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お金持ちに「手ぶら」がやたら多い本当の理由 「大型リュック」で通勤する人が知らない真実
https://toyokeizai.net/articles/-/247366
2018/11/11 5:30 花輪 陽子 : ファイナンシャルプランナー 東洋経済オンライン
シンガポールでも、バッグは大型ではなくトレンドは小型。中古品も小型バッグのほうが高く売れるのはなぜか(写真:筆者撮影)
ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。世界の富裕層が集まると言われるシンガポールですが、富裕層の投資動向を調査分析するウェルスインサイト社によると、実際、2020年までにシンガポールはスイスを抜いて、世界最大のオフショア金融センターになると予測されています。
そんなシンガポールでは、収入のほとんどを会社からの給料ではなく、配当収入から得ている富裕層がたくさんいます。こうした富裕層が身近にいて感じるのは、彼らの荷物はつねに軽いということです。
■富裕層はいつも「手ぶら」、普通の人は「パンパンバッグ」
日本では、「今から登山にでも行くの」というほど大きなリュックを背負ったビジネスパーソンをよく見掛けます。バッグやリュックの中には、ノートパソコン、携帯の充電器、ノートや手帳に、飲みかけのペットボトルなど、いろいろなものが雑然と入れられています。必要がなくても、あれやこれやと持ち歩かずにはいられない人が、意外なほど多いのです。
私も、子どもがまだ小さかったときは、同じような状態でした。ママバッグにオムツやミルク、着替えにゴミ袋と、必要最小限の荷物を入れているつもりでも、バッグがパンパンでした。しかも、持ち物が多いとそちらに気を取られて、逆に子どもの動きに不注意になるという悪循環に陥っていました。そのため、貴重品だけを超小型バッグに入れて、残りはなくしてもいいバッグに入れていたものです。
実際、富裕層や成功者で、重そうなリュックやバッグを持ち歩いている人はほとんどいないでしょう。彼らの多くは本当に必要なものしか、カバンの中に入れないからです。カバンすら持ち歩かず、スマートフォンとキーケースだけの人も少なくありません。
また、赤ちゃんを連れた知り合いのママは、バッグの中身もお財布、携帯、キーケースだけでした。用事を済ませたらすぐに帰るから、必要な物だけを持ち歩いているそうです。
毎日会社に通っているビジネスパーソンと、配当収入で生活している富裕層では、ライフスタイルの違いから、どうしても持ち物に違いが出てしまうのは仕方がありません。ただ、たくさんの荷物を毎日持ち歩いている人は、「その荷物は、はたして全部必要なものなのか」を考えてみてください。本来は持つ必要のないものまで持ち歩いているはずです。
近頃、ブランドバッグのトレンドは小型化傾向にあります。人気なのは横幅が19センチ以下のものだそうです。それ以上小さくなると、携帯とキーケースくらいしか入りません。それでも、小型バッグは大人気なのです。
実は、私は中古品をよく売り買いしているのですが、セールで買った小型バッグが買い値よりも高く売れたことが数度あります。高額な大型のバッグよりも高い値段がついたこともあり、驚きました。ではなぜ小型バッグがこんなに需要があるのでしょうか。
1つは、ファッション性です。身軽なほうがスタイリッシュで動きやすいからです。もう1つの理由は、ほとんどの人が本音では不要なものをカバンに入れて持ち歩きたくないからです。
少し前に「ミニマリスト」という言葉がはやりましたが、必要最低限の上質な物に囲まれて生活する人が最近では増えています。余計なものは所有せず、必要最低限のものだけを小さなバッグに入れて持ち歩く人が増えているのも、ミニマリストの影響かもしれません。
しかし、普段から大きめのバッグを使っていると、ついつい余計なものまで入れてしまいがちです。そのため、あえて小さなバッグを選ぶ人が増えているようです。中身を厳選しなくてはいけないからです。確かに、究極はキーケースの中にお札とカードを1枚忍ばせれば事足りるので、財布すら必要なくなります。
■外国人の富裕層が1日に何度も家に帰るワケ
ところで、朝会社に出掛けてから、途中で家に戻ってくることはありますか? ほとんどないと思います。よほど会社が近所にないかぎり、多くの日本人は一度出掛けたら、夜まで自宅に帰りません。家から職場が離れている場合、それは仕方がないことです。しかし、そうなると、就業後に行われるクリスマスパーティや忘年会の際、洋服に困るという女性は多いと思います。派手なドレスをオフィスに着て行くわけにはいきませんし、ワンピースだと華やかな会場では映えないからです。着替えを持っていくと、冬だとコートもあるので、かなりかさばります。
一方、外国人富裕層の多くは、普段暮らしている自宅やホテルに必要があれば、いったん戻って場に適した洋服に着替え、持ち物を整える傾向があります。
たとえば、朝、子どもをスクールバスまで送りに出るときはジムウエアに身を包み、そのままランニングに出掛け、オフィスに出勤する前にビジネススーツに着替える。夜のディナーに行く際は、いったん自宅に戻ってフォーマルな洋服を着るといった具合です。朝はビーチサンダルにTシャツと短パン、髪をざっと束ねている女性が、夜になると、ロングドレスをまといハイヒール、クラッチバッグでどこかへ出掛けていく姿をよく見掛けます。
その都度、着替えたほうがその場にふさわしい身なりで臨めるうえに、荷物も少なくて済みます。その場に必要な物だけを持っていけばいいからです。でも、実際は「そんな時間の余裕はない」という人がほとんどでしょう。しかし、着替えることで気分も切り替わるので、そうすることで得られる精神的な効用は計り知れないのです。ライフスタイルへの投資を惜しまない欧米系の富裕層に、特にその傾向が強いと感じます。
■きれいに使えば高く売れて、元が取れる
FPの立場から見ても、「バッグの中身をその都度入れ替えるほうが、お金は貯まりやすい」とアドバイスできます。私は自宅に帰ったら、必ずバッグの中身をすべて出して、汚れなどをチェックして専用の袋にしまいます。そうすることで、バッグの中身を紛失する確率が著しく減り、書類やレシートなどを整理整頓できるからです。
いったん物を全部出して、前日の夜、もしくは早朝に必要な物をバッグに入れて準備すれば、忘れ物を減らすこともでき、バッグの中で必要なものが迷子になることもなくなります。また、しっかり汚れをとってきちんと保管することで、バッグの寿命を伸ばすことができます。バッグをきれいに使えば、セカンドハンド(中古品)やオンラインフリーマケットなどでいい値段で売ることができるので、できるだけきれいに使うように心掛けています。
財布と同じですが、バッグも整理力、管理力が重要です。本当に必要なものを絞ることで、取捨選択する能力がつきます。余分なポイントカードなども持たないことで誘惑に惑わされなくなり、バッグが軽いと肩がこることもありません。まずは富裕層を見習い、不要な物だけでもバッグから出してみてはいかがでしょうか。
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