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スルガ銀行、事業停止で内部はパニック…創業家関連企業へ488億円融資、全額回収は困難(Business Journal)
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/274.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 12 月 24 日 23:45:25: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

スルガ銀行、事業停止で内部はパニック…創業家関連企業へ488億円融資、全額回収は困難
https://biz-journal.jp/2018/12/post_26002.html
2018.12.24 文=編集部 Business Journal


スルガ銀行本店(「Wikipedia」より)


 スルガ銀行は天国から地獄へ急転直下だ。かつての高収益バンクが一転、大赤字になった。

 株価がその崩落を端的に示している。スルガ銀行の年初来高値は1月10日の2569円で、同安値は10月26日の476円。5分の1以下に大暴落し、時価換算で4800億円が消えた。

 女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」向けの不正融資が、“ハチの一刺し”となった。シェアハウスを含む投資用不動産への融資に関する審査書類の改竄が横行。金融庁は10月5日、新規の投資用不動産向け融資を6カ月停止するなど厳しい処分を下した。

 スルガ銀行の決算は迷走。2018年4〜9月期の最終損益は985億円の赤字(前年同期は211億円の黒字)と発表していたが、1007億円の赤字に訂正した。シェアハウス向けの融資などにからみ、グループ企業の引当金を連結して計算する過程で誤りがあったためだという。

 19年3月期通期の最終損益については、従来計画の250億円の黒字から975億円の赤字へと大幅に見通しを引き下げていたが、この業績予想は据え置いた。公表後の決算訂正は、不適切融資問題の発覚以降、2度目となる。スルガ銀行の内部が混乱していることを伺わせる。

 シェアハウス向けの不正融資の責任を取り、岡野光喜会長、米山明広社長ら取締役5人が9月7日に引責辞任。新社長に有國三知男取締役が就任した。

 新しい経営陣は、旧経営陣の責任追及を始めた。11月12日、シェアハウスなどへの不正融資で多額の損失を招いたとして、岡野氏ら9人に連帯して総額35億円を支払うよう求める損害賠償訴訟を静岡地裁に起こした。損害の責任の有無を調べる取締役等責任調査委員会の報告内容に沿って提訴を決めた。

 提訴されたのは、岡野氏、米山氏らの旧経営陣。ほかに望月和也前専務、白井稔彦前専務、岡崎吉弘前専務、柳沢昇昭前常務。第三者委員会が法的責任について判断を留保した故・岡野喜之助元副社長(の相続人)と、八木健現取締役も対象にした。経営陣ではないが、“恫喝営業”の異名を取る営業部隊を率いた麻生治雄前専務執行役員も執行役員としての義務に違反していたと認定した。

 連帯請求の範囲は、もっとも責任が重い岡野氏と故岡野元副社長が35億円。このうち11億円については米山前社長ら7人にも連帯して支払うよう求めた。

 調査資料の改竄など不正にかかわった行員については、執行役員や支店長を含む計117人を懲戒処分にした。うち19人を降格し、24人を停職や昇給の停止、44人を減給とした。麻生氏のみが懲戒解雇となった。

■ファミリー企業へ488億円の不正融資

 スルガ銀行は18年11月30日、金融庁に業務改善計画を提出した。

 改善計画は、「創業家本位の企業風土を抜本的に改めることが改革の前提条件」と明記。創業家の影響下にあったファミリー企業の融資については、スルガ銀行が全額回収する。創業家が持つスルガ銀行株の売却を通じて、資本関係の解消を目指す。すなわち、“脱創業家”を掲げたかたちだ。

 岡野氏が銀行に与えた損害額は、信用毀損を含めて35億円とした。だが、責任追及は始まったばかり。創業家のファミリー企業への融資額は488億円(18年3月末時点)に上り、このうち69億円が創業家個人に流れたと公表した。経営不振に陥ったファミリー企業を救済するため、別のファミリー企業に「寄付」のかたちで資金を流し、そこから転貸する不正も明らかになった。

 スルガ銀行は1895年に岡野氏の曽祖父にあたる岡野喜太郎氏が創業。100年以上にわたり岡野家出身者がトップを務めてきた。スルガ銀行の子会社とは別に、岡野家の関連企業(ファミリー企業)は20社以上あり、スルガ銀行はこのうちの約10社に融資している。

 ファミリー企業への融資は、一時は1200億円を超えていたが、金融庁の検査で取引の適正化を指摘され、残高を減らしてきた。それでも現時点で488億円ある。スルガ銀行の融資残高(約3.2兆円)の1.5%にあたる。

 ファミリー企業はスルガ銀行の株式を持つ。有価証券報告書によると、18年3月末時点の大株主上位10位のうち4社がファミリー企業だ。4社合計で15.46%の株式を保有する。

■岡野一族から全額回収は困難か

 ファミリー企業の中核は、筆頭株主のエス・ジー・インベストメントと、7位の大株主のエス・ジー・アセット。両社は東京都中央区日本橋室町に本社を置き、社長はいずれも岡野3兄弟の末弟・岡野喜平太氏。長男がスルガ銀行前会長の光喜氏、次男が副社長を務めた故・喜之助氏。喜平太氏はスルガ銀行の役員ではないが、ファミリー企業の中核企業を率いる。

 エス・ジー・インベストメントは貸ビルを経営する不動産賃貸会社。エス・ジー・アセットはデベロッパーだ。

 富士山と駿河湾を望む静岡県駿東郡長泉町の愛鷹山山麓。スルガ銀行創業の地、静岡県沼津市に隣接するこの地で1970年代に住宅開発が始まった。分譲する不動産会社が、喜平太氏が社長を務めるエス・ジー・アセットだ。

 敷地300坪級の高級邸宅400戸が並ぶ「スルガ平」は、テニスコートやゴルフ場、レストランもあり、「静岡のビバリーヒルズ」と呼ばれている。隣接して花、美術館、食をコンセプトにした複合文化施設「クレマチスの丘」がある。

 光喜氏ら3兄弟の父であるスルガ銀行3代目頭取の喜一郎氏は、稀代のコレクターとして美術界に大きな足跡を残した。戦後、彗星のごとく登場したフランスの天才画家ベルナール・ビュフェに魅せられた喜一郎氏は、私財を擲って、ビュフェの作品を一点一点買い集め、1973年に世界初のベルナール・ビュフェ美術館をクレマチスの丘に建設した。喜一郎氏と旧制沼津中で同窓だった作家・井上靖の文学館もある。

 スルガ平とクレマチスの丘は、岡野家の“聖地”といえる。スルガ銀行がここに融資したのは言うまでもない。

 創業家一族は、ファミリー企業を通じて保有するスルガ銀行株を売却する意向を示している。だが、不正発覚後、株価は大暴落。ファミリー企業が融資を受ける際の担保にスルガ銀行株を提供しているが、持ち株を売却しても、スルガ銀行は半分も回収できないとみられる。残りは、法的整理を申し立てて回収するしかない。

 問題は、創業家一族に転貸された69億円の回収だ。ほかのファミリー企業は手放しても、スルガ平とクレマチスの丘を岡野家が死守するのは確実だ。“最大戦犯”の岡野光喜氏とは別経営なので、法的整理の申し立てなどの強硬手段は採れない。

 有國社長の就任会見で「創業家の傀儡にならないと言い切れるのか」との質問が飛んだ事実を見過ごすことはできない。有國社長は「そのつもりで引き受けた」と答えたが、楽観視はできない。さらに「岡野前会長は、9月に経営から退く時に『一切、関与しない』と宣言した」と有國氏は強調した。

 ファミリー企業から488億円、創業家個人から69億円を全額回収できるかどうかで有國社長の本気度は明らかになる。

(文=編集部)


 

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コメント
1. 2018年12月25日 19:52:41 : d0QODkNglo : ul9iNPnSst8[84] 報告
火だるまに 黒田緩和の 被害者が

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