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前澤社長が火消しに躍起でも「ZOZO離れ」の懸念が消えない事情
https://diamond.jp/articles/-/192855
2019.2.2 週刊ダイヤモンド編集部 岡田 悟:記者
決算予想の下方修正を余儀なくされたZOZO。前澤社長は「ZOZO離れ」の影響は軽微とするが、その深層は―― Photo:AP/AFLO
水玉模様のZOZOSUITをテコにしたプライベートブランド事業が不発に終わり、決算予想の下方修正を迫られたZOZO。前澤友作社長は、順調に伸びているEC事業で年末からあらわになった“ZOZO離れ”の火消しに躍起だが、出店者側の不満はくすぶっている。(「週刊ダイヤモンド」編集部 岡田 悟)
「1255ショップ中、42ショップ」――。1月31日に2019年3月期第3四半期決算を発表したZOZOの前澤友作社長は、同社が運営するECサイト「ZOZOTOWN」で昨年末に始めた、定額の有料会員が10%割引となるサービス「ZOZOARIGATO」を受けて、昨年末から年明けにかけて大きく報じられたオンワードホールディングス(HD)のように、値下げを嫌って店舗の撤退や販売停止など、いわゆる「ZOZO離れ」をした同日時点の店舗数をわざわざ冒頭のように、アナリスト説明会の場で明らかにしたのだ。
前澤社長は「ショップ数ベースで3.3%、取扱高ベースでは1.1%。メディアの論調は大丈夫かというものでしたが、業績に与える影響は極めて軽微」と説明。「オンワードHDの取扱高への影響は0.5%」と付け加えるのも忘れなかった。
同社は、顧客に無料配布した水玉模様の体形計測用スーツ「ZOZOSUIT」の費用や、これを用いて購入するプライベートブランド(PB)商品の販売不振により、今期通期の連結売上高予想を19.7%減の1180億円、当期純利益も36.4%減の178億円に下方修正した。一連のZOZOSUITやPB事業による赤字額は、125億円に上る。
「実るほど首を垂れる…」の指摘に前澤社長は
そんな中でZOZOARIGATOのスタートは取扱高の増加に貢献しており、前澤社長は「これは良いニュース」と胸を張ったのだ。
しかしそんな姿勢に、出席したアナリストからすかさずツッコミが入った。
例えばドイツ証券の風早隆弘調査副本部長は、ZOZOTOWN事業が出店者であるアパレルメーカーやセレクトショップとの信頼関係によって成り立っているとしたうえで「(撤退店舗数が)取扱高に占める割合が少ないからいいという問題ではない。『実るほど首を垂れる稲穂かな』と言う。今後、彼らとどのようにコミュニケーションをとるのか」と質問した。
前澤社長は撤退を「遺憾で悲しく思う」としながらも、「リアルのショッピングビルは、カードを持っていると何%オフとやっている。なぜ今まで(ZOZOで)やって来なかったのか、という声もあるくらいだ」と反論。
もっとも「ルミネカードで10%オフ」は年数回の期間限定であり、通常時のルミネカード会員の割引は5%オフだが、それはさておく。
前澤社長はZOZOARIGATOの値下げの原資をZOZOが負担していることから「出店者が負担する(値引きの)クーポンよりもいい、との(出店者からの)声もいただく」と強調。値下げのイメージを嫌う出店者については、ZOZOTOWN上で10%値下げ後の価格を表示しないようにできる仕組みを2月中に導入するなどの配慮を示し「ブランド(出店者)の意見に沿う収束モードになっている」と話した。
果たしてそうか。
突然、二者択一を迫られたアパレル
「かなり突然で、トップダウンで来た感じがした」――。あるオンワード首脳は、昨年ZOZOからもたらされた、ZOZOARIGATOに参加するか、ZOZOTOWNから撤退するかの二者択一の要請について、こう振り返る。
恒常的な値下げというZOZOARIGATOの仕組みに加え、こうした高圧的とも取れる姿勢がオンワード以外のアパレル各社の反感を買った可能性は想像に難くない。
現時点でZOZOから撤退していないある有力セレクトショップ首脳も本誌の取材に、こうしたZOZOの姿勢を批判し「これからZOZO離れは確実に広がっていく」と言い切った。
ZOZOと出店者の関係については、最盛期の総合スーパーによる値下げ販売でメーカー側が疲弊しつつも、売り上げ確保のために商品を納めざるを得ない構図に例える見方がある。売り上げ減、利益率の低下に悩むアパレル業界で“ZOZO依存”から抜けられないアパレルは少なくないだろう。
しかし、やや異なる問題も生じている。オンワードHDなど強い経営基盤を持つ一部のアパレルやセレクトショップは、自社ECの黎明期こそサイト構築から物流までZOZOの支援を受けていたが、その間に人材やシステムに投資し、ノウハウを吸収して、今ではZOZOに頼らない完全自社ECを実現。同社に依存する必要性は薄れている。そんな中、ZOZOTOWNで自社の商品を恒常的に値下げされれば、利幅の大きい自社ECから客を奪われるため看過できない。
ZOZOより値下げで「客が流れる」と前澤社長
一方で前澤社長によると、自社ECでZOZOTOWNよりも安く売っている出店者もいるといい「うちからお客さまが流れる」と懸念を示した。出店者との“共食い”がすでに始まっている現実を認めたのだ。
セレクトショップの雄であり、ZOZOTOWNの草創期に出店してむしろZOZOの成長を支えたともいえるユナイテッドアローズは、今なおZOZOの支援で自社ECを運営しているが「最近では低価格の商品しかZOZOTOWNに出していない」(アパレル業界関係者)と言われており、やはり距離が感じられる。
「自社で顧客を囲い込みたいという出店者とはいつか、意見の相違が出る。今後の方向性を考えるいいきっかけになったと思う」――。前澤社長はこんなドライな感想も口にした。
さしあたり取扱高を伸ばしているZOZOTOWNだが、ほころびの予兆は消えない。第二の成長の柱となるはずだったPBが「最低でも収支トントンの低リスク中リターン事業へ」(ZOZOの決算説明会補足資料)と一旦縮小を余儀なくされた中、主力事業であるZOZOTOWNでどのような戦略を打ち出すのだろうか。
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