★阿修羅♪ > 経世済民130 > 699.html
 ★阿修羅♪
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
日銀総裁、海外リスク警戒 追加緩和は余地乏しく 日銀総裁、市場の乱高下「先行き不確実性にやや過敏反応」米中貿易摩擦「収束
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/699.html
投稿者 うまき 日時 2019 年 1 月 24 日 00:01:40: ufjzQf6660gRM gqSC3IKr
 

(回答先: 日銀の再度の物価見通し引き下げ、見通しの信頼度むしばむ 日銀総裁:米中貿易摩擦が長引けば世界経済に深刻  投稿者 うまき 日時 2019 年 1 月 23 日 23:12:25)

日銀総裁、海外リスク警戒 追加緩和は余地乏しく
経済
2019/1/23 23:13
保存 共有 印刷 その他
日銀が海外発の景気下振れリスクへの警戒を強めている。23日開いた金融政策決定会合でまとめた「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、「米中貿易摩擦など様々な動きには注意を要する」と指摘した。黒田東彦総裁は同日の記者会見で「リスクが高まってきている」と述べた。しかし追加緩和の余地は乏しく、景気の先行きに神経をとがらせている段階だ。

同日の会合では短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度に誘導する金融緩和策(長短金利操作)の現状維持を賛成多数で決めた。物価の見通しは2019年度、20年度ともに昨年10月より下方修正した。実質成長率の見通しは、政府が消費増税対策を実施することを反映して19、20年度ともに小幅に上方修正した。

世界経済は減速懸念が強まっている。国際通貨基金(IMF)は21日、欧州経済の減速などを踏まえて、19年の世界経済見通しを18年10月に続いて引き下げた。米中間の貿易戦争や中国経済の減速が欧州や産油国などに波及している。日本でも財務省が23日発表した18年12月の貿易統計速報で、中国向けの輸出額が前年同月比7%減った。

黒田総裁は会見で、「米中の経済摩擦が長引けば、世界経済に深刻な影響が出てくる」と警戒した。日本では「(生産設備などの)資本財を中心に中国からの受注が減っている」と指摘した。

一方で黒田総裁は「現時点で(経済が着実な成長を続ける)メインシナリオを変えるリスクは顕在化していない」と話した。米中の貿易摩擦は交渉が断続的に進んでいることなどをあげ、「収束に向かうのではないか」と楽観的な見方を示した。工作機械などは中国経済の減速を映して受注が減っているが、受注残があることを指摘して「今のフル生産を相当程度続けられる」と語った。

こうした見方に関して市場からは「実体の数字に影響が出ていないと黒田総裁は言い切っているが、世界的な景気減速でアジア向け輸出は落ちている」(大和証券の岩下真理氏)との声が出る。米中の貿易摩擦が企業業績の下振れにつながれば、金融市場の混乱などを通じて日本の実体経済に悪影響を及ぼす恐れもある。

金融市場では世界的に投資家心理が悪化し、「昨年秋以降、やや不安定になった」(黒田総裁)。外国為替市場では米アップルの業績下方修正などを受けたリスク回避の動きから、3日に円相場が一時1ドル=104円台と約9カ月ぶりの円高・ドル安水準を付けた。4日には米欧株安を受け、日経平均株価が大発会として過去3番目の下げ幅を記録した。

黒田総裁は「先行きの不確実性にやや過敏に反応した」とみる。08年のリーマン・ショックのような金融危機が来る可能性については国際的に金融機関への規制強化が進んでいるとして「リーマン・ショックのようなことが起きることはないと思う」と述べた。

ただ、世界経済の減速が本格化したときに欧米の中銀が緩和方向に動けば、日本には円高・株安圧力が強まりかねない。

円高圧力を弱める効果がある追加緩和について黒田総裁は「政策余地が狭まっているということではない」と強調した。SMBC日興証券の丸山義正氏は「日銀は今後、円高の急な進行を止めるための政策修正を迫られる可能性がある」と話す。

しかし市場では「日銀の弾薬庫は空の状態で、追加緩和は難しい」(みずほ証券の上野泰也氏)との見方も多い。大規模な金融緩和による超低金利が長引き、金融機関収益の悪化など副作用への警戒が強まるなか、日銀の次の一手に対する市場の関心が少しずつ高まっている。

 
類似している記事(自動検索)
長期金利再びマイナス 23日に日銀総裁会見、景気認識に注目
2019/1/22 20:00
黒田日銀、続く綱渡り 「リスク増せば政策対応」
2018/11/1 2:00
リスク増した日銀の金融政策の先行き
2018/10/31 23:51
金融政策決定会合後、記者会見する日銀の黒田総裁(31日、日銀本店)
黒田日銀総裁「米中摩擦、一番のリスク」[映像あり]
2018/10/31 18:32
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40385220T20C19A1EE8000/?n_cid=SPTMG002

 
日銀、世界経済下振れ警戒 黒田総裁「リスク高まる」
経済
2019/1/23 15:10 (2019/1/23 17:20更新)
保存 共有 印刷 その他
日銀は海外発の景気下振れリスクへの警戒を強めている。日銀の黒田東彦総裁は23日午後、金融政策決定会合後の記者会見で「リスクが高まってきている。十分注意する必要がある」と危機感を示した。米中の貿易戦争が企業業績の下振れや金融市場の混乱などを招き、日本の実体経済に悪影響を及ぼす恐れもある。ただ日銀には追加緩和余地が乏しく、状況は厳しい。

Play Video
同日の決定会合で日銀は3カ月に1度改定する「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を公表し、2019年度と20年度の物価見通しを引き下げた。19年は1.4%から0.9%と下落幅が大きい。黒田総裁は「原油価格の下落によるところが大きい」とし、「直接的な影響は一時的だ」と強調。「2%の物価安定目標に向けたモメンタム(勢い)は維持されている」とこれまでと同じ見解を示した。

展望リポートでは実質成長率の見通しについては、政府の消費増税対策を反映し、19年度、20年度ともに小幅に上方修正した。

しかし海外経済に関しては「米中貿易摩擦など最近の様々な動きには注意を要する」と米中の貿易摩擦や欧州の政治問題、中国経済の減速などをリスクとしてあげ「下方リスクが少し高まってきた」と繰り返した。

世界的に投資家心理が悪化し、金融市場は昨年末から今年の年始にかけて揺れたのは記憶に新しい。1月3日に円相場が一時1ドル=104円台と約9カ月ぶりの円高・ドル安水準を付け、4日には日経平均株価が大発会として過去3番目の下げ幅を記録。黒田総裁は「やや過敏だったように見受けられる」とした。

足元では米中摩擦が緩和するとの思惑から市場は落ち着いているが、世界経済減速への警戒はくすぶる。国際通貨基金(IMF)は21日、19年の世界経済見通しを18年10月に続いて引き下げた。

市場では「景気後退の可能性や、追加緩和手段への黒田総裁の言及が注目されていた」(野村証券の中島武信氏)。しかし黒田総裁は「経済・物価、金融情勢を見て、必要があれば追加的な措置もとる」と述べるにとどめた。

大規模な金融緩和による超低金利環境が長引き、金融機関収益の悪化など副作用への警戒が強まる。日銀は追加緩和には動きにくいとの見方が多い。世界経済が本格的に減速し始めて欧米の中銀が緩和方向に動けば、日本には円高・株安圧力が強まりかねず、企業業績などに大きな打撃になる。日銀の次の一手に対する市場の関心が徐々に高まっている。
  


 


日銀、物価見通し下げ 決定会合 金融緩和は維持
経済・政治
2019/1/23 12:18 (2019/1/23 13:16更新)
保存 共有 印刷 その他
日銀は23日に開いた金融政策決定会合で、短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度に誘導する金融緩和策(長短金利操作)の現状維持を賛成多数で決めた。原油価格の下落などで2019年度以降の物価見通しを引き下げ、景気の見通しには「米中貿易摩擦など最近の様々な動きには注意を要する」という表現を新しく加えた。

金融緩和の現状維持は9人の政策委員のうち7人の賛成多数で決めた。黒田東彦総裁が23日午後に記者会見を開き、決定内容を説明する。

3カ月に1度改定する「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、生鮮食品を除く消費者物価指数(CPI)の上昇率予測は19年度を0.5ポイント引き下げ0.9%に、20年度を0.1ポイント引き下げ1.4%とした。19年度予測の引き下げは3回連続。今回から消費税率引き上げと教育無償化の影響を除いた例を示した。

成長率予測は19年度を0.9%、20年度を1.0%とし、前回から0.1〜0.2ポイントそれぞれ小幅に引き上げた。政府による消費税率引き上げの対策を織り込んだ影響とみられるが、先行きの海外景気に慎重な表現を盛り込んでいる。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40349570T20C19A1MM0000/?n_cid=SPTMG053


日銀総裁、市場の乱高下「先行き不確実性にやや過敏反応」
経済・政治
2019/1/23 15:49
保存 共有 印刷 その他
日銀の黒田東彦総裁は23日、金融政策決定会合後の記者会見で、年末年始のマーケットの動揺について、「先行きの不確実性に対してやや過敏であったようにも見受けられる。金融市場の動向が経済物価に与える影響について注意深くみていく。適切な政策運営に努める」と述べた。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕
https://www.nikkei.com/article/DGXLNS0040004_T20C19A1000000/?n_cid=SPTMG053

日銀、展望リポートで触れない「リスク」
編集委員 清水功哉
経済
2019/1/23 12:36 
「これほど不確実性の大きさを感じる年初は珍しい」。1月に入り、日銀内で複数の人たちから聞いた言葉だ。日銀が23日に公表した2019年最初の経済・物価情勢の展望(展望リポート)も「経済・物価ともに下振れリスクが大きい」と強調。海外を中心とする様々なリスク要因を挙げた。

だが、実は展望リポートが触れていないポイントがある。日銀自身の追加的な政策対応の余地が乏しい点だ。各種リスクが顕在化し市場が混乱したとき、日銀は火消しできるか。その点こそ19年の最大のリスクのひとつといえる。

展望リポートがあげた海外発のリスク要因は広範囲にわたる。米国のマクロ政策運営が国際金融市場に及ぼす影響、保護主義的な動きの影響、新興国・資源国経済の動向、英国の欧州連合(EU)離脱交渉の影響、地政学的リスクなどだ。「海外経済を巡る下振れリスクは、このところ強まっている」と指摘。企業や家計のマインド面への影響を注視する必要があるとした。

やっかいなのは、いずれのリスク要因も顕在化すれば円高を招きかねないことだ。例えば米国の金融政策。米経済の減速を背景に利上げができなくなったり、利下げの可能性が意識されるようになったりすれば、金利面からドル売り圧力が強まる。米中貿易戦争など保護主義の拡大も、世界経済の減速を通じて市場参加者のリスク回避姿勢を強めそうだ。「安全通貨」と目されている円にマネーが集まる展開が予想される。

円高は日本の株安を招き、マーケットの混乱は経済・物価情勢に負のインパクトを及ぼす。23日公表の展望リポートで見通しを下方修正した消費者物価上昇率が、さらに下振れるだろう。

問題は市場や経済の混乱に対応するための十分な「武器」を、日銀が持っていないようにみえることだ。

黒田東彦総裁は表向きこう語ってきた。「緩和の手段として、短期政策金利の引き下げ、長期金利操作目標の引き下げ、資産買い入れの拡大、通貨供給量(マネタリーベース)の拡大ペースの加速など、様々な対応が考えられる」。だがマイナス金利の「深掘り」などこれ以上の金利引き下げは、円高を止めるどころか、かえってマーケットの混乱をあおってしまう恐れもある。低金利による金融機関収益への打撃が一段と強まるとの見方から、銀行株が大きく売られるかもしれないからだ。

上場投資信託(ETF)購入の増額はどうか。株安を防ぐ効果を持つかもしれないが、円高が止まらないなら、実体経済への悪影響を十分に弱められるか不安がある。

いずれにせよ、有効な追加緩和策はあまりないのが実情だろう。日銀が十分な「武器」を持たないことを見抜いている投機筋が、その点を突いて円買いや株売りを仕掛けてくれば、マーケットの混乱に拍車がかかりそうだ。

「追加対応の余地が大きくないのは事実だが、まったくないわけではない。急速な円高が進むなどして物価上昇のメカニズムが崩れそうになれば動くだろう」。日銀の中枢部門で聞く声だ。23日の午後3時半から開く黒田総裁の記者会見でも、有効な追加緩和手段を持っていると強調するかもしれない。

しかし、その言葉に市場参加者はどの程度説得力を感じるのか。疑問が消えない。 


 

日銀総裁、米中貿易摩擦「収束に向かうのではないか」
経済・政治
2019/1/23 16:05
保存 共有 印刷 その他
日銀の黒田東彦総裁は23日、金融政策決定会合後の記者会見で、米中間の貿易摩擦について「米国や中国からいろいろなニュースが出ているが、そういうのを見ても貿易問題については交渉が進み、解決に向かっている」という見方を示した。その上で「貿易摩擦、二国間の貿易収支などといった貿易経済問題は収束に向かうのではないか」と期待を込めた。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕
https://www.nikkei.com/article/DGXLNS0040007_T20C19A1000000/?n_cid=SPTMG053
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
1. 2019年1月24日 00:04:26 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1580] 報告
1
2019 年 1 月 23 日
日本銀行
経済・物価情勢の展望(2019 年1 月)
【基本的見解】 1
<概要>

1 各政策委員の見通しを踏まえた経済・物価情勢の展望や金融政策運営の考え方について、1 月22
日、23 日開催の政策委員会・金融政策決定会合で決定されたものである。
2 消費税率については、2019 年10 月に10%に引き上げられる(軽減税率については、酒類と外
食を除く飲食料品および新聞に適用される)ことを前提としている。
 日本経済の先行きを展望すると、海外経済が総じてみれば着実な成長を続けるもとで、
設備投資の循環的な減速や消費税率引き上げの影響を受けつつも、きわめて緩和的な金
融環境や政府支出による下支えなどを背景に、2020 年度までの見通し期間を通じて、
景気の拡大基調が続くと見込まれる2。
 消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、プラスで推移しているが、景気の拡大や労働
需給の引き締まりに比べると、弱めの動きが続いている。これには、@賃金・物価が上
がりにくいことを前提とした考え方や慣行が根強く残るもとで、企業の慎重な賃金・価
格設定スタンスなどが明確に転換するには至っていないことに加え、A企業の生産性向
上に向けた動きや近年の技術進歩なども影響している。こうした物価の上昇を遅らせて
きた諸要因の解消に時間を要している中で、中長期的な予想物価上昇率も横ばい圏内で
推移している。もっとも、マクロ的な需給ギャップがプラスの状態が続くもとで、企業
の賃金・価格設定スタンスが次第に積極化し、家計の値上げ許容度が高まっていけば、
実際に価格引き上げの動きが拡がり、中長期的な予想物価上昇率も徐々に高まるとみら
れる。この結果、消費者物価の前年比は、2%に向けて徐々に上昇率を高めていくと考
えられる。
 従来の見通しと比べると、成長率については、2018 年度は下振れているが、2019 年度、
2020 年度は概ね不変である。物価については、原油価格の下落を主因として、2019 年
度を中心に下振れている。
 リスクバランスをみると、経済・物価ともに下振れリスクの方が大きい。物価面では、
2%の「物価安定の目標」に向けたモメンタムは維持されているが、なお力強さに欠け
ており、引き続き注意深く点検していく必要がある。
2
1.わが国の経済・物価の現状
わが国の景気は、所得から支出への前向きの循環メカニズムが働くもとで、
緩やかに拡大している。海外経済は、総じてみれば着実な成長が続いている。
そうしたもとで、輸出は増加基調にある。国内需要の面では、企業収益が高水
準で推移し、業況感も良好な水準を維持するもとで、設備投資は増加傾向を続
けている。個人消費は、雇用・所得環境の着実な改善を背景に、振れを伴いな
がらも、緩やかに増加している。この間、住宅投資は横ばい圏内で推移してい
る。公共投資も高めの水準を維持しつつ、横ばい圏内で推移している。以上の
内外需要の増加を反映して、鉱工業生産は増加基調にあり、労働需給は着実な
引き締まりを続けている。わが国の金融環境は、きわめて緩和した状態にある。
物価面では、消費者物価(除く生鮮食品、以下同じ)の前年比は、0%台後半
となっている。予想物価上昇率は、横ばい圏内で推移している。
2.わが国の経済・物価の中心的な見通し
(1)経済の中心的な見通し
先行きのわが国経済は、2020 年度までの見通し期間を通じて、拡大基調が
続くとみられる。海外経済は、米中貿易摩擦など最近の様々な動きには注意を
要するが、先進国・新興国ともに内需が堅調に推移するもとで、総じてみれば
着実な成長を続けると考えられる。こうしたもとで、わが国の輸出は、基調と
して緩やかな増加を続けると見込まれる。国内需要は、設備投資の循環的な減
速や消費税率引き上げの影響を受けつつも、きわめて緩和的な金融環境や政府
支出による下支えなどを背景に、企業・家計の両部門において所得から支出へ
の前向きの循環メカニズムが持続するもとで、増加基調をたどると考えられる。
すなわち、設備投資は、緩和的な金融環境のもとで、景気拡大に沿った能力増
強投資、都市再開発関連投資、人手不足に対応した省力化投資などで、増加を
続けると予想される。2020 年度にかけては、景気拡大局面の長期化による資
本ストックの積み上がりやオリンピック関連需要の一巡などから、増勢が徐々
に鈍化していくとみられるが、輸出の増加に支えられた投資需要もあって、増
加基調は維持されるものと考えられる。個人消費も、2019 年 10 月に予定さ
3
れている消費税率の引き上げの影響3から下押しされる局面もみられるものの、
雇用・所得環境の改善が続くもとで、政府の消費税率引き上げに伴う対応の効
果もあって、緩やかな増加傾向をたどるとみられる。この間、公共投資は、オ
リンピック関連需要や自然災害を受けた補正予算の執行、国土強靱化等の支出
拡大から増加していくと予想している。
こうしたもとで、わが国の経済は、潜在成長率4並みの成長を続けると見込
まれる。なお、今回の成長率の見通しを従来の見通しと比べると、2018 年度
については昨夏の自然災害の影響などから下振れているが、2019 年度、2020
年度については概ね不変である。
こうした見通しの背景となる金融環境についてみると、日本銀行が「長短金
利操作付き量的・質的金融緩和」を推進するもとで、短期・長期の実質金利は
見通し期間を通じてマイナス圏で推移すると想定している5。また、金融機関
の積極的な貸出スタンスや社債・CPの良好な発行環境が維持され、企業や家
計の活動を金融面から支えると考えられる。このようにきわめて緩和的な金融
環境が維持されると予想される。
この間、潜在成長率については、政府による規制・制度改革などの成長戦略
の推進や、そのもとでの女性や高齢者による労働参加の高まり、企業による生
産性向上に向けた取り組みなどが続く中で、見通し期間を通じて緩やかな上昇
傾向をたどるとみられる。
(2)物価の中心的な見通し
消費者物価の前年比は、プラスで推移しているが、景気の拡大や労働需給の
引き締まりに比べると、弱めの動きが続いている。
この背景としては、基本的には、長期にわたる低成長やデフレの経験などか

3
2019 年 10 月の消費税率の引き上げは、駆け込み需要とその反動、および実質所得の
減少効果の2つの経路を通じて成長率に影響を及ぼすが、下押し効果は、2014 年度の前
回増税時と比べると、不確実性はあるものの、小幅なものにとどまると予想される。
4 わが国の潜在成長率を、一定の手法で推計すると、足もと「0%台後半」と計算される。
ただし、潜在成長率は、推計手法や今後蓄積されていくデータにも左右される性格のもの
であるため、相当の幅をもってみる必要がある。
5 各政策委員は、既に決定した政策を前提として、また先行きの政策運営については市場
の織り込みを参考にして、見通しを作成している。
4
ら、賃金・物価が上がりにくいことを前提とした考え方や慣行が根強く残って
おり、企業の慎重な賃金・価格設定スタンスや家計の値上げに対する慎重な見
方が、明確に転換するには至っていないことがある。加えて、非製造業を中心
とした生産性向上余地の大きさや、近年の技術進歩、女性や高齢者の弾力的な
労働供給などは、経済が拡大する中にあっても、企業が値上げに慎重なスタン
スを維持することを可能にしている。また、技術進歩などは、分野によっては
競争環境を厳しくしている面もある。公共料金や家賃などが鈍い動きを続けて
いることも、物価の上がりにくさに影響しているとみられる。こうした物価の
上昇を遅らせてきた諸要因の解消には時間を要しており、物価のマクロ的な需
給ギャップへの感応度が高まりにくく、適合的な期待形成の力が強い予想物価
上昇率も上がりにくい状況が続いていると考えられる。なお、足もとでは、昨
秋以降の原油価格下落を受けて、エネルギー価格が消費者物価の前年比を押し
上げる効果が縮小している。
先行きの物価を展望すると、消費者物価の前年比は、マクロ的な需給ギャッ
プがプラスの状態を続けることや中長期的な予想物価上昇率が高まることな
どを背景に、2%に向けて徐々に上昇率を高めていくと考えられる。なお、今
回の物価の見通しを従来の見通しと比べると、原油価格の下落を主因として、
2019 年度を中心に下振れている6。
消費者物価の前年比が2%に向けて徐々に上昇率を高めていくメカニズム
について、一般物価の動向を規定する主たる要因に基づいて整理すると、第1
に、労働や設備の稼働状況を表すマクロ的な需給ギャップは、労働需給の着実
な引き締まりや資本稼働率の上昇を背景に均してみればプラス幅を拡大して
きており、先行きについても、比較的大幅なプラスで推移するとみられる。こ
うしたもとで、賃金上昇率の高まりなどを受けて家計の値上げ許容度が高まり、

6
2019 年 10 月に予定される消費税率の引き上げが物価に与える影響について、税率引
き上げが軽減税率適用品目以外の課税品目にフル転嫁されると仮定して機械的に計算す
ると、2019 年 10 月以降の消費者物価前年比(除く生鮮食品)は+1.0%ポイント押し上
げられる(2019 年度と 2020 年度の押し上げ効果は、それぞれ+0.5%ポイントとなる)。
また、現時点の情報をもとに、教育無償化政策が物価に与える影響について一定の仮定に
基づき計算すると、2019 年度と 2020 年度の消費者物価前年比(除く生鮮食品)は、そ
れぞれ−0.3%ポイント、−0.4%ポイント押し下げられると見込まれる。
5
企業の価格設定スタンスも積極化していけば、実際に価格引き上げの動きが拡
がっていくと考えられる。
第 2 に、中長期的な予想物価上昇率は、足もとは横ばい圏内で推移してい
るが、先行きについては、上昇傾向をたどり、2%に向けて次第に収斂してい
くとみられる。この理由としては、@「適合的な期待形成」7の面では、現実
の物価上昇率の高まりが予想物価上昇率を押し上げていくと期待されること、
A「フォワードルッキングな期待形成」の面では、日本銀行が「物価安定の目
標」の実現に強くコミットし金融緩和を推進していくことが、予想物価上昇率
を押し上げていく力になると考えられることが挙げられる。
第3に、輸入物価についてみると、既往の原油価格上昇は 2018 年度の消費
者物価を押し上げてきたが、昨秋以降、原油価格は下落に転じており、これが
2019年度の消費者物価の前年比を押し下げる要因として作用すると予想され
る。
この間、最近の女性・高齢者の労働参加の高まりや、企業の生産性向上によ
るコスト上昇圧力の吸収に向けた取り組みの強化は、長い目でみれば、物価上
昇圧力を高める方向に作用していくと予想される。すなわち、こうした動きを
受けて、経済全体の成長力が高まっていけば、企業や家計の支出行動が積極化
していくことが期待できる。また、日本経済の成長力の高まりとともに自然利
子率が上昇すれば、金融緩和の効果も高まっていくと考えられる。
3.経済・物価のリスク要因
(1)経済のリスク要因
上記の中心的な経済の見通しに対する上振れないし下振れの可能性(リスク
要因)としては、以下の 4 点がある。
第1に、海外経済の動向である。具体的には、米国のマクロ政策運営やそれ
が国際金融市場に及ぼす影響、保護主義的な動きの帰趨とその影響、それらも

7 中長期的な予想物価上昇率は、中央銀行の物価安定目標に収斂していく「フォワードル
ッキングな期待形成」と、現実の物価上昇率の影響を受ける「適合的な期待形成」の2つ
の要素によって形成されると考えられる。詳細は、「「量的・質的金融緩和」導入以降の経
済・物価動向と政策効果についての総括的な検証」(2016 年9月)参照。
6
含めた新興国・資源国経済の動向、英国のEU離脱交渉の展開やその影響、地
政学的リスクなどが考えられる。こうした海外経済を巡る下振れリスクは、こ
のところ強まっているとみられ、わが国の企業や家計のマインドに与える影響
も注視していく必要がある。
第2は、2019 年 10 月に予定される消費税率引き上げの影響である。これ
については、消費者マインドや雇用・所得環境、物価の動向によって変化し得
る。
第 3 に、企業や家計の中長期的な成長期待は、少子高齢化など中長期的な
課題への取組みや労働市場をはじめとする規制・制度改革の動向に加え、企業
のイノベーション、雇用・所得環境などによって、上下双方向に変化する可能
性がある。
第 4 に、財政の中長期的な持続可能性に対する信認が低下する場合、人々
の将来不安の強まりやそれに伴う長期金利の上昇などを通じて、経済の下振れ
につながる惧れがある。一方、財政再建の道筋に対する信認が高まり、将来不
安が軽減されれば、経済が上振れる可能性もある。
(2)物価のリスク要因
以上の経済のリスク要因による影響のほか、物価の上振れ、下振れをもたら
す固有の要因としては、第1に、企業や家計の中長期的な予想物価上昇率の動
向が挙げられる。予想物価上昇率は、先行き上昇傾向をたどるとみているが、
企業の賃金・価格設定スタンスが積極化してくるまでに予想以上に時間がかか
り、現実の物価が弱めの推移を続ける場合には、「適合的な期待形成」を通じ
て、予想物価上昇率の高まりも遅れるリスクがある。
第2に、マクロ的な需給ギャップに対する価格の感応度が挙げられる。企業
の生産性向上によるコスト上昇圧力の吸収に向けた取り組みが長期にわたり
継続したり、近年の技術進歩や流通形態の変化等によって企業の競争環境が一
段と厳しくなったりする場合には、こうした面からの価格押し下げ圧力が予想
以上に長く作用する可能性がある。また、公共料金や家賃などの鈍い動きが、
先行きも、長期間にわたって、消費者物価上昇率の高まりを抑制する可能性も
ある。
第3に、今後の為替相場の変動や国際商品市況の動向およびその輸入物価や
7
国内価格への波及の状況は、上振れ・下振れ双方の要因となる。
4.金融政策運営
以上の経済・物価情勢について、「物価安定の目標」のもとで、2つの「柱」
による点検を行い、先行きの金融政策運営の考え方を整理する8。
まず、第1の柱、すなわち中心的な見通しについて点検すると、消費者物価
の前年比は、2%に向けて徐々に上昇率を高めていくと考えられる。経済・物
価のリスク要因については注意深く点検していく必要があるが、2%の「物価
安定の目標」に向けたモメンタムは維持されていると考えられる。これは、@
マクロ的な需給ギャップがプラスの状態が続くもとで、企業の賃金・価格設定
スタンスは次第に積極化してくるとみられること、A中長期的な予想物価上昇
率は、横ばい圏内で推移しており、先行き、実際に価格引き上げの動きが拡が
るにつれて、徐々に高まると考えられること、が背景である。
次に、第2の柱、すなわち金融政策運営の観点から重視すべきリスクについ
て点検すると、経済の見通しについては、海外経済の動向を中心に下振れリス
クの方が大きい。物価の見通しについては、中長期的な予想物価上昇率の動向
を中心に下振れリスクの方が大きい。より長期的な視点から金融面の不均衡に
ついて点検すると、これまでのところ、資産市場や金融機関行動において過度
な期待の強気化を示す動きは観察されていない。もっとも、低金利環境や金融
機関間の厳しい競争環境が続くもとで、金融機関収益の下押しが長期化すると、
金融仲介が停滞方向に向かうリスクや金融システムが不安定化するリスクが
ある。現時点では、金融機関が充実した資本基盤を備えていることなどから、
これらのリスクは大きくないと判断しているが、先行きの動向には注視してい
く必要がある。
金融政策運営については、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これ
を安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金
融緩和」を継続する。マネタリーベースについては、消費者物価指数(除く生

8 「物価安定の目標」のもとでの2つの「柱」による点検については、日本銀行「金融政
策運営の枠組みのもとでの「物価安定の目標」について」(2013 年1月 22 日)参照。
8
鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、拡大方針を継
続する。政策金利については、2019 年 10 月に予定されている消費税率引き
上げの影響を含めた経済・物価の不確実性を踏まえ、当分の間、現在のきわめ
て低い長短金利の水準を維持することを想定している。今後とも、金融政策運
営の観点から重視すべきリスクの点検を行うとともに、経済・物価・金融情勢
を踏まえ、「物価安定の目標」に向けたモメンタムを維持するため、必要な政
策の調整を行う。
以 上
9
(参考)
2018〜2020 年度の政策委員の大勢見通し
――対前年度比、%。なお、< >内は政策委員見通しの中央値。
実質GDP
消費者物価指数
(除く生鮮食品)
(参考)消費税率引き
上げ・教育無償化政策
の影響を除くケース
2018 年度 +0.9〜+1.0
<+0.9>
+0.8〜+0.9
<+0.8>
10月時点の見通し +1.3〜+1.5
<+1.4>
+0.9〜+1.0
<+0.9>
2019 年度 +0.7〜+1.0
<+0.9>
+1.0〜+1.3
<+1.1>
+0.8〜+1.1
<+0.9>
10月時点の見通し +0.8〜+0.9
<+0.8>
+1.5〜+1.7
<+1.6>
+1.3〜+1.5
<+1.4>
2020 年度 +0.7〜+1.0
<+1.0>
+1.3〜+1.5
<+1.5>
+1.2〜+1.4
<+1.4>
10月時点の見通し +0.6〜+0.9
<+0.8>
+1.5〜+1.7
<+1.6>
+1.4〜+1.6
<+1.5>
(注1)「大勢見通し」は、各政策委員が最も蓋然性の高いと考える見通しの数値について、最大値と最小
値を1個ずつ除いて、幅で示したものであり、その幅は、予測誤差などを踏まえた見通しの上限・下
限を意味しない。
(注2)各政策委員は、既に決定した政策を前提として、また先行きの政策運営については市場の織り込み
を参考にして、上記の見通しを作成している。
(注3)消費税率については、2019 年 10 月に 10%に引き上げられること(軽減税率については酒類と外
食を除く飲食料品および新聞に適用されること)、教育無償化政策については、幼児教育無償化が 2019
年 10 月に、高等教育無償化等が 2020 年4月に導入されることを前提としている。なお、消費税率
引き上げの 2019 年度と 2020 年度の消費者物価への直接的な影響を、税率引き上げが課税品目にフ
ル転嫁されることを前提としたうえで機械的に計算すると、それぞれ+0.5%ポイントとなる。また、
現時点の情報をもとに、教育無償化政策の 2019 年度と 2020 年度の消費者物価への直接的な影響を
一定の仮定に基づき計算すると、それぞれ−0.3%ポイント、−0.4%ポイントとなる。
10
-1.5
-1.0
-0.5
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
-1.5
-1.0
-0.5
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021
(前年比、%) (前年比、%)
年度
-1.0
-0.5
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
-1.0
-0.5
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021
(前年比、%) (前年比、%)
年度

政策委員の経済・物価見通しとリスク評価
(1)実質GDP
(2)消費者物価指数(除く生鮮食品)
(注1)実線は実績値、点線は政策委員見通しの中央値を示す。
(注2) 、△、▼は、各政策委員が最も蓋然性が高いと考える見通しの数値を示すとともに、その形状で
各政策委員が考えるリスクバランスを示している。 は「リスクは概ね上下にバランスしている」、
△は「上振れリスクが大きい」、▼は「下振れリスクが大きい」と各政策委員が考えていることを示
している。
(注3)消費者物価指数(除く生鮮食品)は、2014 年度、2015 年度については、2014 年 4 月の消費税率
引き上げの直接的な影響を除いたベース。

2. 2019年1月24日 00:09:43 : hE3PRSoheQ : ovZkxQYei0s[218] 報告
 
 日本の経済の停滞は 韓国のせいです 韓国が悪いんです

 他所の国は 10年で倍くらいに成長しています〜〜
 
 これは 自民党が ぼけ〜〜としていたのではなく

 韓国が 悪いんです

 
 

3. 知的上級者さん[15] km2TSY_ji4mO0oKzgvE 2019年1月24日 00:47:11 : VTH59AY6XQ : 38S4z9l9TcA[28] 報告
海外リスクは確かにあるが
日銀破綻リスクをなんとかせいよってもう手遅れだが

日銀券の次の新通貨が心配
海外の仮想通貨になったら日本国としての通貨流通量制御=景気制御はできなくなる
日本の景気を海外に直接制御されてしまう

水道も種も漁業権も・・次々に売りそうな自民政権だけに心配だな

4. 2019年1月24日 21:14:19 : fy0sFqTXrM : aspnGhVLBAk[31] 報告
海外の せいにするのだ 失敗は

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民130掲示板 次へ  前へ

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民130掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民130掲示板  
次へ