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夫婦の年金「繰り上げか、繰り下げか?」3つの判断基準
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181029-00000004-moneypost-bus_all
マネーポストWEB 10/29(月) 16:00配信 女性セブン2018年11月1日号
最適な年金受給開始は夫婦によって異なる(イラスト:鈴木みゆき)
年金は繰り上げ・繰り下げのどちらを選ぶべきか──。繰り上げ受給をすれば、通常(65才)より早く受け取れる代わりに年金額が減額される(「1か月ごとに0.5%」ずつ、1年で6%の減額)。反対に、繰り下げ受給は、本来受け取れる時期より遅くもらうかわりに年金額が大幅アップする(「1か月ごとに0.7%」ずつ、1年で8.4%の増額)。最大5年間繰り上げると受給額は30%減額となり、5年間繰り上げると42%の増額となる計算だ。
厚労省の最新調査(2016年)によると、「繰り上げ」を選択した人は34.1%、「本来の65才受給」の人は64.5%、「繰り下げ」を選択した人は「1.4%」。すでに年金を受給している人の中では、圧倒的に「繰り下げ」を選択した人が少ないのが実情だ。
繰り上げ・繰り下げかを判断する最大の判断基準になるのは、「自分が何才まで生きるか」という「予測寿命」に他ならない。
参考になるのは、まず現在の体調だ。持病や病歴、生活習慣を検討してみてほしい。あとは、両親と祖父母、曾祖父母が何才で亡くなったか(または、まだ存命であるか)が大きな参考になるだろう。寿命が遺伝的影響を強く受けることは、科学的にもはっきりしている。
次に目安となるのが「65才時点の貯金額」だ。貯金が充分にあれば、受給開始を繰り下げて年金額を増額し、ゆとりある老後を目指せる。標準的な夫婦が平均寿命まで生きるとしたら、おおよそ2000万円以上の貯金があれば、年金と合わせて、老後は心配せずに暮らせるといえるだろう。
3つ目の判断基準が、「何才まで働くか」だ。どれぐらい現金収入が期待できるかで、繰り上げ・繰り下げの戦略は変わる。
夫婦2人で年金以外の収入(労働収入だけでなく、投資による収入や子供からの仕送りなども含む)が「月に25万円以上」ある状態を、何才まで維持できるのかを考えていただきたい。
具体的なケースを見ていこう。もし夫婦の平均の予測寿命が「77才以下」ならば、問答無用で、「繰り上げ受給」を選択するべきだ。
寿命が「95才以上」の長生き家系で、貯金が65才時点で2500万円を見込み、65才まで月収25万円以上で働くつもり、という夫婦の場合、「繰り下げ受給」をして、長生きのリスクに備えて年金を増やした方がいい。
「夫の年金があれば70才まで暮らしていける」という世帯であれば、妻の年金だけ繰り下げるという方法もある。その逆で、「60〜64才で生活費が少しだけ足りない」という夫婦なら、妻の年金だけを繰り上げるのも手だ。「年金博士」こと、ブレインコンサルティングオフィスの北村庄吾さんが語る。
「繰り上げも繰り下げも、年金事務所への申請が必要です。また、どちらも一度請求すると、取り消しも変更もできません。慎重に検討しましょう」
年金は、あなたの選択で大きく変わる。政府に任せきりではなく、賢い選択が求められている。
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