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政府主導の新「就活ルール」の無意味さ、大前研一氏が苦言
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181022-00000015-pseven-bus_all
NEWS ポストセブン 10/22(月) 16:00配信 週刊ポスト2018年月11月2日号
就活学生は翻弄されるばかり
就活ルールの廃止を打ち出した経団連に対して、政府は2021年春入社の新卒者には現行のルールを維持する方針で一致した。これを無意味と考えるのは、経営コンサルタントの大前研一氏だ。大前氏が解説する。
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政府は10月15日に開いた就職・採用活動の新ルールを検討する関係省庁連絡会議の初会合で、2021年春入社の新卒者(現在の大学2年生)には現行の就活ルールを維持する方針で一致した。2022年春入社以降のルールは、来年度に改めて議論するという。
就活ルール見直しのきっかけになったのは9月初めに経団連の中西宏明会長が「個人的な考え」とした上で、経団連が就活ルールを決めるのは違和感があるとして、廃止する意向を表明したことだった。それに対し、安倍晋三首相は「学生の本分である勉強よりも就職活動が早くなるのはおかしい。広報活動(説明会)は3月、選考活動は6月に開始というルールをしっかりと守っていただきたい」と発言。全国の大学や短大などで構成する就職問題懇談会も「2021年春入社組については現行ルールを維持すべきだ」と反発した。
そうした反応を受けて中西会長は「何かしらのルールがあること自体には抵抗感はない。同時に、通年採用など多様な採用のあり方があり、そのどれかを禁止するということでもない」として、政府の要請があれば現行ルールの継続を受け入れる考えを示していた。
今回、経団連が就活ルール廃止を打ち出したのは、至極当然のことである。私が知る限り、日本以外に「新卒一括採用」の就活ルールを決めている国はない。日本では2018年3月卒業の大学生の就職内定率が98.0%で過去最高となったが、リクルートワークス研究所の調査によると、アメリカ、中国、韓国、インドの場合、在学中に就職先が決定した大学生の割合は50%前後にすぎない。日本は世界でも例外なのである。
しかも、就活ルールはとっくに形骸化している。文部科学省の2018度「就職・採用活動に関する調査」によると、6月より前に選考活動を開始した企業は62.4%に上っている。実に6割以上の企業が「解禁破り」をしているのだ。解禁日前のインターンシップ(就業体験)を選考に使っている企業も多い。
また、すでにネスレ日本、ユニリーバ・ジャパン、ファーストリテイリング、リクルート、ソフトバンク、ヤフー、楽天、ディー・エヌ・エー(DeNA)などが就活ルールに関係なく「通年採用」を導入している。
リクルートキャリアの調査によると、2019年入社で通年採用を実施する予定と答えた企業は26.3%に達している。それらの企業と就活ルールを守る企業の両方で大学生が就活をするとなれば、大変な時間と労力が必要となる。
そもそも経団連が就活ルールを決めていたこと自体がおかしい。各企業の判断に委ねるべきであり、安倍首相が経団連にルールを守れと要求するのは筋違いも甚だしいのだ。
もし、どうしても就活ルールに固執するなら、経団連ではなく政府・文科省が決めて全企業を対象にし、違反したら罰則を科すべきである。そこまでやらないなら、就活ルールは無意味である。
さらに、安倍首相や大学側は就活ルールがなくなったら、就活が長期化して学業に専念できなくなると言うが、それもナンセンスだ。実際には、多くの大学生は3年間で卒業に必要な単位をほぼ取得してしまい、4年次は6月(あるいはそれ以前)に内定が出たら、夏休み以降は内定先の企業で「入社前研修」を受けたり、何度も卒業旅行をしたりするので、フルタイムで大学の講義を受けている4年生はほとんどいない。つまり、大学生が勉強するのは実質3年間になっているのだ。そういう現実を、安倍首相や大学側は知らないのだろうか。
もし本気で学業を重視した就活ルールを作るというのであれば、内定は「仮」にしておき、修了した時の成績を採用の最終条件にすればよい。たとえば、4年次に3年次までの成績を下回らず、出席日数も満たしたという“証明書”を卒業証書と一緒に提出したら、それで初めて内定通知書を有効にするのである。そこまでやらないなら、これまた就活ルールを作る意味はないし、大学生が学業に専念することもないだろう。
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