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日本橋高島屋の没落…ショッピングセンター化とポケモンセンター開設で生き残り図る
https://biz-journal.jp/2018/11/post_25329.html
2018.11.01 文=編集部 Business Journal
日本橋高島屋(撮影=編集部)
東京・日本橋は、江戸時代から文化・商業・情報の中心地として発展してきた。今、日本橋地域ルネッサンス100年計画委員会を設立して、21世紀の街づくりに取り組んでいる。
“黄昏の街”が甦るのか。その命運を握るのが、国の重要文化財に指定されている日本橋高島屋と日本橋三越本店である。顧客は富裕層と中高年、品ぞろえはコンサバティブ(保守的)といった“似た者同士”の老舗百貨店だったが、リニューアルを機に別々の道を歩むことになった。
■日本橋高島屋は都市型ショッピングセンターに変身
高島屋は9月25日、日本橋店の隣接地に新館をつくり、都市型ショッピングセンターとして開業した。
高島屋は日本橋店の周辺エリアを三井不動産などと再開発した。投資額は160億円。新館(地下1階〜地上7階)に111のテナントが入る。ファッションや飲食店のほか、ヨガ教室、茶道教室もある。モノを買うだけではなく、体験型の「コト消費」に関心がある若い世代に照準を合わせた店づくりをした。百貨店の新館ではなく、テナントから賃料をとって運営するショッピングセンターだ。これにより、安定した賃料収益の確保を狙う。
日本橋高島屋(旧館、新館)と、2015年に開店した時計専門館「タカシマヤ ウォッチ メゾン」、今年3月にオープンしたカフェ併設の「ポケモンセンタートウキョーDX&ポケモンカフェ」による“4館体制”になった。売り場面積は6万6000平方メートル。これを機に、全体の名称を「日本橋高島屋S.C.」に改めた。
日本橋店は、高島屋各店のなかでも相対的に地盤が低下してきた。18年2月期の日本橋店の売上高は、前期比1.0%増の1342億円。訪日外国人旅行者によるインバウンド消費を追い風にした大阪店の売り上げは8.8%増の1414億円に急増。日本橋店を抜き大阪店が1952年以来66年ぶりに首位に返り咲いた。
日本橋店の2019年2月期の売上高は18年同期比1.9%減の1316億円の見込み。横浜店(1.3%増の1333億円の予想)にも抜かれ、3位に後退することになる。
日本橋店の再生策として打ち出したのが、若いファミリー層をターゲットとした都市型ショッピングセンターへの転換だ。開業後1年間で新館に入居しているテナントの売上高を200億円以上に設定している。ショッピングセンター化をテコに、若い層を取り込むのが狙いだ。
若者シフトの第1弾が、ポケモンセンターの開設だった。ポケモン効果で入店客数は増えたが、売り上げ増に結びついたわけではない(下表を参照)。新館開業で日本橋店の売上高と入店客数がどうなるかが注目ポイントだ。新館の波及効果で、ジリ貧が続く日本橋店の減収に歯止めがかかるだろうか。
【日本橋高島屋 18年3〜8月の売上高と入店客数の前年同月比伸び率】
以下、売上高、入店客数
3月 −0.4%、+12.6%
4月 −2.7%、+19.9%
5月 −5.9%、+6.6%
6月 −0.1%、+12.9%
7月 −11.0%、+10.4%
8月 −8.7%、+6.6%
(資料:月次営業報告書)
■日本橋三越は富裕層の深掘りに特化
日本橋三越は10月24日、一部を新装オープンする。三越伊勢丹ホールディングス(HD)は、3年間で150億円かけて同店の改装を進めている。
日本橋三越は富裕層向けの店づくりをより鮮明に打ち出した。客に付き添い、好みに合う商品を提案するコンシェルジュを90人配置し、客がインターネットで担当者を予約できるサービスを初めて導入する。
日本橋三越は第2期改装部分が19年度(20年3月期)中に完成する。20年度の売上高は改装前に比べて100億円の増加を見込む。
三越伊勢丹HDは店舗リストラの真っ只中にある。9月26日、伊勢丹相模原店(相模原市)、伊勢丹府中店(東京都府中市)、新潟三越(新潟市)の不採算店3店舗を閉鎖すると発表した。
今後は、富裕層などの需要が見込める都心の伊勢丹新宿本店(東京・新宿区)、日本橋三越(東京・中央区)、銀座三越(同)の基幹3店に経営資源を集中し収益力を高める。
都心3店のなかでも、濃淡がある。日本橋三越の18年3月期の売上高は17年3月期比5.9%減の1553億円と振るわない。19年3月期は18年同期比6.7%減の1448億円と、さらに落ち込む見込みだ。
日本橋三越の18年4〜8月の累計売上高は、前年同期比8.0%減。減少率は期初予想の6.7%減を上回る。インバウンド需要の追い風を受けた伊勢丹新宿本店が、この期間8.6%増、三越銀座が9.7%増と堅調に推移しているのとは対照的だ。
日本橋という地域が集客力を失っているという、構造的な問題が内在する。
保守本流の百貨店として、日本橋で併走してきた日本橋高島屋と日本橋三越だが、島屋は都市型ショッビングセンターに活路を求め、三越は富裕層の深掘りに重点を置く。
2つの老舗百貨店の挑戦が、“お江戸日本橋”復興の起爆剤になるのだろうか。実際には、かなり厳しいといわざるを得ない。いったん、中心から外れた地域が、文化、商業、情報の発信の中心に返り咲いたことは、歴史上ないからである。
京都、奈良、鎌倉の古都は観光地となった。江戸時代から関東大震災まで、ずっと日本最大の繁華街だった浅草は、いまや都内最大の観光スポットとして賑わっている。
花のお江戸の起点であった日本橋も、いずれは老舗が軒を連ねる観光地となるのだろうか。
(文=編集部)
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