学者「日露2プラス2は時宜にかなったもの」
© AFP 2018 / Toshifumi Kitamura
オピニオン
2018年07月31日 18:22
今回のモスクワでの露日外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)は、東アジア地域における変化の適切な時期に行われ、露日関係が新たな水準に移る可能性があると、東京に本部を置く法政大学の下斗米伸夫教授がスプートニクに対し述べた。
スプートニク日本
モスクワでの31日の2プラス2開催に関連して、下斗米教授は、「今回の2プラス2の開催は時宜にかなったものである。それは東アジアの新しい地政学的かつ戦略的変貌の予感の下で開かれるからだ」と述べた。
© 写真 : Host photo agency
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下斗米教授は変化の兆候を、6月12日のシンガポールでのトランプ米大統領の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金正恩委員長との会談と、7月16日のヘルシンキでのロシアのプーチン大統領のトランプ大統領との会談の総括の中に見出している。
ただ、下斗米教授は、「もちろん北朝鮮の非核化とか、米露関係などで具体的に新しい可能性がすぐ開かれる可能性は少ない。そしてこれらにおける日露関係での戦略的対話体である2プラス2が新しい具体性を可能とするほどの合意はまだない」と述べている。
それどころか、下斗米教授の話によると、むしろ北朝鮮問題では制裁持続を迫りたい日本と、行動には行動で、制裁解除に導きたいロシア側との差は大きい。また地上配備イージス問題でも両者は対立したままで、米国の内政が露米関係の足を引っ張っていることも深刻だ。
先に伝えられたところでは、今回の2プラス2は、日本政府のミサイル防衛(MD)システム「イージス・アショア」配備計画を理由とするロシア政府の不安を背景とし、また核・ミサイル計画打ち切りに向けた用意を示している北朝鮮を巡って変化しつつある情勢の下で開かれる。
© REUTERS / Yoshikazu Tsuno/Pool
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それにもかかわらず、下斗米教授は、「それでも東方経済フォーラムで米国以外の5首脳が集まることはロシアの提唱する朝鮮半島非核化での6者協議に近づくことになる」と指摘する。教授が言おうとしているのは、同フォーラムにロシア、中国、日本、韓国の首脳らが参加し、北朝鮮そのものの首脳も参加の可能性があることだ。
それ以外に、トランプ大統領と金委員長によるシンガポールでの首脳会談の結果から判断すると、中国、北朝鮮、米国が朝鮮戦争の正式な終結に関する問題の議論に着手する可能性がある、と下斗米教授は指摘。
「朝鮮戦争停戦の当事者ではない日露だが、これからの変化の予兆に、あるいはそのはらむ問題での日露関係の進展が新しい水準に至る可能性は少なくない」と強調した。
タグ 露日関係, 日本, ロシア
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https://jp.sputniknews.com/opinion/201808015182479/
2プラス2次官級協議、年1回開催で露日合意
© Sputnik / Рамиль Ситдиков
オピニオン
2018年08月01日 22:18
リュドミラ サーキャン
7月31日にモスクワで行われた露日外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)は、センセーションをもたらすことはなかったものの、このような協議を行い、2国間関係の当面の問題についてだけでなくアジア太平洋地域と世界全体の情勢に関わる問題についても意見を交換したという2つの事実そのものが、言うまでもなく、双方によって肯定的に評価されている。
スプートニク日本
ロシアのショイグ国防相は、この2つの事実を以下のように特徴づけている。「日本の小野寺防衛相と私は、軍事分野における相互協力の方向性を詳細に議論し、地域情勢に対する評価を共有した。対話は率直で開かれたものとなった」。一方、小野寺防衛相は、安全保障分野でのロシアと日本の協力が、両国間の信頼関係を強め、相互理解を深めることへの確信を表明した。
© Sputnik / Рамиль Ситдиков
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両国の防衛担当閣僚は、2018年10月にロシア太平洋艦隊の複数の艦艇が、防衛協力の一環で北海道の函館港を訪問することで合意。この他、自衛隊の統合幕僚長を務める河野克俊海将による2018年後半の訪露の準備を開始することが決定された。ロシアのラブロフ外相と日本の河野外相は、9月に予定されているロシアのプーチン大統領と日本の安倍首相の会談に向けた準備や、様々な分野での両国による相互協力の見通し、国際的な舞台での協力、朝鮮半島情勢、そして相互の利益を代弁するその他の問題を議論した。
ロシア戦略研究所・アジア及びアジア太平洋地域センターの専門家、ユリア・クリャチキナ氏の見解によると、この種の協議は2国間関係における何らかの打開策を前提条件とはしないが、2プラス2形式の復活そのものが前向きなシグナルであるという。「露日間の2プラス2形式での最初の協議は2013年11月に行われた。しかし、日本が合流した西側による制裁によって、この形式は凍結され、2017年に再開された。今回の協議は既に、この形式での日本との交渉の第3ラウンドだ。過去に行われた2つのラウンドでは、この形式が大きな成果を上げられることが示されたとは言えない。だが!これは特別な、言わば特権的な形の対話であり、防衛と安全保障の最重要問題に関して、パートナーとしての、信頼した形での意見交換を見越しているものなのだ。2プラス2形式は、双方の行動の動機をより良く知るため、互いの声が聞こえるようにするための掘り下げた協議の形式として特徴づけることができる。これは軍事分野において特に重要だ」。
© Sputnik / Ramil Sitdikov
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一方、東京に本部を置く上智大学の上野俊彦教授は、今回の協議について以下のように評価している。「日露の2プラス2は、2013年4月28日から30日にかけて安倍総理がモスクワを訪問した際に発表された『日露パートナーシップの発展に関する日本国総理大臣とロシア連邦大統領の共同声明』(2013年4月29日発表)で決まったものです。
この2013年の共同声明では、その第3項で、『両首脳は、近年強まった両国間の肯定的な雰囲気に基づく友好関係の強化は、日本国及びロシア連邦の国益にかなっており、双方が目指す戦略的パートナーシップ構築のための良い前提条件を作り出しているとの認識で一致した』と述べており、日露関係が、『戦略的パートナーシップ構築』を目指すところまで良好なものになったことを宣言しています。この日露間の『戦略的パートナーシップ構築』の具体化が、2プラス2であり、実際、2013年11月2日に初めて2プラス2が実施されました。しかし、その直後のウクライナ政変により日露関係は停滞しました。
この停滞した日露関係が再び動き始めたのは、2016年12月15〜16日に山口と東京で行われた日露首脳会談であり、この首脳会談は2プラス2の再開を決め、2017年3月20日、2回目の2プラス2が行われました。かくして、今回の2プラス2は3回目となります。
© Sputnik / Рамиль Ситдиков
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こうして見てくると、2プラス2の開催は、2013年4月29日に発表された日露共同声明で示された日露間の『戦略的パートナーシップ構築』が継続されていることを示すものであると考えることができます。
日露両国にとって、2プラス2の継続的開催は、日露間の『戦略的パートナーシップ構築』のシンボルであり、良好な日露関係の発展の道標とも言うべきものです。そこで話し合われる内容も重要ですが、何よりもまず2プラス2の継続こそが重要であると考えられます。そして、その継続は、日露関係が次の段階へと発展していくための重要なプロセスだと考えられます」。
ロシアと日本は、次官級レベルで2プラス2形式の協議を年1回開催していくことで合意した。
タグ 露日関係, セルゲイ・ラブロフ, 日本, ロシア
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