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徹底抗戦! これが日産ゴーン元会長が法廷で語った「宣戦布告」の全文だ  山口一臣(ジャーナリスト)
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/516.html
投稿者 赤かぶ 日時 2019 年 1 月 10 日 02:37:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

徹底抗戦! これが日産ゴーン元会長が法廷で語った「宣戦布告」の全文だ
https://news.yahoo.co.jp/byline/yamaguchikazuomi/20190108-00110472/
1/8(火) 17:24  山口一臣 | ジャーナリスト(THE POWER NEWS代表)


「私は無罪だ」と主張するカルロス・ゴーン氏(写真:ロイター/アフロ)


日産自動車元会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)の勾留理由を説明する勾留理由開示が8日、東京地裁であった。逮捕から50日ぶりに公開の場に姿を見せたゴーン氏は自ら意見陳述して、「I am an innocent」(私は無実です)と予想通り無罪を主張し、徹底抗戦の構えを見せた。そして、同日午後3時からゴーン氏の弁護人であり、元東京地検特捜部長の大鶴基成弁護士が日本外国人特派員協会(FCCJ)で記者会見した。

以下は、その会見で配られたゴーン氏の「意見陳述書」の日本語翻訳の全文だ。これを読んで、みなさんはどう考えるだろうか。

「意見陳述書」でゴーン氏が述べた“無実”の理由

2019年1月8日

意見陳述書

裁判長殿

 本公判廷で発言する機会を許していただき感謝しております。私が捜査機関からかけられている容疑がいわれのないものであることを明らかにしたいと考えております。

 最初にお話しておきたいのですが、私は日産に対し心からの親愛と感謝の気持ちを持っております。私は、日産のために、全力を尽くして、また、公明正大かつ合法的に、そして社内の所管部署から必要な承認を得た上で業務を進めてきました。私は、日産を強化推進し続け、日本で最も優れており、最も尊敬される企業の地位を回復させることを、ひたすらに目指してきたものでした。

 それでは、私にかけられている容疑について、説明させていただきます。

1、為替スワップ契約について

 私は、約20年前日産に入って日本に赴任した際、米ドルでの報酬の支払いを要望しましたが、それはできないと言われ、報酬は日本円で支払うという雇用契約を結ばされました。その時からずっと、私は米ドルに対する円の変動に懸念を抱いてきました。私自身は、米ドル建ての生活を基本としております。私の子供たちは米国に住んでおりますし、私自身、米ドルとの固定為替レート制をとるレバノンと強い結びつきを持っています。そこで、私は、自分の家族を養うために、ドル建てでの収入が変動しないようにしたいと考えていました。

 そこで、私は、日産に入ってしばらくした2002年以降、為替スワップ契約を締結していました。現在私にかけられている容疑では、2つの為替スワップ契約が問題となっています。一つは2006年に締結したもので、当時日産の株価は約1500円で、円・ドルの為替レートは約118円でした。もう一つは2007年に締結したもので、当時日産の株価は1400円で、円・ドルの為替レートは約114円でした。

 ところが、2008年から2009年にかけての金融危機により、日産の株価は2008年10月に400円、2009年2月に250円にまで急落し(ピーク時に比べ80%超の下落)、円・ドルの為替レートは80円以下にまでドルが下がりました。これは誰も想像しなかった最悪の事態でした。銀行業界全体の仕組みが機能しなくなり、私が為替スワップ契約を締結していた銀行は、契約上必要となる金額の担保を直ちに差し入れるように要求してきましたが、私自身ではその銀行の要求に答えることができませんでした。

 それで、私は2つの厳しい選択肢を迫られたのです。

 1、日産を退任して、退職慰労金を受領して、これを銀行に担保として差し入れるということです。しかし、私には日産への道義的な責任があり、この重大な局面で退任することはできませんでした。船長は、嵐の最中に船から逃げ出すようなことはできないのです。

 2、私が他の知人などから担保を用意するまでの間、日産に金銭的な損失を負わせない限りにおいて、一時的に担保を提供してもらうように要請することです。

 結局、私は第2の選択肢を選びました。そして、しばらくして、上記の二つの為替スワップ契約の主体を再び私に戻しましたが、この間、日産に一切損害を与えておりません。

2、E氏について

 E氏は長年にわたって日産の支援者であり、パートナーでもあります。日産が大変困難な状況にあった時期に、D社は、日産の資金調達を支援してくれましたし、日産が、地元の販売代理店との間で紛争になったときこの解決のために支援してくれました。実際、E氏は、湾岸地域全域で、業績不振に陥っていた販売代理店を日産が再編成することを支援してくれ、日産が、販売力の優るトヨタなどの競合他社に競り勝てるようにしてくれました。E氏は、また、日産がサウジアラビアに自動車工場を建設できるように交渉を支援してくれ、サウジ当局とのハイレベルの面談等を設定してくれました。

 E氏の会社は、このように日産に対して極めて重要な業務を推進してくれましたので、日産は、同氏の会社からの請求に基づき、関係部署の承認に基づいて、相応の金額の対価を支払いました。

3、金融商品取引法違反について

 私は、日産のCEOを務めている間、フォード、ゼネラルモーターズなど4つの大手自動車メーカーから招聘の申し出を受けました。フォードはビル・フォードから、ゼネラルモーターズは、オバマ政権当時、自動車の帝王と呼ばれたスティーブ・ラトナーから申し出を受けました。彼らは極めて高待遇の条件を申し出てくれましたが、私たちの日産は会社再建の真っただ中であり、私は、道義上、日産を見放すわけにはいきませんでした。日産は、私にとって非常に大事な日本の象徴的な会社だからです。このように私は他の自動車メーカーに移ることはしませんでしたが、これらの自動車メーカーが招聘の条件として提示してきた私の市場価値、すなわち報酬金額について記録をつけていくことにしました。これは、将来の参考のために私が残していた個人的なベンチマークであり、法的な効力のあるものはありませんでした。他の取締役らに話したことも一切ありませんでしたし、法的な効力のあるものでも全くありませんでした。実際、取締役らが作成していた私に関する退職後の競業避止や顧問業務についての様々な提案がありますが、それは、私がつけていた上記の金額を反映していません。このことからも、私のつけていた金額が法的な効力のあるものではないことがわかると思います。

 検察による訴追は全く誤っています。私は、開示されていない報酬を日産から受け取ったことはありませんし、日産との間で、開示されていない確定額の報酬の支払いを受けるという法的な効力のある契約を締結したことも一切ありません。また、私は、退職後の報酬にかかる提案書のドラフトについてはすべて、社内外の弁護士により検討し承認されていると理解していました。このことからも、私に金融商品取引法に違反する意図がなかったことをわかっていただけると思います。このことを理解していただくためのテストとして、「死亡テスト」と言われているものがよいと思います。つまり、私が今日死んだとしたら、私の相続人が日産に対して、私の退職慰労金以外の金員の支払いを求めることができるかということです。答えは明白に「いいえ」であるからです。

4、日産への貢献

 私は人生の20年間を日産の復活とアライアンスの構築に捧げてきました。私は、この目標のために、日夜を問わず、地上でも機上でも、世界中で懸命に働く日産の従業員と肩を並べて、価値を創り出すことに取り組んできました。私たちの努力は目覚しい成果を上げてきました。私たちは日産を変革しました。1999年に2兆円の負債を抱えていたところから、2006年末には1.8兆円の現預金を有するまでに至りました。1999年に250万台の販売にとどまり多大な損失を計上していたところから、2016年には580万台を販売して利益を上げるに至りました。この間に、日産の資産規模は3倍になりました。日産の象徴であるフェアレディZやGT-Rを復活させました。中国の武漢、ロシアのサンクト・ペテルブルグ、インドのチェンナイ、ブラジルのレゼンデにも進出しました。そして、Leafで電気自動車の市場を大きく開拓し、また自動運転車開発をスタートさせ、三菱自動車をアライアンスへ招き入れました。このアライアンスは、2017年には世界第1位の自動車グループとなり、年間1千台万以上を生産しています、私たちは、直接または間接に、日本で無数の雇用を創出し、日産を日本経済の主軸へと回復させたのです。

 これらの成果は、世界に比類ない日産従業員のチームによって得られたものであり、私にとっては、家族の次に、最も大きな人生の喜びです。

5、結び

 裁判長殿、私にかけられている容疑は無実です。私は常に誠実に行動してきており、数十年にわたるキャリアにおいて不正行為により追及されたことは一度もありません。

 私は、確証も根拠もなく容疑をかけられ、不当に勾留されています。

 裁判長殿、ご傾聴いただき感謝いたします。

以上


山口一臣
ジャーナリスト(THE POWER NEWS代表)

情報発信集団「THE POWER NEWS」主宰。1961年東京生まれ。ランナー&ゴルファー。早稲田大学第一文学部卒、週刊ゴルフダイジェスト記者を経て朝日新聞社へ中途入社。週刊朝日記者として9.11テロを、同誌編集長として3.11大震災を経験する。週刊誌歴約27年。この間、テレビやラジオのコメンテーターなども務める。2016年11月末で朝日新聞社を退職し、株式会社POWER NEWSを起業する。



























 

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