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露政府に殺されたと西側メディアが宣伝したジャーナリストが元気な姿を見せた
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201806010000/
2018.06.02 櫻井ジャーナル
ウクライナでアルカディ・バブチェンコなるジャーナリストが殺され、その黒幕はロシアだという話を西側の有力メディアが伝えていた。例によって証拠はなく、公開された現場の写真には「血」らしきものが写っているのだが、鮮やかな赤色で不自然だった。ロシアを攻撃する材料にはなりそうな話なら西側の有力メディアは飛びつく。そして数日後、バブチェンコは元気な姿を人々の前に見せ、話題になっている。殺人事件は完全だでっち上げだったのだ。
このでっち上げ事件の特徴はすぐに種明かしをしたところにある。セルゲイ・スクリパリとその娘のユリアのケースではテレサ・メイ英首相をはじめとするイギリスやアメリカの政府や有力メディアが同じように証拠を示すことなくロシアを名指しで非難していた。このケースでは種が見えても種はないと言い続けている。
イギリス政府はノビチョク(初心者)という神経ガスが使われたと主張していたが、これは1971年から93年にかけてソ連/ロシアで開発されていた神経物質の総称。ロシアでこの名称が使われることはないと指摘する人もいる。イギリス政府がこの名称を最初から使った理由は、ロシアとの関係を強調したいからだと見られている。その後、使われた化学物質はA-234だとされた。
この神経物質の毒性はVXガスの10倍だという。VXガスの致死量は体重70キログラムの男性で10ミリグラムと言われているので、ノビチョクは1ミリグラム。どういう形で散布したと想定してるのか不明だが、周囲に被害が及んでいないのは不可解。しかもスクリパリ親子は回復している。娘はロイターのカメラの前に現れた。質問は禁止されていたようで、状況を聞くことはできなかったが、元気そうに見えた。昏睡状態だった人がこれだけ短時間に回復したのは驚異的だ。
ということで、化学兵器による攻撃という話自体が嘘で、ふたりは拉致されたのではないかと疑われている。イギリス政府が娘をカメラの前に立たせた理由は、そうした疑問を持つ人が少なくないからだろう。
バブチェンコはウラジミル・プーチンに批判的なロシア人。母方の祖母がユダヤ人だったこともあり、2017年にロシアを出国してからチェコを経由してイスラエルへ入ったとされている。そこからウクライナへ入り、そこでATRというテレビ局で働き始めた。ここはアメリカ大使館のメディア開発基金から資金が出ていることが公表されている。
ウクライナの治安機関SBUが関与したバブチェンコの暗殺劇のプロットは、ロシアの治安機関FSBがウクライナ市民を殺し屋探しのために雇い、その市民が殺し屋を雇い、その殺し屋がSBUに通報、仲介役の市民を逮捕するために殺人劇を仕組んだというのだが、大多数の人は、なぜ殺人劇を演出する必要があったのかわからないだろう。
この仲介役の市民は狙撃用のライフルを製造している会社の経営者でSBUと関係があり、殺し屋だとされた人物はウクライナ東部で反クーデター勢力と戦っていて、ネオ・ナチの可能性がある。発端は会社の融資を巡る争いだったという見方もある。
ウラジミル・プーチン露大統領は慎重で、軍事的な挑発に乗ってこない。国内に強力な第5列を抱えていることもあるだろう。そこで西側の政府や有力メディアは明らかな嘘で軍事的な緊張を高めてきた。ロシアは反撃してこないとネオコンは湾岸戦争のとこきから主張しているが、その信仰が深くなったのかもしれいない。今回の茶番劇もそうしたプーチンの慎重な姿勢と西側の傲慢さが招いたとも言えそうだ。
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