http://www.asyura2.com/18/hasan129/msg/576.html
Tweet |
衝撃はまだ序章 これから二幕三幕もある日産ゴーン逮捕劇 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/242199 2018/11/22 日刊ゲンダイ 文字起こし このままでは終われない(C)日刊ゲンダイ この逮捕劇は序章に過ぎない。自らの報酬を過少申告した金融商品取引法違反(有価証券報告書虚偽記載)の疑いで日産自動車会長のカルロス・ゴーン容疑者が東京地検特捜部に逮捕された事件は、世界中が今後の展開に注目している。 とりわけ関心を集めているのは、3社の会長を兼務してきたゴーンという「扇の要」を失ったルノー、日産、三菱自動車のアライアンス(連合)の行方だ。日産の未来はどうなるのか。自動車業界のみならず、その背後には各国政府の思惑も蠢き、予断を許さない。 19日にゴーンが逮捕されたことを受け、フランスのルメール経済・財務相と世耕経産相が20日に電話会談。「日産・ルノーアライアンスに対しても、協力関係を維持していくという彼らの共通の意志に対しても、強力にサポートすることを確認した」という共同声明を発表した。だが、日仏政府がいくら「協力の維持」をうたっても、市場はまったく信じていない。株価下落がその証拠だ。 実際、早くもアライアンスの足並みは乱れ始めている。日産は22日、取締役会を開き、ゴーンの会長解任を決める。三菱自もゴーン解任を発表。一方のルノーは21日未明の臨時取締役会でゴーンのCEO解任を見送った。これはルノーの筆頭株主である仏政府の意向だ。 ルメール経済・財務相は仏メディアの取材に対し、「仏政府が解任を求めない理由は単純だ。(不正の)証拠がないからだ」と言い切った。 ■仏政府は異例の対応でバックアップ 「ルメール氏は『事件発覚後に調べさせたが、不正は出てこなかった』ともコメントしていて、まるでゴーンの不正を確認したという日産の社内調査を信じていないような口ぶりです。逮捕直後にはマクロン大統領が『ルノー、日産のグループの安定性を注視していく』とコメントを出し、20日にはフランスの駐日大使が東京拘置所に出向いてゴーンと面会していますが、どれも異例のことで、フランス政府のゴーンを守るという強いメッセージに見える。マクロン大統領はかねてルノーと日産の経営統合を求めていました。ルノーとしても、利益の半分を稼ぎ出す日産を絶対に手放したくない。そのために、まだゴーンの存在が必要なのです」(経済ジャーナリスト・有森隆氏) 仏ルモンド紙の電子版は20日、ゴーン逮捕は「日本側のクーデター」というルノー経営陣の声を報じた。自国産業強化のためルノーと日産の経営統合を志向する仏政府に、日本側が反発していたと解説している。 英フィナンシャル・タイムズ紙も、ゴーン逮捕劇の背景には経営を巡るる内部抗争があったと分析。仏政府の意を受けてルノーとの経営統合を進めようとするゴーンに日産経営陣が抵抗し、これが逮捕の引き金になったとしている。日産側は仏政府による経営介入を警戒し、独立したままの資本関係の維持を望んでいたが、社内のガバナンスではゴーンを引きずり降ろせないため、東京地検の“外圧”を利用して追い落としにかかったという見立てだ。 このままでは終われない(C)日刊ゲンダイ
「今回のゴーン逮捕劇の背後にあるのは、単に日産内部だけの抗争ではありません。日産の子会社化を推進するマクロン大統領のバックにいる国際資本と、米国に協力的でないゴーンを快く思っていなかったトランプ大統領とその周りにいる金融グループの綱引きという側面もある。勢力争いに東京地検まで巻き込み、クーデターまがいの反乱を起こしたものの、これで反ゴーン派がすんなり主導権を握ることにはならないでしょう。ゴーンが日産を私物化していたことは許されませんが、潰れかかっていた日産を短期間で立ち直らせたことも事実です。ゴーンがいなくなれば経営が不安定になるのは避けられないし、ルノーとの提携解消も現実的ではない。アライアンスのおかげで販売台数が世界2位に上り詰めたわけで、提携を解消すれば、二流メーカーに転落しかねません」(経済評論家・斎藤満氏) 日産はゴーン逮捕を機に、ルノーとの持ち株比率の不均衡など、提携関係のあり方について見直す方針だ。22日の取締役会では、企業ガバナンスや経営体制の刷新も議論される。また、ゴーンを早く取締役から外すため、来年6月を待たずに臨時株主総会を開催する案も浮上しているという。 勾留されて不在の間、一気に外堀を埋めてゴーンを追放してしまうというシナリオだろうが、果たして思惑通りいくかどうか。 まず、ゴーンの長期勾留は難しいだろう。国際的に問題視されている日本の「人質司法」が批判の的になりかねない。それに保釈後、ゴーンが国籍を有するフランスやレバノンに逃げ込んだら、東京地検は手を出せるのか。仮に裁判に持ち込めても、有罪にできる保証はない。世界中の政財界に顔が利くゴーンの反撃は必至だ。 仏経済紙レゼコーは、ゴーンを追い落とした日産の西川広人社長を「ブルータス」に例え、「目をかけてくれたゴーン氏を公共の場で引きずり降ろした」と断罪した。 有名な「ブルータス、おまえもか」はシェークスピアの戯曲のセリフだが、暗殺されたカエサルは劇中でこう言う。 「Ettu,Brute?Thenfall,Caesar!(ブルトゥス、おまえもか? もはやカエサルもここまでか!)」――。 ■カリスマを失ったイエスマン集団に何ができるのか 第一幕では失脚したかに見えるゴーンだが、このまま黙って引き下がるとは思えない。日産との徹底抗戦が始まるのではないか。 「ゴーンは日産と三菱自動車の会長を解任されても、ルノー・日産・三菱自動車アライアンスのCEOとして実質的な支配力を維持しています。今回の事件で、かえってルノーと日産の経営統合を強引に進める方向に行くかもしれない。それに、言われているような不正が、わずか数人の側近だけで実行できたのかも疑問です。不正行為が何年も続いていたのなら、見抜けなかった現経営陣は無能のそしりを免れない。そもそも現経営陣はゴーンに気に入られて引き上げられたイエスマンばかりです。集団指導体制で難局を乗り切ると言っているが、この陣営では不可能でしょう。日仏政府の思惑もある中で、カリスマを失ったイエスマン集団が独自の舵取りなんてできるのか。有価証券報告書の虚偽記載はゴーン個人の問題ではなく、法人としての責任も問われる。会社に多大な損害を与える不正行為を黙認してきたとすれば、株主代表訴訟に発展する可能性もある。実に前途多難です」(有森隆氏=前出) ただでさえ、激動の自動車業界である。日本車メーカーは米国が突きつけてくる関税引き上げや数量規制に翻弄されている。さらには米中貿易戦争の影響。ガソリン車を諦め、EVでの覇権を狙う中国は、海外メーカーの技術に触手を伸ばしている。もちろん、仏政府も虎視眈々だ。欧州メーカーもしのぎを削る中、無能経営陣が迷走を続ければ、日産が誇るEV技術は草刈り場になりかねない。 事件の行方は、国の経済政策と雇用に関わる問題だ。仏政府は新たな独裁者をCEOとして送り込んでくるのか。はたまた日産を守るために日本政府が動くのか。ゴーンはどんな反撃に出てくるか。 あまりに衝撃的だったカリスマ経営者の突然の逮捕は、国際社会も巻き込んで、まだまだ二幕も三幕もありそうだ。
|
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民129掲示板 次へ 前へ
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民129掲示板 次へ 前へ
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/
since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。