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どんどん先に行く「とりあえずやってみる」中国人
「やった者勝ち」を批判し、石橋を叩いて渡らない日本人
2018.12.12(水) 山田 珠世
「とりあえず」やってみると、新しい世界が開けることがある(写真はイメージ)
中国の有機ELベンチャー「柔宇科技(Royole)」が今年(2018年)10月31日、世界初となる折りたたみスマートフォン「FlexPai」を発表した。同じく折りたたみスマホを11月7日に発表するとの観測があった韓国のサムスン電子を出し抜いた形で、メディアでも驚きをもってそのニュースが伝えられた。
折りたたみスマホについてはこのほか、同じく韓国のLGエレクトロニクスや中国の華為技術(ファーウェイ)、聯想(レノボ)、米アップルなども実用化に向けて開発を進めているとされていた。どのメーカーが“世界初”のタイトルを勝ち取るかに注目が集まっていた矢先のできごとだ。
報道によると、「FlexPai」は画面解像度が1920×1440の有機ELディスプレーを使用。広げた時のサイズは7.8インチで、iPad miniと同様のサイズ感となっている。真ん中から外側に折りたたむとデュアルディスプレーになり、それぞれ独立して使うことも、つなげて使うこともできる。折りたたみの耐久性については、20万回の折りたたみテストをクリアしているという。
中国メディアがこぞって、“中国発”“世界初”の折りたたみスマホのすばらしさを称えたのは言うまでもない。
柔宇科技(Royole)が発表した世界初となる折りたたみスマートフォン「FlexPai」
実際に手に取った人の評価は?
ところが海外メディアでは、実物を手に取った人たちが「折りたたんだ際に伸びた部分がシワになって残ってしまう」「折りたたむときに、バリバリと音がする」「OSの動きが遅い」「ソフトウエアがバグだらけで、デザインが醜い」などと酷評していることが次々に報道された。「FlexPai」は“とりあえず発表しました”感満載だったようだ。
ただこれらの報道を見て、「いかにも中国らしい」と思ったのは筆者だけではないだろう。
柔宇科技にしてみれば、「サムスンの先を越したかった」というのが本当のところだろうが(サムスンは実際、11月7日に折りたたみスマホを発表した)、何よりも“世界初”を勝ち取ったことに意義がある。
柔宇科技は2012年に設立されたベンチャー企業。フレキシブルディスプレーを研究開発、生産しているメーカーだが、特に名の知れた企業ではない。名だたるスマホメーカーが“世界初”を競う中、世界的にはほぼ無名の中国メーカーに出し抜かれるなど、誰も予想していなかったはずだ。だからこそ柔宇科技は、“とりあえず”でも発表したかったに違いない。
実践しながら改善していく
上海に住む筆者のまわりにも、“とりあえず”動き出す中国人の友人は少なくない。しっかり形になっていなくても、とりあえずやり始め、改善しながら理想の形に近づけていくのだ。
お菓子作りや料理が大好きだった上海出身の友人は、自宅で頻繁にパーティを開き、客に手料理をふるまっていた。これをどうにか商売にできないかと考えた彼女は、まもなく友人と共にカフェを開いた。飲食業界の経験ゼロの状態で、だ。
数年後には、別の友人と共同出資で高級中華レストランをオープン。メニューはすべて彼女がアイデアを出し、一流シェフに作らせている。独創的なコンセプトに基づいて素材を生かした料理は見事に当たり、有名人などもお忍びでやってくる隠れ家的な場所になった。今では投資家からの出資を受け、複数の店舗の経営を任されている。
別の友人の例を挙げよう。昔から会うたびに「自分でビジネスをやりたい」と口にしていたある友人は、何ができるかを常に模索していた。筆者も何度か「一緒にビジネスをやらないか」と企画書を受け取ったことがあったほどだ。
そして、彼女はいくつもある構想のうちの1つを実行に移した。キャラクターケーキのネット販売である。
まず彼女は、ケーキのデコレーションについて数週間のレッスンを受けるために、1人で海外に行った。上海に戻ると、即座にキャラクターケーキのネット販売をスタート。もともと美大出身で絵をかくのはうまかったが、ケーキ屋などで修行を積むこともせずにいきなり商品として売り始めたのには驚いた。
彼女が作るケーキは友人らを中心にクチコミで広まり、彼女は1つケーキを作るごとに腕を上げていった。そして会社を立ち上げてパティシエを雇い、当初の希望通り経営者となった。
一度授業を受けただけで先生に
中国の友人らに共通しているのは、リスクばかりを考えすぎるのではなく、とにかく実行してみるところだ。もちろん多くのことを考えた末の決断だろう。ただ、考え始めてから実行するまでのスパンが非常に短く、「実行あるのみ」という考えの人が多い。
ある中国人が、日本人が開いた和菓子教室に1回出席しただけで自分の教室を開いた、という話も耳にしたことがある。それは詐欺ではないか、と言いたくなるほどの教室だが、中国では“あるある”の1つだ。
ある技術を少しでも学んだら、その技術を完全に修得したり成熟するまで待たずにやり始める。実践しながら不足している部分を補っていく。それをよしとする雰囲気が中国にはある。
日本だったらどうだろうか?
日本人は、限りなく完成形に近くないと商品として認めない傾向にある。自分で何かを始めるとしても、完璧に近い状態になるまでやり始めないし、完璧に近い状態になっても「まだまだ」と言って、動き出さない人も多い。まさに“石橋を叩いて渡らない”のが日本人だ。
実は自信たっぷり?
「FlexPai」は11月1日に予約販売を開始した。価格は8999〜1万2999元(約14万7700〜21万3300円)と、決して安くはない。早ければ年内には消費者の手元に届くとされており、その時が来れば様々な評価が出てくることだろう。厳しい評価の声も予想される。
ただ、柔宇科技に関する報道を見ていて、ふと、こう思った。もしかすると同社は、「とりあえず発表した」などとは思っていないのではないか。逆に「この出来栄えなら売れる」と自信を持っているのではないか──。
多くの日本人にとって、中国人の「とりあえずやってみる」スタイルは認められない。“やった者勝ち”に批判的な目を向けるのが日本人だ。
ただ、やってみなければ何も始まらないのもまた事実だ。日本人は「やってみなければ分からない」と頭では分かっていても、なかなか実行に移せない人が多いのではないだろうか。
もちろん、不足している部分は常に改善していく必要があるだろう。だが、とりあえずやってみることで、新たな世界が開けることもある。筆者は、“見る前に飛んだ”友人たちを見習いたいと考えている。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54885
「日中の接近は失敗に終わる」米国から新たな批判
日中が乗り越えられない3つの対立点とは
2018.12.12(水) 古森 義久
遼寧省政治協商会議・夏コ仁主席ら来日、東京で貿易協力セミナー開催
2018年10月29日、東京で開催された「遼寧省と日本経済貿易協力セミナー」。日中関係の改善に伴い、日中両国間のビジネス往来が頻繁になってきた。(c)東方新報〔AFPBB News〕
(古森 義久:ジャーナリスト、産経新聞ワシントン駐在客員特派員)
安倍晋三政権が現在進めている和解的な対中外交は失敗する――。こんな辛辣な批判が、米国の主要研究機関の論文で表明された。
日本と中国は互いに融和の姿勢をみせ接近を試みているようだが、日中両国間には戦略面で基本的な相違がある。そのため、和解的なアプローチは必ず失敗するだろう、という趣旨の見解だった。
日本の対中外交への否定的見解が相次ぐ
日本の最近の対中外交に対しては、米国の別の専門家から「トランプ政権が中国と対立しているときに日本が中国との協力を進めることは、米国外交への妨害であり米国の利益に反している」という意見もすでに発表されている(当コラム「安倍政権の『中国接近』に米国で痛烈な非難の声」2018年11月14日)。
その意見は 米国が日本の対中外交をどう受け止めているかに関する指摘だったが、今回の批判は、米国の反応よりも、日本と中国の関係そのものに言及している。すなわち、日本と中国は相互の戦略利害があまりに相反するため協調の道は進めない、と断じているのだ。
この論文は12月6日にワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)の日本部が日本外交研究の一環として発表した。執筆者は米国の中堅学者、ジェフリー・ホーヌング氏である。論文には「日中和解は失敗する」というストレートなタイトルが付けられていた。
ホーヌング氏は日本や東アジアの安全保障を専門の研究分野とする学者で、これまでにも活発な研究や調査の結果を発表してきた。現在は、安全保障研究では米国最大手の「ランド研究所」の研究員を務めている。ジョージ・ワシントン大学で2009年に政治学の博士号を取得し、東京大学やジョンズ・ホプキンス大学高等国際関係大学院(SAIS)にも学んだ経歴がある。ワシントンの「笹川平和財団」の研究員だったこともある日米安全保障に詳しい専門家である。
日中が歩み寄れない3点の対立
ホーヌング氏はこの論文で、まず安倍首相の10月下旬の中国訪問を取り上げ、安倍首相が7年ぶりに中国を訪問し、「日中間の通貨交換(スワップ)協定の再開」や「第三国でのインフラ投資協力」を中国側と合意したことを紹介する。
また、防衛面でも日中協議が催され、緊急時のホットラインの合意が確認されたことに触れ、「こうした動きをみると日中両国は相互の関係を改善したようにもみえる」と記す。
中国訪問中の安倍首相、歓迎式典で儀仗兵を閲兵
中国・北京の人民大会堂前で行われた歓迎式典で、同国の李克強首相と儀仗(ぎじょう)兵を閲兵する安倍晋三首相(2018年10月26日撮影)。(c)GREG BAKER / AFP〔AFPBB News〕
だが、ホーヌング氏は「その印象は間違いだと言える」と続ける。その理由としては「日中両国は現実には戦略的競合の状態にある」からだ。「両国間には少なくとも3点の基本的な主張の相違がある」「だから、現在の日中両国の和解ともみえる外交は失敗する」と断じるのだ。
ホーヌング氏は、その日中間の3点の戦略的な相違として、以下を挙げていた。
(1)尖閣諸島をめぐる対立
日本は尖閣諸島を固有の自国領土だと宣言し、中国との交渉には応じない。一方、中国も同島を釣魚島と呼び、明朝時代からの中国領だと宣言して、尖閣諸島周辺の日本の領海に頻繁に侵入している。両国の対立は交渉を排除しており、いわば紛争状態にある。和解の方法はみえていない。
(2)脅威認識の違い
中国は米国を自国の安全保障への最大の脅威とみなしている。米国の同盟国である日本についても、東シナ海、南シナ海の紛争への姿勢は中国への脅威だと断じている。一方、日本は中国の軍拡全般や日本の領海、領空への頻繁な侵入を脅威とみなしている。そこで日本は抑止や防衛のために防衛力を増強しようとしているが、中国側はそれを脅威とみる。
(3)国際秩序への見解の違い
中国は、既存の国際秩序が自国にとって不利で制約が多すぎるとみなし、その変更あるいは打破を目指している。そのためには、近隣諸国に対する強引な強制措置も辞さない。一方、日本は世界の中でも珍しいほど国際秩序の維持に努める国だといえる。
いくら協力体制を築いても「限界がある」
そのうえで、ホーヌング氏は日中関係の展望について、主に次の諸点を述べていた。
・安倍首相の訪中は、日中両国が歴史問題と領土紛争で対立して非常に険悪だった2012年頃に比べると、変化した状況を生んだ。両国は紛争案件を脇におき、経済や貿易などの分野で互恵関係を築ける方法を推進しようとしている。両国はこれまでよりは上手に当面の二国間関係を管理できるようになった。とくに中国側の対日態度の軟化が目立つ。
・しかし日中関係の基本につながる戦略的な政策や見解の対立は、現実的にはまったく解決できていない。その解決がみえない限りは、和解的な外交をいくら進めても限界がある。今回の安倍首相の訪中は、両国首脳が未解決の対立をうまく避ける管理方法を発展させただけともいえる。
・だが、日中両国による対立の管理が少しでも後退や崩壊をみせたときには、未解決のままの戦略的対立が表面に出て、二国間関係全体がすぐに険悪になることは確実だといえる。日本も対象に含む中国の対外関係は、これまでの歴史がその実態を物語っている。
戦略国際問題研究所が発表したホーヌング氏の論文は、日中関係の現状と展望について以上のような厳しく鋭い分析を述べていた。もしも日本が本気で中国との和解外交を推進するのだとしても、その見通しは厳しく、失敗するだろう、という鋭利な診断だともいえる。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54915
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