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コラム2019年1月11日 / 15:05 / 1時間前更新
景気後退突入の予測は可能か、コンセンサスの前例なし
Jamie McGeever
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[ロンドン 9日 ロイター] - 米国が景気後退(リセッション)に今にも突入するのではないかとの懸念は、足元で大きく後退した。昨年12月の雇用統計が堅調だった上に、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が、FRBは市場を支える姿勢にあると示唆したおかげだ。この2つの材料は、悲観ムードを和らげ、株価と債券利回りを再び上昇させるだけの力があった。
金融環境は最近の引き締まり傾向に歯止めが掛かり、短期市場ではFRBが今年ないし来年に利下げに追い込まれるとの観測は低下、世界中でリスク資産と市場心理が持ち直した。
少なくとも当面は、株式市場が実体経済について「疑わしきは罰せず」の判定を下そうとしている。
とはいえ米国や先進各国がリセッションに陥るというコンセンサスが、いまだかつてエコノミストの間で形成された例はなく、常に予想外と受け止められてきた。
モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントのRuchir Sharma氏の指摘通り、記録が残る50年前からずっと専門家は米国の全てのリセッションの的確な予想ができなかった。
2000年8月のフィラデルフィア地区連銀のエコノミスト調査では、01年の第1・四半期と第2・四半期の国内総生産(GDP)成長率見通しは3.0%と2.7%に引き上げられた。そしてリセッションが到来したのは01年3月だった。
エコノミストは07年12月に始まった「グレート・リセッション(大不況)」でも、事前に2四半期連続のマイナス成長を察知できなかったし、08年5月のフィラデルフィア地区連銀調査では「今後5四半期の間はマイナス成長が起きないと予想されている」と報告されていた。
問題の1つは「直近効果」にある。つまり最近の出来事を過剰に重視しがちな経済予測モデルを使うことだ。集団思考や群集心理も影響している。
リセッションの予想をためらう理由も簡単に分かる。景気減速のサインは見えても、リセッションの確たる証拠などないことが多いし、リセッション前の数四半期は経済成長が力強くなるケースがしばしば見受けられるからだ。トレーディング・エコノミクスのチャートでもそれが確認できる。
1952年後半から53年前半にかけては、4四半期連続でGDP成長率の年率が5%を超え、その半年後にリセッションに見舞われた。同じく1972─73年にも、リセッション前の四半期ベースの成長率はほとんど4─8%で推移していた。
2004─07年の場合は、成長率はほぼ2─4%。グレート・リセッション直前ですら、少なくとも表面的には相当なペースの成長だった。
2017年第1・四半期以降も、四半期ごとに成長率は着実に上向き、18年第3・四半期の年率は3.4%に達した。過去2年の平均は2.9%で、マイナス成長を告げる明確なサインは見当たらない。
現在の米国の景気拡大は10年にわたり、過去2番目に長い。だから最近の出来事に重きを置くモデルに基づけば、経済は順風満帆で行く手に何の障害も待ち受けていないことになる。
<慢心>
ノーベル経済学者でニューヨーク大学教授のポール・クルーグマン氏の指摘にあるように、ショックが不在の期間が長引けば、事態を甘く見る流れが生まれる。消費者は支出を、投資家は買いを拡大し始めて積極的にリスクを背負い、新たなリスクをもたらす借り入れに走る。
慢心は政策担当者や規制当局にも波及し、政策と規制は限度以上に緩くなってしまうので、経済に行き過ぎが蓄積され、バブル破裂の種がまかれる。例えば国際通貨基金(IMF)によると、世界の債務総額は17年末に過去最高の184兆ドルを記録し、10年前に比べて50%も増加した。
米国では第2次世界大戦後、計11回のリセッションがあった。景気の山から谷までのGDPの落ち込み具合は各リセッションごとに非常に大きな違いがあり、1968─69年や2001年は1%弱だった半面、07─09年は5%を上回った。
リセッションの期間も1980年のように半年程度の例がある一方、1973─75年や1981─82年、07─09年などは数年単位になった。
また全てのリセッションに先駆けて、米国債の2─10年利回り差がマイナス(逆イールド)となっている。足元は07年以降で最も利回り差が小さく、昨年12月には一時8ベーシスポイント(bp)まで縮小した。
これは米経済がその悪影響を吸収できる範囲を超えてFRBの利上げが進む、と投資家が見込んでいることの表れだ。バーナンキ元FRB議長は先週、「景気拡大は『老衰』によって自然に終わるのではなく、FRBによって『殺される』と言いたい」と話した。
ロイターが直近で実施したエコノミスト調査では、向こう2年間に米国がリセッションに陥る確率の予想中央値は40%と、リーマン・ブラザーズ破綻の8カ月前である08年1月の調査以来の高さになった。ただしコンセンサスではない。
リーマンの破綻と世界的な信用収縮により、世界は大恐慌以来の深刻な金融危機と経済危機に見舞われた。ところがリセッション自体が始まったのは07年12月で、この調査の1カ月前、リーマン破綻の9カ月前だった点は肝に銘じておいた方が良い。
要するに米経済が実際に収縮していたのに、リセッションが間近ではない、あるいは2年先までの視野に入っていないというのがコンセンサスだったのだ。
今も同様の事態が生じている可能性はないだろうか。12月のサービス業の活動が縮小に転じるというショックからは、既に経済が落ち込んでいる可能性もうかがえる。
ベントレー大学のスコット・サマー教授は最近のブログに「需要サイド発のリセッションを予想できるマクロ経済モデルは今後も決して開発できないだろう。開発しようとさえするべきではない」と記している。
*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
https://jp.reuters.com/article/recession-column-idJPKCN1P50CZ
ビジネス2019年1月11日 / 15:45 / 36分前更新
街角景気が大幅悪化、企業部門は2年半ぶり低水準=12月景気ウォッチャー調査
Reuters Staff
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[東京 11日 ロイター] - 内閣府が11日に発表した12月の景気ウオッチャー調査では、家計・企業・雇用の3部門がそろって悪化し、全体の景況感が17年3月以来の低水準に落ち込んだ。特に企業部門は2年半ぶりの低水準に落ち込んだ。先行きも5カ月ぶりに50を割り込んだ。不安定な株式市場や今年10月の消費増税、人手不足、米中摩擦への懸念など、消費者・企業心理にはマイナス材料が目白押しとなっている。
景気の現状判断DIは48.0で、前月比マイナス3.0ポイントと、3カ月ぶりの低下となった。横ばいを示す50の水準を2カ月ぶりに下回った。企業動向関連、雇用関連、家計動向関連の全てで低下した。
家計部門では「モデルルームへの来客で購入を躊躇して判断を先送りする客が以前と比べて若干増えてきている」(北海道・住宅販売会社)、「美術品、宝飾品の高額受注が前年比少なくなっている」(近畿・百貨店)といったコメントがある。
企業関連では「製造業受注は高水準にあるものの、一部で米中貿易摩擦の影響などによる受注減がみられる」(甲信越・金融業)、「株価下落のため、心理的に重たい状況。需要も中国景気の落ち込みから低迷している」(九州・金融業)といった声が上がっている。
雇用関連では「求人数が減っており、製造業の依頼が少なくなっている」(四国・人材派遣業)といった状況もある。
2─3カ月先を見る先行き判断DIは48.5で、前月比3.7ポイント低下。2カ月ぶりの低下となった。こちらも3部門そろって悪化。全体で17年3月以来の低水準となった。
内閣府は、景気ウオッチャー調査の現状判断の表現を「緩やかな回復基調が続いているものの一服感が見られる」に変更した。
https://jp.reuters.com/article/japan-economy-watchers-idJPKCN1P50G8?il=0
東京外為市場ニュース2019年1月11日 / 16:05 / 16分前更新
〔需給情報〕1月第1週、海外投資家が日本株を777億円売り越し=現物先物合計
Reuters Staff
2 分で読む
[東京 11日 ロイター] - 1月第1週(1月4日)の海外投資家による日本の現物株と先物合計
の売買は、777億円の売り越し(前週は1302億円の売り越し)となった。売り越しは5週連続。個人
は391億円の買い越し(同2885億円の売り越し)、信託銀行は274億円の売り越し(同2074億
円の買い越し)だった。
東京証券取引所がまとめた同期間の2市場投資部門別売買状況によると、現物株は海外投資家が208
6億円の売り越し(前週は578億円の売り越し)となった。売り越しは8週連続。個人は3週ぶりに買い
越し。信託銀行は7週連続で買い越した。
大阪取引所がまとめた同期間の先物・オプションの投資部門別取引状況では、指数先物(日経平均先物
・TOPIX先物のラージ・ミニ、JPX日経400先物、マザーズ指数先物の合計)で海外投資家が13
08億円の買い越しだった。
<海外投資家の売買推移(億円)>
現物 先物 合計
2018年10月第5週 262 -4,900 -4,638
2018年11月第1週 2,440 1,394 3,835
2018年11月第2週 -1,369 -1,264 -2,634
2018年11月第3週 -1,967 -3,143 -5,111
2018年11月第4週 -2,101 4,062 1,960
2018年12月第1週 -6,001 -1,560 -7,562
2018年12月第2週 -1,613 -4,484 -6,097
2018年12月第3週 -3,263 -2,218 -5,482
2018年12月第4週 -578 -724 -1,302
2019年1月第1週 -2,086 1,308 -777
*東京証券取引所と大阪取引所の発表データは以下のURLでご覧ください。
https://jp.reuters.com/article/-idJPL3N1ZA5GS?il=0
ビジネス2019年1月11日 / 15:35 / 1時間前更新
ドル108円前半で伸び悩み、米CPI待ち
Reuters Staff
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[東京 11日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、若干ドル安/円高の108円前半。株価が堅調に推移する中、ドルは108円半ばまで強含んだものの、3連休を控えた利益確定売りや調整売りに押され、伸び悩んだ。
ドルは仲値公示付近に108.47円とこの日の高値をつけたが、午前11時過ぎに、米ホワイトハウスがトランプ大統領が主張するメキシコ国境の壁建設を可能にするため、国家非常事態宣言に向けた調整を行っているとのニュースが伝わると、上値が重くなり、108.22円まで軟化した。
米紙ワシントン・ポストが関係筋の話として10日報じたところでは、米ホワイトハウスはメキシコ国境の壁建設を可能にするため、国家非常事態宣言に向けた調整を行っており、陸軍工兵隊の災害対策業務に割り当てられている未執行予算を転用する可能性も検討している。
市場ではきょう発表予定の11月米消費者物価指数(CPI)が注目される。
前日は百貨店大手メーシーズが通期の既存店売上高見通しを下方修正し、同社の株が20%近く下落するなど、これまで景気のけん引役だった米個人消費の先行きを懸念する声が多い。
朝方1.15ドルを割り込んでいたユーロは、買い戻し優勢となり一時1.1531ドルまで上昇。ユーロ圏を巡る好材料があるわけではなく「米国の政治、経済をめぐる不透明感から、他律的なユーロ高」(ストラテジスト)となった。
中国人民元は続伸。6.7481元と昨年7月以来の高値をつけた。
「市場は米中の対話姿勢が好感された、と解釈している節がある。中国政府が元高誘導で米国に譲歩したとの説が広がる可能性もありそうだ」(野村証券チーフ為替ストラテジストの池田雄之輔氏)との声も出ていた。
米10年国債利回りは2.7257/7239%の気配。
市場では、今週実施された米国債入札の結果がかんばしくなかったことが話題となっていた。前日の160億ドルの30年債入札は、最高落札利回りが3.035%と、2018年7月以来の低水準となった。応札倍率は2.19倍と12月の前回入札の2.31倍から低下した。
ドル/円JPY= ユーロ/ドルEUR= ユーロ/円EURJPY=
午後3時現在 108.29/31 1.1522/26 124.81/85
午前9時現在 108.27/29 1.1506/10 124.62/66
NY午後5時 108.42/43 1.1498/02 124.68/72
為替マーケットチーム
https://jp.reuters.com/article/tokyo-frx-lateaft-idJPKCN1P50FS?il=0
ビジネス2019年1月11日 / 15:30 / 1時間前更新
日経平均は反発、米株高が支え ファーストリテの上げも寄与
Reuters Staff
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[東京 11日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は反発。前日の米国株市場で主要3指数がそろって上昇したことを受け、朝方から買いが先行。上げ幅を一時200円超に拡大した。投資家心理が落ち着く中、寄与度の高いファーストリテイリング(9983.T)が大幅に上昇したことも押し上げ要因となった。
日経平均ボラティリティー指数.JNIVは23ポイント台でやや高止まりの水準だが、昨年12月25日の32ポイント台からは低下している。「3連休を前に大きなポジションは取りにくい」(国内証券)との声があった一方、「(戻りを試す場面での)利益確定売りは終了し、個人も改めて買いを入れやすい地合いになってきた」(SBI証券のシニア・マーケットアドバイザー、雨宮京子氏)との見方が出ていた。
その中でファーストリテは堅調に推移し一時7%を超す上昇。日経平均の200円近い上げのうち、1銘柄だけで約120円の押し上げ要因となった。10日発表の2018年9─11月期連結決算が低調な内容になることは想定内だった一方、「好調な海外事業や12月の国内ユニクロ既存店売上高の増加などが評価された」(中堅証券)という。
TOPIXは0.51%高。業種別では精密機器、不動産、電気機器などが値上がり率上位にランクイン。10日に業績予想を下方修正した安川電機(6506.T)が底堅さを示し、景気敏感セクター全般に買い戻しの動きが広がった。半面、小売、水産・農林、倉庫・運輸関連などが売られた。
そのほか個別銘柄では、武田薬品工業(4502.T)が堅調。4─6月を決算期末とする企業を対象としたTOPIX浮動株比率の定期見直しを受け、ウエートが高まる同社株にパッシブ系資金が流入するとの期待が続いている。
一方、吉野家ホールディングス(9861.T)は大幅続落。10日発表した18年3─11月期の連結営業損益が5億6200万円の赤字だったことが嫌気された。
東証1部の騰落数は、値上がり1033銘柄に対し、値下がりが1003銘柄、変わらずが92銘柄だった。
日経平均.N225
終値 20359.70 +195.90
寄り付き 20296.45
安値/高値 20294.74─20389.89
TOPIX.TOPX
終値 1529.73 +7.72
寄り付き 1531.72
安値/高値 1525.84─1535.03
東証出来高(万株) 129595
東証売買代金(億円) 25029.80
https://jp.reuters.com/article/tokyo-stx-close-idJPKCN1P50FM?il=0
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