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消費増税を支持した黒田日銀総裁が見せた「ウラの顔」 インフレ目標達成に「大障害」の可能性
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58131
2018.10.28 ドクターZ 週刊現代 :現代ビジネス
思想と現実は違う
「消費税が10%に引き上げられても、経済への影響は大きくない」
10月14日の討論会でこう述べたのは、日銀の黒田東彦総裁だ。翌日の15日、安倍首相は2019年10月に消費税率を予定通り引き上げると明言した。
アベノミクスの舵を握り、'23年まで任期が残る黒田総裁にとっても、増税は重大な問題だ。国民は先の発言をどのように受け止めればいいのか。
じつは黒田総裁は、以前にも同様の発言をしている。'14年4月、消費税率を5%から8%へ引き上げる際にも、「増税の影響は軽微」だと言った。ところが、同年6月くらいから消費はやや落ち込んだ。
その後同年10月に追加緩和を行ったが、結果として増税による日本経済のダメージは回避できなかった。「影響は軽微」発言はウソということになる。
黒田総裁も財務省OBであり、「増税思想」が色濃く残る人物のひとりだ。こうした考えを持つのは、経済学者・リカードの思想に固執しているケースが多い。リカード思想では、消費者および経済政策は増税も予測して行動するので問題ない、という増税論者に都合のいい論法を含んでいる節がある。
このリカード思想と同じ論法でいえば、減税しても景気には影響ないといえる。そう聞けば、国民は当然、減税を選択するだろう。もっとも、まともな経済学者なら、リカード思想は現実とは異なっていると説明する。というのも、この思想は現実からかけ離れているからだ。
現実は、増税すれば景気が悪くなり、減税すれば景気がよくなる。となれば、消費増税はデフレ脱却のみならず、日銀が目標とするインフレ目標の達成における大きな障害になる。
今回の黒田総裁の発言は、消費増税に対する「支持」とみてとれるが、それはある意味で日銀自身の首を絞める行為でもあるのだ。
消費増税は消費を落ち込ませて、デフレ脱却やインフレ目標達成を遠ざけることになる。だから本来の日銀総裁の立場であれば、「増税は政府の専権事項であるが、結果としてデフレ脱却やインフレ目標達成が危うくなる」と触れておくべきだ。
どうも黒田総裁は、財務省ОBとしての「増税思想」が抜けきっていない。日銀総裁になった以上、財務省官僚としての知見を生かすのは大切だが、従うべきは日銀法なので、インフレ目標とデフレ脱却に影響があることに言及するべきだった。
'14年以降、安倍首相は10%への再増税を2回見送ってきたわけだが、一方で黒田総裁は「増税するべき」との意見をいうようにもなった。増税をするかどうかについては、政府が決めることで、政府機関の日銀総裁の職務ではない。だからこうした発言は日銀総裁の職責として「越権行為」ととられたようで、さすがの官邸も注意したという話がある。
リフレ派の一角と目され続けてきた黒田総裁であったが、こと増税になると、まるで財務省主税局職員のような発言を繰り返している。そのため、官僚のなかには彼を「日銀総裁兼財務省主税局係長」と冷やかす人もいるという。
冒頭のような発言が黒田総裁の口から飛び出したのは、彼のウラの顔が透けて見える一幕だったといえよう。
『週刊現代』2018年11月3日号より
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