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年金の損益分岐点 95歳まで生きなければ元がとれない時代へ
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181030-00000004-moneypost-bus_all
マネーポストWEB 10/30(火) 16:00配信 週刊ポスト2018年11月2日号
受給開始年齢引き上げが実現すると「損益分岐点」はどう変わるのか(写真:時事通信フォト)
年金の支給開始年齢を現在の「65歳」から「70歳」に変更するという、年金制度の大改悪が水面下で着々と進んでいる。間もなく訪れるそんな時代の到来で、受給者はどんな状況に置かれるのだろうか。
自分が生きているうちは、ずっと受給できる。年金とはそういう制度だ。現役時代には給料の18.3%の保険料を納付する「義務」を果たす代わりに、リタイア後にどれほど長生きしても決まった額の年金を受け取り続ける「権利」を得る。保険料は年々上げられ、一方で支給額は減らされてきたが、それでも老後生活における年金への依存度は高い。現実に、老後の定期収入のすべてを年金に頼る高齢者が大半だ。
政府(財務省、厚労省)が進めてきた年金制度改悪は、「生きている限り払い続けなければならないなら、支払い開始を遅らせればいい」という考え方に他ならない。その結果、55歳でスタートした支給開始年齢は60歳、65歳と引き上げられ、ついには「70歳」が決まろうとしている。
だが、いくら日本が高齢化しているとはいえ、年金制度に合わせて人間の寿命も延びるわけではない。支給開始が後ろ倒しされれば当然、受け取れる期間が短くなる。それどころか、受給資格を得る前に“お迎え”が来てしまう人も増えている。
ロシアではこの夏、男性の年金支給開始年齢を60歳から65歳に引き上げた。同国男性の平均寿命は66.5歳なので、保険料を納めても半数近くが、1円も受給できないまま人生を終える。そんなブラックジョークのような年金制度がG8国家で現実になっている。
現行制度なら「85才まで生きれば元が取れる」計算だが…
ロシアのケースは極端だとしても、70歳支給開始となれば、日本でも「保険料の納め損」となる人は確実に増加する。「年金博士」として知られる社会保険労務士の北村庄吾氏の協力を得て、試算した〈以下はいずれも現在の制度に基づく。平均的な厚生年金加入者(サラリーマン)をモデルとし、加入期間は21〜60歳の40年間とした〉。
●現行の「65歳支給開始」の場合
納付した保険料は約3660万円(勤め先企業の負担分を含む)。それに対して、年金受給額は年間約187万円(老齢厚生年金と老齢基礎年金の合計)。19年半以上の受給、つまり「85歳まで生きれば元が取れる」計算だ。日本人男性の平均寿命が81歳であることを考えれば、すでに「払い損」の状態になっていると言える。
支給開始年齢が5歳引き上げられると、状況はさらに厳しくなる。
●今後の「70歳支給開始」の場合
単純に5年後ろ倒しになれば、損益分岐点も5歳高齢化するので、元が取れる年齢は「90歳」の大台に乗る。平均寿命をはるかに上回り、男性の場合はほとんどが「払い損」に、女性も約半数が損益分岐点をクリアできなくなる。
「政府が支給開始年齢を70歳に引き上げたい理由の一つが、損益分岐点を“支払う側に有利”に動かせるからであることが窺えます」(北村氏)
受給者側がさらに不利益になる変更もある。北村氏が続ける。
「70歳支給開始とセットの65歳雇用延長です。これによって“年金保険料を65歳まで納める”流れが進み、5年分多く保険料を支払うことになるのは確実です。一方で、在職老齢年金制度(※注)によって“年金カット”が行なわれている。
【※注/60歳以上の年金受給者が働くと、収入に応じて年金がカットされる制度】
このように納付額は増え、受取額は減る傾向が一段と強まっており、損益分岐点は90歳では済まず、プラス5歳程度になるのは避けられません」
95歳まで生きなければ元が取れない――年金人生で“勝ち組”になるための道程は何とも長く、途方に暮れてしまう。それが「70歳支給開始」時代の現実だ。政府は盛んに「人生100年時代」というフレーズを掲げているが、本音は「年金の元を取りたければ100年生きなさい」ということなのだ。
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