http://www.asyura2.com/18/hasan129/msg/622.html
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(回答先: アメリカだけじゃない、日本で急速に進む「自国第一」日本人の社畜ぶりが話題!外国人驚愕 財政で農家を守り低所得層をいじめる 投稿者 うまき 日時 2018 年 11 月 26 日 20:29:13)
2018年11月26日 Avantika Chilkoti
原油急落、新興国市場に追い風
原油価格急落
Photo:Reuters
原油価格の急落で勝ち組になったのは、主要なエネルギー輸入国である新興国だ。
国際石油取引の指標油種であるブレント原油先物は10月上旬につけた4年ぶり高値から20%余り下落し、弱気相場入りした。今月20日には下げ幅を一段と広げ、前日比6.4%安と2017年10月以来の安値で引けた。
米国株も売られ、主要株価指数は年初来の騰落率がマイナスに転じたほか、米指標油種のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は6.6%安に沈んだ。
多くの投資家が損失を被っている一方、このところの原油安はインドやトルコ、インドネシアなど、世界でも成長の著しい一部のエネルギー輸入国にとってはありがたい救いとなる。これらの国は年初からほぼ一貫して、ドル高とエネルギーコスト上昇の挟み撃ちに苦しんできた。
新興国ファンドを運用する英アシュモア・グループの調査部門責任者、ジャン・デーン氏は「こうした国々の大半は原油輸入国だ」と指摘する。原油相場の下落は「経常収支の改善につながり、インフレ率を低下させるため、明らかに好材料だ」という。
新興国通貨は原油安を背景に上昇している。このため、エネルギー輸入国は同じ量の原油をドル建てで購入する際、自国通貨での支払額が少なくてすむ。
インドルピーはここ1週間に対ドルで1.7%上昇し、今年つけた過去最安値からやや持ち直している。フィリピンペソは1.1%、インドネシアルピアは1.5%、それぞれ上昇。MSCIエマージング・マーケット・インデックスは11月に入り1.6%上昇した。もっとも、年初来では依然として16%安にとどまる。
ほかにも好材料が見え隠れし、世界の貿易摩擦が近く緩和するとの期待が膨らんでいる。とりわけ、今月末の20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせたドナルド・トランプ米大統領と中国の習近平国家主席の会談が実現する可能性が注目される。
それでも、新興国の中央銀行は引き続きインフレを警戒している。バークレイズのアナリストによれば、一部の中銀はなお利上げに傾いている。インドネシア、フィリピン、メキシコはいずれもここ数週間で金融政策の引き締めに動き、インフレ上昇を巡る懸念を理由に挙げた。
中銀が警戒を解かないのは、原油安が一時的なものかどうか不明だからだ。米政府によるイラン産原油の禁輸措置に関し、制裁対象の除外範囲が大きく、トレーダーが不意打ちを食らう格好となったことが原油の急落につながったのか、あるいは基本的な需給の変化が相場に影響しているのか。原油市場では、需要が伸び続ける限り、来年の供給過剰は心配ないとの見方が大勢だ。
原油安となれば、一部の新興国中銀への重圧は弱まる。バークレイズのアナリストは顧客向けリポートで、「南アフリカやインドなど、インフレリスクが高い国では、どちらかといえば中立的な政策姿勢を取る傾向にあるかもしれない」とし、「自国通貨が比較的高めにとどまれば、その傾向は一段と強まる可能性が高い」と述べた。
こうした新興国では消費者も企業も慎重な構えを崩していない。インド国営の石油精製・販売会社であるヒンドゥスタン・ペトロリアムのムケシュ・クマール・スラナ会長は、原油価格の下落がインド経済に追い風となったとしても、足元の原油市場の変動は国内の石油精製業界の意志決定を複雑にしていると指摘する。
スラナ氏は、世界的な原油安はヒンドゥスタンの利益率を押し上げるものの、「ボラティリティー(変動性)はいただけない。相場の上げ下げで在庫評価損が発生する」と語った。
https://diamond.jp/articles/-/186514
2018年11月26日 Kejal Vyas
経済危機のベネズエラ、金採掘で荒れる自然遺産インフレ率が100万%を超えるなか、国立公園のツアーガイドでは先住民は生活できない
カナイマ国立公園(ベネズエラ)
Photo:PIXTA
【カナイマ国立公園(ベネズエラ)】絶壁の上に平らな台地が広がる「テーブルマウンテン」や世界最大の落差を誇る滝「エンジェルフォール」で知られるベネズエラのカナイマ国立公園。先住民のペモン族は長らく、この国立公園の世話役を自認してきた。
しかし、国の経済危機によってツアーガイドとしての生活が成り立たなくなった彼らは今、金鉱を求めて地面を掘り起こさざるを得ない状況に追い込まれている。こうして広がる露天掘りの金鉱が、深刻な自然破壊を引き起こしている。
「われわれペモン族は常にエコロジストであり、この土地の守護者だった」。近くの集落のリーダー的存在であるアブラハン・サンドバル氏(33)はこう話す。「だが状況が変わり、われわれは自分たちの居住地の破壊者になってしまった」
9月に住民が掘った穴はフットボール競技場2つ分を超えるほどの広さだった。
ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は、落ち込む石油収入を穴埋めし、同国史上最悪の経済危機を解決する手だてとして、金採掘に期待を寄せている。深刻な食糧不足で数百万人が国外に脱出する中、マドゥロ大統領はカナイマ国立公園の南北に広がる4万3000平方フィート(約4000平方メートル)を、金やその他の鉱物資源の採掘地として指定した。
マドゥロ氏は最近の演説で「次のクリスマスの最も注目すべき、魅力的で人気の高い贈り物は、金の鑑定書になるだろう。(中略)金は価値が増すことはあっても絶対に減らない」と語った。
同国の今年のインフレ率は130万%を超える見通しだ。公園内の集落に住むペモン族にとって金は、ほぼ無価値となった通貨ボリバルの代わりとなるものだ。集落の食料雑貨店では、店主がカウンターで金のかけらを計量し、1ポンドのコメに対して4ドル相当、1ガロンのガソリンに対し7ドル相当を徴収する。この地域ではダイヤモンドや鉱石コルタンの採掘も行われている。コルタンは精製すると、携帯電話に使われる希少金属(レアメタル)のタンタルが得られる。
米財務省は最近、米企業にベネズエラの金採掘への参入を禁じる制裁措置を発動した。金採掘で得られる資金は、マドゥロ氏や側近らが同国最後の富を略奪し、窮地にある政権を浮揚させるのに役立つというのがその理由だ。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産に指定されているカナイマ国立公園内で採掘を行うと違法になる。同公園は滝だけでなく、かつて南米とアフリカが1つの大陸だった証拠を示す地質学的に重要な岩石層でも知られる。珍しい植物や、オオアリクイやバクといった希少動物が生息するほか、5億年前からの侵食の痕が残る独特の形状のテーブルマウンテンは、ディズニーのアニメ作品「カールじいさんの空飛ぶ家」(2009年)の舞台のモデルにもなった。
だが、新たな経済的現実が引き起こした「ゴールドラッシュ」は、国立公園に取り返しのつかない被害を与えると環境活動家は指摘する。鉱物採取用に掘られた穴には、汚染物質を含む青緑色の水が大量にたまっている。園内の河川では、金採取者がわずかな金でも抽出できるよう、すくった泥に水銀を混ぜている。彼らはこうした作業を通常は夜間に行うという。軍が率いるレンジャーの目を避けるためだ。
「予想されるのは、この破壊行為が今後さらに激しくなるだろうことだ」。ベネズエラの環境保護団体「SOSオリノコ」は、最近ユネスコに提出した報告書の中でこう述べた。同団体はユネスコに対し、シリアの古都アレッポやイエメンのサナア旧市街と同じく、カナイマ国立公園を「危機にさらされている世界遺産」に登録するよう求めている。
SOSオリノコは衛星画像を使った報告書で、公園内から周縁部にかけて30カ所を超える採掘場が確認されたとしている。
一方で、ゴールドラッシュは、犯罪組織やコロンビアの反政府左翼ゲリラなども引き寄せている。こうした集団の縄張り争いで10月には17人が犠牲となった。今月発生した衝突ではベネズエラ軍の兵士3人も死亡した。
ベネズエラ当局は公式声明で、カナイマ国立公園での採掘は禁止されており、指定した採掘地に限定すると強調している。だが、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が先月現地を訪ねた際、ペモン族のリーダーらは政府が金採掘に代わる選択肢を提供していないとし、大半の住民は今後も金鉱石探しを続けるつもりだと述べた。
https://diamond.jp/articles/-/186515
ブレグジットは英国崩壊への道 突如見えてきた終点、破産よりひどい結果になる恐れ
2018.11.26(月) Financial Times
(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年11月23日付)
英EU離脱の国民投票後に抗うつ薬の使用急増 研究
英ロンドンの国会議事堂前でデモ隊が掲げた「ブレグジット、価値はあるのか?」と書かれた幕(2018年9月10日撮影)。(c)Daniel LEAL-OLIVAS / AFP〔AFPBB News〕
「どんなふうに破産したのか」
ヘミングウェイの小説『日はまた昇る』の登場人物はそう尋ねた。すると、2通りだなという答えが返ってきた。
「少しずつ、そしていきなり、だ」
少しずつ、そしていきなりというのは、ブレグジットの物語そのものだ。
2016年の国民投票で欧州連合(EU)から離脱するとの結果が出たことで、英国はエネルギーや目的、国際的な影響力を少しずつ奪い取られている。
少しずつだから、気づいていない人も多い。だがここに来て、終点がいきなり視界に入ってきた。破産よりひどい事態になるかもしれない。
ロンドンの官庁街ホワイトホールでは、公務員の委員会がいくつも設けられ、国の非常事態に備えたコンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)の策定に大わらわになっている。
国民保健サービス(NHS)は、薬の在庫がなくなるかもしれないと警告を発している。航空機が着陸させられたり、銀行のトレーディングルームが閉鎖されたりする可能性もある。
食料輸入の入り口として重要なドーバーの港も、ゆっくりと活動を停止するかもしれない。そんなことになったら売り場の棚は数日で空っぽになる、とスーパーは話している。
これらは、英国が「合意なし」でEUから離脱した場合に発生するコストの、ほんの一例にすぎない。
道路を1本隔てたところにあるウェストミンスター(英国議会)の政治家たちは無頓着なようだ。
保守党強硬派の下院議員たちは、自分の党から出ている首相の不信任投票を実現すべく署名を集めて回っている。
彼らカミカゼ離脱派によれば、テリーザ・メイ首相が交渉したEU離脱協定案では英国が「属国」になってしまうらしい。
それなら自分たちの同志を首相に据え、ブリュッセルのEU本部には指を2本立てておさらばし、リスボン条約第50条が定めた期限の到来する2019年3月末をもって一気にEUを離脱する方がましだ、英国は以前、強く自立していたではないか、というわけだ。
(注1=ピースサインを裏返した2本指は、米国などで「中指を立てる」のと同じ侮辱的行為)
立場は異なるものの、労働党のジェレミー・コービン党首も欧州プロジェクトを毛嫌いしている。
コービン氏は、英国で今起こっていることよりも米国主導の西側帝国主義に立ち向かうことの方に関心があり、EUは労働者に対する資本主義者の陰謀だと考えている。本当だ。
EU離脱派は大英帝国への郷愁に、コービン氏は1970年代に自らが掲げた革命的社会主義への郷愁に、それぞれ囚われているのだ。
ことがこれほど深刻でなかったら、笑えるほどばかげた話だ。だが実のところ、そのばかさかげんのせいで事態の深刻さがかすんでしまう危険性が大きくなっている。
英国は、40年以上かけて築き上げてきた欧州大陸との政治的・経済的関係を取り壊そうとしている。
EU加盟国という地位はこの国のあり方にしっかり織り込まれており、外交政策の重要な柱になっている。
メイ氏は以前、ブレグジットだと言ったらブレグジットだと述べたが、いったい何を意味していたのかについて保守党自体がまだ同意できていない。
平時の危機はこれまでにも何度か起きている。1970年代の初めには保守党のエドワード・ヒース首相と労働組合との対決のせいで、週に3日しか工場を操業できない時期があった。
大臣たちはこのとき、歯を磨くときはエネルギー節約のために電気を消すよう有権者に説いた。
その数年後には国が破産の危機に瀕し、労働党のジェームズ・キャラハン首相が国際通貨基金(IMF)の緊縮プログラムをめぐってほかの閣僚と対立した。
その後にやって来た冬には労働争議が多発し、選挙でのマーガレット・サッチャーの勝利と1980年代の経済革命への道を開くこととなった。
ブレグジットは、まるでケタが違う話だ。国民投票は連合王国とその中にあるコミュニティーを分断した。
イングランドの醜いナショナリズムを活気づけ、スコットランド独立派に新たな不満の種をもたらした。
若年層ではEU残留に投票する人が圧倒的に多かった。スコットランド、北アイルランド、ロンドン、イングランドのほかの大都市、そして裕福な専門職の人々の間でも残留派が多かった。
片や高齢者、小さな都市や町に住むあまり裕福でない人々――イングランドとウェールズではこちらが多数派となった――は離脱を支持した。
このときの敵意はまだ鎮まっていない。議会制民主主義は歪められてしまった。
下院議員の過半数はEU残留を支持したのに、今や、彼らが国益に反していると考えているブレグジットの取引を支持するよう要請されているのだ。
メイ氏が示した答えは、25日開催のEU加盟27か国の首脳との会議で最終決定させたいと同氏が望んでいるブレグジットのパッケージ(離脱協定案)である。
実を言えば、これは悪い取引だ。
ブレグジット原理主義者なら、これでは英国とEUの結びつきが緊密すぎると言うだろう。だが、この取引が悪い理由はそれではない。
北アイルランドとアイルランド共和国との国境が開かれ続けることを保証する「バックストップ」が盛り込まれているからでもない。
その理由は、「支配権を取り戻す」という無意味な試みのためにEU加盟国の大きな利点を犠牲にする内容だからだ。
この言葉がもし何かを意味するのであれば、「支配権」とは国益を増進させる能力のことだ。ブレグジットはこの能力を弱めてしまうのだ。
離脱協定案は、経済面では時限的な取り決めしかしていない。1、2年で新たな崖が目前に迫ってくるだろう。
それでも、下院で支持を求めるメイ氏には強力な援軍がついている。
港湾や空港、スーパーの品不足、景気の悪化と言ったカオス(混沌)が急激に迫ってくる恐れがあるという、あの「いきなり」の脅威だ。
気に入らない――それどころか大嫌い――かもしれないが、それを避けたら無秩序なブレグジットしか残っていない、と首相は言う。
その場しのぎの解決か、それとも混沌か。大企業はすでにメイ首相への支持を表明している。
もちろん、この選択肢の組み合わせは間違っている。
英議会はリスボン条約第50条による交渉の延長と、政府によるほかの選択肢の検討を求めることができる。
しかし筆者の政治感覚では、白黒がはっきりするときが近づいているように思える。
もし議会でメイ氏の離脱協定案が否決されれば、両極端の中間を行く、ごまかしながらもどうにか切り抜けるブレグジットを探る試みも終わりを迎える。
おそらく、現状維持か完全離脱かの「オール・オア・ナッシング」になってしまうのだろう。
2016年の国民投票で、英国はEU離脱という結論を出したものの、その後どこに行きたいかは明確にしなかった。
今なら、行く手に何が待ち構えているかが分かっている。ここで国民投票をもう一度実施したら、上記の2つの行き先が選択肢として示される。
その投票は国民を分断するだろうし、ひどい事態にもなるだろう。有権者は自己嫌悪を募らせた揚げ句、崖に突っ込むことを選択するかもしれない。
しかし、「少しずつ」の過程はもう終わりを迎えた。突如、英国は決断を下さねばならなくなったのだ。
By Philip Stephens
c The Financial Times Limited 2017. All Rights Reserved. Please do not cut and
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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54767
2018年11月26日 ロイター
英国の「合意なき離脱」で何が起きるか
11月20日、英国が欧州連合(EU)を離脱する期日まであと4ヵ月あまり。だが、経済に与える影響を和らげるための移行期間については、依然として当てにできない状況だ。写真は英国のメイ首相。ロンドンで15日撮影(2018年 ロイター/Peter Nicholls)
[ロンドン 20日 ロイター] - 英国が欧州連合(EU)を離脱する期日まであと4ヵ月あまり。だが、経済に与える影響を和らげるための移行期間については、依然として当てにできない状況だ。
英国のメイ首相は先週、EU本部とEU離脱(ブレグジット)協定の素案で合意した。だが与党・保守党内でも頑強な抵抗に直面しており、議会の承認も得られない可能性がある。
では「合意なきブレグジット」とは、一体どのようなものなのだろうか──。項目別にまとめた。
●英国経済
イングランド銀行(英中銀)のカーニー総裁は、移行期間を伴わないブレグジットは、英国経済に対し、1970年代の石油危機に匹敵する「大きなマイナスのショック」を与えると警鐘を鳴らした。
国際通貨基金(IMF)では、合意なきブレグジットによって英国経済はマイナス成長に陥ると予測している。
英シンクタンクの国立経済社会研究所は、英国経済の2019、2020年の経済成長率について、EUとの合意を伴うブレグジットであればそれぞれ1.9%、1.6%と予想しているが、「合意なき離脱」の場合には、いずれも0.3%にとどまると予測している。
●貿易
少なくとも短期的には、貿易障壁が高くなることで、英国、EU双方の企業が打撃を受ける。
英国の輸出企業はEUの輸入関税に直面する。関税率は平均5%だが、同国の主力輸出品については、自動車に10%が課せられるなど、さらに高くなる。
製造企業は、通関手続の遅れによって自らの「ジャストインタイム」製造方式に支障が出ることを危惧している。
だが離脱賛成派は、テクノロジーの活用により通関手続の遅れは緩和されると予想。将来的に英国がEUとの自由貿易協定を実現すれば、輸出も自由に行えるようになると主張している。
また同賛成派は、EUとの緊密な関係を続けるよりも、米国やインド、中国といった、より成長率の高い国々と貿易する方が英国にとって利益になるとも主張している。ただし、英国財政を予測する担当者は、こうした諸国との2国間貿易による恩恵は小さなものに留まる可能性が高いとされている。
●港湾、企業倒産、備蓄
最初に影響が出る可能性が高いのは、港湾と空港だろう。政府は、イングランド南部の自動車専用道路2本と空港1カ所を、必要に応じて大型トラック駐車場に転用する計画を立てている。
フランスのボルヌ運輸相によれば、合意なきブレグジットに備えて、フランスは、港湾における通関手続きや検査対応を中心に、さまざまな措置を準備しているという。
英国勅許調達供給協会(CIPS)では、部品・原材料等の通関手続が10─30分遅延することによって倒産する懸念を抱いている英国企業は、全体の10分の1に及ぶと試算している。
多くの製造企業は、通関手続が遅れた場合でも製造ラインを稼働させ続けるために、部品の備蓄を進めている。英国政府は製薬企業に対し、薬剤の備蓄を通常より6週間分積み増しするよう要請している。
●財政とイングランド銀行
ハモンド英財務相は、ブレグジットが経済的なショックを与える場合に備えて財政支出を拡大すべく、財政上の予備費を積み上げてきた。
同財務相は同時に、長期的には、合意なきブレグジットという事態に陥るとすれば、緊縮財政を終らせるという自身の公約を考え直すことになる、と警告している。
離脱賛成派は、合意なき離脱は、EU予算に対する英国政府からの資金拠出がただちに終了することを意味しており、公共財政にとってプラスになるはずだと主張している。
英中銀は投資家に対し、合意なき離脱ショックが生じた場合でも、ただちに中銀が救済に動くとは当てにしないよう警告している。英ポンド下落によって、同国のインフレ率が押し上げられ、利下げの障害となる可能性がある。
●英ポンド
経済に打撃を与える可能性が高いことを考慮すれば、合意なきブレグジットによって、恐らくポンドは下落する。ポンドの対ドル相場は2016年にEU離脱を決めた英国民投票以来、約13%下げているが、この幅がさらに拡大することになる。
ロイターが1日発表した市場ストラテジストを対象としたアンケート調査によれば、EUとの合意が成立しない場合、ポンドは6%以上下落するが、合意成立の場合には約5.5%上昇すると予想されている。
●英国株価
ポンド安になれば、世界で事業展開する英最大手企業の多くにとって、株価が上昇する可能性がある。FTSE100種株価指数の構成銘柄であるブリティッシュ・アメリカン・タバコやGSKなど、収益の7割を海外で稼いでいる企業がそれに含まれる。
だが、より国内市場に注力して、収益の半分を自国に依存するFTSE250種株価指数に含まれる企業は打撃を受ける可能性がある。
従来の相関関係がいまも有効だとすれば、これは理にかなっている。だが先週、FTSE100と英ポンドがどちらも下落し、こうしたトレンドが一時的に乱された。秩序なきEU離脱リスクの上昇が投資家を動揺させるなかで、珍しく双方が連動する動きが生じている。
●債券
合意なき離脱による経済ショックが生じた場合、通常であれば、投資家は英国債という安全資産に流れるはずだ。債券価格とは反対方向に動く英国債利回りは15日、2016年以来最大となる下落を記録した。
だが、合意なき離脱はメイ首相にも大きな打撃を与え、新たに総選挙が行われる可能性がある。いくつかの世論調査では左派の労働党が優位に立っており、公共投資の大幅増を公約する同党の政策は、一部の投資家を動揺させることだろう。
(William Schomberg 翻訳:エァクレーレン)
https://diamond.jp/articles/-/186657
2018年11月26日 ロイター
イタリア銀行株の空売り拡大、EUと対立激化で
11月21日、ここ数週間、イタリアの銀行に対する投資家の空売りポジションが膨らんでいることがデータで確認できる。ローマで5月撮影(2018年 ロイター/Tony Gentile)
[ロンドン/ミラノ 21日 ロイター] - ここ数週間、イタリアの銀行に対する投資家の空売りポジションが膨らんでいることがデータで確認できる。浮かび上がってくるのは、イタリアの銀行の厳しい収益見通しや、同国政府の来年予算案を巡る欧州連合(EU)との対立激化に伴う経済の先行き不安だ。
イタリアの銀行の時価総額は5月以降で計400億ユーロが消失した。予算問題で国債利回りが5年ぶりの高水準に迫り、銀行の保有する国債の価値が目減りするとともに、財務基盤の弱い一部の銀行は資本不足に陥るリスクが高まりつつある。
21日には欧州委員会が、イタリアの来年予算案がユーロ圏の財政規律を順守していないとして、是正措置を求める過剰財政赤字是正手続き(EDP)を勧告した。
イタリアの銀行は国債残高の2割近くを抱えているだけに、こうした欧州委の動きを見越したかのように、投資家は既に銀行株がさらに下落することに賭ける取引を拡大。空売りの標的になっているのは中小銀行で、投資銀行のメディオバンカや銀行と資産運用を手掛けるバンカ・メディオラヌムの空売りも増加している。
FISアステック・アナリティクスのデータに基づくと、空売りに用いられる貸株残高はイタリアの銀行の場合、少なくとも過去15ヵ月で最高水準となった。例えばメディオラヌムの発行済み株式に占める貸株の割合は約8.7%で、メディオバンカに至っては可能限度いっぱいの15%に達するほどだ。
ジェフリーズの銀行アナリスト、ベンジー・クリーラン・サンドフォード氏は「2012年のようなソブリン型の側面が強い危機の再現というテールリスクがあると信じられているとすれば、イタリアの銀行は間違いなくそれによってマイナスの影響を受ける」と述べた。
空売り需要の強さの尺度となる株式の借り入れコストを見ると、国内第3位のバンコBPMはこの3ヵ月で40%も跳ね上がった。
空売り規制
政治サイドには、銀行株の空売りを制限しようとする動きも出ている。ジョルゲッティ官房長官は21日、国債利回りスプレッド拡大から銀行を守る目的で、空売り禁止を提唱した。
ただし空売りを規制しても、投資家が来年予算案の問題でEUとの対立が終息すると投資家がみなさない限り、銀行株への逆風は弱まらない、とジェフリーズのクリーラン・サンドフォード氏は話す。
同氏はロイターに「空売りが下げ圧力を助長しているとの考え方があるが、より長い期間では株価は(企業の)基本的な価値を反映する。その観点では、空売りできるかどうかは大勢に全く影響しない」と説明した。
https://diamond.jp/articles/-/186642
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