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「車が売れない」時代到来、燃え上がる“コネクテッド”競争
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190131-00035954-biz_plus-bus_all
ビジネス+IT 1/31(木) 7:10配信
CES2019講演ではIDCが調査した調査結果も公表された
自動車、特に乗用車が売れない時代だといわれる。オートモティブニュースによると、米国の2018年の新車販売は前年比で微増したものの、販売数が増えたのはSUV(多目的スポーツ車)やクロスオーバー、ピックアップトラックのみで、乗用車は3割近い下落を見せている。もはや「新しい車をデザインして売る」というビジネスモデルは成り立たなくなった。自動車メーカーが将来の成長を目指すために取り組むべきこととは一体何だろうか?
●自動車業界再編の鍵を握る「データ革命」
調査会社IDCで次世代自動車ビジネスに関するリサーチ・マネージャーを務めるマット・アルカロ氏は、「CES 2019」期間に開催された同社のカンファレンスで「自動車メーカーは次なる成長をどこに求めるべきか」を問うプレゼンテーションを行った。
同氏によると、顧客は「車が路上でどのようなパフォーマンスを行うのか」ということよりも「車で何ができるのか」というテクノロジーにより重点を置き始めているという。
車をネットでつなぎ、車両データや周辺データを収集・分析して活用できるようにする「コネクテッドカー」というコンセプトが話題になって久しい。アルカロ氏は「車のデータ革命は今始まったばかりであり、いかにデータを使いこなしてユーザーに便利さを提供できるかが、今後の自動車メーカーの成長の鍵となる」と語る。そのためにはデータやコネクション関連を受け持つOEMサプライヤーの存在が重要となり、メーカーがどのサプライヤーと組み、どんなシステムを利用するのかという業界の再編が今後ますます進むことになる。
●“コネクテッド”で変わる保険、マーケティング、そしてUber
では、車内エンターテイメントシステムやメールの送受信などの機能以外に、車とデータを結ぶことでどのようなサービスが可能となるのだろうか。
まず考えられるのは、車の実際の利用時間や距離をリアルタイムで送信し、それに応じた保険やメーカー保証サービスを提供することだ。現時点で実際の走行距離に応じた変動制月額保険を提供する企業は複数あるが、大手ではまだまだ「年間1万マイル以下か、以上か」など大雑把な査定が行われている。自動車メーカーが提供する保証も「5年で5万マイル」といったものが多い。これらをリアルタイムデータを車から集めることで、実際に走行したマイル数に応じたフレキシブルなサービスが可能となる。
マーケティングの観点から見ると、車の位置情報やドライバーの日ごろの嗜好に合わせ、その場に最もふさわしい宣伝広告を送信することが可能となる。たとえば、ドライバーがラスベガスの中心を走っているとすると、付近のホテルやレストラン、ドライバーが好むブランドを扱う店の宣伝を流すことができる。
また商用車であれば、需要とデリバリーをマップ化し、一日のどの時間帯に顧客からの注文が多く、デリバリーにどれくらいの時間がかかるのかを予測できるようになる。Uber Eatsのようなフードデリバリーサービスが今後も発展すると考えると、注文からデリバリーまでの時間を正確に予測できるようになるのは大きなメリットといえるだろう。
●大手メーカーが進めるスマホとの連携
では、コネクティビティを備えた車への需要そのものはどれほどのものなのか。IDCが2018年に行った調査によると、「現時点で何らかのコネクティビティを持っている」と答えた人は全体の37%、また「次に車を購入する際にコネクティビティは非常に重要である」と答えた人は78%となった。
すでにコネクティビティを持っている、と答えた人の中でどのようにその機能を手にしたのかを問うと、62%が「OEM」と答えた。次いで多かったのが「スマホを活用したコネクテッドサービス」だった。「今後車のコネクティビティを求める」という人では、OEMを通しての購入希望が42%あるのに対し、スマホが28%だった。
この結果から、スマホと車内エンターテイメントシステムとの連携が非常に重要であることが浮かび上がる。シボレーやフォード、ホンダ、ヒュンダイ、KIA、メルセデス、日産、スズキ、トヨタ、フォルクスワーゲンといった大手メーカーの車内搭載システムでは「Android Auto」、アップルの「CarPlay」双方との連携を有している。
車のコネクティビティに関連したテクノロジー企業の技術開発も進化している。周辺テクノロジーの代表として挙げられるのが「クラウドサービス」「AI(人工知能)によるスマートアシスタント」「デリバリーや家庭でのサービス」「自動運転プラットフォーム」などだ。そのうち家庭でのサービスには「業者が家庭や会社の駐車場に来て車を洗車するサービス」、アマゾンが最近発表した「EV向けのバッテリーチャージサービス」などが含まれる。これらのサービスにはさまざまな可能性が考えられ、今後の成長分野として見込まれている。
●ラスベガスではすでに「自動運転タクシー」が走る
自動運転に関しては「実現に非常に近づいた段階である」と言える。ラスベガス市はUber、Lyftという2つのライドサービス企業と提携し、市内での自動運転タクシーの実施に踏み切っている全米でも数少ない都市の一つだ。
ライドサービスをアプリで要請すると、「自動運転車両」というオプションが選べる。ただし無人の車両が迎えに来るわけではなく、現時点では安全性のため2人の係員が乗員している。車の運転は自動運転で行われるものの、米国の連邦法もありドライバーが運転席につくことが義務付けられている。レベル4に相当する自動運転車両が実際に市内をライドサービスとしてすでに走行している。こうしたサービスが全米各地に広がるのはそう遠い未来ではないだろう。
筆者自身、この自動運転ライドサービスの利用を楽しみにしていたが、繁忙期でもあるためかLyftサービスに何度アクセスしても自動運転車両のオプションには出会わなかった。ただし、誰もが自動運転にトライしたいと考えているわけではない。IDCの調査によると「自動運転が利用できるなら試したい」と考える米国人は全体の54%。そして「将来全米の都市で自動運転車両が普通に走行するようになる」と考える人は32%にとどまっている。懸念材料として最大のものはやはり「安全性」。「人が運転するよりはるかに安全」とされる自動運転ではあるが、すべての人を説得するには時間がかかりそうだ。
●顧客の望みは? 成長戦略の要は?
最後に自動車メーカーの成長戦略を考えてみよう。コネクティビティや自動運転の推進は必須のものであるが、消費者の観点からはそれぞれが提供するシステムのインターコネクションプラットフォームの構築により、異なるシステムやサービス、サードパーティのサービスをシームレスに利用できることが大切な要素となる。
一方、それとは矛盾するようだが、サプライヤーやOEMは「シェアードエコノミー」「モビリティ」を包括的なサービスとして提供するとき、他社と差別化した独自のサービスを打ち出すことが競争に打ち勝つ要素となる。
自動車メーカーとOEMサプライヤーはこれまで縦の関係と言われてきたが、新たなコネクティビティを模索する上で横のつながり、さらには業界全体の再編も今後は起こりうるだろう。時代の流れにフレキシブルに対応することこそが、自動車メーカーの成長戦略の要となるのかもしれない。
米国在住ジャーナリスト 土方 細秩子
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