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貿易戦争の米中がWTOで衝突 経済モデルから中国の国家体制まで激論(ロイター)
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/555.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 7 月 27 日 14:58:15: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

貿易戦争の米中がWTOで衝突 経済モデルから中国の国家体制まで激論
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/07/wto-14.php
2018年7月27日(金)11時37分 ロイター


7月26日、26日の世界貿易機関(WTO)会合で、米中代表が中国の経済モデルに大きく異なる見解を示し、意見を戦わせた。ジュネーブで26日、WTO会合前に言葉を交わす米国のデニス・シアWTO大使(右)と、中国の張向晨WTO大使(2018年 ロイター/Denis Balibouse)


26日の世界貿易機関(WTO)会合で、米中代表が中国の経済モデルに大きく異なる見解を示し、意見を戦わせた。

米国のデニス・シアWTO大使は「貿易破壊的な中国の経済モデル」と題する文書を提出。「中国は自由貿易や世界貿易システムの忠実な擁護者と繰り返し表現しているが、実際は保護主義や重商主義が世界で最も強力だ」と指摘した。

通商・投資面で国家が主導する中国の手法に伴う害悪は「もはや受忍できない」と訴え、WTOルールの順守を主張するだけでは不十分との認識を示した。

さらに、法律が国家の道具となり、裁判所は共産党の方針に反応する構造と批判。「中国では、経済改革は政府や共産党の経済運営完成や、とりわけ国有企業など政府部門の強化を意味する」と主張した。

これに対し、中国の張向晨WTO大使は、シア氏が中国政府の企業「制御」主張を補強する証拠を示していないと反論した。

ロイターに寄せた声明で張氏は、米国が中国を悪者扱いしようとしているとし、自国の手を縛ることを狙ったルールを中国が受け入れるという見方は幻想だと指摘した。

また、中国の産業政策は「ガイダンス」との位置付けで、国有企業はそれぞれ損益に責任を負う自立した市場主体と説明。一部産業の生産能力過剰要因は国家でなく、金融危機後の世界需要縮小に伴うものとの認識を示した。

米側の文書について、資源配分で果たす市場の「決定的な役割」に触れた箇所を削除しており、中国の政策について誤解を招く形で編集したと批判。「一部脚注では、記載のあった情報源を突き止められなかった」「悪魔は細部に宿る。脚注に欠陥があれば、論拠に疑問を挟む余地が生まれかねない」と訴えた。



 

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コメント
 
1. 2018年7月27日 17:31:31 : pJ5jF0oi2A : M_Bvt0pfpZQ[34]

ロイター、ニューズウイークはもう死んでいる。

誰だか知らないが貼り付けは目障りで邪魔なだけ。


2. 中川隆[-13845] koaQ7Jey 2018年7月27日 19:34:15 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17326]
中国企業の強さの秘密


2018-04-10
中国、「米覇権対抗」ケ小平が86年に「技術窃取」で挑戦開始
https://ameblo.jp/katsumatahisayoshi/entry-12366095507.html

技術のない国家の覇権挑戦

革命意識で始めた技術窃取


好々爺であったケ小平(1904〜1997年)は、「韜光養晦」(とうこうようかい)なる言葉で、中国の平和路線を世界に示した。「自らの力を隠し蓄える」、「覇権を求めない」という意味だ。この言葉は、ケ小平の掲げた外交政策のスローガンとして知られている。習近平氏が国家主席就任(2012年)とともにこの「韜光養晦」を投げ捨て、あからさまに「覇権主義」を前面に押し出した。


だが、この覇権主義は習氏が単独で始めたものではないことが分ってきた。ケ小平が生前すでに、この考え方を遺書として残していたと思われる。ケ小平には数人の中国最高幹部しか知らない短い文字数の遺書があるという。これは、元米国務長官のキッシンジャー氏が自らの著書に書いている。キッシンジャー氏も、その内容を知らないと言う。ケ小平は、中国で最初の「米国覇権」への挑戦を指揮した人間である。


ケ小平は、中国初のハイテク計画を指示した人物だ。1986年3月、当時の中国の科学レベルから見て、月に石を投げるように困難なハイテク計画(「863計画」)を指示したもの。科学技術の基盤がない中国で、「技術窃取」する以外に実現不可能なことであった。ここに「863計画」が始動して、現在の技術窃取路線の骨格が生まれた。


ケ小平語録には、いくつか中国の進路を示す注目すべき言葉がある。その中から抜粋した。


@ 科学的発展は、第一の生産力である。

A チャンスを掴み、自己を発展させるカギは経済発展である。

B 社会主義の中国は誰も動かせない。

C 主権問題に関して、中国はいかなる妥協の余地もない。率直に言って、主権問題は議論できる問題ではない。


以上は、『人民網』(2014年8月21日付「ケ小平生誕110周年」)から引用した。4つを列記したが、ケ小平の指示した「863計画」と組み合わせて見ると、ケ小平が未来の国家指導者に託した夢が何であったかを鮮明にしている。彼は、「社会主義市場経済」なる言葉を使って、党内保守派に市場経済の採用を呼びかけた。それは便法にすぎず、社会主義を実現する上での通過点にすぎなかった。毛沢東革命の神髄を外すことなく、実現するという意味では、忠実な毛沢東主義者だ。習近平氏もこの路線である。


5番目では、「主権問題に関して、中国はいかなる妥協の余地もない。率直に言って、主権問題は議論できる問題ではない」としている。主権は国家主権を指し、領土問題である。南シナ海の90%は中国領海という「噓八百」は、中国の既定路線から言えば、絶対に撤収しないだろう。これをいかに撤退させるか。中国に経済的衰亡を仕掛けることだ。中国をTPP(環太平洋経済連携協定)へ加盟させず、一大経済圏から遮断することに尽きる。北朝鮮が、核放棄へのポーズを取り始めたのは、経済封鎖の結果である。中国についても、この戦術は有効なはずだ。中国が、経済力をつけることは周辺国の安保上、最大の危険を招く。


このように考えると、西側諸国が中国の将来について、民主化されるであろうと考えたことは、西側に好都合な想像を膨らませたにすぎなかった。幻想であったのだ。米国トランプ政権が現在、この幻想から醒めて中国の推し進めてきた「技術窃取」に危機感を強めている段階である。中国と西側との摩擦は今後、本格化する気配に見える。


技術のない国家の覇権挑戦

『大紀元』(4月3日付)は、「共産党、陰に日向に『社会主義の中国モデル普及』目指す」と題する記事を掲載した。


この記事では、中国の技術窃取計画がどのような方法で行なわれたかがハッキリと表れている。日本では、新幹線技術がまんまと盗まれた。しかも、特許まで取得するという図々しい振る舞いをしており、日本社会の信頼を一挙に失った。これ以来、日本企業は中国に対して警戒して、中国にしてやられたという失敗例を聞くことはない。韓国のサムスンには、半導体技術を窃取されている。これは、日本側技術者の「作為」によるもので、密かにサムスンへ出かけて製造ノウハウを直接、教えるという裏切り行為をした。カネに目がくらんだのだ。


その韓国が、中国に虎の子技術を盗まれている。


『中央日報』3月27日付「中国に流出した韓国の国家核心技術は12件」と題する記事を掲載した。


@「韓国の技術の流出が中国の関連産業発展につながるケースが少なからず発生し、警戒心が高まっている。2012年からの6年間に中国に流出した韓国の国家核心技術は12件にのぼる。国家核心技術とは、国家の安全保障および国民経済発展に重大な影響を与える技術をいう。技術の流出には大きく3つの方法が使われる。

1つ目は企業の内部職員と結託したり認可された第三者委託業務を口実に企業に接近し、保存媒体(USBメモリー、ウェブハード、CDなど)を通じて違法に技術を盗み出す行為だ。

2つ目は企業の核心人物を厚い待遇(現給与の5倍以上支給など)で誘引し、情報を持っていく方法だ。

3つ目は合法を装ったM&A(企業の合併・買収)方法を通じて核心技術を奪うケースだ。
韓国の技術の中国流出もほとんどこのような方法が動員された。実例として、今月初め慶南(キョンナム)地方警察庁国際犯罪捜査隊が国内ドラム式洗濯機のモーター設計図面を中国に流出させた事件を摘発したが、上の方法が利用された」


上記の中国による技術窃取は、3つの方法を使っている。純然たる産業スパイ。技術者引き抜きによるノウハウ入手。M&Aで技術を奪う方法。習氏は「中華再興」と叫んでいるがその裏で、韓国に対してこういう汚い手を使っている。


(1)「中国共産党は、スパイ工作、為替操作、サイバー攻撃、知的財産など、米国経済に打撃を与える包括的な戦略を何十年も行ってきた。少なくとも、ケ小平時代の40年前、ハイテク発展計画において、海外から本土への技術移転を促進してきた。3月22日の米国上院財務委員会で、米通商代表部のロバート・ライトハイザー氏は米国技術の重要性について触れ、『中国は米国から強制的に技術移転を行っている』と名指して批判した。通商部は、米国貿易赤字の半分を占める中国による、知的財産権侵害や技術移転強制について7カ月にわたる調査を行ってきた」


中国の技術窃取の起源は、ケ小平時代の40年前に遡る。「863計画」(1986年3月起案)が基本である。これに味をしめ、「中国製造2025」というハイテク産業育成の総仕上げによって、米国経済を打ち負かすという、とんでもない「技術大窃盗計画」を立てるまでにエスカレートしている。この総仕上げ計画が、トランプ氏の豪腕による「技術窃取阻止」でピンチに立っている。


(2)「中国は、欲する外国技術をさまざまな方法で入手している。今年1月、対米外国投資委員会(CFIUS)の専門家を招いた聴聞会では、中国当局による外国技術の入手方法は6つあると指摘した。

@ 外国企業を中国に招き、合弁会社を作らせる。

A 中国企業が海外で対象企業を買収する(M&Aや株式取得を含む)。

B 中国が対象技術製品を輸入する。

C 中国企業や研究機関で、技術力ある外国人を雇う。

D 中国人留学生が技術を学び、帰国するもしくは本国にデータを送信する。

E インターネットやその他の手段で盗み取る」


中国企業が、韓国から技術窃取した方法は前記の6項目中、AとDが該当する。だが、韓国は気づいていないかも知れないが、合弁形式による企業進出で技術が中国側に漏れている。

中国政府は、この合弁形式を相手国企業に強要するのだ。進出企業が技術を提供し、中国側企業が土地や建物などを提供する形式が多い。この方式が現在、米国政府から鋭く衝かれており、中止を求められている。


現代自動車では中国に進出した結果、中国に経営主導権を握られ、食い物にされている例もある。中国は、酢でも蒟蒻でも食えない相手がゴロゴロしている国だ。それに加え、中国政府という「強敵」が後押しする。ほとんどの企業内部に共産党委員会ができている。間接的な共産党支配に陥っているのだ。中国企業の不法行為は、中国政府が絡んでいると見て間違いない。


(3)「中国では、『西側諸国に追いつけ追い越せ』とのスローガンが叫ばれたケ小平時代の80年代の中国で、『ハイテク研究発展計画(863計画)綱要』は科学者4人により建議された。1986年3月に実施が決定したことから、この名がついた。『人民日報』によると、この863計画には生物、宇宙飛行、情報、先進的防衛、オートメーション化、エネルギー、新素材の7分野に分かれる。ケ小平は、『ハイテクを発展させ、産業化を実現させる』と筆をふるい、政府の各関係組織に指示した」


ハイテク産業の「863計画」は、ケ小平の肝いりで始まっている。生物、宇宙飛行、情報、先進的防衛、オートメーション化、エネルギー、新素材の7分野で成果を出そうというものだ。現状では、宇宙飛行、情報において成果が上がっている。いずれも防衛産業と結びついている。この流れでAI(人工知能)にも力を入れている。


中国最大の弱点は機械工業(精密工業)の発展基盤がないことだ。AIは情報と結びつき、流通業で発展しているが、その段階に止まり、広がりを欠く。産業の発展基盤は機械工業にある。満足な自動車エンジンもつくれない中国が、14億人の個人情報を活用してAIで頑張っても、自ずと発展の限界が画されるであろう。技術盗用では、本格的な工業発展は不可能である。その前に、基盤技術を磨くことだ。こういう地味な取り組みに興味を示さないのが中国である。


革命意識で始めた技術窃取

(4)「米国のスパイ防止活動機関・国家対情報局(ONCIX)の2011年の分析では、中国の863計画には『米国の機密の技術と経済情報を密かに手に入れるために、予算を組み、ガイダンスしている』と指摘している。2014年、米司法省は中国軍サイバー攻撃部隊『61398部隊』の将校5人が米企業の機密情報を奪ったとして、スパイ容疑での起訴を決めた。米国当局は5人の顔をインターネットでもさらし、身柄の引き渡しを求めるという容赦のない態度を見せたが、中国外交部報道官は『米国のでっち上げ』として猛烈に反発した」


中国は、国家ぐるみの技術泥棒を始めている。このことがいかに卑しいことかという自覚を欠くのは、「米国覇権」への挑戦が一種の革命戦争という位置づけに違いない。戦争では、相手を倒すために手段を選ばない。「勝てば官軍」の喩えの通り、戦争に綺麗も汚いもない。ただ、相手を倒せば勝敗の決着がつく。


中国は、この革命戦争の意識で米国を初めとする西側諸国に対抗する気構えなのだ。米国が、「技術窃取は許さない」と絶叫しても、中国は腹の中ではせせら笑いをしているに違いない。中国にとっては、「覇権」を巡る正直正銘の戦争なのだ。先手必勝の意識に染まっているのだろう。残念ながら、まともに話のできる相手ではなくなった。


(5)「この一件で、中国は戦術を変えた。『影なる』ハッカー攻撃ではなく、逆に『陽のあたる』手法に転換した。当局は、中国でビジネスを行う海外企業に技術の引き渡しを求める法改正を厳しく敷いた。2017年8月、海外との合弁会社を含む上場企業およそ3200社に対して『共産党組織を設置し、経営判断を組織の見解を優先させ、最終決定権を与える』との社内規定を盛り込むよう要求した」


中国では、外資企業にも共産党委員会を設置させている。外資企業の情報が自動的に中国共産党に集まるシステムだ。政治と経済の一体化である。中国は、この経営システムが効率的と自画自賛しているが、とんでもない間違いである。企業経営は市場経済システムで動くべきもの。そこへ政治が介入してどうするのか。まさに、ミクロ面でも「社会主義市場経済」を行なう意志である。この「石頭」を柔軟にさせる方法は存在しない。結果において失敗するしか、教訓を得られないところまで突き進んでいる。


(6)「中国戦略に詳しい情報筋は、中国当局は最近『商業と研究による米中パートナシップを確立する』名目で、米国から中国本土に技術を持ち込むために、中国技術者チームを米国に派遣しているという。もし受け入れられているならば、公然のスパイとも呼べる大胆な手法だ。こうした中国の対米戦略は、国防総省などホワイトハウス関係者は認知していたが、米国は対抗措置に積極的ではなかった。中国の技術移転による米国の経済的ダメージについて『非常に明確に米国で起きていたことだ。しかし、我々は眼の前の現実から目をそらしてきた』と、2015年に大紀元の取材に応じた国際戦略研究科リチャード・フィッシャー氏は警告していた」


中国科学者が最近、欧米科学者とジョイントによる研究成果が目立っている。日本メディアは、新たな研究スタイルと報じているが、これは表面的なこと。中国が欧米の研究成果を盗み出すために接近しているスパイ行為である。ともかく、手を変え品を変えて、産業スパイを働いてまでも技術窃取する。研究者倫理はない。そう言えば最近、遺伝子操作によって猿を出産させ話題になった。生命倫理も存在しない国が、世界覇権を狙っている。ゾッとさせられるのだ。


(7)「中国政府は国有企業を優遇し、民間企業を意のままにする計画経済を実行する。共産党におもねる民間企業には投資を促し、分が悪くなれば資産を没収する。社会主義国では民間企業、共産党、軍部の境界線があいまいで、プライバシーポリシーや知的財産の概念も低い。50人以上の従業員をもつ企業は、共産党が会社の内部情報をアクセスするためのシステムを備えるよう要求されている。共産党の目標は、ケ小平の863計画を指示したときと同じままだ。要綱にはこう記されている。『世界の主力である米国にとって代わり、共産主義と全体主義に基づく“中国モデル”普及を目指す』とある」


冷たい戦争と言われた米ソ対立は、イデオロギー戦争でもあった。民主主義と全体主義の優劣を競うものである。米ソ対立後は、「イデオロギーの終焉」とされ、世界はハッピーとされてきた。その裏で、中国が虎視眈々と「世界の主力である米国にとって代わり、共産主義と全体主義に基づく“中国モデル”普及を目指す」と大真面目に考え始めていた。


世界にとって、民主主義国と中国のどちらが経済面と思想面で優れているのか。結論は、人間はどちらの体制がより自由で幸福であるかに帰着する。中国が、技術窃取を止められた場合、潜在成長力はどの程度落ちるのか。さらに、不動産バブルの重圧がこれから加わる。習氏の「世界覇権奪還論」は非現実的に映るのだ。「技術窃取」という他人の褌で相撲取るのでなく、身の丈に合った国つくりに方向転換すべきであろう。
https://ameblo.jp/katsumatahisayoshi/entry-12366095507.html


2017-11-13
他人のものを自分のものにして、金だけを儲けて売り逃げる
中国・韓国・北朝鮮は、日本に対して激しい反日を行っている国だ。これらの国は常に日本を「騙し討ち」する。韓国は特にそうだ。

慰安婦問題を蒸し返さないと合意したはずの日韓合意を見ても分かる通り、何らかの合意をしても金だけを日本から毟り取って問題はすぐに蒸し返す。

トランプ大統領が訪韓したら慰安婦に抱きつかせたり、勝手に独島エビと名付けたエビを出したりする。「騙し討ち」でこれらの演出を行い、ひとりで悦に入る。

彼らはもともと「騙し討ち」を尊ぶ民族性がある。だから、日本に対して常に騙し討ちの外交を行うのだが、実は民族性の中にそれが組み込まれているので、自国民同士でも恒常的に騙し合っている。

これらの国では他人を信用しない。信用して騙されたら「騙される方が悪い」と被害者を嘲笑う。

逆に、こうした騙し討ちが得意な陰湿な人間を「策略家」と呼んで尊敬したりする。

策略とは、誰もが分かるように言うと「相手をいかに騙すか」の手口なのである。そんな手口を自由自在に使える人間を尊敬する民族が隣にあるのであれば、日本人は最大限に警戒すべきなのは当然のことだ。


盗みに来ている人間を「お客様」ともてなす日本人

日本人がビジネスをするときは、信用や・品質や、研究成果や、創意工夫や、独自技術を売ろうとする。

正々堂々と、そして誠心誠意を尽くして、地道にコツコツとビジネスを成長させようとする。これは、王道と言ってもいい。あるべき道だ。

しかし、ビジネスを信用してもらうには時間がかかるし、品質や研究や独自技術が実を結ぶまで我慢と忍耐が必要だ。泥臭く、歩みは遅い。

策略を好む民族は、我慢も忍耐もしない。

騙し討ちで、相手の持っているものを「奪う」「盗む」「真似する」のである。そうやって、他人のものを自分のものにして、金だけを儲けてさっさと売り逃げする。

まがい物、粗悪品、海賊版、劣化コピー品、偽装品が、中国・韓国・北朝鮮で大量に溢れるのはなぜか。それは、消費者を騙し、手っ取り早く盗み、手っ取り早く儲けようと考えている人間で溢れているからだ。

日本企業の商品はパクリの標的だ。商品の形状も、性能も、デザインもすべて盗まれ、パッケージすらも真似される。それでいて、自分たちがオリジナルだと主張し、本物の日本の商品を追い出しにかかる。

食品、菓子、電化製品、衣料、建築技術、素材、鉄鋼。すべての分野で日本は技術や意匠を盗まれまくっている。

彼らがすべてを盗みに日本にやってきているのに、そんな人間を「お客様」だと言ってもてなしているのだから、日本人もどうかしている。

日本人は、中国・韓国・北朝鮮の人間でも誠意を持って付き合えば誠意を返してくれると思うかもしれないが、騙し討ちで生きている人間に誠意を見せても、騙し討ちされるだけだ。

最近、やっと日本人はそれに気づくようになってきているのだが、「騙しても騙しても、まだ騙せるのが日本人」と言われているので、警戒心は足りていないということだ。


日本の社会の中枢は深いところまで侵食されている

日本の社会の中枢は、今や中国・韓国・北朝鮮の工作員とそのシンパによって、深いところまで侵食されている。

民主党の残党たち(民進党・希望の党・立憲民主党)を見れば明らかだが、日本よりも中国・韓国・北朝鮮を代弁しているような政治家は数多い。

朝日新聞や毎日新聞や東京新聞や地方のそれぞれの新聞を見ても分かる通り、中国・韓国・北朝鮮のプロパガンダ紙になってしまっている新聞社も多い。

テレビ局も偏向報道と捏造報道にまみれ、教育現場でも教師というよりも活動家みたいな人間が跋扈して生徒を洗脳にかかっている。

もはや、日本の中枢部では中国・韓国・北朝鮮に侵食されていない場所が見つからないというほど、多くの危険人物が中枢に潜り込んでいる。

こうした人間たちは、日本のためにはいっさい動かない。日本のために働くどころか、日本を叩き潰し、日本人を叩き潰すような行為を陰に陽に行う。

さらに、それを日本人のフリをした日本人ではない人間がやっているのではない可能性がある。日本人になりすました人間が、なぜか日本人のような名前を名乗ってやっているのだ。

言うまでもないが、「なりすまし」というのも、策略のひとつであることを思い出して欲しい。日本人のフリをしているので日本人だと思っていたら実は日本人ではないのだから、これは強烈な騙し討ちだ。

辛光洙(シン・ガンス)のような北朝鮮の工作員は、そうやって日本人名を名乗って日本の社会に棲息し、拉致を繰り広げてきた。

日本人は他国人に「なりすまし」たりしない。

そんなことをするよりも、慎ましく、清く、美しく生きるほうがよほど気持ちがいいと思うはずだ。要するに、日本人は「正しく生きる」のが真っ当だと信じており、多くが策略とは無縁の生き方をしている。

だから、日本人は「信用できる」と世界中から言われるし、信用を土台にした日本の社会は世界でも最高の治安の良さを誇っている。

しかし、同じ東アジアであるにも関わらず、中国・韓国・北朝鮮の人間たちはまったく日本と逆の発想にある。


「関わるな、教えるな、助けるな」を徹底していく

ひとことで騙し討ちと言っても、いろんなものがある。騙し討ちみたいな「悪の手口」は、絶対に学校で教えないし、まして中国・韓国・北朝鮮と言った隣国がそういった騙し討ちをする民族だという警鐘も鳴らさない。

親も子供に教えない。そもそも、親がそんなものを最初から知らない。信用と信頼で成り立っている日本社会だけで暮らす限り、そんな知識はまったく必要なかったからだ。

たまにビジネスマンが「孫子の兵法」などに興味を持ったりするが、策略は本来はアンダーグラウンドの知識であり、裏社会の人間のものである。

だから、多くの日本人は「この危険な知識」に触れないで生きてきた。そんなことをする必要性すらもなかったからだ。

しかし、中国・韓国・北朝鮮が公然と「騙し討ち」を仕掛けて日本を締め上げている今、彼らがどのような手口を使って日本や日本人を動揺させているのかを知るのは、とても重要なことになってきている。

自分がそれを使うためというよりも、自分が何を仕掛けられているのかを知るという意味で、実際に仕掛けられている「騙し討ち」の多くを知るべきなのである。

彼らにとって、それは知識ではない。日常生活の一部だ。本来、騙し討ちには騙し討ちで返すのが基本だが、それができないのが日本人だ。

それならば相手の手口を知り、仕掛けを明るみにして何が行われているのか広く周知していかなければならない。「明るみに出す」というのが、騙し討ちを潰す第一歩だ。

その上で、騙し討ちを仕掛けている人間を切り捨て、国でも個人でも「関わるな、教えるな、助けるな」を徹底していくしかない。

関わると、騙し討ちされる。
教えると、盗まれる。
助けると、逆恨みされる。

これが、現実であることを認識して、日本人は日本人として生き残るしかない。


中国・韓国・北朝鮮が公然と「騙し討ち」を仕掛けて日本を締め上げている今、彼らがどのような手口を使って日本や日本人を動揺させているのかを知るのは、とても重要なことになってきている。
https://darkness-tiga.blogspot.jp/2017/11/20171113T1611550900.html


日本の「ものづくり」は心配しなくても中国には絶対負けない

振り返って考えて欲しいことがある。

まず、マスコミは手を変え品を変え、日本人に「ものづくりからの脱却」を進め、もう日本人の物づくりはダメになったと10年以上も言い続けて来た。そうやって、日本人から「ものづくり=製造業」を奪おうとしてきた。

それと平行して、日本企業に中国・韓国に執拗に工場移転や技術指導をするように薦めていた。反日企業である中国・韓国に進出するデメリットはまったく説明することなく、ただ進出しないと時代遅れだという風潮を作っていった。

また、マスコミは意図的に日本企業を貶め、日本企業の人気がなくなるように誘導し続けてきた。

同時に、日本に進出しようとするサムスンのような企業を華々しく特集し、「サムスンに学べ」と上から目線で日本企業を嘲笑し、日本は敵わないような雰囲気作りをしていった。

マスコミはもう日本人の味方でも、日本の国益に沿った機関でもない。朝日新聞も、NHKも、いくつかの経済雑誌も、ことあるごとに中国・韓国を推し、日本の「ものづくり」をけなし続ける。


中国では物の価値よりも、価格が重視される

しかし、マスコミが何をやっても無駄だ。最終的に、日本の製造業は絶対に中国・韓国に負けることはない。これだけは、間違いなく言える。心配しなくても日本は最後に勝つ。

日本は技術を中国・韓国に移転せず、企業情報を盗まれないように徹底防衛し、日本人でものづくりに邁進していれば、必ず中国・韓国に勝てる。

日本企業が弱いのは、技術の防衛である。技術力ではない。

今後、中国企業の作った中国製品が世界を席巻すると言われているが、中国の製造業は遅かれ早かれ自滅する。なぜ、そんなことが断言できるのか。

中国は外国資本を国内に呼び寄せて、その技術を丸パクリすることによって成長を続けてきた国だ。

しかし、丸パクリしても、まったく同じ物にならない。必ず「劣化コピー」になってしまう。

その理由は簡単だ。中国では物の価値よりも価格が重視されるので、安ければ安いほど売れるからだ。

もちろん中国でもブランド品は売れる。しかし、ブランド品そっくりのニセモノがあって、そちらの価格がオリジナルの10分の1であれば、ニセモノの方が価値があると考える。

安く買えるのが、中国人にとっての価値なのである。

だから、外資を呼び寄せて何らかの製品や技術を手に入れて丸パクリしても、結局「安売り」の発想が優先されて、劣化コピーになっていく。


丸パクリしたものを安売りして「売り捨て」

これは製品だけにとどまらず、すべてに当てはまる。

たとえば、中国に何らかの料理店が進出したとする。ブランドもあり、味もしっかりしており、中国でもそれが評判になったとする。

そうすると、すぐに10店も20店も、同じタイプの店が林立する。ただ丸パクリして人気にあやかり、波に乗ろうとするのである。

しかし、丸パクリするのは自分だけではなく他人も同じなので、丸パクリ同士で競争が発生する。そうすると、必ずどこかで価格競争になる。つまり、安売り合戦になる。

そうすると、素材を安物に替えてコストを浮かしたり、素材の数を減らしたり、必要な工程を省いたりしていく。ここから本来のものからどんどん外れ、劣化していくのだ。

先進国では、「製品価値をより向上させて競争力を高める」という発想を持つ。

しかし、中国では逆だ。消費者に捨てられるまで劣化させて提供し、どうにもならなかったらそれを捨てる。

そして、また何か丸パクリできるものがないか探して、同じことを繰り返すのである。

中国にブランドがなかなか生まれないのは、中国人の発想が、製品価値を向上させてブランドを築くという発想よりも、ブランドを丸パクリしたものを安売りして「売り捨て」にする発想があるからなのである。

そんなことをしていると、技術の蓄積も、経験の蓄積も、信頼の蓄積も、まったく何もできない。

しかし、中国では信頼よりも金儲けの方が重要なので、粗悪品を売って金が儲かったら、あとはどうでもいい。売れなくなったら、また売れている他のものを丸パクリすればいいと考えているので、信頼などいらないのである。


中国の丸パクリは、先進国とはまったく違う

欧米でも、何らかの商品を丸パクリすることによって生きている会社はたくさんある。マイクロソフトも、グーグルも、アップルを真似して成長している会社であることは有名だ。

しかし、彼らは常に品質を向上させ、やがてオリジナルから別物に進化しようとしている。

丸パクリをすること自体は非常に嫌われるのだが、それを元にして別物になっていけば、やがては新しいチャンスも生まれる可能性は常にある。

「発想は借り物だが、そこから時間を掛けて、新しい独自の物に仕立て上げる」

丸パクリが許されるとすると、そのような動きがあるときだけだと言える。日本企業も、多くはそのような形で独自進化を遂げてきている。

しかし、中国の丸パクリは、まったく違う。丸パクリした上に劣化させ、どんどん粗製濫造にしてしまう。中国の丸パクリは使い捨てであって、根底にあるビジネス観が先進国のものとはまったく違う。

中国が自壊していくことが運命付けられているのは、丸パクリが劣化コピーとなって、品質がどんどん落ち、粗悪品の大量生産になっていくからだ。

目先のカネに目がくらんで、面倒な品質管理や信頼性構築がまったくできない。

とにかく、すぐに儲かりたい。自分が利益を独占したい。粗悪品で消費者が困惑しようが、死のうが、そんなことはどうでもよくて、ただ自分が儲かればいい。

カネが儲かって、何らかのトラブルが起きれば、さっさと逃げて行方をくらませばいい。

そのような利己的で強烈な拝金主義が蔓延しているからこそ、中国は自滅を運命付けられていると断言できる。


日本の製造業は、こんな馬鹿げた国に負けない

「日本も昔は欧米の丸パクリで生きていて、やがて高品質な製品を作れるようになった。だから、中国もまたそのような道を歩むはずだ……」

それが、今までの日本人の基本的な認識だった。

しかし、最近は「どうも違う」と考える人が世界中で増えている。中国はいつまで経っても「粗悪品生産国家」ではないかと、世界中が思うようになってきた。

つまり、中国は拝金主義であるがゆえに、自滅していくのではないかと世界は気づきつつある。

その認識は間違っていない。

中国に利己主義と拝金主義が蔓延している限り、自滅は避けられない。

中国の大気汚染も、極度の腐敗も、粗悪品の大量生産も、すべて根っこは同じだ。利己主義と拝金主義だ。それが中国大陸を汚染してしまっているのである。

今や中国は、自らが住む大気や、大地や、食品までも粗悪品にしてしまい、環境破壊で誰も住めない地獄のような場所になりつつある。

客観的に考えれば考えるほど、日本の製造業がこんな馬鹿げた国に負けるはずがないというのが分かる。

中国がやっているのは、「悪貨は良貨を駆逐する」そのものだ。真似できるものを探し、盗み、丸パクリし、安売りし、粗悪品をばらまいて「勝った」と言っているだけだ。

しかし、粗悪品はいずれ捨てられ、本物が最後に残る。本物と品質にこだわる日本企業は、必ず最後に残っていく。マスコミを鵜呑みにして駆逐されなければの話だが……。


日本のものづくりが中国に負けるなど、絶対にあり得ない。
https://darkness-tiga.blogspot.jp/2017/12/20171216T1645300900.html


2005年に豪州に政治亡命した元中国外交官の陳用林
 父親を無実の罪により中国共産党の拷問で亡くした陳は、天安門広場の虐殺を目の前で目撃して衝撃を受けたそうだが、それでもいつしか外交官として中共政府の「先兵」となっていた。命ぜられるままに、法輪功信者の弾圧、反政府勢力の監視、中共にとっての危険人物の拉致などに携わっていた陳は、ついに良心の呵責に耐えかねて豪州政府に政治亡命を申請した。


 その際、陳の「告白」は豪州を震撼させた。陳によれば、その時点で豪州に1千人の中共スパイが潜伏し、軍事、科学、経済分野などのあらゆる情報を盗んでいるとのことだった。


 スパイには2種類ある。現地にダミー会社を作り、そこにビジネスマンとして工作員を送り込んだり、研究機関に研究者として送り込むケース。そして、もうひとつは現地に住んでいる中国人や留学生を勧誘して「エージェント」に仕立て上げるケースだ。エージェントの勧誘には金とハニートラップが使用され、中央政府を含むあらゆる個所にスパイ網が張り巡らされている。その他にも、現地に住む中国人が自由主義に目覚め、中共に批判的にならないように、ありとあらゆる洗脳工作がなされるという。


 陳は最近もテレビのインタビューに応じ、「この10年間でスパイの数は相当増加しているはずだ」と述べている。


 最重要標的の米国や、その同盟国の日本にははるかに多くのスパイが入り込んでいると陳は言う。中華系団体(留学生を含む)の代表は、ほぼ間違いなく中共政府に繋がっている。政府やマスコミなど、あらゆる主要機関にすでにスパイ網が張り巡らされていると考えて間違いない。米国のフランクリン・ルーズベルト政権に、驚くほど多くのソ連のスパイが入り込んで日米開戦を工作していた事実が思い起こされる。

私が最も衝撃を受けたのは、陳の政治亡命申請に対し、豪州政府が当初取った冷淡な態度だった。わざわざ中国総領事館に陳の個人情報を照会し、実質的に陳の亡命をリークする有様だった。なぜそんなことをしたのか。答えは「経済」である。2000年のシドニーオリンピック後、豪州は資源を爆買いする中国への依存を高める一方だった。政治的な問題で、お得意様の中国の機嫌を損ねたくなかったのである。


 日ごろは高邁な理想を掲げていても、現実には経済最優先で、お得意様がどんなに酷い人権侵害を繰り広げていたとしても、結局は二の次、三の次なのである。昨年は北の要衝ダーウィン港を人民解放軍と密接に繋がる中国企業に99年間リースするという大失態までやらかした。もちろん、州政府に対する工作がなされていたことは疑う余地がない。「極めて愚かだ」と陳は嘆く。


 去る1月17日、法務省が外国人の永住許可について、高度な能力を持つ人材に限って許可申請に必要な在留期間を最短で「1年」に短縮する方針を発表した。これも、経済界からの要請によるものだろう。


 私はグローバル企業勤務が長いので、国際的観点から、いかに日本で人材が枯渇しているかよく知っている。そして前述したように、私は移民の効果、特に高度人材の有効性をよく認識している。しかし、「親日的で融和的」という大前提を忘れれば、わざわざ反日工作員に城門を開ける愚を犯すことになる。すでに相当浸食されていると思われる日本にとどめを刺す「ダメ押し」となるだろう。戦わずして占領できる可能性がにわかに高まり、ほくそ笑んでいるのは間違いない。そして、日本の滅亡は、皮肉なことに長期安定保守政権である第二次安倍内閣が決定づけたと歴史に記憶されることになるだろう。


 陳用林は今もシドニーで中共の監視下に置かれながら生きている。彼の生命を賭したメッセージを受け取れるかどうかに、日本の命運がかかっていると言っても過言ではない。
https://ironna.jp/article/5962?p=3



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2018年06月25日
米中経済対立 中国への技術流出防止で日米欧が協力

中国の企業買収は天井知らずに増え、西側の先端技術を買いあさった
画像引用:http://jbpress.ismedia.jp/mwimgs/a/f/300/img_af8ca5cba1a942147c8e980e12d50baf81945.png


中国経済の曲がり角

米中の貿易摩擦によって、2018年1月から5月の、中国からの対米投資が前年比92%減少しました。

期間中に中国が米国に行った投資額は18億ドルに留まり、過去7年で最低水準だった。

政府間の対立で民間投資がこれほど減少したこと自体が、実は中国に「民間投資」など存在しないのを示している。

中国政府が米国への報復を宣言すると、たちどころに米国との取引が消滅したが、中国企業が政府の統制下にあるからこうなる。

もし中国企業が資本主義国のように自由な経済活動をしているなら、警戒しながらも経済利益を優先する筈です。

対米投資の減少はトランプ関税への報復ばかりではなく、2017年には海外投資の締め付けが始まっていました。


中国は当時人民元の暴落懸念などから海外旅行の買い物額を制限したり、仮想通貨での海外持ち出しを禁止していました。

中国は膨大な貿易黒字を積み重ねているが、東南アジアやアフリカ、中東、中央アジアで外貨を浪費してきた。

「あっちに1兆、こっちに2兆」という具合に、習近平が外国を訪問するたびに、数兆円規模の対外投資を行った。


その結果、表向きの数字としては膨大な対外資産があるが、実際には対外債務が資産を上回る「純債務国」の疑いが強い。

だから企業の対外投資を制限し、対米投資にも規制を加え、そこにトランプの対中制裁が実施されました。

中国経済は今まさに曲がり角に差し掛かっているといえる。


米中経済対立のゆくえ

中国企業は米国内の資産を引き上げる動きも見せ、今までに約96億ドル分を撤退し、さらに40億ドルが準備中になっている。

これも中国政府からの指示があったと考えられ、こうした対抗策によって、中国はアメリカがギブアップすると考えている。

ところが両国の貿易や投資は、中国による対米輸出や対米投資のほうがはるかに巨額なので、打撃も中国側が大きい。


アメリカ側は中国による対米投資も制限しようとしていて、中国企業によるM&A(合併・買収)を警戒している。

日米欧は中国への技術流出を防ぐため、中国からの投資に規制を加える協議をしている。

中国による西側先端企業買収は、2018年1月から3月だけで257億ドル(約2.8兆円)に達したが、これでも最盛期より減少している。


2016年の1月から3月には約854億ドルもの企業買収が行われ、そうした企業が持つ技術は、中国製のスマホや自動車などに化けた。

2018年4月に中国企業によるM&Aは2億ドルまで減少し、事実上停止している。

トランプ大統領は中国が米国のハイテク技術を「盗んできた」と言い、規制する方針を示している。


当初トランプの強硬姿勢は「はったり」で早期妥協を目指すとも考えられたが、そうした方向には向かっていない。

冷戦時代にはソ連や中国の東側に先端技術が流出しないよう、鉄のカーテンで守っていたが、今やタダ同然でどんな先端技術も買える。

日米欧は中国への技術流出防止で協力し、規制を儲けることで合意している。
http://www.thutmosev.com/archives/76629998.html



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米中貿易摩擦は、すでに「貿易戦争」の段階に突入してきた。この裏には、未来の世界覇権争いの様相が感じられる。中国は、「中国製造2025」によってハイテク産業を育成し、これを基盤に米国の牙城を狙う戦略である。問題は、中国がアンフェアな手段で先端技術を取得し、国家の巨額な補助金で産業化を実現させようとする点にある。要するに、膨大な「技術泥棒計画」をひっさげて、米国と覇権争いをすると名乗り出たことが発端だ。
米国の発表によると、中国外交部は海外に4万人以上の「産業スパイ」を浸透させ、各種先端技術と知的財産権を狙っているという。米国政府が、この事実が公表した以上は、防止手段に出るのは当然であろう。こうして、米中のチキンレースを予測するニュースが登場するほどだ。

「今後に多大な経済的影響を及ぼし得る貿易摩擦を巡る米中のチキンレース(度胸試し)は今後2週間内に重要な節目を迎え、どちらが先に勝負を降りるかを決めることになりそうだ。米財務省は6月29日、中国による知的財産権侵害問題で、米通商法301条に基づき米政府が講じる措置の一環として、輸出規制強化に加え、中国の対米投資の制限を公表する予定」(『ブルームバーグ』(6月25日付)、「米中のチキンレース、向こう2週間内に勝者決める重要な節目到来」

この記事では、米中の「チキンレース」という形容詞を付けるほど、両国は緊迫した関係になっている。このレースか脱落した方が不利というニュアンスである。7月第1週までが、チキンレースのヤマ場と見ている。だが、それほど簡単に決着がつくはずもあるまい。米中が、「国運」を賭けた争いであるからだ。

シンガポール副首相のテオ・チーヒエン氏は、次のように指摘している。

「米中関係が今後どう進化するか、それが今後数十年にわたり世界の秩序を形作るだろう。自由貿易を推進してきた米国だが、今では多くの米国人が貿易構造の見直しによる利益の再配分を求め、米国政府にとっては中国との貿易不均衡が最重要課題になっている。

私たちが共通の課題に対処して、平和で安定したアジア太平洋地域のための協力を促進するため、(1)オープンで連携した世界に向けた責任、(2)国連や世界貿易機関(WTO)などの国際機関のサポート、(3)人的・文化的交流の促進――の3つの原則を提案したい」(『日本経済新聞』6月26日付)

テオ・チーヒエン氏は、中立的な立場で米中関係を見ている。現在の米中問題は、「今後数十年にわたり世界の秩序を形作るだろう」と指摘するように、世界覇権の行方に関わっている。それだけに、短期間で決着がつく問題ではない。米中どちらに「義」があるか。その義を貫くためにどれだけの「政治的耐性」があるかが問われている。

「義」では、中国が劣勢に立たされよう。世界中に4万人もの産業スパイを放っている現実は、どう見ても非難の対象になるのだ。技術窃取の「常習犯」が、中国であることを証明するもの。他国の知財権窃取という犯罪行為を行なうからだ。

「政治的耐性」はどうか。長丁場の圧力に米中どちらが耐え抜けるかである。この問題は、政治体制から言えば、中国の独裁制に歩がある。米国は4年に一度の大統領選と2年に一度の中間選挙がある。選挙結果が貿易戦争の帰趨に影響を与える。

ただ米国民は、「全体主義」との闘いという思想・信条に関わる問題では、団結する特性がある。第二次世界大戦でも米国民は当初、「中立主義」を守って、参戦に否定的であった。それが、ドイツ軍のフランス侵略と英国攻撃作戦に危機感を持ち、欧州戦線に加わった経緯がある。それに、真珠湾の日本軍による奇襲攻撃も国民の戦意を高揚させた。米国民は、共産主義=全体主義を蛇蝎のように嫌う特性を持っている。中国は、この点を見落としてはならない。

米国政府が、米中経済摩擦の意義を国民に向けて説明し、中国が米国の覇権に対抗すべく、大掛かりな技術窃取に踏み切っている事実を説明すれば納得して、政府に協力するであろう。

以上のような、「義」と「政治的耐性」の二点からみれば、米国が有利と見られる。だが、中国政府の国民を煽る術はすごいものがある。政府が音頭をとって、米企業製品の「不買運動」や米企業への立ち入り調査など嫌がらせ戦術は手慣れたものだ。韓国企業は、「THAAD」問題で、徹底的に痛み付けられた経験がある。米国企業に対しても、それに近いことを始めるのでないか、と思われる。(
http://2013tora.jp/kabu411.html




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中国空母艦載機に欠陥=墜落事故4回、代替機を開発―香港紙
7/5(木) 14:53配信 時事通信

 【北京時事】5日付の香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストは、中国の空母艦載機「殲15」の欠陥による墜落事故が相次ぎ、代替機の開発が進められていると報じた。

 中国軍に近い関係筋は同紙に対し、「殲15は操縦系統が不安定だ」と指摘した。習近平指導部は空母を中心とする艦隊の整備を急いでいるが、性能や運用能力については疑問視されてきた。

 殲15はロシアのスホイ33を基に設計され、中国初の空母「遼寧」に配備されている。同紙によると、中国軍に近い2人の関係筋は、殲15の墜落事故が少なくとも4回発生したと明らかにした。しかし、中国国営メディアは2件の事故しか報道していない。

 2016年4月に発生した事故は操縦系統の故障が原因で29歳のパイロットが死亡した。また、これに近い時期に起きた事故で40代とみられるパイロットが重傷を負った。当初、中国の航空専門家は殲15の設計上の問題ではないという立場を取っていたが、連続して事故が起きたため欠陥があることを認めたという。

 殲15に代わる艦載機としては、ステルス戦闘機「殲31」が想定されている。殲31は殲15よりも小型で重量も軽いとされ、12年に初の試験飛行を行った。 




6. 中川隆[-13466] koaQ7Jey 2018年7月14日 19:48:17 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-16576]

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中国共産党を崩壊させて中国を民主化することが世界のためになる │ ダークネス:鈴木傾城
https://bllackz.com/?p=4536

中国がアメリカのハイテク企業の知的財産を根こそぎ盗んで自分たちのものにして儲けているというのは全世界が知っているのだが、今までアメリカはそれを許容してきた。

なぜなら、中国には約14億人の人口があって、それが巨大な市場となっているからだ。

アメリカが今まで中国の盗みと中国の成長を許容してきたのは、中国市場に参入するためでもあった。実のところアメリカの多国籍企業は、今もなお中国の市場に秋波を送り続けている。

ところが、アメリカの多国籍企業にとって大きな障壁がある。それが「中国共産党」という独裁政権だ。

この独裁政権は中国の発展のために国家方策でアメリカの技術を盗んでパクリ製品、パクリ・サービスを生み出してきた。たとえば、ファーウェイやZTEはアップルの真似。ウェイボーはツイッターの真似。アリババやJD.comはアマゾンの真似。バイドゥはグーグルの真似である。

中国の市場を自分たちのパクリ製品で独占し、アメリカの多国籍企業が中国市場に入り込まないようにしていた。それだけならまだしも、中国は今度はこのパクリをアメリカ本土に売り込み始めたのである。

技術を不正な手段で盗んでおいて、中国市場はアメリカに開放せず、さらにアメリカ市場に自分たちのパクリ製品を売り込むのだ。これが中国のやっていることである。



7. 中川隆[-13465] koaQ7Jey 2018年7月14日 19:50:31 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-16576]

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中国に知的財産を盗まれて報復するアメリカ、泣き寝入りする日本 │ ダークネス:鈴木傾城
https://bllackz.com/?p=1022

日本企業は中国・韓国に「技術供与」した。その結果、あらゆる技術が盗まれて、日本の技術企業は大ダメージを受けた。家電メーカーも多くが価格競争に巻き込まれ、経営が悪化し、日本人を片っ端からリストラしてきた。

技術供与するというのは、「成功するコツ」を手取り足取り教えるということだ。当然、彼らが成功すると日本のライバルになる。そんなことは分かりきったことだ。

そうすることによって、これらの国の企業に一切合切が盗まれて自分たちが窮地に落ちたのだが、技術が盗まれて敵になるという結末は思い浮かばなかったのだろうか。

日本はなぜ、わざわざ中国・韓国に技術供与したのか。

彼らに技術供与したのは、安い労働力を使うためには彼らに仕事を教えなければならなかったという現実的な理由があった。

それ以外にも、技術供与することによって、中国・韓国との関係が友好的になり、大きな東アジア友好圏を築き、共に繁栄するという意図もあった。



[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

3. 2018年7月27日 20:04:03 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1052]

>中国の産業政策は「ガイダンス」との位置付けで、国有企業はそれぞれ損益に責任を負う自立した市場主体と説明。一部産業の生産能力過剰要因は国家でなく、金融危機後の世界需要縮小に伴うもの

明らかに、国家主導の過剰投資だろう

その結果、民間部門のリスクは拡大している


 

中国に金融不安はありうるか 政府主導で当面回避。しかし、中長期的なリスクは蓄積
大槻 奈那 プロフィール

●中国の民間債務総額は、GDPより先に、2021年頃までに世界第一になる可能性。過去5年間の債務の伸び率は、景気行き過ぎの反動で苦境に立たされているアルゼンチン、トルコに次ぐ第三位。
●一方、6月の貸出伸び率は、過去最低を記録。社債デフォルトも過去最高へ。企業収益の減速が背景にある。更に不良債権の定義厳格化で、地銀等の経営を圧迫し、企業貸出を縮小させそうだ。
●今後貿易摩擦が悪化すれば企業収益に下方圧力がかかることは間違いない。しかし、中国政府は、いち早く様々な金融緩和の施策を打ち出していることから、危機に陥るリスクはごく低い。もっとも中長期的には金融システムのリスクの蓄積を招き、将来への不安を残すことになりそうだ。
中国の民間債務は引き続き上昇。債務残高世界一も近い
引き続き、中国の民間債務がGDP比で高くなっていることが懸念されている(図表1)。昨日公表された内閣府の「世界経済の潮流」でも、カナダと中国の債務の大きさが指摘されている。

このまま債務が増加していけば、現在世界第二位となっている中国の債務総額は、2021年頃までに米国を抜いて世界一となるだろう(図表2)。中国はGDPで世界一となるよりかなり前に、債務で世界一となってしまう。
特にこの5年間の中国の債務の伸び率は著しい。中国は、行き過ぎた景気が反転し、為替が急落しているアルゼンチン、トルコに次いで世界第三位となっている (図表3)。

こうした債務の膨張を背景に、中国の不動産市場は異常な活況を呈している。中国建設銀行の田国立・会長は6月の金融フォーラムで、中国の不動産の総資産規模は400兆元(約6,652兆円)以上と「天文的な数字」にまで膨れ上がったとコメントしている(因みに国土交通省によれば、日本全体の不動産総額は約2,600兆円)。
銀行融資は曲がり角に
ところが、今月13日に発表された中国の民間融資残高(企業・個人向けの合計)は185.8兆元、前年同期比9.89%増と、統計開始以来初めて10%を切った(図表4)。融資鈍化の背景には、企業収益の伸び悩みや、借入過多を懸念する政府の指導があったとみられる。実際、企業の利益の増加率と借入総額を比較すると、2010年頃までは概ね平仄があっていたのに、この数年は、融資増加のペースが利益を上回り、企業が身の丈以上に借入を増やしてきたようにみえる(図表5)。

懸念材料の一つに、中国企業の社債のデフォルト(債務不履行)の急増がある。6月末までの社債デフォルトは8件と、既に2017年通期のデフォルト数(10件)に近づいている。これまではあまりみられなかったITや電気通信分野などのニューエコノミー銘柄のデフォルトが増加し、全体の62%を占めるまでになった点は特筆すべきだろう(データはForbes)。オールドエコノミーの債務整理に留まらず、ニューエコノミーにも景気減速の波が訪れている可能性がある。
さらに米中貿易摩擦の行方次第では、中国の企業収益が一層落ち込み、社債デフォルトの増加に拍車がかかる可能性がある。
基準変更で不良債権比率は急上昇へ:地銀に経営リスク
加えて、中国では、不良債権の定義が厳格化されつつある。今年の6月までに、監督当局が検査を終え、新しい基準での処理を促した模様である。これまでは、不良債権とみなすべき「90日以上延滞債権」について、例えば、貸出期限を延長するなどして不良化を回避していた。今後はこうした措置は認められない。
こうした基準厳格化の結果、不良債権は全体で14%程度増加するとの試算がある。これによって、この数年1.75%程度に留まってきた不良債権比率は(図表6)2%程度に上昇する。これ自体は全く不安になる水準ではないが、増加が地方銀行に偏っているため、地方経済への影響は懸念材料である。

一部の地方銀行では、4%程度だった不良債権比率が、新基準導入でその5倍の20%程度まで増加するとみられている。これに応じた引当金の積み増しで巨額の損失が生じ、自己資本が激減し、中には債務超過に陥る地銀も出かねない。
なお、中国の中小銀行は、日本とは異なり、預金による調達の割合が低い(中小銀行の負債に占める預金の比率は57%。大手行は80%)。残りはインターバンクなど不安定な市場調達に頼っている点にも注意すべきだろう。
また、先週、シャドーバンキングに対する新たな規制強化策も中国当局から発表された。銀行は、理財商品について流動性管理やストレステストを行わなければならない。このような規制も、企業の借入の自由度を低下させるだろう。
政府主導で景気減速は回避。しかし金融システムの問題は先送り
このような金融市場へのストレスが、中国の景気減速を加速し、金融危機へとつながる可能性はあるだろうか。
これが他国であれば、その可能性は十分考える必要がある。しかし中国では、他の主要国に比べて財政・金融政策が極めて柔軟である。中央銀行の非公式の"窓口指導"も残っている。
具体的には、まず、中国当局は、今月から預金準備率を16.0%から15.5%に0.5%引き下げた。これによって11兆円程度貸出が増加するとみられている。また、6月末には、中国銀行保険監督管理委員会(CBIRC)が、中小企業の貸出金利を大幅に引き下げるよう、銀行に対して」通達を出したと報じられている。
23日には人民銀が大手銀行向けに、過去最大の5020億元(約8兆2千億円)を供給した。人民銀はこの資金を利用して「ダブルAプラス」以下の格付けの社債を購入するように市中銀行を指導する模様だ。
さらに25日には、中国人民銀行(中央銀行)が一部の金融機関に対し、各銀行の「構造的パラメーター」を0.5ポイント前後引き下げ、必要な資本バッファーを低下させると通知したとみられる(ブルームバーグ)。
こうした"あの手この手"の融資推進策がある限り、中国で企業が資金の過度なひっ迫に悩まされる可能性は低く、まして、金融危機が発生するシナリオは考えにくいだろう。
但し、景気が鈍化する中で銀行に貸出の拡大を促すことは、銀行のバランスシートを徐々に劣化させる。こうした政府の金融緩和策は、貿易摩擦による景気減速のショックを和らげる効果はあったとしても、将来的な金融システムのリスクを深刻化させかねないだろう。


4. 2018年7月28日 19:01:20 : E9dZg1sFJc : 4IE@FJrahzs[19]
吼えまくる 自国のことは 棚に上げ

5. 2018年7月31日 10:49:48 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1071]

寄稿】中国が負けるトランプ貿易戦争
自分へのダメージを競い合う「酒飲みコンテスト」
By Donald L. Luskin
2018 年 7 月 30 日 16:04 JST

――筆者のドナルド・ラスキン氏はトレンド・マクロリティクスの最高投資責任者

***

 ドナルド・トランプ米大統領が25日、欧州委員会のジャンクロード・ユンケル委員長と臨んだ共同記者会見において明確に伝わったメッセージがある。第三国の「不公正な貿易慣行」に対抗するために米国と欧州連合(EU)が協力すると発表したとき、誰を標的にしているのか分かるよう中国を名指しする必要さえなかった。米EU合意は中国の保護主義モデルを圧迫するだろう。この合意が結ばれる以前から、中国が既に白旗を揚げつつあることを示す証拠が散見された。

 確かに中国は、トランプ政権が関税を発動すると直ちに報復関税を課すなど、ある意味では強がっている。だが米国株が過去最高値に迫り、ドル相場が上がり続けるのに対し、中国株は軟調となり、1月から25%下落した。人民元は6月に対米ドルで月間下落率が過去最大を記録し、7月も同様に落ち込む見通しだ。中国の社債は過去6カ月間、記録的なペースでデフォルト(債務不履行)が発生している(それでも中国政府は今週、企業に一層の借り入れを促す新たな景気刺激策を発表した)。

 だからこそ中国人民銀行(中央銀行)の易鋼総裁は今月出した声明の中で、「中国経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)は健全だ」と(世界大恐慌時の)ハーバート・フーバー大統領のような発言をする異例の措置を講じたのだろう。また、人民銀金融研究所の孫国峰所長が、中国は「元相場を貿易紛争に対処する道具として使うつもりはない」と語ったのもそのためだろう。

 貿易戦争においては通貨安誘導が標準的な武器であり、トランプ氏が先週ツイートしたように、中国はこの武器を使っているとしてたびたび非難されてきた。中国の保有する1.4兆ドル(約155兆円)の米国債を放出する可能性があることを考えると、通貨下落の危険性は一段と高まる。だが元安容認の意図を否定したことにより、中国は自発的に武器を放棄した。これは平和主義に基づく高貴な行為ではない。そうせざるを得なかったのだ。元が下落すれば、投資家に敬遠される恐れがあり、それは新興国にとって存亡に関わる脅威となる。中国の国家資本主義モデルは一度も景気後退に見舞われたことがなく、もし資本逃避が生じれば、従来は隠れていた経済の弱点が一気に浮上する可能性がある。

中国は貿易戦争が本当の意味での戦争ではないことに気づき始めた
中国は貿易戦争が本当の意味での戦争ではないことに気づき始めた PHOTO: ISTOCK/GETTY IMAGES
 本来は時折起きる景気後退によって市場の規律が働くが、それがなければこうした経済の弱点は蓄積する。中国経済のもろさは経済成長率に表れている。借入比率の高まりにもかかわらず、また商品(コモディティー)や不動産への過剰投資が広がる中でも、同国の経済成長率は鈍化している。米国との貿易戦争がエスカレートすれば、中国は景気後退というまだ見ぬ領域に踏み込む可能性がある。資本逃避をきっかけに金融市場が崩壊し不況に陥るかもしれない。そうなれば失業率が4.3%以上を記録したことがない同国で大量の失業者が生まれかねない。そのようなシナリオを念頭に、中国政府は(暴動鎮圧のための)十分な数の武装警官がいるかどうか思案しているに違いない。

 資本逃避のリスクは現実にある。中国が前回、元安を容認した際は――2014年初めから元の下落が始まり、2015年半ばには事実上のドルペッグ制から通貨バスケット連動制に移行した――最終的に外貨準備が1兆ドル近く減少し、いまだに以前の水準に回復していない。今回の元安を受けて、再びある程度の資本逃避が起きているようだ。

 強硬な発言が一部から出ているものの、人民銀はさらなる資本流出を避けるため自発的に武器を放棄した。それは無理もないことだ。また人民銀は既に国内企業に対し、米国製品の輸入にかかる関税を払い戻すことを提案している。さらに海外の投資家への意思表示として、一部の業種で外国企業の出資比率を一方的に緩和することを発表した。

 中国は貿易戦争が本当の意味での戦争ではないことに気づき始めた。それはむしろ男子学生の社交クラブで行われる酒飲みコンテストに近い。つまり自分の番が回ってくると、相手よりも自分自身がダメージを受けるのだ。貿易戦争の場合、各国が自国民への負担が増す輸入関税を発動するが、それは自分たちの方が競争相手よりも痛みに長く耐えられると踏んでいるからだ。

 なぜそのようなゲームをするのか。慎重に選んだ自傷行為は、有意義な目標実現のための投資とみなされるからだ。例えば1980年代のレーガン政権下でのソ連との軍拡競争は、自ら高率関税を課したようなものだが、米国は結局、ソ連よりもこの重荷に耐える力が強かった。サムおじさん(米国)は最終的にロシアの熊より多くの酒を飲み干し、冷戦に勝利したのだ。

 米国は中国との貿易戦争にも同じやり方で勝利するだろう。人民銀の声明からは、中国が今以上に大量の酒を飲めば耐えられないと承知していることが分かる。唯一の疑問は、トランプ氏からイエスの答えを引き出すためにどんな条件を受け入れるつもりかということだ。中国が政府系メディアに対し、トランプ氏を悪者扱いするのをやめるよう命じたのは不思議ではない。当局は習近平国家主席がディール(取引)を結ぶことが不可避になった場合、その痛みを最小限に抑えようと必死なのだ。

 酒飲みコンテストに例えられるのはここまでだ。互恵的貿易の素晴らしい点はそれがプラスサムゲームであり、参加者全員が以前より良い状態になることにある。貿易紛争を通じて中国がより多くの外国人投資家や外国製品を受け入れ、世界貿易機関(WTO)のルールを順守し、外国の知的財産を尊重することを余儀なくされるならば、中国は敗北感を覚えるだろうが、実際は状況がよくなるはずだ。経済・政治の両面でこれほどの開放性が実現すれば、中国は数十年にわたり、成長の第2波を加速させる可能性がある。そうなれば今も農村部で貧しい生活を送る数億人の人々が輝かしい新たな都市部に流入するだろう。

 リチャード・ニクソン元大統領は中国を訪問し、20世紀にふさわしい道筋を指し示した。今度はトランプ氏が、貿易戦争という予想外の手段を使い、中国を21世紀へと案内する先導役を務めている。

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【第132回】 2018年7月31日 加藤嘉一 :国際コラムニスト
「台湾問題」が米中貿易戦争のカードになった場合の3つのシナリオ
米中貿易戦争解消のため台湾問題がカードして利用される可能性も
米中貿易戦争の行く末は? Photo:PIXTA
米中間の通商摩擦は
もはや「言葉遊び」の段階を過ぎている
「一部の人間が中米関係を撹乱させたがっているのは不幸なことである。彼らは中米経済貿易関係の真実を捻じ曲げ、台湾や他の中国の主権や領土保全に関わる問題にまで火種を拡散させようとしている。これはとても危険なことであり、我々はそのような動きに対して高度な警戒心を保持しなければならない」

 7月25日、米国ワシントンにあるシンクタンク、カーネギー国際平和基金で開催された米中関係のイベントで、崔天凱駐米中国大使がこう指摘した。米中間で貿易戦争をめぐる駆け引きや攻防が不透明に激化している現状の下、中国外務高官による発言であるだけに、筆者は真剣に受け止めた。

 前段落で“貿易戦争”という具合に「“ ”」を付けなかったのには明確な理由がある。

 それは、米中間ですでに貿易戦争が勃発した、米中間の通商摩擦はもはや言葉遊びをしていられる段階を過ぎているという背景を元にしている。もちろん、何をもって「貿易戦争」というのか、その定義とは何なのかをめぐっては唯一無二の解釈など存在しないだろうし、さまざまな時代、人々、業界、地域、局面によって異なる議論が展開されるべきだと考える。

 昨今の情勢・文脈において、いつ、どのようにして米中間で貿易戦争が勃発したのかという問題に向き合うために、まずは中国政府の担当当局である商務部の高峰報道官が7月19日の定例記者会見にて発表した次のコメントをご覧いただきたい。少し長くなるが状況整理・現状理解という意味で重要だと判断するため、翻訳・引用する。

「最近、米国側で複数の官僚が、対外的に中米交渉が亀裂した責任は中国側にあると宣伝しているがそれは事実ではない。実際、今年の2月以来中米間では前後4回に及び協議を行ってきた。中国側は終始最大限の誠意、協力とウィンウィンの態度を持って問題解決を推進してきた。特に5月19日には双方は重要な合意に達し、共同声明まで発表した。しかし、5月29日米国側が一方的に声明を発表し合意を破棄してしまった。6月初旬、双方はエネルギーと農業の分野で具体的な協力に関する合意に達したが、6月15日に米国側は再び合意を破棄し、7月6日には米国側は公然と貿易戦争を仕掛けてきた。7月11日、それはさらにエスカレートした。我々はこれらの状況に深い遺憾の意を表明すると同時に、このような単独行動主義と貿易覇凌(筆者注:「いじめ」の意)主義は受け入れられない。全体的過程を通じた実際の状況から見て、米国側で繰り返される信用の破棄こそが双方間の交渉の門が閉ざされてしまった原因である」

7月6日に米国側が「貿易戦争を仕掛け」
中国側が報復措置を取った
「2月以来4回に及ぶ協議」とは、(1)2月末から3月頭にかけての劉鶴・国務院副総理一行の訪米、(2)5月初旬、スティーブン・ムニューシン財務長官一行の訪中、(3)5月中旬、劉鶴国務院副総理一行の訪米、(4)6月初旬、ウィルバー・ロス商務長官一行の訪中を指している。

 7月6日の「貿易戦争を仕掛けてきた」というのは、米国側が知的財産権の侵害などを理由に中国からのハイテク製品や電子部品など818品目、総額340億ドル相当の商品に対して25%の関税措置をかけるという決定を、7月11日の「さらにエスカレート」とは米国側が中国からの2000億ドル相当の輸入品に対して10%の追加課税を行う用意があることを発表したのを指している。

 高峰報道官は、中国側が「米国が実際に340億ドル相当の中国商品に25%の関税をかける決定事項を発表したこと」を貿易戦争の勃発と認識する立場を明確に示唆した。

“この日”に備えて念入りな準備をしてきた中国は即日、大豆、綿花、食肉、自動車といった米国産品に同規模の関税をかけることを発表している。

 報復措置を取った=貿易戦争を受けて立った、と筆者は理解したが、念のため、本稿を執筆するに当たり、北京の中国外交部で対米交渉を担当する幹部とワシントンの駐米中国大使館に勤務する外交官の2人に「中国政府は7月6日を米中貿易戦争勃発日、言い換えれば“初日”と認識しているという理解で間違いないですか?」と確認してみると、2人も「そういう理解で間違いない」と返答してきた。

 中国側の理解と立場は、米中間で大小2回の合意に達したにもかかわらず米国側に裏切られ、揚げ句の果てに貿易戦争が勃発したということであるが、筆者は続けてこの2人に同じ質問をしてみた。

「この期に及んで、米国を信用した上で前向きに協議を続けますか?」

 2人は興奮するわけでもなく、冷酷に「いいえ」と返答してきた。上記の高峰報道官によるコメントの最終部分「双方間の交渉の門が閉ざされてしまった」とも合致する。

 要するに、7月6日以降の“現状”はそれまでの「貿易戦争を避けるという目標と大義が横たわる前提で互いに牽制・警告・批判し合っていた」段階から、「貿易戦争が勃発してしまったという結果と事実が立ちふさがる前提で互いにXX・YY・ZZし合っていく」段階に突入しているのである。

 7月6日の前後で、米中経済貿易関係をめぐる様相や空気感自体はそれほど変わっていないのかもしれない。

 しかし、それをめぐる段階と構造は180度変わってしまったと言っても過言ではない。私たちはそういう前提で米中貿易戦争の行方、そしてそれが及ぼす影響を観察していく必要があるということである。

中国は経済貿易問題に限れば
米国との貿易戦争に“徹底抗戦”する?
 XX・YY・ZZがどのようなものになるのかについては、今後の展開を注視していかなければならないと考えるが、参考までに7月26日に行われた商務部定例記者会見にて高峰報道官が「トランプ大統領が近日5000億ドル相当の中国からの輸入品に関税をかける準備ができていると主張しているが、商務部としてはこれにどうコメントするか」という記者からの質問に次のように答えている。

「これまで何度も強調してきたが、中国側として貿易戦争は戦いたくない。ただ貿易戦争を戦うことを恐れもしない。国家の核心的利益と中国人民の利益を断固として死守していく次第である。と同時に、我々は世界各国の貿易パートナーとの経済貿易協力を強化し、自由貿易の原則と多国間貿易体制を共同で守り、世界経済の健康的・安定的な運行を推し進めていきたいと考えている」

 筆者が推察するに、中国は少なくとも経済貿易問題に限って言えば、もはや米国を信用もしなければ前向きに協議を推し進めるつもりもない。ただ米国側から投げられたボールに対しては、それを無視するのではなく、一つひとつ、繰り返し中国側の立場と意思を表明していくものと思われる。

 その立場とは米国との貿易戦争に“徹底抗戦”するというものであり、意思とはトランプ政権が自由貿易システムや多国間主義を踏みにじるかのような“内向き”の言動や政策を取り続ける状況下で、途上国や新興国だけでなく、日本や欧州、特に米国の同盟国に接近し、経済貿易から関係を強化し協定を締結していく過程で、あるいはその結果として米国を“孤立”させ、自らの国際的影響力と発言権を向上させるという国家戦略である。

 そして、そんな戦略を支えるのが習近平国家主席の対外的野心とそれを“応援”する中国国内のナショナリズムというのが筆者の理解である。

 米中関係はどこへ向かっていくのだろうか。

「中米は依然として同じ船の上にいる」と主張する崔天凱駐米大使は、冒頭で記したイベントで「両国が直面している共通の挑戦は、中米関係が不確定性と未知の水域を乗り越えて、より良い形で両国と世界に貢献していくかである」と指摘している。

 筆者もそう思う。

 崔大使が言及した「不確実性」、そして「未知の水域」というのは、対米貿易戦争が今後どういう展開を見せていくのかに対する中国側の懸念と無関係ではないだろう。「この貿易戦争がどこに落ち着くのか、我々にも全く読めない」(前出の中国駐米外交官)

貿易戦争の過程で
台湾問題が取引のカードと化す!?
 日本の安定と繁栄に関わるより深刻な事態という意味で、筆者が注視し懸念する今後の展開として、貿易戦争が台湾問題と直接的にリンケージする、換言すれば、貿易戦争が展開される、あるいは解決される過程で台湾問題が取引のカードと化すことである。

 現段階でもそれはすでに潜在的なカードであり、米国側はそれを選択肢として練り、中国側はシナリオとして考えていることと察する。

 仮に、米国側が中国側に対して「すべての報復措置を取りやめてほしい。さもなければ、これまでもトランプ政権として構想にあったように、近いうちにジョン・ボルトン国家安全保障問題担当大統領補佐官を台湾へ派遣する。ただ我々も中国側が固執する“一つの中国”政策を理解している。故に派遣には慎重になるつもりでいる。そのためにもぜひ報復措置の取りやめを検討してほしい」と迫ってきた場合、中国側はどう反応・対応するだろうか。

 このシナリオをめぐって、現在筆者は中国の党・政府・軍・学術関係者らと議論を重ねている。今後機会があれば議論の中身も何らかの形で紹介したいと考えているが、ここでは中国側の反応・対応として考えられる3つの可能性を簡潔に書き下し、本稿の結びとしたい。

 どの可能性が高いか、最も現実味を持つかに関しては読者の皆様一人ひとりのご想像にお任せする。筆者自身は今現在も観察・思考・議論の最中であり、少なくとも確定的な回答は持ち合わせていない。

 (1)米国側の要望を受け入れ、報復措置を取り止める。中国は“一つの中国”という核心的利益を死守する代わりに貿易戦争で妥協したことになる。

 (2)米国側の要望を拒否し、ボルトン補佐官の台湾訪問が現実化する。中国は米国によって核心的利益が脅かされるのを容認したことになる。

 (3)(2)を受けて、米国によって核心的利益が踏みにじられたという“被害者”としての立場を国内外に訴えつつ、これを機に、中国共産党としての念願である“祖国統一”“台湾奪回”を実現するための行動を取る。

(国際コラムニスト 加藤嘉一)


 

米EU通商協議に早くも亀裂、農産物で解釈にずれ
26日、アイオワ州で地元の経済人との討論会に参加したトランプ大統領
26日、アイオワ州で地元の経済人との討論会に参加したトランプ大統領 PHOTO: SCOTT OLSON/GETTY IMAGES
By Jacob M. Schlesinger in Washington and Emre Peker in Brussels
2018 年 7 月 28 日 09:18 JST 更新

 米国と欧州連合(EU)が合意した通商協議を巡り、早くも双方の隔たりが浮き彫りとなっている。ドナルド・トランプ米大統領は26日、通商問題でEUと「画期的な合意」に達したとして、先のジャンクロード・ユンケル欧州委員長との会談の成果を誇示。だが欧州当局者は27日、トランプ大統領と側近らは、新たな協定の交渉範囲を誇張しているとして反論した。

 トランプ大統領は26日、遊説先のアイオワ州で、「われわれは米農家のために、欧州市場を開放した」と主張した。

 これに対し、欧州委員会のミナ・アンドリーバ報道官は27日、「農業は通商協議の範囲外であることをわれわれは極めて明確にしてきた」と指摘。「農産物については交渉しない」と述べ、トランプ大統領の発言内容を否定した。アンドリーバ報道官はEUの交渉団の一員として、今週ワシントンを訪問している。

 25日の米・EU首脳会談の結果を巡り、双方の解釈にすでに違いが出ていることは、合意がいかに曖昧であったかを物語っており、今後細部について交渉を進める中で、再び亀裂が表面化する恐れがある。

 互いに関税を発動するなど米国とEU間の通商紛争が激化する中で、トランプ、ユンケル両氏の合意は休戦に相当すると受け止められていた。

 両首脳は25日、関税・非関税障壁・補助金の削減に向けた交渉を開始することで合意したと発表。米国は交渉期間中は、発動の構えを見せていた自動車関税の棚上げを表明する一方、双方は最近発動した通商障壁の解消に向けた方策を協議することで合意した。

 米国・EU当局者とも、2つの具体的な農産物が議題に上がったことでは意見が一致する。欧州側は、25日の首脳会談以前から、米国産の高品質牛肉の輸入拡大に向けて米国側と協議していたと明かす。これに加え、欧州側は米国産大豆も輸入する考えを示した。米国産大豆に対しては、中国が対米報復措置として関税を発動しており、トランプ大統領にとっては、政治的な急所となっていたためだ。

 だが欧州当局者は、ホワイトハウスの首脳会談でも、この牛肉・大豆以外の農産物は今後の協議には含めないと明確にしていたと話す。

 欧州が通商交渉を行う上で、農産物はとりわけフランスにとり、最もセンシティブで難しい問題だ。欧州と米国は長年にわたり、欧州の関税や、米国のホルモン剤・遺伝子組み換え作物使用などを巡り、対立してきた。トランプ大統領の側近が交渉の範囲を工業製品から農産物まで広げようとした際、欧州当局者は米国に対し、政府調達における「米国製品の優先購入義務づけ(バイ・アメリカン)」条項を撤回するよう要求する構えを見せたという。これはトランプ政権にとっては、決して要求を受け入れることのできない、いわば聖域だ。

 ユンケル氏は会合後、記者団に対し、米国は「すべての農産物を含めるよう強く主張した」と明らかにした。その上で「われわれはこれを拒否した。私はその負託を受けていないし、欧州にとっては大変センシティブな問題だ」と語った。

  共同声明では、双方は「自動車以外の工業製品について」関税、補助金、非関税障壁を段階的に廃止する目標を共有しているとしか言及されていない。だが声明文は同時に「農家と労働者に市場を開く」とも指摘している。

 トランプ大統領と側近らは、欧州側とは異なる解釈を示しているようだ。ロバート・ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は26日、上院委員会で「われわれの見解では、農産物についても協議する。以上だ」と述べている。

 トランプ大統領には、通商交渉の成果を誇示する政治的な動機がある。米農家はこのところ、トランプ政権の強硬的な通商政策を強く批判しており、貿易相手国による報復措置の主要な標的に上がっている。

 米国とEUの通商交渉において、農産物は常に大きな争点となってきた。オバマ前政権が進めていた米国とEUの環大西洋貿易投資協定(TTIP)交渉でも、公的部門調達などと並び、農産物が大きな障害となり、交渉がとん挫した経緯がある。


 

 

「米欧休戦」から読む、日米貿易協議の行方 TPPベースの「日米EPA」を目指せ
細川昌彦の「深層・世界のパワーゲーム」


2018年7月31日(火)
細川 昌彦


7月25日に開催された米欧首脳会談に挑む、ユンケル欧州委員長(左)とトランプ米大統領(写真:AP/アフロ)
 米欧間の貿易摩擦は、首脳会談で当面の摩擦拡大を回避した。メディアは、「ひとまず『休戦』を演出」と言う。しかし、そこには報道だけでは見えてこない本質が潜んでいる。それは、これから始まる日米の新貿易協議(FFR)への示唆だ。

合意にない「自動車と農産物」にこそ本質がある
 まず米欧首脳会談の合意では、「自動車を除く工業製品の関税、非関税障壁、補助金の撤廃に取り組む」という。これをどう読むべきか。

 むしろ、この対象外である「自動車と農産物」こそが、米欧間の貿易摩擦の本丸だ。

 自動車の関税撤廃は米国が難色を示して除外された。これは欧州連合(EU)の高等戦術の結果だ。トランプ大統領はEUが課す10%の自動車関税を批判して、EUが譲歩しなければ、20%の追加関税を課すと脅している。これに対して、EUは米欧双方で自動車の関税を撤廃することを提案した。これは米国を逆に揺さぶることになる(参考:「メガFTA」が対米、対中戦略を左右する)。

米国のアキレス腱は「ライトトラック」
 実は米国は自動車分野にアキレス腱を抱えている。それは米国で言うところの「ライトトラック」だ。

 米国は乗用車の関税は2.5%だが、ビッグスリーの儲け頭であるピックアップトラック、SUV(スポーツ用多目的車)などを「ライトトラック」として25%の関税をかけている。米国はこれを死守したいのだ。乗用車では収益を上げられないビッグスリーにとって死活問題だ。米国は50年以上も前からこの高関税を譲らない長い歴史がある。

 米国の「ライトトラック」へのこだわりは尋常ではない。

 かつてTPP(環太平洋経済連携協定)交渉でも、29年間25%を維持して、30年後に撤廃することで合意した。信じられないぐらい先だ。先般の米韓自由貿易協定(FTA)の再交渉でも、韓国に対して鉄鋼の追加関税の脅しを武器に圧力をかけて、「2021年までに撤廃する」とされていたものを、20年先延ばしして2041年までにした。EV(電気自動車)などの台頭で激動の自動車産業は30年後には様変わりで、そんな先の関税撤廃を約束してもほとんど無意味だ。

自動車は単なる「交渉カード」であることが露呈
 さらに言えば、トランプ大統領は自動車関税を単なる「交渉カード」として使っているに過ぎないとも見ることができる。「自動車関税の相互撤廃」というEUの揺さぶりで、それが露呈しただけだ。「今回EUから譲歩を得られたのも、自動車関税での脅しが効いたからだ」とロス商務長官は正直に吐露している。まだこの脅しのカードを米国は手放したくないのだ。EUは「交渉が続く限りは自動車への追加関税はない」と説明するが、これを裏返して米国から言えば、「脅しのカードを持ち続けて交渉する」というものだ。

 他方、EUの守りたい本丸は農産物だ。農業国フランスの抵抗もあって、大豆の輸入以外、農産物については今回の合意には全く触れられていない。「貿易障壁の撤廃を話し合う対象から農産品は除外された」とする報道は、EUサイドからの都合のいい説明を鵜呑みにしたものだ。

 米欧の本丸である自動車、農産物はまだこれからの交渉なのだ。合意文にも、「これは対話のスタートであって、多くの他の産品、問題に今後取り組む」とされている。従って「自動車は棚上げ」「農産物は交渉の対象外」という報道は表面的過ぎるだろう。

日米交渉での自動車問題をどう見るべきか
 これは日本にとっても参考になる。

 自動車分野は米国の自動車関税が攻められる立場にあるにもかかわらず、「相手国の自動車市場を攻めることによって、これを回避する」というのは米国の常套手段だ。攻撃は最大の防御なのだ。昔から日本市場に対して非関税障壁の閉鎖性といって難癖をつけ続ける理由はそこにある。そもそもビッグスリーは日本市場から撤退しつつある。こうした難癖には右往左往せず、米国のアキレス腱を堂々と突くのが正解だ。

 かつて1995年に締結された日米自動車協定が2000年に期限を迎えた。そこで米国は再延長を強く求めてきたが、当時交渉担当だった私はこれを拒否した。その際、やはりこのアキレス腱を突くのが効果的だった。

 日本のメディアは米国の主張をそのまま伝えて、日本の自動車市場が議論の焦点であるかのような報道をするが、これでは米国の思うつぼだ。8月から始まる日米のFFRを巡っても、そういう自虐的な報道には注意したい。米国は自動車の脅しを単に「交渉カード」として使っているのだ。

日米新貿易協議での米国の本音は何か
 日米のFFRは7月中にも開催と報道されていた。日本のメディアも今か今かと待ち構えていたが、なかなか日程が決まらずヤキモキしていたようだ。

 北米自由貿易協定(NAFTA)の見直し交渉についてメキシコの新大統領が予想に反して柔軟姿勢を見せたことから、米国もNAFTA交渉を優先することにしたようだ。

 また、現在行われている自動車の追加関税引き上げのための商務省調査の大統領報告を公表して、「脅し」に現実味と迫力を持たせてから交渉に臨んだ方が効果的との計算も働いたようだ。

 日本に対してもEU同様、自動車の追加関税は「脅しの道具」だ。

 しかし、自動車分野で日本がやれることは限られる。日本の自動車メーカーによる対米投資を増やすことで、米国での雇用に貢献することをアピールすることぐらいだ。ただし、これは今までの日米首脳会談でも切ってきたカードで、限界もある。

 他方、米国の要求の本丸は農産物市場だ。中間選挙を控えて、米国抜きTPP (TPP11)によって相対的に不利になる米国畜産業界などの不満解消が急務だからだ。日本としては米国に対して「TPPレベルまでの関税引き下げ」というカードを切るかどうかがポイントになる。

 ライトハイザー米通商代表は7月26日、議会の公聴会での証言で、「日米FTAを交渉すべきだ」として改めて意欲を示した。多くのメディアは、米国の狙いは日米FTAだと報道したが、この発言の意味するところを正確に理解する必要がある。

 ライトハイザー米通商代表がこう発言するのは、二国間で農産物の関税引き下げは、FTAという道具立てがないと世界貿易機関(WTO)の制度上できないからだ。FTA自体が目的ではなく、あくまでも米国が欲しいのは「農産物の市場開放」という果実だ。FTAはそのための手段に過ぎない。

TPPを内容とする「日米EPA」を
 ここが日本の考えどころだ。

 FTAにするためには、農産物だけでは成り立ち得ない。TPP交渉で農産物とパッケージで合意した自動車も当然含めて、大部分の製品をカバーしたものでなければWTOの制度上FTAとならないからだ。従って、米国にはTPP交渉で獲得した、米国の自動車関税の25年での撤廃を当然要求すべきだ。そして仮に米国が農産物でTPP以上の要求をしてきたら、もちろん拒否すべきだが、日本も米国の自動車関税の撤廃を25年よりも前倒しして要求すべきだ。

 この協議の名称「FFR=Free, Fair and Reciprocal」通り、日米が相互的(reciprocal)である必要があり、こうした要求は当然だ。

 さらに言えば、先進国間のFTAとしては、関税だけでなく、TPPで合意したような電子商取引や知的財産権などのルールも含めることによって、日欧と同様に経済連携協定(EPA)にすることが肝要だ。これも広義のFTAだ。しかし本来そういう交渉は日欧EPAのように何年もの歳月を要する。米国は決してそれを望まず、短期的成果を求めよう。本格的議論をする余裕もないだろう。

 しからば、既に交渉結果として合意した経緯のあるTPPの内容をほぼそのまま「日米EPA」とすればよい。

 米国のTPP撤退を受けて、TPP11では参加各国が米国に対して譲歩した知的財産権などの項目が凍結されている。これらも日米間では解凍して、日米EPAに含めることにするのだ。その中には、中国を念頭に置いたルールも含まれているので、これらを含めることはTPPのルールをグローバル・スタンダードにするうえで大きな意味がある。また日本にとっても、TPP11とその拡大、日欧EPAを合わせて、グローバルにルール重視の通商戦略を展開することになる。

 問題はそれによって将来、米国がTPPに復帰する誘因を減殺しないかどうかだ。まだTPP11は日本の国会承認は終わったものの、未だ発効していない段階では、他のTPP11参加国が反発しないかも気になるところだ。これらを慎重に見極めたうえで判断することが必要だ。

 なお、こうした対応は米国の自動車の追加関税を逃れるためではないが、少なくともこの交渉をしている間は、米国が日本に対して発動しないのはEUと同じだ。

大豆とLNGの輸入増は本当か?
 私は、「EUが米国から大豆と液化天然ガス(LNG)の輸入を増やす」という譲歩のカードを切ったという報道を聞いて、最初、耳を疑った。EUは中国と違って市場経済だ。中国のような、国家が国有企業に買い付けさせられるような国家資本主義の国なら買い付けの約束もできようが、どうやってコミットするのか。

 しかし、よくよく合意内容を読めば、合点がいった。実はEUが買い付けを増やすとコミットしたものではなかったのだ。ユンカー欧州委員会委員長にはそんな権限はない。

 大豆は「貿易障壁を減らして貿易を増やすために米欧双方は取り組む」というものだ。それをトランプ大統領は選挙民に対して「EUに買わせた」と、誇らしげにぶち上げているだけだ。LNGもEUが調達先を多様化するために要望し、「米国が欧州の購入を容易にする」というものだ。

 全然ニュアンスが違う。中国の「いくら購入する」とコミットする、いわゆる管理貿易と同列に受け止めてはいけない。もう少し正確に報道してもらいたいものだ。

 同じく市場経済の日本も、政府がコミットできるのは防衛装備品の調達ぐらいだ。

メディアが見過ごす、今後の国際秩序への布石
 重要であるにもかかわらず、日本のメディアが注目していないことがある。WTO改革と、知的財産権の侵害など不公正な貿易慣行などの「中国問題」にも、米欧が連携して対処することを表明したことだ。

 いずれもトランプ大統領自身の関心事項ではないのは皮肉なことだが、それにもかかわらずEUが盛り込ませたことは重要だ。

 WTO脱退にもしばしば言及するトランプ氏を念頭に置いて、日本と欧州が米国をWTO秩序につなぎ止めなければならない。そのためにはWTOの改革は急務だ。

 さらに中国を念頭に置いて、知的財産権の侵害、補助金、国有企業による歪み、過剰生産問題を米欧が日本など他の有志国と一緒になって共同歩調で取り組むことを明記したことも重要だ。これは5月末の日米欧三極貿易大臣会合で合意した内容である。しかしトランプ大統領がその意味を理解しているようには思えない。そこで今回トランプ大統領に認識させたことに意味がある。

 今後、日本にとっても重要な意味を持ってくる。日本はEUと連携して米国に働きかけており、これらはFFRでも当然重要なテーマになる。日本のメディアももっとこの点に関心を持つべきだろう。


このコラムについて
細川昌彦の「深層・世界のパワーゲーム」
経済産業省(旧通商産業省)で日米の通商交渉などを長らく担当してきた細川昌彦氏(中部大学特任教授、元・経済産業省米州課長)が、米国、中国、欧州、そして日本など世界の大国間で繰り広げられるパワーゲームの深層を読み解く。2017年2月から日経ビジネスオンラインの「ニュースを斬る」でトランプ外交などを中心に解説してきた人気コラムニスト。

 


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