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なぜ2018年は2度「世界同時株安」が起きたのか
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投稿者 うまき 日時 2018 年 11 月 10 日 22:11:11: ufjzQf6660gRM gqSC3IKr
 

(回答先: PIMCO:債券不況はどこ吹く風、第3四半期に100億ユーロ流入 円など安全通貨高い、株価下落で−ドルは4週続伸 投稿者 うまき 日時 2018 年 11 月 10 日 21:59:10)

【第51回】 2018年11月10日 三井住友アセットマネジメント 調査部
なぜ2018年は2度「世界同時株安」が起きたのか

2018年は2月と10月に、世界同時株安が発生しています Photo:PIXTA
 皆さん、こんにちは。三井住友アセットマネジメント調査部です。毎週土曜日に「ビジネスマン注目!来週の経済、ここがポイント」をお届けしています。

 さて、10月の世界の株式市場は、大統領選挙で市場の期待通りの候補者が勝利したブラジルを除いて、全面安となりました。米長期金利の上昇を嫌気し、割高感が意識されたハイテク株を中心に米国株が急落すると、投資家のリスク回避姿勢が強まり、世界的に株安が広がりました。10月の主要市場の株価指数の騰落率は、NYダウが▲5.1%、日経平均株価が▲9.1%、独DAX30が▲6.5%、英FT100が▲5.1%、上海総合指数が▲7.8%と、軒並み大幅安でした。

 しかし、11月に入ると、世界の株式市場は米中貿易摩擦の緩和期待などから反発に転じました。その後、注目された11月6日の米中間選挙では市場の予想通り、下院で民主党が多数党に返り咲く結果となり、懸念材料が出尽くしとなったことで、世界の株式市場はリスクオン(選好)の地合いとなり、大幅に続伸しました。

 株式市場の変動率が高まるなか、今後も10月のように世界的な株式市場の動揺は繰り返されるのでしょうか?今回は、10月の世界株安の背景と米中間選挙の結果を踏まえて、株式市場の今後のポイントについて考えてみます。

10月の世界同時株安は今年2回目、
1回目は2月の「VIXショック」

 10月に起きた大幅な世界同時株安は、今年に入って2度目のことです。1度目は今年2月で、「VIX(指数)ショック」とも言われています。VIX指数とは、株価の変動性の予想を示す指数で、上昇すれば相場の変動に対する市場の警戒度が高く、下落すれば低いとされ、「恐怖指数」とも呼ばれる、市場心理を表す指標です。ヘッジファンドを含め一部クォンツ系(リターンの変動(ボラティリティ)を一定に保つように投資するボラティリティ・ターゲッティング戦略)のファンドなどがVIX指数を利用して株式を運用しています。

 2月の「VIXショック」の際は、1月分米雇用統計で、時間当たり賃金が予想を上回る伸びを示したことなどから、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペースが加速するとの見方が強まり、米長期金利が大幅に上昇したことが、株価急落の要因となりました。多くのクォンツ系ファンドは、VIX指数の急上昇で急激にロスカットを強いられ、短期間に株式のリスク圧縮に動き、株価の変動を加速させたといわれています。

今回の動揺の背景は、
「タカ派的FRB」と「中国景気減速」

 今回の世界株安についても、10月初めのVIX指数は12程度と低位で推移し、VIX指数先物の売りが膨らむなど、相場が落ち着いた状態でジリ高になるシナリオに賭けている投資家が多い状態にありました。今回も2月同様、VIX指数が警戒水準とされる20を大きく超えたため、クウォンツ系ファンドの売りが株価下落に拍車をかけたとみられます。

 ここで、10月の大幅な株価調整につながった背景に2つの主要因があったとみられます。「タカ派的FRB」と「中国景気減速」です。

 第一は、今回も米長期金利の上昇です。きっかけは、景気が予想よりも堅調であることを主な理由にパウエル議長をはじめFRB首脳が来年にかけて利上げ回数が増える可能性について言及したことです。FRBのタカ派発言を受けて、米10年国債利回りは一時0.20%〜0.25%上振れました。

 なお、10月の株価下落局面では、米国を含め主要国の賃金、インフレ率は緩やかに加速しているものの、金融市場が織り込む期待インフレ率(インフレ連動債市場におけるブレーク・イーブン・インフレ率)に大きな動きはみられません。2月の株安局面では、期待インフレ率が急速に高まりました。インフレというよりも景気が堅調なことで長期金利が上昇したと考えられます。

 第二は、米中貿易摩擦に関する中国景気への見方の変化です。米国との対立において中国政府はIT産業育成策では妥協しない立場を堅持しており、結果として2019年にかけて、米国の追加制裁(関税など)もある程度やむを得ないとの姿勢に傾きつつあるとの見方が増えてきました。つまり、米中貿易摩擦は深刻化、長期化が避けられないとの見方が支配的になっています。国際通貨基金(IMF)が10月の改訂世界経済見通しで、2019年の世界及び中国の成長見通しを0.2%引き下げたことは、米中貿易摩擦の長期化を反映したものと考えられます。

今後も米長期金利の行方、
中国景気の減速度合が鍵

 今年2度の大幅調整を経験した株式市場は、今後も、FRBの利上げに伴う米長期金利の上昇余地や、中国の景気減速の度合いが焦点となりそうです。以下で注目点などを展望します。

 11月6日に実施された米中間選挙は大方の予想通りの結果に終わり、上院は共和党、下院は民主党が多数党という、いわゆる「ねじれ議会」が誕生しました。ただし、議会がねじれになったからといって、これまで決定してきた景気対策が打ち止めになるわけではありません。三井住友アセットマネジメント調査部では、トランプ大統領、下院民主党、上院共和党が協力することで、ある程度のインフラ投資が成立する可能性があるため、米景気に変調をもたらすほどのセンチメントの急変は見込んでいません。

 足元の米景気・雇用の順調な拡大や今後の財政政策から判断する限り、今後もFRBによる利上げは継続される見通しです。もっとも、物価上昇率や期待インフレ率が落ち着いていること等を踏まえると、今年は12月にあと1回(年間で合計4回)、来年は2回程度の利上げが行われ、政策金利の着地点は中立金利(景気を刺激も抑制もしない金利の水準)とみなされる3%程度にとどまると予想しています。

 FRBは利上げを3%程度まで継続すると見られますが、利上げのペースは緩慢なものとなる見通しです。このため米国債利回りには上昇圧力がかかるものの、貿易摩擦問題がくすぶっていること等も考え合わせると、米長期金利の上昇は小幅なものにとどまるとみられます。

 日程は公表されていませんが、中国共産党中央委員会第4回全体会議(4中全会)にも注目すべきでしょう。今回の4中全会は、中長期の経済政策を議論する、5年に一度の重要会議です。中国政府は、2019年の景気に関して2018年12月の中央経済工作会議で議論を詰めたうえ、来年3月の全人代で成長見通しを前年比+6.0%〜+6.5%にやや下方修正し、最終的に同+6.3%の成長を達成できるように政策を運営する可能性が高いとみています。これは、米国との対立の影響による景気下振れを若干容認しつつ、財政金融政策の活用によって雇用の安定に影響が広がらない範囲にダメージを限定することを意味します。

米中首脳会談に注目、
人民元は1ドル=7.0元を死守できるか

 中間選挙後も、貿易摩擦問題やITの覇権をめぐる米中対立は楽観できません。トランプ大統領は議会との協力なしに遂行できる通商政策や外交・安全保障にますます力を入れ存在感をアピールしていくとみられ、これまで同様に対中国で強気のスタンスを続けそうです。こうしたなか、今月末のアルゼンチンでの20ヵ国・地域(G20)首脳会議に合わせて予定されている米中首脳会談には注意を払う必要があります。

 また、人民元の動向も注目されます。足元では、人民元の対米ドルレートは、1米ドル=7.0人民元を前に、踏みとどまっていますが、このレベルを突破すると、一気に人民元安が加速する恐れがあります。中国人民銀行も大規模介入など事実上の金融引き締め措置を実施する必要が出てくるほか、他の新興国からの資金流出が加速する恐れも考えられます。人民銀行は為替安定重視の姿勢を明確にしていますが、注視が必要です。

株式相場は落ち着きを取り戻したものの、
今後も不透明要因は残る
 米中間選挙を無難に消化し、足元でリスクオン(選好)の動きがみられる世界の株式市場は落ち着きを取り戻しつつあります。ただし、米長期金利の上昇傾向や米中貿易摩擦問題の長期化に伴う中国景気の減速といった、市場を取り巻く環境に大きな変化がないなか、足元で反発している相場は、再び揺らぐ可能性はあると考えられます。

 今後は、これらの要因の動向や市場の見方の変化に加え、VIX指数などを通して投資家のポジションの偏りに伴う需給関係にも注目しておきたいところです。

(三井住友アセットマネジメント 調査部 石井康之)
https://diamond.jp/articles/-/184985  

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コメント
1. 2018年11月11日 19:03:14 : E6gHVzOxsw : aXWTB5W3ygc[7] 報告
泳がせる 「時」が来るまで トランプを

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