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金融庁“お目付け役”を設置 正念場の地銀を蘇生できるのか https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/242158 2018/11/22 日刊ゲンダイ スルガ銀行本店(C)共同通信社 1兆円に上る不正融資を行っていたスルガ銀行、7月に不適切融資が発覚し、7人の懲戒処分を出した東日本銀行、さらに10月29日には香川県最大の銀行、第百十四銀行の会長が不祥事を理由に突然辞任した。相次ぐ地銀の不祥事、ガバナンス不全で金融庁は地銀の監視強化に乗り出している。 金融庁は9月26日、全国に106ある地銀の52行が2期以上の連続赤字にあり、23行が5期以上の連続赤字にあると発表した。度重なる地銀の不祥事は、こうした厳しい経営状況が背景にあるといえる。 金融庁が地銀のお目付け役として発足させたのが「地域生産性向上支援チーム」。リーダーは監督局地域金融企画室の日下智晴室長だ。日下氏は元広島銀行のリスク統括部長。事業性評価融資のモデル開発が評価され、金融庁にヘッドハンティングされた。 「日下氏は森信親前長官の肝いりで入庁し、新設された地域金融企画室長に抜擢されました。金融行政はそれまで不良債権処理で資産査定が中心でしたが、事業性の評価へと大きく変わったんです」(金融庁幹部) さらに今回、日下氏は地銀の立て直しで「地域生産性向上支援チーム」のリーダーに就任、地銀のガバナンスに課題があるとして監視役を任されている。 「専門チームの仕事は、投資用不動産向けの実態調査です。さらに、地銀の活性化を図るため、金融庁と地方財務局が一体となり事業者の生産性を上げる支援をする。そのために地銀が担保に依存せずに、融資先企業の事業を支援できるようにバックアップしていく」(金融庁クラブデスク) 金融庁の有識者会議(4月11日の金融仲介の改善に向けた検討会議)では「経営余力のあるうちに統合を認め、地域企業の支援を通じて生産性の向上を図ることが望ましい」と提言を出した。 つまり、地銀の統合へ金融庁が後押しをするべきだと言っているのだ。しかし、統合するためには、地銀同士の経営基盤を強化させることは不可欠。全国の地銀の半分が2期連続赤字経営では、ダメな会社同士を統合させても地域の活性化にはなり得ない。岡山商科大学の長田貴仁教授が言う。 「事業の継承、高齢化と人手不足による雇用問題、そして稼げる事業の拡大に悩み、生産性の悪化した地銀が増えています。地銀のいらない地域も増えているんです。金融庁の狙いは中央からの監視ではなく、地域の目線で地域の経済事情を把握して支援すること。そして、地銀の経営体質を強化したうえで、統合に持っていくことです」 地銀経営も正念場になってきている。
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