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日産ゴーン氏、検察による再逮捕・勾留延長はなんの問題もない…「実刑」が濃厚
https://biz-journal.jp/2018/12/post_25892.html
2018.12.11 文=編集部、協力=山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士 Business Journal
カルロス・ゴーン容疑者(写真:ロイター/アフロ)
10日、日産自動車元会長のカルロス・ゴーン氏が再逮捕され、東京地裁は同日、ゴーン氏に10日間の勾留を認める決定をした。今回の再逮捕の容疑は「直近3年分の有価証券報告書の虚偽記載」だが、先月19日に逮捕された際の容疑は「2011年3月期〜15年3月期の有価証券報告書の虚偽記載」であり、逮捕事実は同じで期間だけが異なる点について、身柄拘束の適法性を疑問視する指摘も出ている。
さらには、「役員の報酬」についての虚偽記載が、金融商品取引法が定める「重大事項の虚偽記載」に該当するのかは微妙であり、検察がゴーン氏を有罪に持ち込めない可能性も指摘されている。
また、ゴーン氏の不正を暴いた側である日産の西川廣人社長が、ゴーン氏の退任後に報酬を払う旨を定めた文書に署名していたことが判明し、西川社長の責任を問う声も出ている。そもそも西川社長は2017年からCEOを務めており、会社として虚偽の有価証券報告書を提出していた最終責任は西川社長にあり、西川社長が逮捕される可能性も指摘され始めている。
そこで今回、弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士の山岸純氏に解説してもらった。
■山岸弁護士の解説
一つの罪に対しては、1回しか逮捕・勾留ができません。これを「一罪一逮捕の原則」といいます。
では、「一つの罪」とは何ですか? ということになりますが、殺人事件だとわかりやすいと思います。「殺人罪」という犯罪は「人の命」というものを法律によって守るべき利益(法益)としていますので、殺人罪の数も「人の命」ごとに成立します。とすると、Aを殺した場合には、「Aに対する罪(殺人罪)」という「一つの罪」が成立しますので、これに対する逮捕は1回しかできません。AとBを殺した場合、「Aに対する罪(殺人罪)」と「Bに対する罪(殺人罪)」が成立するので、それぞれ1回ずつ、合計2回逮捕することができます。
要するに、逮捕・勾留によって最大「23日間」、身柄を拘束して取調べができるので、2つの罪を同時に逮捕して「23日間」とせずに、あえて2回に分けて逮捕したほうが身柄を拘束して取調べができる期間が2倍になるということです。
さて、今回の場合ですが、「有価証券報告書の虚偽記載」は1個の虚偽記載で1個の犯罪が成立すると考えるのであれば(実際そうです)、有価証券報告書は年に1回提出するので、「2017年の虚偽記載罪」「2016年の虚偽記載罪」「2015年の虚偽記載罪」といったように犯罪が成立することになります。とすれば、「逮捕事実は同じで期間だけが異なるという」とはいっても、罪が違うことから、今回の再逮捕もなんの問題もありません。
なお、この話は過去の司法試験にも出題されるほど問題視されていることなので、学者さんによっては「けしからん!」と憤る方もいらっしゃるかもしれませんが、やりすぎ、狡猾、卑怯かどうかはともかくとして法律上は違法ではありません。
次に、「西川社長が今後逮捕される可能性もある」かどうかですが、確かに「会社として虚偽の有価証券報告書を提出していた最終責任者は西川社長」であることは事実ですが、中小企業なら社長は会社の中で起きていることすべてを知っているでしょうが、日産のような巨大企業において、すべての書類に対し目を通して実質的な決裁をしているとは考えられません(形式的には決裁はしているでしょうが)。
とすると、「虚偽記載」について、将来の裁判において検察側が西川社長の故意を立証することは難しいでしょう。というわけで、西川氏の逮捕・起訴はないと思われます。
最後に、特別背任罪についてですが、日産内の捜査はほとんど終わっている状況と考えられるので、今の時点で話に出てこないということは、特別背任罪での立件は考えていないのかもしれません(立件が難しいから)。
もっとも、今後、マスコミで騒がれているように、「役員の報酬」についての虚偽記載が、はたして「重大事項の虚偽記載」なのかどうかという点は、確かに争点となります。
頭のいい検察ですから、あえて争点となるような罪で先行して逮捕したのは、ひょっとすると、これを“別件”として身柄を確保し、その取調べ中に特別背任なども捜査するという、お決まりの手法なのかもしれません。
とはいえ、私は、最終的にはやはり脱税の点で挙げられる(逮捕・起訴)と思います。
古今東西、悪いことをしているのは確実なのに、証拠の点でどうしても挙げられないときは、例えばアル・カポネなんかも、最後には脱税で挙げられているのです。
有価証券報告書の虚偽記載は重罪です。これにあわせて脱税も重なれば、実刑が言い渡される可能性はとても高いと思われます。
(文=編集部、協力=山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士)
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