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"太陽光2019年問題"着地点はどうなる? 導入済み家庭は、大損するのか(PRESIDENT Online)
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/740.html
投稿者 赤かぶ 日時 2019 年 1 月 26 日 22:47:25: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

"太陽光2019年問題"着地点はどうなる? 導入済み家庭は、大損するのか
https://president.jp/articles/-/27409
2019年1月25日 PRESIDENT Online


いまエネルギー関係者の間で注目されているのが、「太陽光2019年問題」の帰趨。再生可能エネルギーを利用促進するため、一般家庭に太陽光パネルを設置して発電させ、余った電力を10年間固定価格で買い取るという制度が、今秋から期間満了に伴い順次終了する。導入した160万超の家庭は、結局得をするのか損するのか? 環境・エネルギー問題に詳しいコンサルタントが、目下の状況と着地点について解説する――。


再エネ利用促進のため、国策で高水準の買取価格が10年間保証された太陽光発電。(写真=山本つねお/アフロ)

相場より遥かに高かった買取価格

地球温暖化対策から世界中で「脱炭素化」が進む中、日本では相次ぐ震災などの経験を経て、大規模災害に対する備えやエネルギー源の多様化を実現するため、再生可能エネルギー導入が促進されてきた。一般家庭の屋根に太陽光パネルが設置されている光景も、もはや珍しいものではない。

もっとも、家庭で太陽光発電をするとなると、それなりに大きなコストがかかる。環境問題や防災に対する意識が高いから、といった動機だけで経済的ハードルを超えられるものでもない。だからこそ、国は補助金などで導入支援をする施策も採ってきたが、中でも重要な役割を果たしてきたのが、家庭で発電され余った電力を電力会社が“高く”買い取る仕組みだ。

具体的には、2009年11月から「余剰電力買取制度」がスタート。当初の買取価格は住宅用(10kW未満)で48円/kWh、しかも10年間固定で買い取ってもらえるという内容だった。この価格を聞いて高いと思うだろうか、安いと思うだろうか。

「極めて高い価格です」――そう語るのは、国内外の環境・エネルギー問題に詳しい三菱総合研究所のシニアプロジェクトマネージャー・三浦大助氏だ。

「太陽光発電をしている家庭でも自家発電以外に電気を使いますから、その電気代は当然支払わなければなりません。しかし実際には、使用電気代として支払う金額より買い取り価格のほうが高いので、電力会社から届く請求書は『○○円を支払ってください』ではなく、実質的には『○○円を支払います』という内容になっている場合もあると考えればいいでしょう。それが丸々十年分ともなれば、小さな金額ではありません。そもそも大きな火力発電所の発電コストは、現在の相場観で石炭火力5〜6円/kWh、ガス火力7〜10円/kWh程度です。これと比べればいかに高水準での買取であるかがわかります」

また、現在の電気料金水準は家庭用の低圧電灯料金で、地域ごとに差はあるものの、平均21〜23円/kWh程度であり、それと比べても、太陽光の買取単価はかなり高かったわけである。

余剰電力買取制度は、2012年7月から「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」に引き継がれた。買取価格は年度ごとに見直され徐々に低減してきており、現在は住宅用(10kW未満)で26円/kWh。今後も引き下げられる見込みだが、太陽光発電システムの導入コストもどんどん下がってきているので、その変動幅は妥当な範囲といえるのかもしれない。

対象家庭は、今年だけで53万!

これから太陽光発電システムを導入しようという人は、現在の買取価格が10年間固定される点は従来と変わらない。「太陽光の2019年問題」と呼ばれたり、「卒FIT」と呼ばれたりして、いま大きな転換期を迎えようとしているのは、2009年11月頃に太陽光発電システムを導入した家庭だ。それ以降に導入した家庭も、今年11月から順次買取期間が終了する。具体的に、どんなことが起きようとしているのだろうか。

「2019年度に固定価格での買取期間が終了するのは、53万件、200万kW。23年度末までには累計165万件、670万kWに及ぶと見込まれています」

発電量670万kWといえば、原子力発電所6基分ないし7基分の設備容量に相当すると言われることもある。

「注意したいのは、原子力発電と太陽光発電では特性が大きく異なる点です。原子力発電であれば24時間ずっと動かせますが、太陽光で発電できるのは昼の時間帯に限られるうえ、晴れていなければフルに力を発揮できません。つまり必要なときに電力を得られなかったり、必要以上に電力を供給してしまったりといったことがあるわけで、原子力発電と同等に考えることはできないのです。ただ、それにしても無視できないほど大量の電力がいったん契約切れを迎えるわけですから、その行き場をどこに求めるかは大きな問題といえます」

三浦氏は「大きく二つの選択肢がある」と説明する。

「一つは、自己消費を拡大する道、もう一つは、改めて電気を買い取ってくれる事業者を選び、相対・自由契約で売電する道です」

これまで売電してきた家庭では電力が余っていたわけだから、前者の自己消費拡大をするには電力の消費スタイルを変更する必要がありそうだ。

「なんらかの方式で電力をためておいて、それを昼間以外に活用する方法が考えられます。一番イメージしやすいのは、蓄電池の活用でしょう。高効率な電気給湯器であるエコキュートの導入も有効です。将来を見据えれば、電気自動車のバッテリーに充電するといった活用法もあります」

ただし、いずれの場合も導入コストが大きいことが問題だ。

「蓄電池を活用する場合、寿命15年なら工事費込みで9万円/kWh、寿命10年なら工事費込みで6万円/kWhまで価格が下がれば、自家消費を行うメリットが出る可能性があります。国は2020年までに寿命15年なら9万円/kWhを目指していますが、2018年時点では18万円/kWhほど。しかも、いずれも工事費を含まない価格です。工事費を含めても9万円/kWhが最低条件となると、補助金を活用しない限り、2019年度にはとても間に合いそうにありません」

工事費は家の状況によって金額がまちまちであり見通しにくい。とはいえ、工事費抜きには導入コストをはじき出せないだけに「蓄電池価格」を見る場合、その点には注意が必要だ。

結局、新価格はいくらになる?

では、蓄電池価格が政府目標の「2020年までに寿命15年で工事費含まず9万円/kWh」からもう一段、二段と下がるためのシナリオはあるのか。

「政府が補助金などを活用しながら価格誘導を図っていますが、いつまでも補助金に頼るわけにはいきません。ただ、おそらく今後は太陽光発電システムがそうであったように、安価な製品が海外から輸入されることにより、価格の低減圧力が働くのではないでしょうか。太陽光発電の場合、パネル価格低減の影響もあり、アメリカやオーストラリアの大型発電プロジェクトにおいて、火力発電より安い発電コスト約3円/kWhを実現しているケースもあります。家庭用蓄電池の分野では、海外製品の安全性の改善や日本の認証制度への対応も含めて注目されます」

自家消費拡大路線は、「卒FIT」と同時に取り入れるべきものというわけでもない。しばらくは余剰電力を売電しながら様子見し、蓄電池などの価格が十分に下がってから取り組んでも遅くはないはずだ。

ではそれまでの間、電力を買い取ってくれる事業者を選び、相対・自由契約で売電するとしたら、固定価格買取期間と何が違ってくるのだろうか。

「まず法律に基づく電力会社の買取義務がなくなります。買取期間満了の時期については、現在電力を買い取ってもらっている電力会社から、その6〜4カ月前に個別に通知が届きます。『もう10年経ってしまったのか』と、そこで始めて卒FITが目前に迫っていることに気づく人も少なくないかもしれません。また、大手電力会社はじめ電力買取の意思がある事業者は、今年4〜6月頃までに価格を含む買取メニューを発表するでしょう。それを参考にしながらどの事業者と契約するかを選ぶことになります」

売電するとなれば、なんといっても気になるのはその価格だろう。

「火力による発電コスト並みの6円/kWhから9円/kWhといったレンジが中心になるのではないでしょうか。48円/kWhと比べれば大幅ダウンとなりますが、それは10年前からわかっていたこと。売電による収入がゼロになるわけではなく、太陽光パネルに付属するパワコン(注)が寿命を迎えるまでは、新たに発生する投資コストもありません。売る側と買う側の双方が納得できる価格帯といえそうです」

再生可能エネルギーは将来へ向け、その存在感をますます強めていくだろう。企業の中には、すべてを再生可能エネルギーでまかなおうとする動きも出始めている。

「電力システムの将来のあり方を考えると、なるべく自分の家で発電したものは自分の家の中で使うというスタイルは大きな意義があります。一方、蓄電池や需要削減などと組み合わせて電力の需給を調整するVPP事業もこれから広まると考えられており、家庭の売電先としてVPP事業者も選択肢の一つとなり得ます。2019年問題は、エネルギーサービスが新たな段階へと歩を進める契機となるでしょう。だからこそ、一般家庭の消費者が選択で戸惑わないよう、よりわかりやすい仕組みを構築できるかどうかが、再生可能エネルギーの普及発展において大きな鍵を握るといえそうです」

(注)パワーコンディショナー。太陽光発電システムや家庭用燃料電池を利用する際、直流の電気を交流に変換して、家庭用の電気機器などで利用できるようにするための機械。

(小澤啓司=文 山本つねお/アフロ=写真)

三浦大助(みうら・だいすけ)
三菱総合研究所 環境・エネルギー事業本部エネルギーシステム戦略グループ シニアプロジェクトマネージャー
2000年京都大学卒業、03年同大学院修士課程修了後、三菱総合研究所入社。国内外の電力・ガス事業制度に関する調査・分析に多く従事している他、メガソーラーや分散型エネルギーリソースを用いた事業開発を手掛けている。最近は、VPP事業(アグリゲーション事業)に係る事業化検討にも注力。12年から14年まで世界銀行にて、ベトナム向け電力融資案件の形成・遂行・評価を実施した。















 

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コメント
1. 楽老[138] inmYVg 2019年1月28日 09:22:00 : QHkUDaloVM : nhEL_@HJWto[-2548] 報告
ソーラだけ、FITだけという狭い範囲のことを考えるのではなく、第4次産業革命に乗り遅れないこと。これが大事です。

スマートグリッド、インテリジェントネットワークが必要なのです。
VPPの構築にはさほどコストはかかりません。
EVは蓄電池設備でもあるのです。

まず、ソーラ、風力等の買取拒否を禁止すべきです。
その代わりに今の馬鹿げたFIT価格も止めて、電力会社が有価証券報告書で発表する発電コストに合わせるのです。
系統電力網がソーラや風力の電力変動に耐えられないと言うのはプロパガンダです。
その証拠に電力会社自身がメガソーラを所有、稼働させています。
各地に分散した中小ソーラは天候の変化も平均化され全体としての変動は小さい。
一方メガソーラは雲の移動が100%ソーラ変動につながります。
メガワット級の変動を十分こなす技術は既にあるのです。

発送電分離による送配電網の強化と直流電送の見直し、9電力連携です。
お馬鹿な電源開発に掛ける予算を送配電網に掛けるべきです。

     

[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

2. 2019年1月28日 18:10:02 : z0SQdjEyNM : pYIKdJH9r_s[767] 報告
家庭の屋根で発電されちゃうと電力会社は儲からない
だからもう太陽電池は付けさせないようにしたいのが
電力会社の本音で、その考えに沿った制度改革なのは明白だ
原発推進と同じく時代の流れに逆行している。
決めた審議委員は全員電力会社、原子力村の面々だ。
ばかなり。

20円で買ってるのに8円でしか売れないなら誰が
太陽電池パネルを付けるって言うんだろう。
案の定、太陽電池には急ブレーキがかかった、怒れメーカー。

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