★阿修羅♪ > 経世済民128 > 899.html
 ★阿修羅♪
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
世界経済と金融市場、強気相場にブレーキかける政治 米中の対立で下方スパイラルに陥る恐れ  米経済堅調続く連銀総裁 伊格下
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/899.html
投稿者 うまき 日時 2018 年 10 月 22 日 11:52:37: ufjzQf6660gRM gqSC3IKr
 

(回答先: たっぷり寝る社員に報酬、クレイジーが日本の働き方に一石 米国でAI技術者の争奪戦、超売り手市場で賃金上昇 投稿者 うまき 日時 2018 年 10 月 22 日 11:51:02)

世界経済と金融市場、強気相場にブレーキかける政治
米中の対立で下方スパイラルに陥る恐れ――マーティン・ウルフ
2018.10.22(月) Financial Times
(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年10月17日付)

連日の米株大幅安、トランプ氏「FRBは制御不能」 議長解任は否定
米首都ワシントンで記者会見を行うジェローム・パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長(2018年9月26日撮影)。(c)SAUL LOEB / AFP〔AFPBB News〕

 強気相場は不安の壁を登っていくと言われる。

 最後まで残っていた心配性の参加者が楽観論者になって手元の資金を目一杯投じた頃には、相場は下落するしかない状態になっている。つい先日起きたことは、まさにそれかもしれない。

 金融資産の価格には――特に米国のそれには――すでにかなりの楽観論が織り込まれていたため、ひとたび不安がよみがえると、相場は下がるよりほかになかった。

 では、世界でいま起こっている出来事は不安をどこまで強める可能性があるだろうか。「かなり」というのが、その答えだ。

 10月12〜14日に開催された国際通貨基金(IMF)と世界銀行の年次総会で明らかになったように、懸念を抱く理由には事欠かない。

 特に強力なのは、新旧の超大国の格闘が始まったことだ。この対立には、何もかも変えてしまう可能性が秘められている。

 良い知らせは、IMFが「世界経済見通し(WEO)」で高い成長率を引き続き見込んでいることだ。

 これによれば、世界経済全体の成長率(購買力平価ベース)は今年と来年の両方で2017年と同じ3.7%になるという。

 悪い知らせは、この予想値が今年と来年の両方で、今年4月時点の予想よりも0.2ポイント下方修正されていることだ。

 何にも増して「リスクのバランスが・・・・政策の不透明感の高まりを背景に下方にシフトした」という。

 この下方修正についてWEOは、2018年の初めに一部の高所得国で生じた予想以上の成長減速、米国が始めた貿易戦争、そして新興国市場での諸問題(各国固有の弱点、金融の引き締め、地政学的緊張、そして原油高に起因するもの)を強調している。

 またIMFは、イランへの制裁再開などに関係する原油の急騰がさらに進行するかもしれないと警鐘を鳴らしている。その通りになれば、脆弱な石油輸入国は打撃を被ることになるだろう。

 加えて、多くの高所得国――とりわけ米国――では潜在成長率を上回る経済成長が実現しており、失業率も低いことから、インフレ率が予想以上に高まる恐れがある。

 たとえそうならなくても、高所得国における金融の「正常化」はまだ続く。

 著名投資家のウォーレン・バフェット氏が言うように、「誰が裸で泳いでいるかは、潮が引いた時に初めて分かる」。

 裸の度合いが最も高いのはバランスシート(貸借対照表)が脆弱な主体である。

 レバレッジが高いうえに、期間や流動性、通貨という3点でのミスマッチも大きい主体のことだ。緩和的な金融環境という潮が引けば、金融と実体経済の落ち込みは避けられない。

 すでに新興国には、苦境に陥っているところが数多く見受けられる。アルゼンチンとトルコはその顕著な例だ。

 貿易戦争や高所得国の金融引き締め加速を受けてリスク選好が大幅に減退すれば、より広範な資本逃避の引き金が引かれることになるかもしれない。

 リスク回避の動きが急激に強まれば、金融の――ひいては経済の――安定性にも幅広い影響が及ぶだろう。

 リスクの高い資産のバリュエーション(価値評価)には割高になっているものが多いうえに、IMFの「国際金融安定性報告書(GFSR)」が明言しているように、バランスシートの脆弱性は世界的な広がりを見せている。

 世界の金融情勢がほんの少し変わっただけで、いくつかの新興国は打撃を被ってしまった。

 だが、GFSRが指摘しているように、「システム上重要な金融セクターを有する」国々で家計、非金融部門の企業および政府が積み上げた債務の総額は「現在167兆ドルに達しており、国内総生産(GDP)の合計の250%相当額を上回っている」。

 2008年の210%相当額よりも増えている計算だ。金利の上昇に弱い債務者も少なからず存在するに違いない。

 米国政府は、IMFが「すでに持続不可能な債務動態」と呼ぶものを抱えているうえに、景気循環を増幅させるかなり無責任な財政支出拡大に着手しており、事態の緩和には寄与していない。

 とはいえ、米国では民間セクターの行き過ぎを見つけることも困難ではない。

 ユーロ圏では、企業セクターと政府セクターのレバレッジが依然高い。中国経済もかなりの債務を抱えている。

 一方、重要な資産価格は高止まりしている。

 米国では、ノーベル賞受賞者のロバート・シラー氏が開発したCAPEレシオ(景気循環調整後のPER=株価収益率)が、過去137年間のほとんどの時点より高い状態が続いている。

 これ以上に高かったのは大恐慌が始まった1929年と、1990年代の終わり頃から2000年代初めにかけての2回だけだ。

 CAPEレシオは実質利益の10年移動平均値を用いて計算するのが普通だが、世界金融危機の影響を除くために8年移動平均値で計算しても、過去に比べたこの高さには変わりがない。

 事故はいつ起きてもおかしくなかった。10月第2週の下げは小幅な、起こるべくして起きた下落だったのだ。

 世界の経済と金融システムは脆弱である。どれぐらい脆弱であるかは、実際に試されるまで誰にも分からない。

 しかし、その脆弱さの源泉のうち最も重要なのは政治だ。これは遅れて顕在化した、世界金融危機の遺産にほかならない。

 今日の世界では、あちこちの国でポピュリストやナショナリストが次々に政権を奪取したり、それに近い状況まで勢力を伸ばしたりしている。

 そうした類いの政治家たちに顕著な特徴は、近視眼的であることと、徹底的にものを知らないことだ。

 あれでは、不確実性がまき散らされることは避けられない。

 例えば現在のイタリア政府のおかげで、イタリアはユーロ圏にとどまるという人々の見方が揺らいでしまい、危険な結果をもたらしている。

 最も大きなシフトが生じているのは米国だ。

 ドナルド・トランプ大統領は10月上旬、米連邦準備理事会(FRB)の最近の金融引き締めを非難することで往年のタブーを破った。

 トランプ氏の率いる米国は世界貿易機関(WTO)の紛争解決制度への攻撃にも着手しており、中国とは全面的な貿易戦争まで始めている。

 特に重要なのは、米国の現政権は中国と新たな冷戦に入る決意でいるように見えることだ。

 トランプ氏は、中国経済が米国経済より大きくなることを阻止するとまで語っている。

 これが「熱い」戦争にならずに冷戦にとどまるとしても、米国にとってその対立の重要性は旧ソビエト連邦とのそれをはるかにしのぐものになる。

 中国はソ連よりも人口がはるかに多い。経済もはるかにしっかり運営されており、よりダイナミックであるうえに世界経済との統合も進んでいる。

 好況期であれば、この愚行もそれほど問題にはならないかもしれない。しかし、次の危機が来たら、果たして何が起きるだろうか。

 政策立案者たちは、2008年から2009年にかけて行ったように協力し合えるだろうか。

 この問いはそれぞれの国の中でも、ユーロ圏のような国々の集まりの中でも、そして世界全体においても有効だ。開かれた世界経済は破綻するかもしれないのだ。

 いまの世界は危険に満ちている。危険の度合いは、多くの人々の認識をはるかに上回る。IMFの警告は時宜を得たものだが、案の定、控えめな表現にとどまっている。

 我々の世界はいま、ひっくり返されようとしている。そんなことが起こっていても、経済は委細構わず前に進み続けるなどという見方は、幻想でしかない。

By Martin Wolf

c The Financial Times Limited 2017. All Rights Reserved. Please do not cut and
paste FT articles and redistribute by email or post to the web.

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54443


 


 
米経済は堅調な成長続く、アトランタ連銀総裁が漸進的な利上げを支持
Shobhana Chandra
2018年10月22日 2:08 JST
米アトランタ連銀のボスティック総裁は、米経済は金融政策の支援もあって堅調なペースで成長を続けているとし、漸進的な利上げ継続という金融当局の計画と整合しているとの見解を示した。

  総裁は20日、アトランタ連銀本部での対話集会で「経済は力強さを増し続けており、非常に前向きな成長を続けている」と指摘した。ボスティック総裁は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つ。


ボスティック総裁フォトグラファー:David Paul Morris / Bloomberg
  さらに総裁は、リセッション(景気後退)の脱却から9年余り経つとし、政策当局の目標は「現在の経済情勢を可能な限り長期間維持する」ことだと説明した。

  また、直近の利上げによりフェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジは2−2.25%に設定されたものの、金融当局が中立と捉える2.5−3%をなお下回っていると、総裁は指摘。「さらにあと2回の利上げ」が必要との認識を示した。

原題:Fed’s Bostic Sees ‘Positive’ U.S. Growth With Gradual Rate Hikes(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-21/PGYGAA6JTSE801?srnd=cojp-v2


 


ビジネス2018年10月22日 / 10:26 / 1時間前更新
ムーディーズ、イタリアを格下げ 財政赤字拡大の見通しで
1 分で読む

[ローマ 19日 ロイター] - 米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは19日、イタリア政府の自国通貨・外貨建て発行体格付けを「Baa2」から「Baa3」に引き下げた。見通しは「安定的」。

今後数年にわたり財政赤字が拡大するとみられ、財政基盤が著しく弱まっていることが引き下げの主な理由とした。また、経済と財政の構造改革が行き詰まり、中期的な成長にマイナス要因となっていることも指摘した。

ムーディーズは、政府が最近発表した予算案で来年の財政赤字見通しを対国内総生産(GDP)比2.4%と、従来目標の3倍に引き上げたことが格下げの主要因だと説明した。

拡張的な財政政策へシフトすることでイタリアの公的債務は今後数年、現在の対GDP比130%近辺にとどまり、縮小する可能性は低いと指摘。これにより、イタリアは将来の国内外の衝撃に対して、よりぜい弱になるとの見方を示した。

政府が計画する措置により国内生産は拡大するが、想定されているほどの効果は見込めないと説明した。

一方、見通しについては、財政悪化見通しを相殺する信用面での堅調な要因があるとし、引き続き「安定的」とした。

そうした要因として、規模が大きく多様化した国内経済、GDP比2%を超える経常黒字、ほぼバランスが取れた国際投資状況、国内の一部の家系が保有する高水準の資産を挙げた。
https://jp.reuters.com/article/moodys-italy-idJPKCN1MW03W


ワールド2018年10月22日 / 10:16 / 1時間前更新
イタリア連立政権、税恩赦巡る対立を解消 予算案でEUと協議へ
1 分で読む

[ミラノ 20日 ロイター] - イタリア連立政権は20日、2019年予算案に盛り込んだ税恩赦を巡る連立与党間の対立を解消するとともに、同予算案が欧州連合(EU)の財政規律を逸脱しているとの見解を示しているEU当局に協議を求める姿勢を示した。

予算案はイタリアの財政赤字を国内総生産(GDP)比2.4%まで拡大させる内容。欧州委員会は18日、予算案はEU財政規律から大幅に逸脱しているとの見解を通達し、「前例のない」違反だと指摘したが、イタリア側は反発していた。[nL3N1WY5XY]

コンテ首相は20日の閣僚会議後に、イタリアは欧州に「心地よい居場所」があると強調。「欧州機関と(予算に関して)建設的かつ冷静な協議を行う見通しだ」と述べた。首相は、協議のために近くユンケル欧州委員長を訪れる意向を示した。

与党「五つ星運動」党首であるディマイオ副首相と五つ星と連立を組む「同盟」の代表を務めるサルビーニ副首相はともに、ユーロ堅持の方針をあらためて表明。サルビーニ氏は「われわれは欧州でうまくいっている。ユーロ圏あるいはEUを離脱する計画は現在も今後も存在しない」と述べた。

予算案に盛り込まれた金融犯罪を対象とする税恩赦については、ディマイオ氏は同盟がひそかに適用範囲を拡大したとして批判していた。ただ、サルビーニ氏がその後に同措置を撤回する提案をしたことを受けて、20日の連立与党の会合で妥協案がとりまとめられ、閣僚会議で承認された。

サルビーニ氏は「3日間続いた困難な協議が終結した。終わりよければ全てよしだ」とコメントした。
https://jp.reuters.com/article/italy-budget-eu-idJPKCN1MW036
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
1. 中川隆[-13383] koaQ7Jey 2018年10月22日 12:48:49 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19459] 報告
中国と関わると日本人はこの手口で浄化される
1. 沖縄や北海道で中国系住民が過半数になったら独立宣言して中国小日本省になる

2. 中国軍が自国民保護という名目で沖縄や北海道を占領

3. 日本人浄化にとりかかる

4. 日本政府は遺憾の意を表するが、これは中国の内政問題だとして相手にされない


ウイグルへの弾圧は何度か書いてきましたが、いま中国が行っているのは民族浄化で、ただ浄化するのではなく、ウイグル人を殺して臓器売買のドル箱としているのです。


参考ページのURL
http://uyghur-j.org/japan/
http://uyghur-j.org/20180908/uyghur_japan_report_20180908.pdf


2018 年 9月 8 日
中国のウイグル人への弾圧状況についてレポート
在日ウイグル人有識者会議
http://uyghur-j.org/20180908/uyghur_japan_report_20180908.pdf


第一章 概要

古代より東トルキスタン(“現新疆ウイグル自治区”)は、ヨーロッパと東アジアをつなぐ要衝
であるだけでなく、石炭、石油、天然ガス等地下資源の豊富な地域だ。1949 年に中国人民解放軍
が東トルキスタンに侵攻し、「新疆ウイグル自治区」として共産党の支配下に組み込んだ。それ以
来、中国当局によるウイグル人への差別的、抑圧的政策がずっと続いてきた。
だが、2 年前から事態が急変し、ウイグル情勢は著しく悪化した。2016 年に元中国共産党チベ
ット自治区委員会の書記で、チベット人の弾圧で手腕を発揮した陳全国が“新疆ウイグル自治区”
の書記に就任してから、独裁的な長期政権を築いた習近平中国共産党総書記をバックにし、東ト
ルキスタン歴史の中で最も酷く露骨な人権弾圧、同化・民族浄化政策を展開し始めた。習近平政
権が推進する現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の戦略的要衝とみられる東トルキスタ
ンに、完全な監視・封じ込めた社会を作り上げ、ウイグル人の言語、文化、宗教を完全に絶滅さ
せるような民族浄化政策を実施している。
陳全国が就任して以来、前任の張春賢が推進した「双語教育」(事実上の漢語教育)をさらに露
骨化し、小学校から大学まで全ての教育機関でウイグル語の使用を禁止した。ウイグル語で出版
された教科書、小説、歴史を反映する本、イスラム教に関連する書籍を焼却した。
陳は、1 年も経たない間に、9 万人を越す治安関係ポストを募集し、ウイグル自治区の警察の人
員を2015 年の6 倍に増員し、ウイグル地域において「監視社会」の完成を手掛けた。2017 年第
1 四半期(1〜3 月)のみで、ウイグル自治区で10 億ドル(約1130 億円)以上に相当するセキュ
リティー関連の投資をし(カシュガル市だけで今年3 月、5100 万ドル(約55 億円)以上を投じ
た)、ウイグル全地域に人工知能(AI)の顔認証技術が搭載された監視カメラを設置した。中国政
府はウイグル自治区を最先端の監視技術を試行する実験場にした。
至る所に500m間隔で監視塔付きの交番(検問所)を設け、24 時間体制で検問・監視を始めた。
全てのウイグル人から旅券が没収された。スマートフォンにスパイウェア・アプリのインストー
ルを強要した。GPS の車両搭載が義務付けられた。ウイグル、カザフなど現地住民の政治信頼度
を評価するため、「個人情報採集表、点数表」を配布し、全住民に点数をつけ、身分証明書ID と
連結させた。この点数で拘束対象者を決め、「再教育センター」に収監した。12 歳から65 歳まで
の住民を対象にDNA や血液のサンプル、指紋、虹彩、血液型などの生体データを集めた。
最も酷いのは、2017 年初頭から、「再教育センター」、「教育転化学校」、「技能研修センター」
という名前の「強制収容所」の建設を急ピッチで進め、何も罪のない100 万人以上のウイグル人
(ウイグル人口の約10%)をこれらの収容所に監禁し、共産党の政治思想、宗教転化(非イスラ
ム化)、民族アイデンティティを破壊するための「洗脳教育」を行っている。ウイグル人社会に何
らかの影響を持つ著名人、教育界のエリートたち、著名なイスラム学者、人気のスポーツ選手、
音楽家、経済界で成功した経営者(銀行に100 万円以上貯金のある人)らも続々と強制収容所に
入れられた。両親が拘束され家に残された子供たちが孤児園に送られた。
そして、各収容所から続々死者が出始めた。遺体は家族に返さずに内密に「処分」された。カ
シュガル空港では「人体器官運送通路」、「移植器官航空運送保障プロセス」標識の専用通路やス
ペースが用意され、臓器売買のため国家ぐるみで「臓器狩り」していることが明らかになった。
21 世紀の今この瞬間も、中国政府が行っている「ナチス強制収容所の再現」(ジェノサイド)
とも言える人権弾圧、民族浄化に対し、日本を含む多くの国・政府の沈黙が続いている。納税者
である我々在日のウイグル人は、良心を持つ、正義を求める日本国民・政府に対し以下を呼びか
けたい。沈黙しないでほしい。中国政府を非難し、収容所の閉鎖、全収監者の即時釈放に働きかけ
てほしい。これは単に人権弾圧の問題ではなく、「人道に対する罪」、世界平和への挑発であり、ウ
イグル民族存亡の危機とみてほしい。


第二章 「強制収容所(再教育センター)」の現実

2016 年に元中国共産党チベット自治区委員会の書記で、チベット人の弾圧で手腕を発揮した陳
全国が新疆ウイグル自治区の書記に就任してから、独裁的な長期政権を築いた習近平中国共産党
総書記をバックにし、露骨な人権弾圧・民族浄化政策を展開し始めた。
1.【ウイグル人100 万人以上が強制収容所に】
東トルキスタン(“新疆ウイグル自治区”)において、2017 年初頭以来、「再教育センター」、「教
育転化学校」、「技能研修センター」という名前の「強制収容所」の建設が急ピッチで進められる
と同時に、100 万人以上のウイグル人(ウイグル人口の約10%)がこの収容所に収監されている
ことが最近続々と明らかになった。中国の人権を監視する国際NGO 組織・中国人権擁護(Chinese
Human Rights Defenders)が今年8 月3 日発表した最新の調査報告によると、上記の「再教育セ
ンター」と呼ばれる閉鎖式キャンプ(強制収容所)に110 万人が収監されているほか、開放式キャ
ンプ(食事や寝泊まりに自宅に帰れる)で約220 万人が再教育(洗脳教育)されているという。
合わせると330 万人が「再教育」の対象となっている。東トルキスタンの人口は2300 万人(2014
年統計)で、ウイグル人口は48.5%、約1130 万人だとすると、ウイグル人口の約30%の人が「再
教育」されているのだ『参考資料1-2』。報道によると、2017 年春以来強制収容所に収監された人
で釈放された人がいないという『参考資料3』。
何も罪がなく、「要注意人物点数表(第四章を参照)」でマイナス点数が高い人が収容所送りの
対象者となっている。例えば、(1)ウイグル人である(2)イスラムの礼拝をしている(3)宗
教知識がある(4)(当局が要注意とする中東など)26 カ国に行ったことがある(5)外国に留
学した子供がいる……といった項目に該当すれば要注意人物として対象者となる『参考資料4』。
また、ウイグル人社会に何らかの影響を持つ著名人、教育界のエリートたち、イスラム学者、人
気スポーツ選手、音楽家、経済界で成功した裕福な経営者らも「民族情绪(民族的気持ち)があ
る」、「両面人(裏表がある人物)」として収監対象者となっているのである(第三章を参照)。収
容所の状況は海外メディア、研究者らによって次々と報道されるようになった『参考資料5-10』。


2.【強制収容所の位置・規模が明らかに】

第二章 「強制収容所(再教育センター)」の現実


東トルキスタン(89県あり)の各県に少なくても5つの再教育センターがあるとされ、科学
者の衛星写真やグーグルマップからの調査で既に29 件の収容所位置、その規模が明らかになった
『参考資料11-13』。それぞれ一か所に1000 人から1 万人が収監されている。例えば、2017 年4
月にカシュガル疏附県(コナ・シェヘル)で当時建設予定の収容所(新疆疏附县法制教育转化学
校、位置座標39°21'33.1"N 75°51'50.0"E)の入札募集によると、収容所は3.5万平方メート
ル広さで、政府出資1.4 億元(約29 億円)であった『参考資料14』。同様にカシュガル・疏勒県
巴仁郷(イェニシェヘル・バリン郷、1990 年に有名な「バリン郷事件」発生した場所)座標
39°21'29.2"N 76°03'04.1"E に位置する収容所《疏勒县法制教育转化学校》(上・写真1)は一
年前に何もなかった畑に新しく建てられた収容所で、1 号館〜5 号館の4階建「教学棟」(70.5m
×17.5m)と管理棟があり、それぞれ面積4943.11 uである『参考資料15』。グーグルマップから
も上記座標コードから確認できる。
また、アルトゥシュ(クズルス・キルギス自治州)政府ホームページで、2018 年3 月21 日掲示
された、「アルトゥシュ市職業技能教育研修サービスセンター建設項目の環境への影響報告表に対
する審査意見」(关于《阿图什市职业技能教育培训服务中心建设项目环境影响报告表》的审批意见)
『参考資料16』によると、39°38'28.0"N 75°59'46.0"E に位置する該当教育センターは、9.6 万
u規模(東京ドーム2個分の広さ)、政府投資3 億5000 万元(約60 億円)で、収監者部屋(7.6
万u)、管理用部屋(1.1 万u)、武装警察用部屋(8.5 千u)、有刺鉄線のフェンス付き障壁1292m、
医療室1200 u、8460 人分の食事を作る厨房などから構成されている。名前は技能教育研修セン
ターだが、武装警察、監視塔完備した、8000 人が収容できる強制収容所である『参考資料17』(写
真2)。
最近、さらに規模が大きい収容施設の実態が明らかになった。ウルムチ市達坂城区に位置する
「ウルムチ職業技能教育研修センター」(座標:43°23'01.8"N 88°17'18.2"E)は占用面積52 万
u、建築面積13 万u(東京ドームの約3 倍)であった。この収容施設には収容ビル(監獄)が8
棟あるほか、居留センタービル1 棟、警察備勤ビルが8 棟、警察総合ビル1棟、病院棟、レスト
ラン棟、物資倉庫棟、武装警察宿舎2 棟、監視塔などがある。推測では約1 万人の収監者を収容
できるという『参考資料18』(写真3)。そのほか、カラマイ市に地上5 メートル、地下40 メート
ルの地下収容所が建設されたことが明らかになった。この秘密の地下収容所には少なくとも1 万
人を収容する予定だという『参考資料19』。
これらの収容施設は、新たな政府投資で建設され、調査で分かったものだが、収監者数があま
りにも多いため、入りきれない人たちは、臨時収容所して使っている学校(廃止されたウイグル


小中学校)、党校(共産党学校)、専門学校、病院、体育館、倉庫、まだ特定できていない様々な
施設に収監され、すし詰め状態にあるという。また、ベッドが足りないため、昼班/夜班交代制で、
教育される人と寝る人を入れ替えているという。


3.【収監者及び関係者の証言】
収容所で8 か月収監された経験があり、カザフスタン政府の働きかけで釈放されたカザフスタ
ン国籍のウメル氏の証言『参考資料20-22』によれば、彼はピチャンにある両親を訪ねて行ったと
き、身柄を拘束され、危険分子として「カラマイ市技術研修センター」という収容所に送られた。
この収容所には当時約1000 人が収容され、8 割がウイグル人、2 割がカザフ人だった。環境条件
が大変悪く、狭い一室に20 人以上がすし詰め状態で寝泊まりしていた。食事も、トイレも同室で
済ませたという。毎日早朝から夜遅くまで中国語でプロパガンダ歌謡を歌わせ、共産党の政治思
想、宗教転化(非イスラム化)、民族としてのアイデンティティを破壊するための「洗脳教育」が
行われ、その日のテストで不合格なった者や少しでも不満を表した人は厳しく罰せられる(食事
与えず、手足が絞られた状態でヘッドホンより大音量を流し睡眠できないようにする)という。
イスラム教徒の禁物である酒や豚肉を強要されているとの証言もある『参考資料23』。
また、中国の強制収容所で働いていて、カザフスタンへ不法入国した罪で逮捕されたサイラグ
ル・サウットバイ(Sayragul Sauytbay, 41 歳)が法廷で、中国が存在を否定してきた「再教育キ
ャンプ」について証言した『参考資料24』。証言によると、彼女が働いた「キャンプには2500 人
ほどの収監者がいて、そこは一般に政治キャンプと呼ばれるが、実際は山区の刑務所だった」と
いう。カザフスタン政府は中国からの送還要求を押し切って、サイラグルを無罪釈放し、カザフ
スタンにいる家族の元に返した『参考資料25』。
2018 年7 月19 日NHK-BS1 テレビチャンネルで放送した国際報道番組「中国でウイグル族大
量拘束 今何が?」でも、在日留学生4 名が「家族が収容所に送られ、全く連絡がつかず、安否
状況がわからない」と証言した『参考資料26』(在日ウイグル人の被害状況の詳細は第四章を参照)。


4.【収容所で不明の病気が蔓延】

ウイグル自治区政府衛生局の業績とした記事(ホームページで発表されその後削除された)に
よると、ホータン地区1 市、7 県の収容所で不明の「伝染病が蔓延」したため、2017 年7 月9 日
から8 月3 日の間に自治区の調査チームを派遣し調査に行った結果、「肺結核」だったということ
で、558 人を病院に搬送・隔離したという。しかし、これらの患者が本当に肺結核なのか、その
後どうなったのかは一切明らかにされておらず、政府のよる隠ぺい・情報封鎖が行われたことが
明らかである『参考資料27』。
5.【収容所から死者が続出】
これまでの報道で各収容所から続々死者が出ていて『参考資料28-29、第三章死者リスト参照』、
一部の老人遺体以外は家族に返されず、家族に合わせることもなく、新しく設けられた一般人が
入ることのできない遺体処理・安置所『参考資料30』で焼却処分されていると思われる(ウイグ
ル人の民族習慣では亡くなった人に葬儀を行い、故人を専用墓地に埋葬する)。
臓器売買のため、臓器が抜き取られた痕跡のある遺体もあったという噂がある。そして、それ
を裏付ける写真もあった。
上の写真3は、観光でウイグルに行った日本人により今年1 月にカシュガル空港で撮られた写
真であり、空港では「人体器官運送通路」、「人体寄付、移植器官航空運送保障プロセス」標識の
専用通路やスペースが用意され、国家ぐるみで人の臓器を強盗していることを示す徹底的証拠で
ある。この内容はThe Epoch Times でも報じられた『参考資料31』。
在日ウイグル人一人の証言によると、彼女の弟(24 歳)が今年5月に収容所で亡くなり、遺体
を家族に返さずに当局の監視下で直接処理されたそうだ。死因は何なのか、遺体はどこに、どう
いう方法で処理されたかなどの情報は一切聞かされていない。電話に答えた親族は「党のケアの
元で葬送した、さようなら」と言い他に何も言えなかったという。
6.【ウイグル人口密集地に火葬場】
そして、もっとも不思議なことは、中国当局はイスラム教を信仰するウイグル人が95%以上を
占める県、町、村に急ピッチで数多くの火葬場建設を進めている『参考資料32』。そして、一般人
月給の数倍の賃金で人員(もちろん漢民族)を募集している『参考資料33』。


今後ウイグル人の死体を火葬するつもりなのかと 思うだけでも鳥肌が立つほど恐ろしい!中
国政府は一体何をしようとしているのか! これらの事象は「ナチス強制収容所の再現」(ジェノ
サイド)の予兆とも言えるだろう。
7.【家に残された子供は孤児園に】
また、深刻な問題になっているのは、両親が拘束され、家に残された大勢の幼い子供たちが孤
児園に入れられ、ウイグルアイデンティティーを無くす漢化教育が行われている。「両親は政治的
な問題を抱えているため、子供は通常の子供と一緒に学校に通うことが禁じられている」という
『参考資料34』。若い妻のみ残された家には、漢民族の男性が世話役で寝泊まりするケースもある。


8.【アメリカ政府の見解】
アメリカのペンス副大統領は7 月26 日、首都ワシントンで講演し「中国政府は、数十万人、も
しくは数百万人の規模でイスラム教徒のウイグル族を再教育施設という場所に収容している。宗
教の信仰と文化的な帰属意識を失わせようとしている」と述べて非難したことを、NHK が7 月
27 日朝のTV 番組で伝えた『参考資料35』。
さらに、7月26日ウイグルにおける収容所問題に関して、アメリカ議会で初めてとなる公聴
会が開かれた。昨年に大統領選に候補者となった上院議員・議長のルビオ(Marco Rubio)氏が
この公聴会を招集した。家族20人以上が拘束され、行方不明となったことをアメリカ ラジオ・
フリー・アジアのアナウンサー・記者であるグリチェヒラ・ホジャ(Gulchehre Hoja, アメリカ
国籍のウイグル人)が証言した。また、アメリカ駐国連経済社会理事会大使のケリー・カリー
(Kelley Currie)氏が、「2017 年4月から、習近平指導下の中国当局がウイグル人に対する弾圧程
度は「人を驚かす、ショッキングなものだ」、文化大革命がエスカレートした時期とも比べること
ができないほど酷いのだ。男子髭の禁止、女性の公衆場でのベール着用禁止、そして短いズボン
を着ること、喫煙、お酒を飲むこと、豚肉を食べることを拒むことを犯罪と見なし、政府系公式
テレビを見ることを拒むことさえ罪に問われている」と述べた『参考資料36』。
ナチス式経験しているとも言える「強制収容所」は、ウイグル民族数千年の歴史の中で経験し
ている最も酷く、ウイグル人の言語、文化のみならず、民族が絶滅する危機に直面している重大
な事件である。


『参考資料』

1. China: Massive Numbers of Uyghurs & Other Ethnic Minorities Forced into Re-education
Programs, Chinese Human Rights Defenders, August 3, 2018
https://www.nchrd.org/2018/08/china-massive-numbers-of-uyghurs-other-ethnic-minorities-forc
ed-into-re-education-programs/

2. Survey: Three Million, Mostly Uyghurs, in Some Form of Political ‘Re-Education’ in Xinjiang
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/millions-08032018142025.html

3. ‘No Releases’ of Thousands Held For Years in Xinjiang Township Political ‘Re-education Camps’
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/township-08062018145657.html

4. 水谷尚子,「ウイグル絶望収容所の収監者数は89 万人以上」, Newsweeks 日本版 2018.03.13
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/03/89-3.php

5. What Really Happens in China’s ‘Re-education’ Camps, The New York Times, May 15, 2018
https://www.nytimes.com/2018/05/15/opinion/china-re-education-camps.html

6. Simon Denyer, Former inmates of China’s Muslim ‘reeducation’ camps tell of brainwashing, torture,
The Washington Post, May. 17, 2018
https://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/former-inmates-of-chinas-muslim-re-educat
ion-camps-tell-of-brainwashing-torture/2018/05/16/32b330e8-5850-11e8-8b92-45fdd7aaef3c_sto
ry.html?utm_term=.95541c3fd6ad

7. Adrian Zenz, New Evidence for China’s Political Re-Education Campaign in Xinjiang, May 15,

https://jamestown.org/program/evidence-for-chinas-political-re-education-campaign-in-xinjiang/


8. Adrian Zenz, "Thoroughly Reforming them Toward a Healthy Heart Attitude" - China's Political
Re-Education Campaign in Xinjiang, May 15, 2018
https://www.academia.edu/36638456/_Thoroughly_Reforming_them_Toward_a_Healthy_Heart_
Attitude_-_Chinas_Political_Re-Education_Campaign_in_Xinjiang

9. Tara Francis Chan, China is secretly imprisoning close to 1 million people — but they've left 2 big
pieces of evidence behind, May. 30, 2018
http://www.businessinsider.com/how-many-people-are-imprisoned-in-xinjiang-china-government
-documents-2018-5

10. Xinjiang Political ‘Re-Education Camps’ Treat Uyghurs ‘Infected by Religious Extremism’: CCP
Youth League, RFA, Aug 8, 2018.
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/infected-08082018173807.html

11. Shawn Zhang, List of Re-education Camps in Xinjiang 新疆再教育集中营列表, May 20, 2018.
https://medium.com/@shawnwzhang/list-of-re-education-camps-in-xinjiang-%E6%96%B0%E7
%96%86%E5%86%8D%E6%95%99%E8%82%B2%E9%9B%86%E4%B8%AD%E8%90%A5%E
5%88%97%E8%A1%A8-99720372419c

12. Shawn Zhang, Detention Camp Construction is Booming in Xinjiang, Jun 19, 2018.
https://medium.com/@shawnwzhang/detention-camp-construction-is-booming-in-xinjiang-a2525
044c6b1

13. Shawn Zhang, Xinjiang’s re-education system is a hybrid of Gulag and Indian Residential School,
Jun 13, 2018
https://medium.com/@shawnwzhang/latest-re-education-campaign-in-karshgar-xinjiang-167668a
d5729

14. Shawn Zhang, Satellite Imagery of Xinjiang “Re-education Camp” 3 新疆再教育集中营卫星图3,
May 20, 2018.
https://medium.com/@shawnwzhang/satellite-imagery-of-xinjiang-re-education-camp-%E6%96
%B0%E7%96%86%E5%86%8D%E6%95%99%E8%82%B2%E9%9B%86%E4%B8%AD%E8%9
0%A5%E5%8D%AB%E6%98%9F%E5%9B%BE-96691b1a0d62

15. Shawn Zhang, Satellite Imagery of Xinjiang “Re-education Camp” 1 新疆再教育集中营卫星图1,
May 20, 2018.
https://medium.com/@shawnwzhang/satellite-imagery-of-xinjiang-re-education-camp-3-%E6%9
6%B0%E7%96%86%E5%86%8D%E6%95%99%E8%82%B2%E9%9B%86%E4%B8%AD%E8%
90%A5%E5%8D%AB%E6%98%9F%E5%9B%BE-3-bae61bef8028

16. 阿图什市人民政府http://www.xjats.gov.cn/ のweb.archive.org バックアップサイト
https://web.archive.org/web/20180706221430/http://www.xjats.gov.cn/P/C/1736.htm

17. Shawn Zhang, Satellite Imagery of Xinjiang “Re-education Camp” 23 新疆再教育集中营卫星图
23, May 20, 2018.
https://medium.com/@shawnwzhang/satellite-imagery-of-xinjiang-re-education-camp-1-%E6%9
6%B0%E7%96%86%E5%86%8D%E6%95%99%E8%82%B2%E9%9B%86%E4%B8%AD%E8%
90%A5%E5%8D%AB%E6%98%9F%E5%9B%BE-1-eea378e8ed8b

18. Shawn Zhang, Satellite Imagery of Xinjiang “Re-education Camp” 29 新疆再教育集中营卫星图
29 (Largest Re-education Camp?). 26 Jul, 2018.
https://medium.com/@shawnwzhang/largest-re-education-camp-d7d6ce15e273

19. XINJIANG AUTHORITIES BUILD MASSIVE UNDERGROUND PRISON, Aug 20, 2018
https://bitterwinter.org/massive-underground-prison/

20. Omir Bekali talks about the psychological stress he endured in a Chinese internment camp
http://www.abc.net.au/news/2018-05-18/omir-bekali/9773366
http://www.businessinsider.com/what-is-life-like-in-xinjiang-reeducation-camps-china-2018-5

21. 水谷尚子, 「ウイグル「絶望」収容所──中国共産党のウイグル人大量収監が始まった」Newsweeks
日本版2018.02.18; https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/02/post-9547.php

22. 水谷尚子「, イスラーム教徒に豚とアルコールを強要する中国・ウイグル「絶望」収容所」、Newsweeks
日本版2018.05.18; https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/05/post-10194.php

23. Video: ‘This person will simply disappear’: Chinese secretive ‘reeducation camps’ in spotlight at

Kazakh trial
https://www.hongkongfp.com/2018/07/17/person-will-simply-disappear-chinese-secretive-reedu
cation-camps-spotlight-kazakh-trial/

24. Kazakh court frees woman who fled Chinese re-education camp
https://www.theguardian.com/world/2018/aug/01/kazakh-court-frees-woman-who-fled-chinese-r
e-education-camp

25. NHK-BS1 国際報道「中国でウイグル族大量拘束 今何が?」2018.07.19
http://www6.nhk.or.jp/kokusaihoudou/bs22/feature/index.html?i=180719

26. Radio Free Asia, 「ホータンの収容所で558 人が肺の伝染病が明らかになった」
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/siyaset/uyghurda-lager-05282018133938.html?encoding=la
tin

27. Uyghur Teenager Dies in Custody at Political Re-Education Camp, Radio Free Asia news,
2018.03.14
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/teenager-03142018154926.html

28. Uyghur Father of Two Dies After Falling Ill in Xinjiang Re-Education Camp, Radio Free Asia news,
2018.04.11
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/father-04122018153525.html

29. 遺体安置所Radio Free Asia news, 2018.06.25
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/medeniyet-tarix/jeset-bir-terep-qilish-06252018164051.ht
ml?searchterm%3Autf8%3Austring=depne&encoding=latin

30. 「中国では人命はとても安い、臓器のほうが高値だ」元医師の告白
http://www.epochtimes.jp/2017/10/28953.html

31. 中国当局がウイグル地域各地に急ピーチで火葬場建設
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/kishilik-hoquq/jeset-koydurush-06122018145148.html?enc
oding=latin

32. ウルムチ沙依巴克区 火葬场保安員の公募
https://m.wlmq.com/0010155185.html

33. 「ニューズウィーク日本版」ウェブ編集部, 中国共産党、ウイグル「絶望収容所」の実態
https://toyokeizai.net/articles/-/212978?page=4

34. 「トランプ政権 中国がウイグル族を不当に収容と非難」, NHK New Web, 2018 年7 月27 日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180727/k10011551041000.html?utm_int=all_side_rankingsocial_
002

35. Hearing on Surveillance, Suppression, and Mass Detention: Xinjiang’s Human Rights Crisis
https://www.youtube.com/watch?v=rE8Ve2nxPds&feature=youtu.be&t=1623

36. 米政権「ウイグル、数十万人を拘束」中国当局を批判、毎日新聞, 2018 年7 月28 日
https://mainichi.jp/articles/20180729/k00/00m/030/079000c


第三章 ウイグル人社会各界のエリートも収容所に

2017 年から大々的に大に行われるようになった思想改造目的の強制収容施設での不当な拘束
が今も続いている。そしてウイグル人社会に何らかの影響を持つ著名人、教育界のエリートたち、
著名なイスラム学者、人気のスポーツ選手、音楽家、経済界で成功した経営者が続々と強制収容
所に入れられている。以下には、代表的な例を挙げる。(ここで挙げた例はメディアなどで公開さ
れた情報のみであって、氷山の一角にすぎない。)


1.【教育界】
1. 自治区教育庁の庁長長 サッタル・サウット (Sattar Sawut)
2017 年、「重大大な規律違反」で拘束され、強制収容施設に送ら
れた。サッタル氏が任期中に編纂したウイグル語教材は、自治区
自治区内で教科書として使われていた。『参考資料』
http://www.sohu.com/a/144868168_260616
http://www.xinhuanet.com/politics/2017-02/09/c_129473389.ht
m

2. 自治区政府党委員会元秘書官、教育庁副長官長、新疆新聞社 社
長長を務めたアリムジャン・メメットイミン (Alimjan
Memtimin)(59)『参考資料』
http://www.xinhuanet.com/politics/2017-02/09/c_129473389.ht
m

3. ウイグル自治区社会科学院副院長長や新疆教育出版社 社長長
アブドゥラザク・サイム(Aburazaq Siyim) (61)
『参考資料』
http://www.xinhuanet.com/politics/2017-02/09/c_129473389.ht
m

上記三名の方はウイグル語の教科書の編集、出版にかかわる人物であった。そのウイグル語
教材は、自治区内で教科書として使われていたが、それらが「文文学、歴史、道徳分野には、
民族分離を煽る内容が含まれており、それを12 年間も現場で使ったため大勢大の若者が深刻
な洗脳を受けた」と糾弾され、ほぼ同時期に収容施設に送られたのである。『参考資料』
http://www.xinhuanet.com/politics/2017-02/09/c_129473389.htm
http://news.sohu.com/20170209/n480334060.shtml


第三章 ウイグル人社会各界のエリートも収容所に

4. 新疆大学大学 学長長 タシポラット・ティップ (Tashpulat Tiyip, 塔
西甫拉提·特依拜)
自治区最大大の教育機関である新疆大学大学 学長長を2010 年から務
めていたタシポラット・ティップ教授(60)は昨年3 月月に解任され、
それ以降は当局に拘束されていると、今年2 月月にRFA の取材に答え
た大学大学関係者が明かした。新疆大学大学を卒業後、東京理科大学
大学で理学博士号を取得。研究プロジェクトの成果から中国教育省に
賞を与えられたことも多数あり、新疆では著名な学者だった。タシポ
ラット氏は, 1996 年から新疆大学大学の副学長、2010 年から2017 年
まで同大学学長、党副書記と務めていた。
『参考資料』
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/university-president-02202018173959.html


5. 新疆医科大学の元長学長 ハリムラット・グプル (Halmurat Ghopur,
哈木拉提·吾甫尔)
新疆医科大学の元長学長・教授で昨年からは自治区⾷品医薬品監督庁
長だったハリムラット・グプル氏(58)も、今年になってから消息不
明だ。ハリムラットは収容施設で死亡したとの説もある。彼は中国伝
統医療を学ぶ上海中医薬大学を卒業し、ロシアのサンクトペテルブル
ク医科大学で博⼠号を取得。中国全国最優秀研究者の1 人に選ばれる
など、中国全⼟でも名を知られる有名教授だった。医科大学で彼はウ
イグル伝統医学の継承にも力を注ぎ、民族医学教育ではウイグル語に
よる授業をずっと続けてきた。ハリムラット氏は, 1998 年から新疆医
科大学の副学長、2008 年から2017 年まで同大学学長、党副書記と務めていた。


『参考資料』
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/arrest-01122018152937.html

不思議なことに、上記両大学ホームページの歴任学長リスト『参考リンク』から、新疆大学
元長学長タシポラット氏と新疆医科大学の元長学長 ハリムラット氏の名前が消されている。
これは中国が歴史・事実を平気で消すまたは変えてしまうことの証拠でもある。
新疆大学歴任学長 http://www.xju.edu.cn/xxgk/lrxz.htm
新疆医科大学歴任学長http://www.xjmu.org/xqzl/lrld.htm

6. 新疆師範大学教授 アブドゥカディリ・ジャラリディン (Abduqadir
Jalalidin)
知名度の高いウイグル文学者で新疆師範大学教授でもあるアブドゥ
カディリ・ジャラリディン(54)は今年1 月にウルムチ市国家安全
局に拘束された。アブドゥカディリはカシュガル師範学院を卒業後、
ウイグル文学者の道を歩んだ。彼は00 年代初頭、石川県に数カ月滞
在したことがあり、その体験を記した本の一部がウイグル語教科書
に引用された。ウルムチ市の中で最大級と言われている収容施設に
収監されているとされる。『参考資料』
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/scholar-04252018140407.html


7. 新疆大学教授 ラヒレ・ダウット (Rahile Dawut)
ウイグル文化研究の先駆者で新疆大学人類学研究所教授、博士であ
るラヒレ・ダウット(52 歳)が、2017 年12 月北京で消息不明とな
ったとニューヨークタイムズ電子版が8 月10 日に報道した。ダウ
ット氏の家族は、黙っていることで再教育施設、拘留施設から解放
されないことが分かったため、ダウット氏が消えてから8 か月後の
今、これを話すことを決めたと語ったという。ダウット教授は、日
本人研究者の菅原 純と共著で中央ユーラシアにおけるイスラム聖
堂に関する研究をテーマにした、「マザール、MAZAR」という本を
出版していた。『参考資料』
Star Scholar Disappears as Crackdown Engulfs Western China, The New York Times
https://www.nytimes.com/2018/08/10/world/asia/china-xinjiang-rahile-dawut.html
Mazar: Studies on Islamic Sacred Sites in Central Eurasia, Sugawara Jun, Rahile Dawut, 2016
https://www.amazon.co.jp/Mazar-Studies-Islamic-Central-Eurasia/dp/4904575512


2.【宗教界】

8. 著名なウイグル人イスラム学者 ムハンマド・サリヒ (Muhammad
Salih)
著名なウイグル人イスラム学者で、『クルアーン』のウイグル語訳者
として名を知られる82 歳のムハンマド・サリヒ師が17 年12 月中旬、
中国新疆ウイグル自治区の区都ウルムチの自宅から突然何者かに連
行された。サリヒ師は中国共産党の強制収容施設に収監され、約40
日後の18 年1 月24 日に死亡した。『参考資料』
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/scholar-death-012920181
80427.html

9. 全国イスラム協会副主席、ウイグル自治区政協の副主席、ホータンイ
スラム協会主席、ホータンモスクのイマム アブドレティプ・アブド
レヒム・ダモッラ(Abdulletip Abdurehim Damollam)
2017 年に3 年刑で刑務所に入れられた。『参考資料』
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/din/abduletip-abdurehim-dam
olla-tutqun-05102017142750.html?encoding=latin

10. カシュガル・トックズタシモスクのイマム アブリミット・ダモッラ
(Ablimit Damollam)
アブリミット・ダモッラは自宅から突然連行され、収容所に収監され
た2 カ月後の昨年6 月に死亡した。
アブリミット・ダモッラ(81)は、80 年代に新疆ウイグル自治区で
初めて寄宿舎付きの私立学校「カシュガル語学・技術専門学校」を開
校したベテラン教育家でもある。
アブリミットは学校にウイグル語で英語、中国語、アラビア語、トル
コ語を教えるクラスと、看護師・歯科医師を育成するコースを設置。
全日制だけでなく夜間制の学生も受け入れ、経済的に恵まれない人も教育を受けられるよう


にした。付属病院も開設し貧しい者への医療費免除など慈善事業を行って人々の支持を集め
たが、2000 年頃に中国当局が施設を強制的に封鎖していた。アメリカの短波ラジオ放送「ラ
ジオ・フリー・アジア(RFA)」の報道によると、アブリミットは身柄拘束から2 カ月後の昨
年6 月に死亡した。死因は知らされず、葬儀は当局の厳重な監視のもと、弟子たち、周りの
住民の参加が許されず家族だけで行われたという。『参考資料』
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/kishilik-hoquq/ablimit-damollam-wapat-boldi-0616201
7193458.html?encoding=latin

11. ケリヤ県政協副主席、県メインモスクのイマム イミン・ダモッラ
(Imin Damollam)
2017 年5 月に18 年の実刑判決で刑務所に監禁さられた。罪は2016
のメッカーへのハッジ(大巡礼)で「ウイグル分裂意識のある」人
にハッジ代行費を渡したことであった。『参考資料』
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/qanun/uyghur-kadir-052120
18160053.html?encoding=latin
12. ニルカ(Nilqa)県 イスラム学者 アブドレシット・ハジム
(Abdureshit Hajim)(65)
アブドレシット氏は強制収容所に監禁されてから9 か月間たった今
年の6 月5 日に、収容所内で死亡し、頭部分が白い布で覆われた遺
体が家族に返された。しかし、家族が遺体の頭・体部分を見ること
も許されず、死因が不明のまま、警察の厳重な監視下で埋葬されて
いたことがRFA の取材で明らかになった。
参考資料:
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/kishilik-hoquq/abdureshit-seley-hajining-olumi-060820182
34941.html?encoding=latin

13. ホータン スラーム学者 アブドルエヘッド・メフスム (Abdulehet
Mexsum)(87)
2017 年11 月拘束され、収容施設で死亡していたことが今年5 月に
イスタンブルに住んでいる親戚の調べで分かった。アブドルエヘッ
ド・ハジムは7 人の弟子にイスラム知識を教授したことが拘束の原
因だったという。


『参考資料』:

https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/kishilik-hoquq/abdulehed-m
exsum-ghayibane-namaz-06012018225457.html?encoding=latin


3.【スポーツ界】

14. 人気のサッカー選手エリパン・ヘズムジャン (Erpan Hezimjan)
人気のあったウイグル人サッカー選手エリパン・ヘズムジャンの失
踪は、漢人の熱烈なファンたちがソーシャルメディア上で告発して
発覚した。今年19 歳の彼は15 歳から中国のサッカーチームでプレ
ーをし、失踪前は中国スーパーリーグの江蘇省チームに所属してい
た。
今年2 月末頃に里帰りしたが、3 月に南京で行われた試合に姿がな
かったことを心配する書き込みが相次いだ。RFA は4 月、彼の地
元ドルビリジン県へ電話取材をし、同県警察署職員の証言で2 月頃
に強制収容所に送られたことが判明した。
所属チームの主戦力として1〜2 月にかけて、スペインやアラブ首長国連邦で試合に出ていた
が、「外国に行ったこと」を理由に、県中心部から約10 キロ離れたトゥルグン村の強制収容
施設に送られたという。そこにはウイグル人約1000 人が収容されている。
『参考資料』:
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/kishilik-hoquq/erpan-hezimjan-terbiyeleshte-04162018153
838.html?encoding=latin
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/footballer-04132018162312.html
https://www.hongkongfp.com/2018/07/07/rising-star-footballer-among-million-uyghurs-sent-ch
inese-re-education-camps/


4.【芸能界】
15. 民謡歌手 アブドゥレヒム・ヘイット (Abdurehim Heyit)
ウイグル人の幅広い年齢層に愛されている民謡歌手でドゥッ
タル奏者(ドゥッタル王)のアブドゥレヒム・ヘイット(56)は、
昨年4 月に公安警察に連行されてから行方不明になった。アブ
ドゥレヒムは北京の中央民族歌舞団や新疆ウイグル自治区歌
舞団で活躍し、数多くのアルバムも発表した。ウイグルの民族
文化に誇りを持ち、前を向いて生きていこうと呼びかけるメッ
セージ性の高い曲が多いこと、特にウイグル人に広く知られる
歌謡「お父さんたち」の歌詞が問題視されたという。『参考資料』
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/musician-11022017162302.html
https://freemuse.org/news/uyghur-dutar-king-detained-in-china/


16. ポップス歌手 アブラジャン・アユップ (Ablajan Ayup)
若くハンサムなポップス歌手も収監されている。若い女性を中心に
熱狂的人気を誇るアブラジャン・アユップ(34)は、「ウイグルの
ジャスティン・ビーバー」と欧米誌に紹介されたこともある。ウイ
グル語のみならず英語や中国語でも歌っていたから漢人にも人気
だった。今年2 月に上海でコンサートを行った2 日後、ウルムチで
拘束された。昨年マレーシアを訪問したことや、民族や故郷への愛
を歌っていたことなどが原因とささやかれている。『参考資料』
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/singer-05182018131924.html
https://freemuse.org/news/uyghur-pop-star-detained-in-china/


5.【メディア関連】
17. ミスラニン・ドットコム(misranim.com)の創設者 アバベキ
リ・ムフタル (Ababekri Muxtar)
インターネットのウイグル語サイトも一昨年から昨年にかけて
続々と閉鎖され、運営者がことごとく拘束された。また、同サ
イト管理人トゥルスンジャン・メメット(Tursunjan Memet)
も行方不明になっている。トゥルスンジャンの父親はRFA の取
材に応えて、「自宅から6 人の公安に連れ去られ、どこに居る
かさえ分からない」と証言した。『参考資料』
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/authorities-detain-uyghuer-web-masters-and-writ
ers-in-chinas-xinjiang-06132016153910.html


18. 「バクダシ(bagdax.cn)」創設者 アクバル・エゼッド (Akbar Eset)、


19. 「ボズキル(bozqir.net)」の創設者で自治区教育庁職員のアデル・リシット (Adil Rishat)、


20. テレビ番組の脚本家として知られるオマルジャン・ヘセン (Omarjan Hesen)


21. 新疆人民ラジオ局記者で新疆教育出版社の教科書編集者でもあったジャ
ーナリストのヤルクン・ルーズ (Yalqun Ruzi)(52)も行方不明になっ
ている『参考資料』。最近の情報では、17年刑で刑務所に入れられたと
いう。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/06/post-10388.php

ウイグル語書籍は粛清のため書店や一般家庭から没収された。新疆ウイグル
自治区文学芸術連合の元会長で、詩人のイミン・アフメディ (Imin Ahmidi)は昨年6 月、RFA の
取材に対し「過去に出版されたウイグル人作家の著作が再検査されている」と語った。ウイグル
人に愛読され、現代ウイグル文学を代表する小説であるアブドゥレヒム・オトキュル (Abdurehim
Otkur)『目覚めた大地』や『足跡』、ゾルドゥン・サビリ (Zordon Sabir)『母なる故郷』なども
規制の対象になった。『参考資料』
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/06/post-10388.php


6.【経済界】

22. イリ・カザフ自治州 慈善家・不動産開発商 ヌルタイ・アジ(Nurtay Haji、努尔塔依・阿吉)
ChinaAid がイリ・カザフ自治州及びカザフスタン人の商人から得た情報によると、有名な慈善
事業、不動産開発商のヌルタイ・アジが昨年、20 年刑で刑務所に送られたという。ヌルタイ氏は
ヌルタイ氏個人の全額寄付で孤児、貧しい子供たちのための、全寮制の寄宿学校「努尔塔依阿吉
学校」を建設し、これまでに多くの学生を支援していた。
ChinaAid の情報では、ヌルタイ氏と一緒に10 数名のウイグル、カザフ商人が逮捕されたとい
う。ウイグルの他の地域でも銀行に一定額(100 万〜数100 万元)以上の貯金がある人たちも次々
と拘束されている。
http://www.chinaaid.net/2018/07/blog-post_11.html

2017 年5 月に、カシュガル地区で最も成功した経営者ウイグル人の以下4 名が「宗教的過激主義」
という罪で投獄された:


23. カシュガル貿易協会会長 物質運送会社経営者 アブドジェリル・ハジム(Abdujelil Hajim)

24. カシュガル Emin 貿易市場のオーナー ゲニ・ハジ(Gheni Hajim),

25. カシュガルEziz Diyar 市場のオーナー メメット・トルソン・ハジム(Memet Tursun Hajim),

26. カシュガルIbnsina 歯科病院 オーナー イミン・ハジム(Imin Hajim)
以上の4 人いずれにも「ハジム」という名称がついているのは、イスラム聖地のメッカーにハッ
ジに行って来たことを意味する。RFA の電話インタビューに答えた現地の保安員の情報によると、
罪は「承認されていない民間の巡礼に行った」、「宗教的過激派の兆しがあった」という。4 人は8
年から18 年の懲役刑を言い渡された。
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/wealthiest-01052018144327.html


27. カシュガルKasir ホテルのオーナー レストラン経
営者 オブルカスム・ハージ (Obulkasim Haji)
RFA のインタビュー情報によると、67 歳のオブル
カスムは2017 年12 月5 日入院していたウルムチ
市の病院から公安に連行され、再教育キャンプ(強
制収容施設)に送られたそうだが、拘束理由や監禁
場所がいまだに不明。
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/hotelier-05072018130431.html
努尔塔依阿吉学校


7.【官僚・公安関係者】

28. ウイグル自治区林業庁庁長 エズズ・ケユム (Ezir Qeyum)
29. ホータン地区公安局副局長 ニジャティ・アウドン (Nijat Awudon)
30. ホータン地区公安局元副局長 エリ・イミン (Eli Imin)
31. ウイグル自治区特捜部ホータン支部隊長 アブドカデル・アブラ (Abduqadir Abla)
32. ホータン市公安局副書記 政委 ヤリクン・アブドラザク (Yalqun Abdurazaq)
33. カシュガル カラカシ県(Qaraqash)公安局元副書記 政委 アバベキリ・イリ(Ababekri Eli)
34. ホータン地区公安局国保支部課長級捜査員 モハタル・トスン(Muxtar Tursun)
らが「重大な規律違反」で拘束され、最近の状況は不明である。
参考資料:
http://www.xinhuanet.com/politics/2017-02/09/c_129473389.htm
http://news.sohu.com/20170209/n480334060.shtml


35. ウイグル自治区チャルチャン県公安局政
治委員 アリフ・トルソン(Ghalip Tursun)
8 月18 日の現地新聞が、アリフ氏が「テ
ロリスト、3 種勢力と協力し、庇った」と
し、拘束されたことを報じた。参考資料:
(右写真)
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/qan
un/cherchen-uyghur-08202018153604.ht
ml?encoding=latin


8.【地方の党・政府責任者】

2016 年に元中国共産党チベット自治区委員会の書記で、チベット人の弾圧で手腕を発揮した陳
全国が新疆ウイグル自治区の書記に就任してから、権力を誇示する最初の威圧的行動は、ホータ
ン地区基層の97 名幹部への問責・免職処分を実行することだった。陳の指示で組織された共産党
幹部らの査察グループが2017 年3 月12 日からホータン地区の各町、村に入り、たった一週間ほ
どの調べを行ったあと、3 月26 日各種の理由で97 名幹部(ほとんどウイグル人)に一気に免職
処分を下した。処分内容から人権侵害の典型的な例であることがわかる。例えば、ホータン県の
ブザク郷(布札克乡(郷))党支部書記のジェリリ・マイティニヤズ(Jelil Memetniyaz)は「宗
教師の前でタバコを吸うことに躊躇した」理由で懲戒免職された。97 人の懲戒免職理由には、そ
のほかに、「毎朝の国旗揚げの怠慢、揚げ回数の誤報、住民宅へ走訪・個人情報データの収集を徹
底していない」など様々なレッテルがあった。
参考資料:
http://www.china.com.cn/news/2017-04/10/content_40588424_2.htm
https://www.boxun.com/news/gb/china/2018/01/201801301321.shtml
http://news.sina.com.cn/c/nd/2017-04-09/doc-ifyeceza1781280.shtml


9.【収容所内死亡者リスト】

ここに挙げたリストはメディアに知られた名前のみである。
1.ムハンマド・サリヒ (Muhammad Salih)、82 歳、18 年1 月死亡
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/scholar-death-01292018180427.html

2.アブリミット・ダモッラ (Ablimit Damollam) 、81 歳、18 年6 月死亡
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/kishilik-hoquq/ablimit-damollam-wapat-boldi-0616
2017193458.html?encoding=latin

3.アブドレシット・ハジム (Abdureshit Hajim)、65 歳、18 年5 月死亡
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/kishilik-hoquq/abdureshit-seley-hajining-olumi-060
82018234941.html?encoding=latin

4.アブドルエヘッド・メフスム (Abdulehet Mexsum)、87 歳、18 年6 月死亡
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/kishilik-hoquq/abdulehed-mexsum-ghayibane-nama
z-06012018225457.html?encoding=latin

5.アイハン・メメット(Ayxan Memet)、78 歳、Dolqun Eysa の母、18 年5 月死亡
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/mother-07022018164214.html

6.ヌリマングル・メメット(Nurimangul Memet)、24 歳、18 年6月死亡
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/qanun/yepiq-terbiyelesh-06042018154152.html?enc
oding=latin

7.アブドジャッパル(Abdujappar)、グルジャGhulja Bayandaz

8.アブドガッパル (Abdughappar)、34 歳、グルジャGhulja Bayandaz 18 年6 月死亡
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/father-04122018153525.html

9.ホータン・チンバグ卿 アブドルエヘット・バッカル(37 歳)ら26 名
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/qanun/yepiq-terbiyelesh-06142018181109.html?enc
oding=latin

10. ヤクプジャン・ナマン(17 歳)、カシュガル・ヨプルガ県、18 年3 月死亡
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/teenager-03142018154926.html

11. 在日ウイグル人弟(24 歳)、ウルムチ、18 年5 月死亡

第四章 “新疆のウイグル自治区”:中国高度な監視下の野外刑務所

1.中国当局はウイグル地域を「野外刑務所」化
東トルキスタン(現“新疆ウイグル自治区”)は、古代からヨーロッパと東アジアをつなぐ要衝
であるだけでなく、石炭、石油、天然ガス等地下資源の豊富な地域でもある。1949 年に中国人民
解放軍が東トルキスタンに侵攻し、「新疆ウイグル自治区」として共産党の支配下に組み込んだ。
それ以来、中国当局によるウイグル人への差別的、抑圧的政策がずっと続いている。


1.1【漢民族の大量移住】

中国内陸から漢民族をウイグル地域に大量移住させるのと同時に、多くの若いウイグル人・未
婚女性を労働力として中国内陸の工場などに移送し、ウイグル自治区におけるウイグル人口比率
の減少を図っている。他に少数民族までに適用された“計画生育”制度も功を奏して、1949 年に6%
だった漢民族人口が、2010 年には40.1%に達している(新疆维吾尔自治区2010 年第六次全国人
口普查主要数据公报)『参考資料1』。「新疆軍区」数十万軍人とその家族、300 万人以上とされる
「新疆生産建設兵団」の人口はこれに含まれない。
漢民族がこの地に大挙進出してきて、経
済発展の恩恵を独占した結果でウイグル
族との格差が広がる一方である。中国当局
によりウイグル人に対して差別的政策が
実施され、憲法で定めたウイグル人固有の
言語、文化的・宗教的権利も侵害されてき
た。

1.2【7・5 ウルムチ虐殺】
そんな中、2009 年6 月に中国広東省の
第四章 “新疆ウイグル自治区”:
中国高度な監視下の野外刑務所


玩具工場で労働者として勤務しているウイグル人が中国人に襲撃され多数が殺傷された事件に対
する中国政府の対応への不満がきっかけに、ウイグル人の怒りがさらに高まった。同年7 月5 日
にウルムチ市でウイグル学生らによる大規模なデモが発生した。平和的な抗議行動は、中国当局
の軍、武装警察によって、過剰な武力行使を通して残虐に制圧され、数千人がウルムチの町で殺
害され(中国当局の発表では197 人死亡)、殆どのデモ参加者が逮捕された。これは「7・5 ウル
ムチ騒乱」「7.5 ウルムチ虐殺」と呼ばれる。『参考資料2』


1.3【悪漢・陳全国】
2009 年以降、中国共産党当局によるウイグル人の監視はさらに強まった。特に、元中国共産党
チベット自治区委員会の書記で、チベット人の弾圧で手腕を発揮した陳全国が、2016 年に新疆ウ
イグル自治区の書記に就任してから、ウイグル人への監視・弾圧が特段に強まった。新疆ウイグ
ル自治区は、習近平政権が推進する現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の戦略的要衝で
もあり、そこに完全に監視され・封じ込められた社会を作り上げることが習近平政権の謀略と言
えるだろう。
陳は、1 年も経たない間に、9 万人を越す治安関係ポストを募集し、ウイグル地域における「監
視社会」の完成を手掛け、2017 年一年間でウイグル自治区の警察の人員が2015 年の6 倍にまで
膨れあがった『参考資料3』。
ウイグル自治区全地域で、500m間隔で交番(便民警務站)が設置され、一つに8−30 名の武
装警察が配備された。アクト県だけで2017 年10 月以降、68 個の交番を新たに設置したことを現
地で当番中の警察がRFA のインタビューで明らかにした『参考資料4』。
陳全国は、ウイグル全地域で上述した「再教育センター」というナチス式強制収容所や以下で
述べる監視社会を作り上げた首謀者・真犯人である。
1.4【最先端の監視技術の実験場】
中国国内には昨年秋の時点で監視カメラが1 億7000 万台設置されており、今後3 年間でさら
に4 億台が追加されると推定されている。監視カメラの多くには人工知能(AI)が搭載され、顔
認証技術などを備えている。その「最先端の監視技術を試行する実験場」となったのは新疆ウイ
グル自治区である。中国政府は2017 年第1 四半期(1〜3 月)にウイグル自治区で10 億ドル(約
1130 億円)以上に相当するセキュリティー関連の投資計画を発表したとウォール・ストリート・
ジャーナル紙が明らかにした『参考資料5』。
国際人権組織ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は明らかにした情報によると、中国当局
は、問題を起こす危険のある人物を特定し、先んじて拘束するため、新疆ウイグル自治区に大量
のデータを駆使した監視プラットフォームを配備している。この「予測による治安維持」プラッ
トフォームについて、当局が監視カメラの映像や、通話・旅行記録、宗教的志向などの個人情報
を統合・分析し、危険人物を特定するためのものだと説明する。カシュガル市だけで今年3 月、
5100 万ドル(約55 億円)以上を投じて、統合データプラットフォームを含む監視システムを購
入・設置した。この監視カメラシステムは、瞬時にして人の顔と歩き方を識別して個人を特定し、
データベースと照合して年齢、性別、身長、民族アイデンティティを判定。その上、親族や知人
といった人的ネットワークまで割り出すことができるという『参考資料6』。
1.5【政治的信頼度点数表】
ウイグル人の研究者で記者のタヒール・イミン(Tahir Imin)氏は昨年2 月、新疆から米国に
亡命した。同氏はウルムチに住む友人が6 月、当局に拘束されたと話す。定期的な礼拝、パスポ
ートの所持、トルコへの渡航記録が減点の対象となったという。そして「マイナスポイントが70
を上回ると、危険人物と見なされ、警察に通報される。警察はこれを受け、拘束した人物を再教育センターに送る」と明かした『参考資料7』。
以下の「人口個人情報採集表(表1、『参考資料5』)」は、ウイグル自治区全地域で「危険人物」
を割り出すために使われているものである。表の右側に「重要情報」とされた内容は、年齢が(15
〜55 歳)、ウイグル人か、失業者か、パスポート保持者か、毎日礼拝するか、宗教知識があるか、
26 の“センシティブな”国に行ったことがあるか、海外とのつながりがあるかなどである。
また、ウルムチ市の各社区で実際の
登記に使われている「常住戸民族語系
点数表(下表2)『参考資料7』」による
と、各住民一人一人に10 カテゴリーで
10 点ずつ点数付け、ウイグル人の政治
的信頼度を評価している。
例えば、この表の1 番目のイブライ
ム・イスマイル氏(83 歳)には50 点付
けられ、「一般注意人物」とされている。
ウイグル人であれば10 点、パスポート保持者であれば10 点、礼拝していれば10 点、宗教知
識があれば10 点、対象の26 か国のどれかに行ったことがあれば10 点それぞれ引かれ、合計点
数は50 点となっている。この点数が低いほど「危険人物」とされる。もし、この方が55 歳以下
で、海外とのつながりがある人だった場合は、点数が30 点(マイナス70 点)で、即拘束対象と
なり、収容所(再教育センター)に送られることになる。
亡命者の証言によると、誰が礼拝しているか、誰が断食しているか(イスラム・ラマダンの時
期にどの家の人が夜中に起きて明かりをつけているか、職場、学校でお昼ご飯を食べていないか
など)を常にチェックするため、町、村、学校で10 人を1グループにし、相互監視体制を作って
いる。知っている情報を隠した人も罰せられるようになっている。また、政府幹部に住民と「親
戚(双親)」を作らせ、住民の宗教意識、共産党への忠誠心を調べ、人ひとりに点数をつける任務
を与えている。その中で、収容所に入れられた若いウイグル女性がいる家に「親戚」となった漢
族男性が寝泊まりするケースもあるという。


表 1. 人口個人情報採集表 表 2. 常住戸・民族語系

1.6【一般家庭に政府幹部が宿泊】
国際人権組織ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)が「ウイグル人家族の家に中国共産党政
府職員がホームステイしている」と5 月13 日に報告を発表した『参考資料8-9』。報告によると、
ウイグル人密集地域の一般家庭が近年、政府幹部による定期的な「ホームステイ」の受け入れを
強いられている。中国政府による「民族団結」を名目とした厳しい監視が目的とみられ、官製メ
ディアの情報として、当局は2017 年に職員100 万人を同地農村へ派遣したと伝えている。職員
をウイグル人家族と「共に食べ、共に住み、共に労働し、共に学習」させるという。
1.7【スマートフォンにスパイウェアを強制装着】
中国にいるウイグル人はまた、2017 年4 月からスマートフォンにスパイウェア・アプリをイン
ストールすることを強制されている。「ラジオ・フリー・アジア」の報道によれば、「百姓安全」、
「Jinwang」と呼ばれるこのアプリは、政府が市民の携帯デバイスをスキャンし、「テロリストや
違法な宗教に関する映像・写真・ファイル類を所持していないか確認する」ためのものだという。
これらのアプリをインストールすると微信(Wechat)やSNS「微博(Weibo)」のログ、SIMカード
情報、Wi-Fi のログイン情報などがサーバーに送信される。インストールを拒否したり、一度イ
ンストールしたアプリを削除したりすると、10 日間拘束されることがあるとのこと『参考資
料10-13』。
今はすべてのウイグル人が24 時間監視され、Wechat などを通して海外にいる親戚と連絡する
ことも一切できなくなっている。我々海外にいる人たちはウイグルにいる親戚から「連絡しない
で」と言われている。公安警察からハラスメントや脅迫を受けていると思われる。
1.8【全車両にGPS を強制装着】
中国当局また、ウイグル地域にあるすべて自動車に対し、中国版全地球測位システム(GPS)
「北斗」の端末の設置を義務付けたと米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝え
た『参考資料14』。昨年の6 月30 日までに全車両への「北斗」の端末設置を終える計画となって
いた。重機や工事用の車両なども対象となり、端末を設置していない車両は、ガソリンスタンド
で給油が拒否されるほか、中古車市場で取引ができない。
1.9【ウイグル人のパスポートを没収】
中国国内でパスポートを持っている全てのウイグル人からパスポートが没収され、観光や留学
のため海外に行くことは非常に難しくなった『参考資料15』。海外留学のため、新しくパスポート
を作ることはできなくなった。両親のことが心配で海外から一時帰国した学生のパスポートも没
収されるほか、再教育センターに入れられたケースもある『参考資料16』
1.10【ウイグル人逮捕者数が全国の21%】
中国の人権を監視する国際NGO 組織・中国人権擁護(Chinese Human Rights Defenders)は、
7月25日にウイグル人逮捕者数を発表した『参考資料17』。中国政府が発表した数字によると、
2017 年に新疆ウイグル自治区で、刑事的罪で逮捕された人数は全国の同じ罪で逮捕された総数の
21%を占めたという。新疆人口は中国全国人口のわずか1.5%を占めているにもかかわらずだ。
中国人権擁護は、2008〜2017 年間にウイグル自治区で逮捕された人数の比較調査を行い、2017
年一年で227,882 人が逮捕されたこと、これは2016 年の逮捕者数27,404 人の8.3 倍だったこと
を明らかにした。報告では、これは中国当局が「三股勢力」(暴力恐怖主義、民族分裂主義、宗教
極端主義)名目の厳打(厳しく取り締まり)運動の結果との認識を示した『参考資料18』。


2.中国当局はウイグル住民からDNA など生体データを採集

2.1【検診名目でDNA 採集】
中国国営の新華社通信は2017 年11 月、衛生当局の統計として、新疆の総人口の9 割に相当す
る約1900 万人がこの「検診」を受けたと伝えた。また、中国最大手インターネットポータルサイ
ト「新浪(Sina)」が2017 年11 月1 日、新疆ウイグル自治区衛生計画生育委員会から入手した情
報として、ウイグル自治区は昨年15.85 億元投資し、全自治区で1884.48 万人、その中、南疆4
地区・州(ウイグル密集地域)で912.71 万人(100%)の検診を終えたと伝えた

『参考資料19』。
国際NGO 人権組織の「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch)」は、このよ
うな大規模な強制収集は国際人権規約を踏みにじるものだと批判した。
当局に「全民検診」と呼ばれたこの無料のプロジェクトは、12 歳から65 歳までの住民を対象
にDNA や血液のサンプル、指紋、虹彩、血液型などの生体データを集めている『参考資20-23』。


2.2【臓器狩り】

中国新疆出身の在英の元外科医エンヴァー・トフティ(Enver Tohti)氏は、こうした不合理な
新疆地区住民のDNA 採取について、中国移植権威で富裕層や外国人移植希望者のための移植用
臓器となる「生きた臓器バンク」とし、住民を秘密裏に「ドナー登録」しているのではないかと
の推測を述べた『参考資料19』。

中国衛生部(厚生省)の前副部長・黄潔夫氏は7 月26 日、AP 通信のインタビューで、国内ド
ナー登録者は21 万人を数え、2020 年には、中国は米国を抜いて世界一の移植大国になると主張
した『参考資料24』。

第一章でも述べたが、これまでの報道で各収容所から続々死者が出ていて、家族に返す・見せ
ることなく、新しく設けられた一般人が入ることのできない遺体処理・安置所で処理されている。
臓器売買のため、臓器が抜き取られた痕跡のある遺体もあったという噂がある。
以下の写真1,2 はその証拠である。これは観光でウイグルに行った日本人により今年1 月にカ
シュガル空港で撮られた写真であり、空港では「人体器官運送通路」、「人体寄付、移植器官航空


運送保障プロセス」標識の専用通路やスペースが用意され、国家ぐるみで監禁されている人から
強制的に臓器を摘出していることを示す徹底的証拠である。


3.海外在住のウイグル人(留学生、永住者、帰化者)も監視対象に

3.1【在日ウイグル人の被害】

新疆ウイグル自治区で100 万人を超えるウイグル人が「再教育センター」と呼ばれる収容所に
収監され、著しく人権被害を受けていることをアメリカ、ヨーロッパ各国のメディア、政府機関、
国連などが続々報道し、厳しく非難し始めた(下画:アメリカ政府報道)。しかし、日本ではほと
んど報道されていなかった。
2018 年7 月19 日ついに、NHK-BS1 テレビチャンネルの国際報道番組「中国でウイグル族大
量拘束 今何が?」で、中国のウイグル人への弾圧、収容所の実態を報道した『参考資料25』。こ
れは日本において、主要メディアとして初めての報道であった。在日のウイグル人として、まず
NHKの勇気に感謝したい。本当にありがとうございます!

当番組で在日のウイグル人4 名が「家族が収容所に送られ、全く連絡がつかず、生きているか
死んでいるかもわからない」と証言した。8人がインタビューを受け、証言していたようですが
が、時間の制限により全部伝えきれなかったと思われる。この8 名がいずれも、家族が収容所に
収監され、現在どうなっているか全くわからない状況だという。日本にそれ以外にも多くのウイ
グル人の家族が中国で被害を受けている。しかし、その多くはウイグルにいる家族、親戚がさら
なる被害・弾圧を受けることを恐れて、沈黙しているのが実情である。だが、「今こそ、国で沈黙
せざるを得ない同胞に代わって、国外に住む私たちが声を上げるべきときだ」という在日ウイグ
ル人も増えている。
当NHK 番組でも紹介されたが、在日ウイグル人人権団体である「日本ウイグル協会」の呼び
かけで、7 月1 日東京の中心繁華街である新宿で大規模なデモが行われた。これまでに沈黙して
きたウイグル人100 人以上が参加した。デモでは、「不当な拘束をやめろ」、「強制収容所を閉鎖し
ろ」、「家族を返せ」、「お父さんを返せ」、「ウイグルに自由を」、「日本人は我々を助けてください」
と訴えた。7 月7 日また六本木、中国大使館前で150 人以上のウイグル人によるデモがあった。
これほど多くの在日ウイグル人が中国のウイグル人弾圧を訴え、このようなデモに参加したのは
初めてであった。
私たち有識者会が把握した情報では、例えば、一年前に娘を連れて一時帰国したお母さん(M
さん)は、パスポートが没収され、母子とも日本に戻れていない;在日ウイグル人Gさんの弟(24
歳)が今年5月に収容所で亡くなり、遺体を家族に返してくれなかったという。死因は何なのか、
遺体はどこに、どういう方法で処理されたかなどの情報は一切聞かされていない。電話に答えた
親族は「党のケアの元で葬送した、さようなら」といっただけで、他に何も言えなかったという。
その他、在日ウイグル人で中国パスポートの有効期限が近づき、中国大使館に更新手続きに行
ったところ、中国新疆に帰って現地で更新してくるように言われ、更新できなかった人が何人も
いる。その中にパスポートの有効期限が既に切れ、中国に帰ることもできず(中国に帰ると収容
所に送られることが明白であるため)、困っているウイグル人がいる。また、日本の大学院を卒業
したらウイグルに帰るつもりで、日本で就職活動をやっていなかった人で、中国に帰ることを恐
れて、日本に残らざるを得ない人や日本滞在ビザの心配をしている学生も多数いる。
在日ウイグル人(帰化者を含む)の被害状況をまとめると以下になる。


・日本(海外)にいるウイグル人は中国にいるご家族と連絡が取れなくなっている。
・在日ウイグル人でもご家族が収容所に収監された人が多数いる。
・在日中国大使館がウイグル人のパスポート更新申請を受け付けなくなっている。
・一時帰国者が収容所に入れられたりして日本に戻ってこられなくなっている。
・中国にいる家族が人質に取られて、留学生ら自身は帰国やスパイ活動が強要され、「従わないと
家族を再教育センターに送る」と脅迫されるケースが増えている。
・帰化やビザ申請に必要な書類の中国からの取り寄せができなくなっている。


3.2【海外にいるウイグル人の被害】

中国政府はウイグル弾圧の手を海外まで伸ばしている。例えば、以下のような報道がある。

・エジプトで中国のウイグル族の拘束・強制送還相次ぐ
http://www.nhk.or.jp/kokusaihoudou/archive/2017/09/0901.html
Uyghur Students in Egypt Detained, Sent Back to China
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/students-07072017155035.html
・海外にいるウイグル人にスパイ活動を強要
Spy for Us — Or Never Speak to Your Family Again
https://www.buzzfeed.com/meghara/china-uighur-spies-surveillance?utm_term=.ndzvJGJgbG
#.aaplb9bgm9
・親族訪問・一時帰国者のパスポート没収、「再教育センター」へ収監
“Uighur graduate student goes missing upon returning to China”
https://www.amnesty.org/en/latest/news/2018/07/uighur-graduate-student-goes-missing-uponreturning-
to-china/


『参考資料』

1. 《新疆维吾尔自治区2010 年第六次全国人口普查主要数据公报》
http://www.stats.gov.cn/tjsj/tjgb/rkpcgb/dfrkpcgb/201202/t20120228_30407.html
2. 2009 年「7・5 ウイグル騒乱」
https://ja.wikipedia.org/wiki/2009%E5%B9%B4%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%82%B0%E3
%83%AB%E9%A8%92%E4%B9%B1
3. 「AI に顔認証……中国がウイグルで実験し始めた監視社会の実態」
https://the-liberty.com/article.php?item_id=13986
4. 500m 間隔で武装警察交番設置, RFA 2017.08.17
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/kishilik-hoquq/aqtuda-68-saqchi-ponkiti-08172017213200.
html?encoding=latin
5. 中国「完全監視社会」の実験場、新疆を行く, Josh Chin and Clément Bürge, The Wall Street Journal,
2017.12.22

https://jp.wsj.com/articles/SB11070217722261694869804583589052841366988


6. ビッグデータで危険人物「予測」 中国の治安対策, The Wall Street Journal, 2018.02.28
https://jp.wsj.com/articles/SB12343497592033114173304584071460854064956
7. ウイグル人の信頼度を決める点数表があった、RFA, 2017.12.20
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/siyaset/uyghur-jedwel-07122017141518.html?encoding=la
tin
8. China: Visiting Officials Occupy Homes in Muslim Region, HRW
https://www.hrw.org/news/2018/05/13/china-visiting-officials-occupy-homes-muslim-region
9. Chinese Uyghurs forced to welcome Communist Party into their homes
https://edition.cnn.com/2018/05/14/asia/china-xinjiang-home-stays-intl/index.html
10. 中国、ウイグル族にスパイウェアのインストールを強制, ベンジャミン・フィアナウ, NewsWeek
Japan, 2017.7.26
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/07/post-8062.php
11. RFA 独家:新疆强迫居民安装手机监控软件 10 哈族妇女微信发言被拘, 2017.07.13
https://www.rfa.org/mandarin/yataibaodao/shaoshuminzu/ql2-07132017112039.html
12. Report: Xinjiang Residents Forced to Download Spyware App, Chinese Regime Can Track and
Censor Users
https://www.ntd.tv/2018/04/13/report-xinjiang-residents-forced-to-download-spyware-app-chin
ese-regime-can-track-and-censor-users/
13. China forces Xinjiang Uyghurs to install mobile spyware, enforces with stop-and-frisk
https://boingboing.net/2017/07/26/jingwang.html
14. Vehicles to Get Compulsory GPS Tracking in Xinjiang, RFA 2017.02.20
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/xinjiang-gps-02202017145155.html
http://www.alertchina.com/archives/2265113.html
15. China confiscates passports of Xinjiang people
https://www.bbc.co.uk/news/world-asia-china-38093370
16. Uighur graduate student goes missing upon returning to China
https://www.amnesty.org/en/latest/news/2018/07/uighur-graduate-student-goes-missing-uponreturning-
to-china/
17. Criminal Arrests in Xinjiang Account for 21% of China’s Total in 2017. NCHRD, Jul 25, 2018
https://www.nchrd.org/2018/07/criminal-arrests-in-xinjiang-account-for-21-of-chinas-total-in-2
017/
18. 人权组织指中国当局2017 年以刑事罪逮捕的穆斯林人数是上一年的7 倍多, RFA, 2018.07.25
https://www.rfa.org/mandarin/Xinwen/d-07252018162042.html
19. 新疆投入15 亿多元完成新一轮全民健康体检工程, 新浪(Sina), 2017.11.01
http://news.sina.com.cn/o/2017-11-01/doc-ifynmnae1006240.shtml
20. 中国当局、新疆で1900 万人のDNA 採集 「無料の全民検診」実施, The Epoch Times, 2017.12.15,
http://www.epochtimes.jp/2017/12/30173.html
21. 中国:少数民族からDNA サンプルを数百万人規模で採取
https://www.hrw.org/ja/news/2017/12/13/312755
22. China collecting DNA, biometrics from millions in Xinjiang: report
https://edition.cnn.com/2017/12/12/asia/china-xinjiang-dna/index.html
23. China Is Vacuuming Up DNA Samples from Xinjiang's Muslims
https://www.buzzfeed.com/meghara/china-is-quietly-collecting-dna-samples-from-millions-of?ut
m_term=.reOnBXBjGX#.mabNxJxZqJ
24. 中国衛生部の前副部長・黄潔夫氏「中国は3 年後世界一の移植大国になると主張」
http://www.epochtimes.jp/2017/08/28097.html
25. NHK-BS1 国際報道「中国でウイグル族大量拘束 今何が?」2018.07.19


http://www6.nhk.or.jp/kokusaihoudou/bs22/feature/index.html?i=180719
その他:
ウイグル人の政治的迫害 - 個別事件の簡単な説明概要
Political Persecution of the Uyghurs—Brief Description of Some Individual Cases
https://freedomsherald.wordpress.com/2018/01/19/political-persecution-of-the-uyghurs-brief-descrip
tion-of-some-individual-cases/


第五章 中国のウイグル言語への侵害状況

1949 年に中国人民解放軍の侵攻により共産党支配下に置かれ、1955 年に設置された新疆ウイ
グル自治区(東トルキスタン)の当初は、東トルキスタン・イリ政府と中国共産党の交渉、平和
条約の約束通り、それまでに展開されてきたウイグル言語など独自の民族言語による教育が継続
された。1950 年初頭からは漢語が選択科目として導入されていた。
しかし、1960 年代に入ると次第に漢語教育が重要視されるようになり、漢語が民族学校におい
て必須科目となる一方、漢語学校に設置されていたウイグル語の選択科目は廃止された(リズワ
ン, 2009)。
1977 年から新疆ウイグル自治区政府は少数民族への漢語教育の強化を政策課題としてさらに
強調するようになった(リズワン, 2009;Mamtimyn 他, 2015)。
1982 年制定の中華人民共和国憲法では、少数民族言語による教育が保護されることになった
(Grose, 2010)が、実際には教育現場における漢語への一元化が推進されていった。
1990 年代末からは少数民族の漢語習得、主流文化の吸収が強く促されるようになる(王, 2006)。
2004 年に交付された「全面的に双語教育を推進することに関する決定(関与大力推進双語教学
的決定)」により、ウイグル語の授業のみをウイグル語で行い、その他の科目はすべて漢語で教え
る「双語教育」に取って代わられることとなった(アナトラ,2013;リズワン他, 2014)。
2010 年からウイグル全地域において幼稚園、小学校一年から「双語教育」が実施されるように
なり、中国内陸からウイグル語が知らない漢族教師が大量に投入された(例えば、2017 年4 月
26 ホータン地区・チラ県政府ウェブサイトでの募集(参考資料8)によると、人口13 万人のこの
県だけで1093 人の教師を中国内陸から募集している;またホータン地区政府からも中国内陸向け
の同様な募集(参考資料9)があり、現地一般教師給与の2 倍以上の賃金が提示されている。これ
により、学校ではウイグル語の授業がほとんど行われなくなり、漢語を習い始めたばかりの子ど
もたちに、すべての授業を漢語で行うようになった。一方、これまでに長年ウイグル語による授
業をやって来たベテランの優秀な教師たちが、漢語水準が満たない理由で「下放」された(教育
現場から追い出された)。教育レベル、学生の知力が著しく落ちていった。
この時、ウイグル言語に対する危機を感じた有志の教育者が私立のウイグル語幼稚園、小学校
の設立を試みた。現在トルコ在住のアブドワリ・アユップ(Abduweli Ayup)氏(参考10)がウ
イグル語学校設立を仕掛けた一人である。アブドワリは2011 年アメリカ留学から帰国したあと、
カシュガルでウイグル語学校を立ち上げた。しかし、2013 年にアブドワリ氏を含む学校設立に関
わった3 人(他Dilyar Obul, Muhemmet Sidik Abdurshit)が、寄付で集まった支援金の「横領罪」
で投獄され(明らかに冤罪である)、ウイグル語学校計画が滅ぼされたのである。(その後、アブ
ドワリ氏は治病のためトルクに渡り、現在もウイグル語保護活動を続けている)。
また、中国でウイグル族が直面している現実への理解と問題解決を訴え、当局の政策に批判的
な声を上げた知識人、中央民族大学(北京)の著名なウイグル族経済学者、イリハム・トフティ
ウイグル語教育 → 「双語」教育 → 漢語のみの教育への転化
→ 幼稚園、小・中・高校、大学でのウイグル語使用全面禁止へ


第五章 中国のウイグル言語への侵害状況

准教授(Ilham Tohti, 伊力哈木·土赫提)が「国家分裂罪」に問われ、2014 年9 月23 日、無期懲
役判決で投獄された(参考資料11)。
2016 年に元中国共産党チベット自治区委員会の書記で、チベット人の弾圧で手腕を発揮した陳
全国が新疆ウイグル自治区の書記に就任してから、ウイグル語の使用禁止、漢語教育のみを実施と
いう重大な人権侵害、同化・民族浄化政策を露骨に展開してきた。これは陳の指示で設置した洗脳
のための「再教育センター、強制収容所」や監視社会体制以外のもう一つ謀略である。
ウイグル語禁止政策は以下の各地区政府の通知・通達の内容から見取れる。
2017 年7 月5 日、ホータン地区政府のホームページに、「ホータン地区双語教育規定5 カ条、
小中学校双語教育強化」(《和田地区制定双语教育五条规定,加强中小学双语教育》(参考資料12))
という規定を発表した。内容は(1)国家通用言語文字(漢語)を全面普及し、民族言語を付加
した双語教育原則を堅持すること、(2)2017 年秋学期から小学校入学前の3 年で国家通用言語
文字教育を徹底し、小学校1 年、中
学校1 年から国家通用言語文字教
学を全面実施、2020 年には国家通
用言語文字教学を全体的に実現す
ること、(3)漢語教師がウイグル
語で研修受けるという間違ったや
り方を止めること、(4)教育系統
内、学校内でウイグル語文字、スロ
ーガン、図画などの使用を断固禁止
すること、(5)教育系統の集団活
動、公共活動、管理ワークの中でウ
イグル語の使用を断固禁止するこ
と。以上の双語教育政策に対しての
怠慢、不履行、小細工などをした人
は、「両面派」、「両面人」として厳
重に懲罰される、であった。
そのほか、「ホータン地区学前(入
学前)教師8 カ条ルール」、「ホータ
ン地区国語教育5 カ条規定」などが
ある(参考資料13)。
2017 年10 月10 日、イリ・カザフ自治州イニン県教育局が、自治区教育庁の「少数民族文字教
材補選使用に関する通知」(《关于少数民族文字教材教辅选用有关工作的通知》)を通達し、当県に
おいて、(1)全てのウイグル語とカザフ語の「国語」教材の使用を停止すること、学校にすでに
ある教材は封存すること、(2)国家統編の教材「道徳と法治」、「歴史」教材の少数民族文字に翻
訳が終わっていないものを含め、使用を停止すること、(3)関連学科少数民族文字の教材・補助
資料の使用を停止すること、(4)この「通知」要求により、各学校が教材・補助教材選択・使用
規定に違反してはいけない、問題発覚時はすぐ報告すること、という内容を発表した(参考資料14)。


ウイグル語使用禁止と同時にウイグル語教科書、文学・歴史に関係する出版物の焼却が各地で
行われた(参考資料15-16)。


『参考資料』

1. 新井 凜子, 大谷 順子, 2016, 「新疆ウイグル自治区の漢語教育に見る言語とアイデンティティの
関係」. 21 世紀東アジア社会学2016-第8 号, 1-18.
2. リズワン・アブリミティ, 2009, 「中華人民共和国成立後の新疆における「民族学校」の漢語教育
をめぐる一考察」『アジア・アフリカ言語文化研究』78, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文
化研究所, 43-77
3. Mamtimyn S., Feng A. and Adamson, B., 2015, “Trilingualism and Uyghur Identity in the People’s
Republic of China” in Evans, D. Eds., Language and Identity Discourse in the World. Bloomsbury.
4. Grose, T.A., 2010, “The Xinjiang Class: Education, Integration, and the Uyghurs” Journal of
Muslim Minority Affairs Vol.30 No.1, The Institute of Muslim Minority Affairs, 97-109.
5. 王柯, 2006, 『20 世紀中国の国家建設と「民族」』東京大学出版社
6. アナトラ・グリジャナティ, 2013, 「中国新疆ウイグル自治区における少数民族双語教育に関する
研究」富士ゼロックス株式会社小林節太郎記念基金
7. リズワン・アブリミティ, 大谷順子, 2014, 「中国新疆におけるウイグル族の学校選択」『21 世紀
東アジア社会学』第6 号, 日中社会学会, 156-171
8. 策勒县人民政府《2017 新疆和田地区策勒县双语教师招聘1093 人公告》,2017 年4 月26 日
http://www.offcn.com/jiaoshi/2017/0426/153572.html
9. 《和田地区于田县面向内地招聘教师简章》2017.08.18
http://www.gzsjyzx.com/client/article/1384
10. ウイグル学校設立者 アブドワリ・アユップ https://en.wikipedia.org/wiki/Abduweli_Ayup
11. ウイグル族経済学者、イリハム・トフティ准教授が「国家分裂罪」で投獄
https://ja.wikipedia.org/wiki/イリハム・トフティ
12. 《和田地区制定双语教育五条规定,加强中小学双语教育》, ホータン地区ウェブサイトより
https://archive.is/nybWu
13. 《新疆禁止幼教信教 教育系统内禁维语》, Radio Free Asia ウェブサイトより
https://www.rfa.org/mandarin/yataibaodao/shaoshuminzu/xl1-09252017102937.html
14. 《RFA 独家:新疆全面停用维、哈文字辅选教材》
https://www.rfa.org/mandarin/yataibaodao/shaoshuminzu/ql1-10132017100200.html
15. 《新疆伊犁、和田等地收缴民族语言教科书》ChinaAid, 2018.04.02
http://www.chinaaid.net/2018/04/blog-post_2.html?m=1
16. Thousands of Uighur Books burned by Chinese Authorities
http://unpo.org/article/101


第六章 中国のウイグル文化・宗教への侵害状況

ウイグル人は、ユーラシア大陸のほぼ中央に位置し、シルクロードとも言われてきた東トルキ
スタン(現“新疆ウイグル自治区”)を中心に暮らす、独自の歴史と文化を持つイスラム教を信仰
する人々である。
ウイグル人は、8-9世紀に約100 年継続した「ウイグル可汗国」(Oghuz Orkhon Khanate)、
9〜13 世紀に約300 年繁栄した「天山ウイグル王国(Uyghur Kingdom of Qocho, 天山山脈北
麓)」と「カラ・ハン朝 (Kara-Khanids Dynasty, タリム盆地)」、16−17 世紀に165 年繁栄した
「セイディア汗国」(Saidia Khanate, ヤルカンド)などを建国していた。
こうした独立のウイグル国家は18 世紀から清朝の支配下におかれ、1884 年に「新しい領土」
を意味する「新疆」という名前が付けられた。それでも、ウイグルの反抗が途絶えず1933 年と
1944 年に「東トルキスタン共和国」として独立国家を設立していた。しかし、1949 年に再び中
国人民解放軍の侵略により、共産党支配下に置かれた。
ウイグルは、かつて仏教やマニ教も信仰した歴史もあったが、8 世紀からはずっとイスラム教
を信仰してきた平和を愛する農耕民・遊牧民である。
ウイグルは、長い歴史の中でアジア、ヨーロッパ文化も吸収しながら、独自の言語(ウイグル
語)や文化・習慣を培って、守ってきたのである。
ウイグルは、古代から音楽・踊りを生活の一部として、それを発展させながら、非常に明るく
平和に暮らしていた。ウイグルの古典音楽「12ムカム」は歌、ダンス、音楽が一体となったも
ので、その素晴らしさが認められ、「世界無形文化遺産」に登録されたほどである。ウイグル人
は中国で「能歌善舞」(歌も踊りも上手な)民族と呼ばれてきた。
ウイグルは、何千年もの歴史の中で、男性はヒゲを生やすのと伝統的な帽子をかぶり、女性は
ベールをかぶるのと肌脚を露出しないようにロングスカートを着るという習慣を作ってきた。
しかし、今現在、中国共産党の支配下にある、実際に全く「自治」のないこの「新疆ウイグル
自治区」で何が起こっているだろうか。
中国でいま、ウイグルアイデンティティーを破壊する重大な人権侵害、同化・民族浄化が行わ
れているのだ!


1.【ウイグル文化への侵害】

1)ウイグルの男性(老人以外)は髭を生やすことが禁止されている。
https://www.bbc.com/news/world-asia-china-39460538

2)ウイグルの女性はベールやロングスカートを着用することが禁止されている。
新疆ウイグル自治区当局は昨年4月1日から、ひげや公共の場所での顔などを覆うベールの着
用を禁じる新たな法律を発効した。
「新疆ウイグル自治区でひげやベール禁止、過激思想対策」(2017.04.01)
https://www.cnn.co.jp/world/35099111.html


第六章 中国のウイグル文化・宗教への侵害状況

China Uighurs: Xinjiang ban on long beards and veils
https://www.bbc.com/news/world-asia-china-39460538

3)街の中で民族衣装、ワンピースや長めのシャツが強制的にカットされる。
これらの写真は、2018 年7 月13 日ウルムチ市内で撮影され、WeChat に投稿されたもの

4)ウイグル学生に中華漢族衣装を着させ、孔子・漢族思想教育を強要されている。

・ウイグルアイデンティティーの破壊・同化
http://freedomsherald.org/ET/cmp/


5)伝統的ウイグル歌舞の代わりに中国漢族文化の戏剧を強要されている。
ウイグル音楽「十二ムカム」が世界無形文化遺産に登録されているなど、ウイグル音楽・
舞踊が有名であり、ウイグル人は「能歌善舞」(歌も踊りも上手な)民族と呼ばれることがあ
るが、このような文化を漢族文化に置き換えようとしている。


6)ウイグル女性を漢民族の男性と強制結婚させられている。
https://news.so-net.ne.jp/article/detail/1582964/
http://www.atimes.com/article/beijing-accused-of-forcing-uyghur-han-intermarriages/

漢族の男性がウイグル族女性の親族を監禁して強要結婚……涙に濡れる花嫁の姿
http://www.cyzo.com/2018/06/post_164302_entry.html
Beijing accused of forcing Uyghur-Han intermarriages
http://www.atimes.com/article/beijing-accused-of-forcing-uyghur-han-intermarriages/
31


2.【宗教への侵害】

1)モスクの閉鎖、モスクへ中国旗と監視カメラを設置
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/mosques-08032017153002.html
http://america.aljazeera.com/articles/2013/9/18/uighurs-bow-downtochineseflagatxinjiang
mosque.html
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/urumqi-07072010084824.html
https://www.engadget.com/2018/02/22/china-xinjiang-surveillance-tech-spread/
2)モスクに政府系監視係の職員を配置
Xinjiang Authorities Convert Uyghur Mosques Into Propaganda Centers
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/mosques-08032017153002.html
3)18 歳以下の全員、学生、教師、職員の礼拝、断食など禁止
https://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/asia/china/5794696/Chinese-authorities-ban
-Uighurs-from-mosques.html
https://www.theepochtimes.com/communist-regime-bans-people-under-18-from-attendingmosques-
in-xinjiang-china_1730829.html
4)モスクで行われて来たウイグル伝統的葬式に家族以外の人々の参加禁止
5)ウイグル人ボランティアの遺体清浄禁止
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/din/meyit-yuyghuchi-ayal-02192018135741.html?enc
oding=latin
6)当局管理下の遺体処理・葬儀場(葬儀サービスセンター)を設立
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/kishilik-hoquq/xitay-uyghur-miyit-ishlirigha-qol-tiqti-
04062018235849.html?encoding=latin
7)ウイグル人密集地に火葬場建設
ウルムチ沙依巴克区 火葬场保安員の公募
33
中国のウイグル人への弾圧状況についてレポート
在日ウイグル人有識者会議
https://m.wlmq.com/0010155185.html
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/kishilik-hoquq/jeset-koydurush-06122018145148.html
?encoding=latin
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/kishilik-hoquq/jeset-koydurush-06132018153137.html
?encoding=latin
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/kishilik-hoquq/jeset-koydurush-06142018151310.html
?encoding=latin
8)新生児にイスラム系の名前を付けることを禁止するほか、一部大人の名前の改名を強要
https://www.voanews.com/a/china-issues-ban-on-many-muslim-names-in-xinjiang/3826118
.html
https://www.telegraph.co.uk/news/2017/04/25/china-bans-islamic-baby-names-muslim-maj
ority-xinjiang-province/
9)収容所でウイグル人に豚肉とアルコールを強要
イスラム教徒に豚とアルコールを強要する中国・ウイグル「絶望」収容所
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/05/post-10194.php


▲△▽▼


いま中国が行っているのは民族浄化で、ただ浄化するのではなく、ウイグル人を殺して臓器売買のドル箱としているのです。

【ウイグル人収容所から死者が続出】
http://uyghur-j.org/20180908/uyghur_japan_report_20180908.pdf


これまでの報道で各収容所から続々死者が出ていて『参考資料28-29、第三章死者リスト参照』、

一部の老人遺体以外は家族に返されず、家族に合わせることもなく、新しく設けられた一般人が
入ることのできない遺体処理・安置所『参考資料30』で焼却処分されていると思われる
(ウイグル人の民族習慣では亡くなった人に葬儀を行い、故人を専用墓地に埋葬する)。


臓器売買のため、臓器が抜き取られた痕跡のある遺体もあったという噂がある。
そして、それを裏付ける写真もあった。

上の写真3は、観光でウイグルに行った日本人により今年1月にカシュガル空港で撮られた写真であり、空港では「人体器官運送通路」、「人体寄付、移植器官航空運送保障プロセス」標識の専用通路やスペースが用意され、国家ぐるみで人の臓器を強盗していることを示す徹底的証拠である。


在日ウイグル人一人の証言によると、彼女の弟(24 歳)が今年5月に収容所で亡くなり、遺体を家族に返さずに当局の監視下で直接処理されたそうだ。死因は何なのか、遺体はどこに、どういう方法で処理されたかなどの情報は一切聞かされていない。電話に答えた親族は「党のケアの元で葬送した、さようなら」と言い他に何も言えなかったという。


▲△▽▼


「麻酔掛けずに直接摘出」 中国の臓器奪取、凄惨な実態が明らかに  


李荘弁護士の書き込み。中国の臓器奪取の実態をさらした(スクリーンショット)

【大紀元日本10月24日】重慶市元トップの薄煕来氏の暴力団一掃運動に立ち向かったことで1年半の懲役刑に服した北京の弁護士・李荘氏がこのほど、ミニブログ(微博)で、中国の臓器奪取の実態をさらした。

「ある著名な病院の著名な心臓外科の著名な医師らが僕ににこやかに教えたんだ。『重要患者に臓器移植を行う場合、臓器の鮮度を保つために、われわれは麻酔を掛けずに直接摘出するのだ』。僕は、死刑囚に対しても人道的でなければと忠告した」

この書き込みに多くの注目が集まった。ユーザー「虎甲胡威」は、「死刑執行の前に、死刑囚から臓器を摘出し死亡させることは、もはや人道のうんぬんではなく、計画殺人だ」と指摘。また、「中国で臓器売買のピークが法輪功を弾圧した時期だ。アメリカが証拠を持っているようだ」「李弁護士はもっと情報を提供すべきだ」などとさらなる真相の解明を望む声が飛び交った。

中国の臓器移植問題について、米国務省は5月24日に発表した2011年度人権状況報告書の中国関連部分で、メディアや人権団体から法輪功学習者の臓器が奪取され売買された報告が絶えないことに初めて言及した。また、9月12日に米議会で中国の臓器狩りについて公聴会が行われ、中国の囚人から生体臓器奪取の状況が証言された。

さらに、中国国内では9月、これまで最大規模の不法臓器売買事件の訴訟が始まっている。解放軍病院が仲介者を通じて闇の臓器売買を行ったことが明らかになり、死刑囚の臓器提供意思書、親族臓器提供意思書など、すべて偽造されていたことも浮き彫りになった。

闇から少しずつ、その凄惨な実態が浮かび上がっている中国の臓器狩り問題。2006年にすでにこの問題に注目し、調査報告書『戦慄の臓器狩り』を発表した著者の一人、カナダ元外務省アジア太平洋外務担当大臣のデービッド・キルガー氏は10月25日から27日の日程で来日し、会見やシンポジウムを開く予定だ。(翻訳編集・余靜、張凛音)
http://www.epochtimes.jp/jp/2012/10/html/d68771.html


詳細は


中国人のウイグルでの民族浄化の手口
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/280.html

中国企業が欧米や日本の最先端技術を手に入れる手口
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/283.html

高利貸 中国が低開発国の資産を乗っ取る手口
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/281.html

中国は世界史上最悪の階級社会
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/269.html

日本は近い将来、中国小日本省になる
http://www.asyura2.com/13/lunchbreak53/msg/888.html


因みに、僕が最近 阿修羅掲示板で中国関連スレにすべてウイグルでの民族浄化の話をコメントしていたら、
中国関連のスレが滅多に投稿されなくなった。

つまり、阿修羅で中国関連のスレを投稿していたのは殆どが中国の工作員だった訳だ。

阿修羅掲示板の全投稿の 7割以上を投稿している自称 赤かぶ 氏も中国の工作員グループだろうね。
阿修羅掲示板で反安倍とか護憲とか反原発の投稿をしているのも殆どが中国の工作員だね。
だから、阿修羅では僕みたいな反中の人間が嫌われて迫害・投稿妨害されるんだ。

IQ が低いアホは 平和、友愛、多民族共生とかいう言葉に弱いから、すぐに中国の工作員に騙されて洗脳されてしまう。


[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

2. 2018年10月22日 15:07:30 : ZzavsvoOaU : Pa801KbHuOM[56] 報告
米企業の増収ペース減速、業績腰折れに懸念

IBMが発表した第3四半期売上高は市場予想を下回った PHOTO: MICHAEL NAGLE
By
Michael Wursthorn
2018 年 10 月 22 日 12:30 JST
 米国企業の売上高成長が減速しており、2018年にダウ工業株30種平均やその他の主要株価指数が最高値を何度も更新する原動力となってきた企業収益を心配する声が高まっている。
 今月、資産運用大手ブラックロックからコンピューター大手のIBMまで幅広い企業が、アナリスト予想を下回る四半期売上高を発表してきた。その要因には消費者の買い控え、コストの上昇、ドル高などが挙げられている。調査会社ファクトセットによると、これまでに7-9月期決算を発表したS&P500種指数構成企業85社のうち、35%が売上高でアナリスト予想を下回った。
 予想を下回った売上高は直近の米株市場のボラティリティーの一因となっている。S&P500種指数は過去1カ月で4.8%下落した。金利上昇や貿易摩擦をめぐる懸念から、投資家はハイテク株やその他の急成長銘柄の売却を迫られたのだ。
増収ペースの減速S&P500企業の四半期売上高が市場予想に届かないケースが増えている

Source: FactSetNote: Lighter colors indicate partial-quarter data.


 米株市場のファンダメンタルズは概ね堅調を維持している。昨年の法人税減税に後押しされた利益の増加には割高な株価収益率(PER)を正当化する効果があった。売上高の伸びも年初に記録した急激なペースから比べると減速しているが、前年比プラスは堅持している。
 アナリストの多くが焦点を当てているのは、来年の数字がどうなるかだ。売上高成長の減速が数四半期続けば利益成長の維持が難しくなり、市場を支えている重要な柱が弱まるとアナリストはみている。
 ファクトセットによると、S&P500企業の第3四半期の売上高は前年同期比7.3%増が見込まれている。過去1年間では最も低い成長率となる。
 すぐに景気後退に陥ると予想する向きはほとんどいないが、投資家は利益成長の減速に株式市場がどう反応するのかに懸念を抱いている。ファクトセットによると、減税による直接的な増益効果が過去のものとなる来年はS&P500企業の増益率が半分に低下し、増収率は今年の8.2%から5.4%に低下することが見込まれている。
業績の頭打ちS&P500指数を押し上げてきた企業業績に伸び悩みがみられる(対前年比)

Source: FactSetNote: Lighter colors indicate analyst projections.

 今のところ、米国企業は昨年末に成立した税制改革法の恩恵を受け続けている。
 消費者が受けた恩恵は米動画配信大手ネットフリックスのような企業にも徐々に及んでいる。同社が先週発表した第3四半期決算では、新規契約者数が700万人近くに達し、売上高はアナリスト予想とほぼ一致する40億ドルだった。これを受けて同社株は一時上昇したが、投資家の楽観的見方が薄れると上昇分は帳消しとなった。それでもネットフリックス株は年初来では73%高となっている。
 一方、堅調な米国経済と米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げを背景にドルが上昇してきた。ドル高は米国の輸出品や多国籍企業の業績の重しになる。
 例えば先週に第3四半期決算を発表したIBMの売上高は前年同期比2.1%減の188億ドルだった。IBMのジェームズ・カバノー最高財務責任者(CFO)によると、ドル高の影響がなければ、第3四半期の売上高は前年同期比横ばいだったという。
関連記事
• 【バロンズ】金利上昇の影響、セクター別に分析
• 【バロンズ】米株市場の激震、強気相場は終了か
• 【バロンズ】ハイテク銘柄、中長期リスク高い


 


 


2018年10月22日 野地 慎 :SMBC日興証券 チーフ為替・外債ストラテジスト
米長期金利上昇は景気の強さと財政拡大リスクがもたらした
 3%台に乗せた後、しばらく横ばいを続けていた米国10年債利回りは突如として上昇し、一気に3.2%を上回った。
 米国経済は堅調だが、特段に強い経済指標は出ていない。もちろんFRB(米連邦準備制度理事会)の漸進的な利上げに向けたスタンスも不変であったが、5月の高値水準を上回ったことをきっかけに、「チャートを上抜けた」「売りが売りを呼んだ」、つまり相場の論理で利回りが急上昇した格好といえる。
 長期金利上昇を嫌気した米国株式市場は比較的大きな下げに見舞われたが、マネーは株式市場から債券市場にシフトせず、米国10年債利回りが高止まりしている。米国10年債利回り上昇の背景を冷静に分析すると、長期金利の構成要素として考えられる二つのデータが共に上昇していた。

拡大画像表示
 一つは将来の期待短期金利であり、1年後の1年物OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)は3%に迫る動きとなっている。ただ、FRBが中立金利レベルまでの利上げを模索する中、期待短期金利上昇は自然であり、市場参加者も織り込み済みであったはずだ。となると、もう一つの要素であるタームプレミアム上昇が今回の長期金利上昇局面ではややサプライズであったといえる。
 タームプレミアムは期間に対する上乗せの期待収益率とされ、10年債のタームプレミアムは今後10年間に期待される収益率といえる。他方、長い期間にわたって債券を保有する投資家が要求するリスクプレミアムとも説明でき、今後10年間で米国経済がより強く成長する、あるいはその間に米国の財政リスクが高まるなどの思惑が強まれば、タームプレミアムも上昇すると考えられる。
 足元の強い米国経済が今後10年の期待成長率上昇を想起させ、他方、11月の中間選挙後の財政拡張リスクが意識されたためにタームプレミアムが上昇し、10年債利回りも上昇したと説明できそうだ。
 ただ、足元の米国経済の強さは多分にトランプ減税の効果によるところが大きく、今後10年にわたる米国経済の繁栄を期待してよいのかと考えると疑問も残る。長期金利上昇によってもたらされた株安や対中関税賦課に伴う物価上昇は、減税効果が剥落した2019年の米国個人消費を一層押し下げよう。民主党が中間選挙で下院を制するようであれば、トランプ減税第2弾も画餅に終わる。
 平時の伸びもしくはそれ以下に戻った米国経済が「今後10年間の期待成長率=タームプレミアム」を押し下げると予想され、最終的には米国10年債利回りが中立金利とされる2%台後半に回帰する可能性が高いのではと思われる。
(SMBC日興証券 チーフ為替・外債ストラテジスト 野地 慎)
https://diamond.jp/articles/-/182855

 

ビジネス2018年10月22日 / 10:01 / 2時間前更新
企業向け資金需要が横ばい、個人は改善=日銀調査
1 分で読む

[東京 22日 ロイター] - 日銀が22日公表した「主要銀行貸出動向アンケート調査」(四半期ごと公表)の10月調査では、企業向けの資金需要が「増加」したとの回答から「減少」を指し引いた指数(DI)がプラス2となり、前回7月調査から横ばいだった。

規模別にみると大企業向け、中小企業向けともにがプラス4となり、前回のそれぞれゼロ、プラス1から改善したが、金融機関による企業全体として資金需要の判断に変化はみられなかった。

個人向けの資金需要判断DIはゼロとなり、前回調査のマイナス2から改善した。このうち住宅ローンはプラス1(同マイナス1)に改善。消費者ローンはマイナス3で横ばいだった。
https://jp.reuters.com/article/boj-lending-trend-idJPKCN1MW01Y

 


 
トランプ大統領が中間層向け「大規模減税」検討−中間選挙前に発表も
Joshua Gallu、Justin Sink
2018年10月22日 2:09 JST
トランプ米大統領は、中間所得層向けの「大規模減税」を検討しているとし、来月行われる中間選挙の数日前に発表する可能性があると述べた。

  大統領は減税案の詳細については触れなかった。実施されれば、2017年の税制改革に続く措置となる。共和党議員らの間では当時、税制改革が奏功し、中間選挙では同党が議会での過半数維持を確実にできるとの期待が広がっていた。


トランプ大統領(10月20日、ネバダ州エルコで)フォトグラファー:Nicholas Kamm / AFP via Getty Images
  ただ昨年の税制改革は主に富裕層や企業に恩恵をもたらし、財政赤字を膨らませる内容だとの批判が出ており、共和党議員が当初想定したほど同党の候補者の追い風になっていない。11月の中間選挙では、民主党が下院で過半数を獲得するとの見方が大勢だ。

  トランプ大統領は20日、ネバダ州エルコでの選挙集会後に記者団に対し、「中間所得層向けの大規模な減税を検討している」とし、「企業向けでは全くない。中間所得層向けだ」と強調した。

原題:Trump Considers Tax-Cut Sweetener Days Before Crucial Midterms(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-21/PGYICG6KLVR401

 

 
米中間選挙の最新世論調査、民主がリード保つ
Ros Krasny
2018年10月22日 7:11 JST
? トランプ大統領の支持率は上昇、経済運営で共和を評価
? 女性、ラテン系、若年層では民主が大幅リード
11月の米中間選挙で投票を予定している有権者に共和、民主のどちらの議会掌握を望むかと質問した場合、民主がかなりのリードを保っている。世論調査会社も指摘するように、鍵となるのは投票率だ。
  21日に発表されたNBCとウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の世論調査結果によれば、投票を予定している有権者の支持率は民主が50%、共和が41%と、民主が9ポイント上回った。それによると、民主のリードを後押ししたのは女性、ラテン系、若年層だった。有権者登録を済ませた人を対象にした支持率では民主のリードは7ポイントに狭まる。
  ただ、中間選挙は通常投票率が低いものの、今回に限っては有権者の投票意欲は高い。登録有権者で中間選挙に強い関心を持っていると回答した割合は65%と、12年ぶりの高水準となった。支持政党別では民主が72%、共和が68%。
  一方、トランプ大統領の支持率は47%と、NBC・WSJ世論調査では過去最高となった。どちらの党が経済運営に優れているかという問いでは、共和党が民主党に15ポイントの差を付け、同調査では過去最大のリードとなった。
原題:Democrats Hold Edge for Midterms With Turnout Unpredictable (1)(抜粋)
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
LEARN MORE
関連ニュース
1. トランプ大統領が中間層向け「大規模減税」検討−中間選挙前に発表も
2. 日本株続落、サウジやロシア巡り地政学リスク高まる−内外需安い
3. ムニューシン米財務長官:為替操作国の定義方法の変更にオープン
4. メイ英首相、EU離脱交渉が「95%既に決着」と議会で説明へ
5. フィアット、カルソニックへのマレリ部門売却で合意−関係者
6.

米や同盟国が対応に苦慮、サウジのカショギ氏死亡の説明二転三転で
Marc Champion、Saleha Mohsin
2018年10月22日 7:00 JST
? トランプ大統領、「うそ」を指摘もサウジとの関係の重要性強調
? 英独仏はサウジの直近の説明に疑義、事実を裏付ける証拠を要求
サウジアラビアのジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏が死亡した経緯についてサウジが説明を二転三転させたことから、対応を検討している米国やその同盟国の当局者らの間に疑念が広がった。サウジ外務省は21日、カショギ氏は「ならず者の工作活動」による「重大な手違い」によって殺害されたと説明した。

ジャマル・カショギ氏
フォトグラファー:Mohammed al-Shaikh / AFP via Getty Images
  フランスはさらなる情報の提供を要求、ドイツはサウジへの武器輸出を停止した。米国では、共和・民主両党議員らが殺害の情報をサウジの最高権力者らが知っていたのではないかとの見方を示す一方で、トランプ政権はサウジと同国経済は米国にとって極めて重要な存在だと強調した。
  米紙ワシントン・ポストにサウジ政権を批判する記事を寄稿していたカショギ氏が失踪してから2週間余り経過したこの週末、サウジは同氏が今月2日、トルコのサウジ総領事館内で殺害されたことを認めたが、その死は過失によるものだったと説明していた。しかしサウジのジュベイル外相は21日、殺害は「ならず者の工作」によるもので、このチームが殺害後、隠蔽(いんぺい)工作を行ったと述べた。サウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子はこの企てを知らなかったと同外相は語った。
  ジュベイル外相はFOXニュースとのインタビューで、「この工作活動では、メンバーが権限と責任を逸脱する結果となった」と発言。「彼らは総領事館内で誤ってカショギ氏を殺害し、それを隠蔽しようとした」と述べた。
  サウジ当局者は最初はカショギ氏が生きて総領事館を出ていったと説明していた。その後、説明が二転三転したため同盟国の対応は難しくなった。
  英国のラーブ欧州連合(EU)離脱担当相は21日のラジオやテレビでのインタビューで、サウジの直近の説明は信用できないと発言。フランスのルメール経済・財務相はサウジに真実を明らかにするよう求めた。ドイツのマース外相はカショギ氏を巡る捜査が続いている間は独政府はサウジへの武器輸出を認めないと述べた。これら3カ国にとってサウジは重要な市場だ。英独仏はまた21日に、サウジの捜査の「仮説」を「信じるに足ると見なすには事実の裏付けが必要だ」とする共同声明を出した。
  トランプ大統領もワシントン・ポストとのインタビューで、サウジの説明の「ごまかしとうそ」は顕著だと指摘した。しかしその一方で、ムハンマド皇太子は「強い人」であり、カショギ氏殺害に皇太子が関与した証拠はないと擁護した。一部議員はこうしたトランプ大統領の姿勢に疑問を示した。
  トルコのエルドアン大統領は、23日に開かれる与党・公正発展党(AKP)の議会会派会合で、カショギ氏殺害事件の詳細を公表すると約束した。トルコ紙ハベルトゥルクが報じた。
  これら各国の対応には、サウジとの長きにわたる経済・国防上の結び付きと、カショギ氏殺害の責任問題をはっきりさせなければ、世界中の専制的な体制が今後も政府に批判的なジャーナリストや反対派らを殺害するのではないかとの懸念の間で難しい選択を迫られる様子が見え隠れする。
原題:Allies Struggle to Respond to Changing Saudi Khashoggi Story (2)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-21/PGYW5M6K50XS01

 


三菱UFJ銀頭取、サウジでの未来投資イニシアチブへの出席見送り
Gareth Allan
2018年10月21日 20:26 JST 更新日時 2018年10月22日 0:01 JST

New signage for MUFG Bank Ltd. Photographer: Akio Kon/Bloomberg
三菱UFJ銀行の三毛兼承頭取は23日から始まるサウジアラビアでの未来投資イニシアチブへの出席を見送る。広報部の高原一暢氏が電話取材で明らかにした。欠席の理由については言及しなかった。

  副頭取の吉川英一氏が代理出席する予定
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-21/PGY54I6JIJUO01?srnd=cojp-v2

ビジネス2018年10月22日 / 08:41 / 3時間前更新
サウジ株、外国人投資家の売りが15年以来最大規模に
1 分で読む

[ドバイ 21日 ロイター] - サウジアラビア株式市場では、10月18日まで1週間の外国人投資家による売りが40億1000万リヤル(10億7000万ドル)に上り、2015年半ばに外資による直接購入が解禁されてから最大規模になった。反体制派のサウジ人記者ジャマル・カショギ氏の失踪を巡り米国とサウジの関係が悪化し、投資家心理に影響したため。

取引所のデータによると、外国人投資家が売却した株式は50億リヤル相当、購入した額は9億9130万リヤルだった。

サウジ国内の個人投資家による売却額は34億リヤル。一方、機関投資家は78億リヤルを購入した。他の中東諸国の投資家も売り手側に回った。

サウジの株式市場は10月2日のカショギ氏失踪以降、約4%下落した。タダウル全株指数は21日に一時3.5%下げたものの、最終的には0.2%上昇して引けた。

アルカーム・キャピタルの株式調査幹部ヤープ・メイエル氏は「市場はこれまでとは違う米国とサウジの関係を織り込み始めた」と指摘した。

サウジアラビア当局は20日、2週間にわたってカショギ氏の失踪への関与を否定していた後、カショギ氏はトルコ・イスタンブールの総領事館内で会った人物と格闘になった結果、死亡したと明らかにした。

米ムニューシン財務長官は21日、「最初の対応としては良いが、まだ不足している」と延べつつ、サウジに対する制裁を議論するには時期尚早だと述べた。
https://jp.reuters.com/article/tokyo-stx-outlook-22-idJPKCN1MV0ZU


ワールド2018年10月22日 / 08:36 / 3時間前更新
米議員、サウジ記者死亡巡りムハンマド皇太子の関与指摘
1 分で読む

[ワシントン 21日 ロイター] - 米議会の複数議員は21日、サウジアラビア政府を批判してきたサウジ人記者、ジャマル・カショギ氏の死亡について、ムハンマド皇太子が殺害を指示したとの見方を示した。一方、トランプ米大統領はより慎重な見方を示している。

共和党のコーカー上院外交委員長はCNNとのインタビューで、ムハンマド皇太子が殺害を指示したとの考えを示した。捜査が終わるのを待っており、トルコがカショギ氏の殺害に関する録音を公表することを望んでいると語った。

コーカー氏は、サウジは「信頼性を失った」と指摘。共和党のサス上院議員も「サウジには説明責任がある」と述べた。

コーカー氏は、ムハンマド皇太子が殺害に関与したことが明らかになれば、米国はサウジに対して制裁を科すことが可能だとした上で、同盟国と連携して対応することが重要だとの見方を示した。

民主党のダービン上院議員は皇太子の関与を指摘した上で、トランプ政権に対し、サウジ大使を国外に追放するよう要請。同盟国も同様の措置に踏み切るべきだと主張した。

共和党のポール上院議員など多くの議員は、サウジへの武器輸出を停止すべきだと主張した。

一方、トランプ氏は先週、サウジへの武器輸出を停止する理由はないとの考えを示している。

ホワイトハウスの高官は21日、トランプ氏はムハンマド皇太子が強い指導者だという考えを変えていないと説明。トランプ氏と側近はトルコとサウジ当局による捜査の結果を確認することを望んでいるとコメントした。
https://jp.reuters.com/article/saudi-khashoggi-usa-idJPKCN1MV114

 


サウジの「砂漠のダボス会議」、威信失う−世界の財界人から疑惑の目
Stefania Bianchi
2018年10月22日 11:20 JST
ドイツ銀やJPモルガン、ブラックロックの首脳らが出席見合わせ
ロシア直接投資基金CEOや孫正義氏は参加予定を変えていない
サウジアラビアで23日から開かれる「砂漠のダボス会議」と呼ばれる投資会議は、ジャーナリストのジャマル・カショギ氏殺害の陰にかすんでしまった。昨年は著名実業家らがサウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子の大々的な経済改革計画にあやかろうとこぞって「皇太子詣で」したが、今年はそのような華やかさとは無縁になりそうだ。

  サウジの政府系ファンド、公共投資ファンド(PIF)が主催する3日間にわたる同会議(正式名「フューチャー・インベストメント・イニシアチブ」)は、経済の石油依存を打破する同国の取り組みによって生じるビジネス機会を紹介するほか、世界の財界トップが集まる中で大規模な政府契約を公表するはずだった。しかし、サウジ政府を批判してきたカショギ氏の殺害が明らかになるや、数十人の金融・実業界のリーダーが相次いで出席を取りやめた。

  欧州首脳とトランプ米大統領がカショギ氏殺害に関するより詳細な情報を求める中、サウジ政府とムハンマド皇太子は同会議でサウジのビジネスには変わりはないことを示そうと躍起になる見込みだ。


ソフトバンクの孫正義社長写真家:Kiyoshi Ota / Bloomberg
  既にドイツ銀行のクリスティアン・ゼービング最高経営責任者(CEO)やJPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン会長兼CEO、ブラックロックのラリー・フィンク会長兼CEOらが欠席を表明しており、これまでウォール街の大手銀経営幹部と親密な関係を築き、大胆な計画の資金調達をこれら銀行に頼っているサウジとムハンマド皇太子にとって打撃となる。

  しかし、ロシア政府系投資会社であるロシア直接投資基金(RDIF)のキリル・ドミトリエフCEOは依然として出席する意向。また、サウジの新ビジネス・産業都市の開発を同国と共に行うほか、サウジ国内での大規模太陽光発電事業を計画しているソフトバンクの孫正義社長も、参加の計画を変えていない数少ない企業幹部の1人だ。

  ユーラシア・グループの中東・北アフリカ担当責任者、アイハム・カメル氏は、「サウジの首脳がなんとしても投資会議を開催しようとする中で、中東地域やアジアのCEOへのさらなるシフトが進んでいる」と指摘。「サウジ首脳にとっては成功でも失敗でもないイベントとなっても問題ないが、数カ月後に、サウジの経済改革プログラムへの国際的な信頼感低下という最も重大な影響が生じるだろう」と説明した。

原題:Saudi Arabia Summit Loses Its Swagger as Elites Question Kingdom(抜粋).
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-22/PGZ76Z6K50XT01

サウジ、マッキンゼーが身元特定した数人拘束とNYT−調査を悪用も
Jordyn Holman
2018年10月22日 11:29 JST
個人を標的とする作業に従事したことはないとマッキンゼー
悪用された可能性を考えると「恐怖を感じる」と同社はコメント
米コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーは、同社がサウジアラビアの経済緊縮策を巡る国民意識調査の内部リポートを作成したところ、サウジ政府が反体制派の口を封じるためにそれを利用した可能性があると報道されたことについて、悪用された可能性を考えると「ぞっとする恐怖を感じる」とコメントを発表した。

  米紙ニューヨーク・タイムズが21日、同紙の入手した9ページに及ぶマッキンゼーのリポートについて報じたもので、同リポートによれば、サウジの2015年の緊縮策に関する意識調査では、ツイッター上での反応が従来型のニュースメディアないしブログの倍に上り、否定的な意見が肯定的な反応をはるかに上回った。

  同紙によると、マッキンゼーのリポートはツイッター上の会話を主導した3人の身元を特定したが、その後これらの人々は拘束されたり、ソーシャルメディアのアカウントが閉鎖されたりしたという。マッキンゼーによれば、このリポートは公に利用可能な情報を基にまとめられ、内部での使用を想定していた。

  マッキンゼーは発表資料で、いかなる形でも批判的な人々の身元を特定するリポートを作成するようサウジ当局から委託されたことは決してないと主張した。

  同社は各国政府との仕事では「その考え方に基づいて個人を標的とすることを目指す作業に従事したことはなく、そうするつもりは全くない」としながらも、「その確率が極めて低いとしても、どのような形であれ悪用された可能性を考えると恐怖を覚える。現時点でそれが悪用されたことを示す証拠は目にしていないが、誰とどのようにその文書が共有されたか至急調査している」と説明した。

  マッキンゼーの広報オフィスに21日にメッセージを残したが、これまでのところ返答はない。

原題:McKinsey ‘Horrified’ Saudi Arabia Memo May Have Been Misused (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-22/PGZ5M86S972901?srnd=cojp-v2

 


米や同盟国が対応に苦慮、サウジのカショギ氏死亡の説明二転三転で
Marc Champion、Saleha Mohsin
2018年10月22日 7:00 JST
? トランプ大統領、「うそ」を指摘もサウジとの関係の重要性強調
? 英独仏はサウジの直近の説明に疑義、事実を裏付ける証拠を要求
サウジアラビアのジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏が死亡した経緯についてサウジが説明を二転三転させたことから、対応を検討している米国やその同盟国の当局者らの間に疑念が広がった。サウジ外務省は21日、カショギ氏は「ならず者の工作活動」による「重大な手違い」によって殺害されたと説明した。

ジャマル・カショギ氏
フォトグラファー:Mohammed al-Shaikh / AFP via Getty Images
  フランスはさらなる情報の提供を要求、ドイツはサウジへの武器輸出を停止した。米国では、共和・民主両党議員らが殺害の情報をサウジの最高権力者らが知っていたのではないかとの見方を示す一方で、トランプ政権はサウジと同国経済は米国にとって極めて重要な存在だと強調した。
  米紙ワシントン・ポストにサウジ政権を批判する記事を寄稿していたカショギ氏が失踪してから2週間余り経過したこの週末、サウジは同氏が今月2日、トルコのサウジ総領事館内で殺害されたことを認めたが、その死は過失によるものだったと説明していた。しかしサウジのジュベイル外相は21日、殺害は「ならず者の工作」によるもので、このチームが殺害後、隠蔽(いんぺい)工作を行ったと述べた。サウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子はこの企てを知らなかったと同外相は語った。
  ジュベイル外相はFOXニュースとのインタビューで、「この工作活動では、メンバーが権限と責任を逸脱する結果となった」と発言。「彼らは総領事館内で誤ってカショギ氏を殺害し、それを隠蔽しようとした」と述べた。
  サウジ当局者は最初はカショギ氏が生きて総領事館を出ていったと説明していた。その後、説明が二転三転したため同盟国の対応は難しくなった。
  英国のラーブ欧州連合(EU)離脱担当相は21日のラジオやテレビでのインタビューで、サウジの直近の説明は信用できないと発言。フランスのルメール経済・財務相はサウジに真実を明らかにするよう求めた。ドイツのマース外相はカショギ氏を巡る捜査が続いている間は独政府はサウジへの武器輸出を認めないと述べた。これら3カ国にとってサウジは重要な市場だ。英独仏はまた21日に、サウジの捜査の「仮説」を「信じるに足ると見なすには事実の裏付けが必要だ」とする共同声明を出した。
  トランプ大統領もワシントン・ポストとのインタビューで、サウジの説明の「ごまかしとうそ」は顕著だと指摘した。しかしその一方で、ムハンマド皇太子は「強い人」であり、カショギ氏殺害に皇太子が関与した証拠はないと擁護した。一部議員はこうしたトランプ大統領の姿勢に疑問を示した。
  トルコのエルドアン大統領は、23日に開かれる与党・公正発展党(AKP)の議会会派会合で、カショギ氏殺害事件の詳細を公表すると約束した。トルコ紙ハベルトゥルクが報じた。
  これら各国の対応には、サウジとの長きにわたる経済・国防上の結び付きと、カショギ氏殺害の責任問題をはっきりさせなければ、世界中の専制的な体制が今後も政府に批判的なジャーナリストや反対派らを殺害するのではないかとの懸念の間で難しい選択を迫られる様子が見え隠れする。
原題:Allies Struggle to Respond to Changing Saudi Khashoggi Story (2)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-21/PGYW5M6K50XS01


 


ワールド2018年10月22日 / 10:46 / 41分前更新
英本土・北アイルランド間の検査で境界生まれず=EU側離脱交渉官
1 分で読む

[パリ 21日 ロイター] - 英国の欧州連合(EU)離脱を巡り、EUのバルニエ首席交渉官は、離脱後には英国本土から北アイルランドに送られるモノの検査が必要になるとの立場をあらためて示したが、それによって新たな境界が設けられるわけではないと強調した。

21日の仏紙ジュルナル・デュ・ディマンシュに掲載されたインタビューで述べた。

英国とEUは、英領北アイルランドとEU加盟国アイルランドの間のハードボーダー(厳格な国境管理)を回避する「バックストップ」(安全策)の必要性では合意しているが、詳細を巡っては協議が難航している。

EUは、北アイルランドとアイルランドの間の国境管理を避けるためには英本土から北アイルランドに送られるモノの検査が必要になるとの立場を崩していない。

ただ、英国ではメイ首相率いる保守党内や、保守党が閣外協力する北アイルランドの地域政党、民主統一党(DUP)から反発が出ている。

バルニエ氏はインタビューで、英本土から北アイルランドに送られるモノの検査を行うことで「アイリッシュ海に境界を設けるわけではない」と強調し、英国の統合性が損なわれるとの見方を否定。

英本土から北アイルランドに送られる動物の10%で既に検疫が行われているとし、バックストップではこれが100%に引き上げられるが、後に動物衛星の基準について合意を結べば40%に比率を引き下げることが可能になると説明した。

このほか、EUの食品基準で禁止されている塩素処理された米国産鶏肉など、EUの規定に違反するものがアイルランドに輸入されるのを防ぐためにバックストップが必要だと指摘した。

さらに、アイルランド国境問題以外では、欧州司法裁判所の管轄を巡る見解の相違などが合意の障害になっていると明らかにした。
https://jp.reuters.com/article/britain-eu-barnier-idJPKCN1MW04W

3. 2018年10月22日 15:45:30 : ZzavsvoOaU : Pa801KbHuOM[59] 報告
コラム2018年10月22日 / 13:36 / 2時間前更新
コラム:サウジ皇太子の経済改革に暗雲、記者死亡で投資に影
George Hay and Rob Cox
2 分で読む

[ドバイ 20日 ロイター BREAKINGVIEWS] - サウジアラビアがもし企業なら、会長は、最高経営責任者(CEO)のすげ替えを検討するところだろう。部下がイスタンブールのサウジ総領事館で丸腰の市民を殺害した容疑で正式に拘束されるなどしたからだ。

サウジは企業ではない。会長やCEOではなく、国王と皇太子によって支配される絶対君主制の国である。

だが、企業と似たところもある。現在のサウジは豊かな国であり、社会福祉や王族のぜいたくな暮らしを支えるため、石油需要に依存できない日が来るのに備えて野心的な改革に取り組んでいる。

82歳のサルマン国王が直面する問題は、そのような戦略の考案者である息子のムハンマド皇太子(33)が今後もそれを実行できるか、ということだ。

皇太子の経済改革「ビジョン2030」にとって、外国資本の誘致は必要不可欠となる。ジャマル・カショギ記者の殺害は、そうした重要な目的を達成するための皇太子の能力に傷をつけた。サウジは20日、同記者の死亡を確認し、容疑者18人を逮捕、高官2人を解任したと明らかにした。

欧米企業が今後、武器売却や石油購入といったビジネスをサウジ王室と行わないということではない。しかし、著名記者の殺人事件への共謀が疑われる人物がリーダーを務める企業に投資するのは難しい。

すでにサウジは苦戦しており、同国への2017年海外直接投資(FDI)は14億ドル(約1580億円)と過去10年超で最低を記録した。

投資や高水準の原油価格がなければ、サウジが化石燃料依存から脱却し、失業率の改善や民間企業の成長を図るのは一段と困難になるだろう。

5000億ドルが投じられ、再生可能エネルギーや世界中の人材を駆使して紅海沿岸に建設中の新ビジネス・産業都市「NEOM」のような未来のプロジェクトも計画倒れになる可能性がある。

だが、サルマン国王が自身のCEOを解任することはなさそうだ。その一因として、ムハンマド皇太子の支配が広範囲に及んでいることや、サウジの若者に人気があることなどが挙げられる。

より大きな問題は、ムハンマド皇太子が、独裁主義的な性格であるにもかかわらず、外向きで、先進的な国家を象徴していることだ。

ムハンマド皇太子がいなければ、ビジョン2030の展望に暗雲が立ち込めるかもしれない。だが逆に同皇太子がいることで、それを実現させるのに必要な投資はまったく実現しないかもしれない。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。


 


 

トップニュース2018年10月22日 / 12:46 / 24分前更新
焦点:サウジ投資会議ボイコット相次ぐ、経済に政治リスク波及
2 分で読む

[ドバイ 19日 ロイター] - サウジアラビアの反体制記者ジャマル・カショギ氏がトルコのサウジ領事館を訪問後に死亡した事件を巡り、欧米の多くの金融機関トップや政府高官らが今週サウジで開催される経済投資フォーラム「未来投資イニシアチブ」の参加見送りを決めた。

西側としてはサウジの政治リスクが高まっていることを改めて認識させられた形で、長期的に同国の外資誘致や脱石油依存に向けた改革の取り組みを損なう要素となりかねない。

欧米企業は今後、サウジとの新規事業の大半を手控える公算が大きい。同国と取引することで生じる悪評や、欧米政府が何らかの制裁を発動した場合に対象になる事態を懸念しているためだ。

これらの企業によるサウジへの投資だけでなく、サウジの政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)」の海外投資もストップするかもしれない。

ユーラシア・グループの中東問題責任者Ayham Kamel氏は「ほとんどの西側企業は、カショギ氏の事件を踏まえてサウジ向け事業の見直しを迫られるだろう」と語った。

もっとも新規事業凍結の動きは、数カ月もすれば下火になる可能性がある。多くの西側企業にとって、サウジに保有する権益はあまりにも大きく、同国との縁を完全に切ることはできない。

例えばブラックロック(BLK.N)のラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は、未来投資イニシアチブへの欠席を表明しながらも、長年築いてきたサウジとの関係自体は維持するとの考えを示した。

キャピタル・エコノミクスのシニア新興国市場エコノミスト、ジェーソン・ダビー氏は「特に米国がカショギ氏の事件についてサウジ政府による幕引きを後押ししているように見える点を踏まえると、年が明ければほとぼりは冷め始めるだろう」と述べた。

トランプ米大統領は、米国とサウジの安全保障面の関係を守り、サウジへの多額の武器売却も続けると強調。ハント英外相も、カショギ氏殺害報道が真実なら全く容認できないと発言しつつ、英国はサウジと戦略的な関係にあり、英国の行動はその点を「配慮する」と付け加えた。

このためダビー氏などの専門家は、制裁が発動されたとしてもサウジの痛手は小さいと予想する。最も話題になっているのは、米国が人権問題に関わった人物のビザ発給停止や資産凍結を行うことだ。もしカショギ氏死亡に責任があると判明した何人かのサウジ人にそうした制裁が科されても、サウジ経済に重大な悪影響は及ぼさない。

この事件が落着すれば、PIFの案件に伴う手数料収入目当てで西側の銀行が再びサウジにやってくるとの声も出ている。

ただサウジと西側の取引が通常の状態に戻ったとしても、カショギ氏の事件は同国への外国資本流入に影を落とし続けるだろう。

ペルシャ湾地域のあるバンカーは、ムハンマド皇太子が昨年汚職容疑で王族や企業幹部を一斉に拘束した際と同様に、カショギ氏の事件について外国の顧客から多くの問い合わせを受けたと説明。「イエメンへの武力行使、カタールとの断交、ドイツやカナダとの関係緊迫化、女性活動家の逮捕といった過去の問題が積み重なり、サウジでは衝動的に政策が決まるとの印象が強まり、投資家を心配させている」と指摘した。

またサウジが米政府の大規模な制裁を免れても、米議会は同国にあまり肩入れしないという態度を続ける可能性があり、そうなると原油価格を巡って石油輸出国機構(OPEC)加盟国に独占禁止法を適用する法案が復活してもおかしくない。

サウジ国内に目を向けると、カショギ氏の事件でムハンマド皇太子の権威が揺らぎ、政情が不安定化したり、財政赤字削減などの改革のスピードが落ちるのではないかとの観測も聞かれる。

ムハンマド皇太子は汚職取り締まりと改革を掲げて多くの国民の支持を集めた半面、こうした動きで打撃を受けた一部の王族や企業関係者がカショギ氏の事件をきっかけに反撃を仕掛ける事態があり得る。

リヤドのあるバンカーは「経済と社会の改革に向けて過去1年間実施されてきた努力が全て水の泡にならないかと気をもんでいる」と打ち明けた。

BlackRock Inc
401.65
BLK.NNEW YORK STOCK EXCHANGE
+1.78(+0.45%)
BLK.N
BLK.N
(Andrew Torchia、Hadeel Al Sayegh記者)


 

狙いは個人の超富裕層ーゴールドマンとモルガンS、融資拡大に躍起
Sonali Basak
2018年10月22日 6:18 JST
• モルガン・スタンレー、個人富裕層への融資が過去5年間で3倍
• ゴールドマンは米国外の富裕層向け融資増やすため採用進める
富裕層顧客に対し、ゴールドマン・サックス・グループは5分で新規事業立ち上げや納税用の資金を貸し出す。モルガン・スタンレーは高級マンション購入を現金で申し込むためのつなぎ融資を喜んで提供する。
  先週発表されたウォール街の銀行決算で、各行が個人富裕層への融資という急拡大中の市場に傾斜を強めていることが明らかになった。今のところ、その成果は出ている。モルガン・スタンレーは過去5年間に個人富裕層への融資が3倍となり、ゴールドマンは海外での展開を拡大させている。
Booming Business
Morgan Stanley has more than tripled the size of its private bank's loan book

Source: Company filings
Note: 2018 figure is as of Sept. 30
  金融危機で持株会社への移行を迫られた各銀行は近年、融資事業に活路を見いだしている。モルガン・スタンレーは同行から融資を受けている顧客の割合を2倍にする目標を設定。ゴールドマンは増収計画について、ウェルスマネジメント顧客への貸し出し拡大が計画達成に向けた主要部分になるとの認識を示した。
  サンフォード・C・バーンスタインの銀行担当アナリスト、クリスチャン・ボル氏は「金融危機以降、全般的に伸びていない証券トレーディングなどの事業と比較して、富裕層向け市場は成長を続けている。超富裕層向けはいっそう魅力的で急成長しており、マージンが大きい」と指摘。富裕層向け市場について「カスタムメードになる傾向が強い。芸術品を担保に融資を受けたい場合、日常的に利用している銀行に頼むことはできない」と説明した。

ゴールドマンのマーティ・チャベスCFO
フォトグラファー:Simon Dawson / Bloomberg
  モルガン・スタンレーとゴールドマンは、富裕層向け融資の経験と実績を積んできたJPモルガン・チェースなどの競合行に追い付くよう努めていることを認めた。競争は激化しつつあり、ドイツ銀行は1億ドル(約112億5000万円)以上の資産を持つ個人を主な対象に融資を増やすため、米国で採用を進めている。クレディ・スイス・グループは米国でのプライベート・ウェルスマネジメント事業を縮小したが、なお6月末時点で30億ドル以上の融資残高を抱える。
  ゴールドマンのマーティ・チャベス最高財務責任者(CFO)は先週のアナリストとの電話会議で、5年前にはほぼゼロだった米国外をはじめとする個人向け融資に「大きなチャンス」があるとの見方を示し、採用を進めると語った。
  ボル氏は9月の顧客向けリポートで、個人富裕層向け事業がゴールドマンの株価反転を後押しする可能性があると指摘。同事業で110億ドルの融資を増やす計画が実現できれば、ゴールドマンには8億5000万ドルの追加収入が生まれるだろうと試算した。
原題:Goldman, Morgan Stanley Want to Lend the Ultra-Rich More Money(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-21/PGUH7P6JIJYT01

 

 


 米EU貿易協議、素早く求められる大きな成果
EU当局者らは自動車に関する取り決めについて話し合いが実現すれば、「特に実りの多いものになるかもしれない」と述べる

By Emre Peker
2018 年 10 月 22 日 10:44 JST 更新

 【ブリュッセル】7月に貿易摩擦の解消で一致した米政府と欧州連合(EU)の貿易交渉担当者らが、素早く成果をあげようと動いている。だが単純に見える対策も数年の時間を要するケースがあり、容易ではない模様だ。

 ドナルド・トランプ米大統領と欧州委員会のジャンクロード・ユンケル委員長は7月25日、貿易対立を回避し「自動車関連製品以外の分野で関税ゼロ、非関税障壁ゼロ、補助金ゼロを共に目指す」ことに合意した。

 だが首都ワシントンで23日に開かれる協議を前に、遅延行為などでトランプ氏の忍耐力を試すべきではないとウィルバー・ロス商務長官率いる米国側の関係者は警告している。

  ロス氏は セシリア・マルムストロム欧州委員(通商担当)と16日に協議を行い、翌17日、トランプ氏が「目に見える成果をもたらす素早い交渉」を求めていると発言。「5カ年計画にするようなものではない」と続けた。

 小規模な貿易協定に素早く合意することで同意できなかった交渉担当者らは今、モノとサービスの貿易について互いのルールを調整することに集中している。ロバート・ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表のオフィスはマルムストロム氏との協議後、「貿易をめぐる技術的な障壁について、素早い成果」を期待すると先週発表していた。

 7月の合意で、欧州側が最も恐れる米国の自動車関税発動は棚上げされている。EU当局者らは自動車に関する取り決めについて話し合いが実現すれば、「特に実りの多いものになるかもしれない」と述べる。

 製品をわずかな基準の違いのために調整するにはコストがかかるため、欧米双方が協調できれば互いにかなりの節約を実現できると貿易当局者らは話す。米国とEUが10年前に規制を統一しようと試みた際、重複する部分を撤廃すれば毎年2000億ドルの無駄を削減できるとの推計をオランダのコンサルティング企業Ecorysは発表していた。

 だが米国とEUが非関税障壁の撤廃を目指すのは、2007年以降で今回が3度目となる。規制について見解を一致させるのは「極めて難しく、すぐには実現しない」と、ロンドンのキング&スポルディング法律事務所のイアン・マクベイ弁護士は述べている。


 


 


ワールド2018年10月22日 / 13:41 / 2時間前更新
英企業、ブレグジット緊急計画で後戻りできない段階に近づく=CBI
1 分で読む

[ロンドン 21日 ロイター] - 英産業連盟(CBI)の調査によると、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を巡る不透明感が12月までに払拭されない限り、英企業の大半は、無秩序な離脱に備えた緊急時対応計画を実施する方針だ。

CBIは、英政府とEUの交渉が暗礁に乗り上げたことで、英国の雇用、投資、経済成長がいかに危険にさらされているかが分かったと警告している。

CBIのフェアバーン事務局長は「国民投票以来の企業の健闘は注目に値するが、忍耐も今や限界に近づいている」と指摘。「12月までに交渉で、移行期間を可能にする離脱協定を確保しなければならない。すべての政治家に対するメッセージは『あなたの行動が将来の世代に影響する』というものだ」と述べた。

調査によると、ブレグジットの内容が明確にならない限り、236社のうち39%は、11月までに雇用削減やサプライチェーンの調整、在庫積み増しなどの緊急計画を実行に移す方針。

24%は12月までに実施する計画で、19%は既に実行し始めているという。

また80%の企業は、ブレグジットが既に投資決定に悪影響を及ぼしていると回答した。

調査は9月19─10月8日に行われた。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
ワールド2018年10月22日 / 12:46 / 3時間前更新
イタリア、ユーロ圏加盟維持にコミット=副首相
1 分で読む

[ミラノ 21日 ロイター] - イタリアのディマイオ副首相は21日、同国はユーロ圏の加盟維持にコミットしていると発言した。副首相は連立政権の一角を構成する「五つ星運動」の党首を務めている。

イタリアでは財政赤字拡大を盛り込んだ2019年予算案の発表後に国債市場が下落し、イタリア国債とドイツ連邦債の利回りスプレッドは5年半ぶり高水準の3.4%ポイントに拡大した。

副首相は国営イタリア放送協会(RAI)に「欧州中央銀行(ECB)および市場、すなわち投資家との会話から、イタリア政府はユーロ圏または欧州連合(EU)からの離脱を望んでいるのではないかとの懸念が(債券利回りスプレッド)急上昇につながったと理解している」と説明。その上で「政府としても政党としても(欧州離脱の)プランBはなく、欧州を変革するというプランAしかないことをここでも他の機会でも繰り返したい」と述べた。

「私がこの運動を率い、政府の閣僚である限り、イタリアがユーロ圏および欧州に残留することを常に保証する」とも述べた。

関係筋によると、イタリアのトリア経済・財務相とコンテ首相が20日の閣議で19年財政赤字目標の引き下げを主張したが、説得できなかったという。

ディマイオ副首相はまた、欧州委員会に22日に送る書簡を用意していることを明らかにし、イタリア政府の立場を説明することで「長期の協議を経て委員会がイタリアの目標を共有するようになることを望む」と述べた。

欧州委は前週イタリア政府に対し、2019年予算案はEU財政規律への「前例のない」違反だとの見解を通達した。

4. 2018年10月22日 15:50:14 : ZzavsvoOaU : Pa801KbHuOM[60] 報告
中国株が上昇、上海総合指数は16年3月以来の大幅高
Sofia Horta e Costa
2018年10月22日 10:42 JST 更新日時 2018年10月22日 13:17 JST
• 上海総合指数は前週末比4.2%高−証券株など高い
• 習近平国家主席は民間セクターへの「揺るぎない」支援表明

Photographer: VCG/Getty Images AsiaPac
22日の中国株式相場は上昇。上海総合指数が2016年3月以来の大きな値上がりとなっている。中国当局が景気てこ入れに動き、低迷する民間セクターへの支援を表明した。
  上海総合指数は午前の取引終了時点で、前週末比4.2%高と続伸。先週末19日は2.6%上げていた。証券株の上昇が目立ち、構成銘柄の約99%が値上がりする全面高となっている。一方、ボラティリティー指数(10日物)は上昇しており、16年3月以来の高水準を付けた。
  習近平国家主席は週末に民間セクターへの「揺るぎない」支援を表明。本土の証券取引所が株式担保リスク管理を手助けすると言明する一方、中国当局は個人所得減税の原案を公表した。

原題:Chinese Stocks Rally Most Since 2016 as State Steps Up Support(抜粋)
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
LEARN MORE
関連ニュース
1. 日本株上げ転換場面、化学など中国関連高く通信安い−中国株急伸
2. サウジの「砂漠のダボス会議」、威信失う−世界の財界人から疑惑の目
3. 社債市場のタブー検証:募残急増3割−「公然の秘密」に規制必要の声
4. ムニューシン米財務長官:為替操作国の定義方法の変更にオープン
5. 狙いは個人の超富裕層ーゴールドマンとモルガンS、融資拡大に躍起
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-21/PGYZMT6K50XS01


日本株上げ転換場面、化学など中国関連高く通信安い−中国株急伸
長谷川敏郎、Min Jeong Lee
2018年10月22日 7:51 JST 更新日時 2018年10月22日 13:33 JST
• 中国は個人所得減税の原案公表、中国上海総合指数は4%超上昇
• 米S&P500種Eミニ先物は下げ帳消し、情報・通信や医薬品重し

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
22日の東京株式相場は安く始まった後、午後に入り上昇に転じた。中国の個人所得減税を受けて中国経済の改善期待が高まっている。中国経済の恩恵を受けやすい資生堂や花王などが買われて化学がTOPIXの上昇寄与度首位、電機も高い。
  中国は20日、個人所得減税の具体案を公表した。財政省と国家税務総局が公表した原案を基に国営新華社通信が報じたところによると、医療や教育、住宅ローン金利・家賃、高齢親族の扶養で控除が受けられるようになる。各控除可能額は月1000−2000元(約1万6200−3万2500円)。意見公募期間を経て、最終的な変更は2019年1月1日となる。中国上海総合指数は16年3月以来の大幅高となる4.2%高で午前の取引を終了した。

東証プレート
Photographer: Akio Kon/Bloomberg
  三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは「決算前の様子見の動きがややある中で、中国経済による影響が日本株になかなか買いが入りにくい要因の一つだった。中国株の上昇は、個人投資家中心に景気に対して少し前向きな変化が見られるのではないか、という解釈だろう」と述べた。
  日経平均株価は午前に前週末比260円(1.2%)安の2万2271円まで下げた後、中国株の大幅高や米S&P500種Eミニ先物の下げ帳消しを受けて午後に上昇転換、140円高の2万2672円まで上げた。
• 午後1時24分時点のTOPIXは前週末比3.63ポイント(0.2%)高の1696.48、日経平均株価は同91円12銭(0.4%)高の2万2623円20銭

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
LEARN MORE
関連ニュース
1. 日本株上げ転換場面、化学など中国関連高く通信安い−中国株急伸
2. ドル・円が小幅上昇、株価の上昇を追い風にドル買い強まる
3. 海外投資家の日本離れ、逆転も−インフレ加速すれば関心増すとの見方
4. ムニューシン米財務長官:為替操作国の定義方法の変更にオープン
5. 狙いは個人の超富裕層ーゴールドマンとモルガンS、融資拡大に躍起
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-21/PGYZMT6K50XS01

社債市場のタブー検証:募残急増3割−「公然の秘密」に規制必要の声
間一生
2018年10月22日 5:45 JST
• 9月は48案件中、少なくとも14件が募残−JAL、JTやホンダF
• 上期の募残は14%−日銀会合後の長期金利上昇で比率が増加
日本の社債市場でタブー視されている新発債の売れ残りの比率が、ここにきて3割近くに上昇したことがブルームバーグの取材で明らかになった。
  新発債は9月に計48案件が登場、うち少なくとも14件、29%が募残になった。上期(4−9月)は計304案件で42件、14%だった。ブルームバーグが機関投資家、引受会社や発行体への延べ470回超の取材を基に集計した。売れ残りや募残は、新発債への投資需要を引受会社が集めきれずに自身で抱えた状態。手数料の一部を利回りに加えて投資家に売る(割引販売)などで対応する。市場では公然の秘密だ。
2018年度上期の募残比率
7月末の金利上昇後に募残急増

ブルームバーグ: 募残比率(件数ベース)=募残案件数/起債案件数
  9月の募残急増は7月末の日本銀行会合が背景。社債の条件決定の基準となる長期金利(国債利回り)の変動幅が広がり、既発債の含み損や金利の先行き懸念を含めて投資家が様子見に転じたり投資選別色を強めた。8月前半にいったん停止した新発債の条件決定が9月にかけて集中して投資需要が不足した。募残は市場では公には存在しないとされており、実際の情報を得られるかどうかが運用格差に結びつく。
  ある引受関係者は、新発債の売れ残るのは日常茶飯事で1割台はどちらかというと少ない方だったと明かす。同時に、実際に統計を取ったことはないが3割近く残ったと言われてもそれほど驚きはしないと述べた。
  複数の関係者によると9月は日本航空(JAL)や日本たばこ産業(JT)、ホンダファイナンス、出光興産、Jパワーなどが売れ残った。各主幹事は売れ残りを否定し、JAL広報部の松崎里子・主任は「主幹事証券会社からは、発行額を超える十分な申込みがあったとの報告を受けている」と電子メールで回答した。そのほかの企業も同様の見解を示した。

  上期の社債引き受けランキングは順にみずほ証券、野村証券、大和証券、SMBC日興証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券だった。各証券の広報担当者も募残についてコメントを差し控えるとした。
極秘扱い
  新発債の発行条件は、企業が指名した引受会社が投資家への需要調査に基づき決める。発行体が想定する利率の範囲内で希望調達額を満たす投資需要が集まらないケースは引受会社が在庫として保有する。発行体に販売能力がないと思われるリスクを回避したい引受会社は、発行体には需要を水増しして報告をするため実態は通常表面化しない。
  こうした募残情報は市場で極秘扱いされ、株式のような取引所がない社債では相対取引で投資家に割引価格されることもある。社債は公募だが情報の透明性が高くない日本では、限られた投資家だけが実態を知らされ割安に購入することができる。結果として定価で購入した投資家との間で不公平が生じる。
  実際には売れ残っていた社債を定価で上期に購入したある地方金融機関の運用担当者は、引受会社からはすべて完売していると聞いていたと語った。同時に、地方で資金運用していると市場動向を知る唯一の情報源が引受会社で、たとえだまされてもそれを問いただすことはできない、と複雑な胸中を吐露した。
一歩
  新発債の不透明性を関係者はすでに認識している。日本証券業協会は2010年のリポート「社債市場の活性化に向けて」に割引販売の存在を記した。日証協主催で2017年11月に開催された「社債の価格情報インフラの整備等に関するワーキング・グループ」(WG)議事録によると、募残銘柄を売却する場合として「多少スプレッドなどを無視した価格で取引する場合も実際あり得る」と参加者が発言している。
  この中で日証協は社債取引で「売買の別」を10月から開示し始めた。新発債が証券会社の「売り」で初めて取引された場合、証券会社(引受会社)が在庫を売却した場合があり、募残だった可能性がある。ある投資家は、社債市場にとって大きな一歩で今後の取引にも重要な情報開示が始まった、と語った。開示対象を現在のAA格以上からA格まで拡大できるかが今後の焦点だとしている。
  実は日証協は昨年のWGでこの対象拡大を、市場への影響などを懸念する証券会社の反対で見送った。このWGは毎年11月に開催されており、今年も対象銘柄の拡大について話し合いが行われる見込みだ。
透明性
  新発債の発行条件の透明性確保に向けて、機関投資家の需要を発行体と引受会社で共有する「POT方式」を欧米同様に採用する動きも広がっている。サムライ債やハイブリッド債(劣後債)ではすでに定着、今年度最大の2500億円のファーストリテイリング、商船三井や日本郵船のグリーンボンド(環境債)やマクロミルのデビュー債といった小型案件でも発行条件の適正水準を求めて導入が広がっている。
  英語の入れ物を意味するPOTは、社債の条件決定に際して注文の詳細を主幹事証券と発行体が共有する。手続きが透明で、募残の要因となるカラ需要や注文の重複を回避して正確な需給の均衡点を見いだせる。主幹事業務の簡素化も可能だ。同時に引受会社にとっては、顧客を他社に開示することになりかねない。日本独自のリテンション方式は投資家情報を伏せて手続きをする。
  複数の金融庁幹部はブルームバーグの2月の取材でPOTについて、適正価格での発行や透明性を高める可能性があり、拡大を期待していると述べた。同時に採用は民間の判断で金融庁が促進するようなことはないと付け加えた。
  日本銀行の黒田東彦総裁はインドネシア・バリ島でのブルームバーグのインタビューで、金融緩和の出口戦略開始の準備が整ったことを示唆する最初の兆候は、国債利回りに表れるだろうと述べた。現行の低金利政策を継続するとも強調したが、黒田総裁が将来の出口政策について明確に述べるのは異例だ。すでに日銀は「ステルステーパリング」(隠れた緩和縮小)をしているとの声が市場の一部には根強い。
  こうした市場環境の下、ある運用担当者は、投資家は完売を装った情報を基に取引を強いられて上場企業でさえ自社債の売れ行きを知らされない状況は異常としか言えないと指摘した。株式と対照的に社債は透明性の点で取り残されてきた市場で、正確な実態報告や共有を強いる環境作りや最終的には規制が必要なのかもしれないと語った。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-21/PGF4HO6JTSED01

 

ムニューシン米財務長官:為替操作国の定義方法の変更にオープン
Saleha Mohsin
2018年10月22日 4:01 JST 更新日時 2018年10月22日 8:26 JST
• 競争的な通貨切り下げを行っているかどうかの基準変更なども
• 「ある時点で基準を変更すべきかどうかを検討する」と長官
ムニューシン米財務長官は、為替操作国の定義方法の変更にオープンな姿勢を示した。実際に変更されれば、トランプ大統領が中国を為替操作国として正式に認定する機会が生まれる可能性がある。大統領は米中貿易関係の見直しに向け交渉材料を必要としている。
  ムニューシン長官が説明した検討の可能性がある方法の一つは、為替操作を広範に定義した1988年の包括通商競争力法の活用。2015年制定の貿易円滑化・貿易執行法に基づく特定の判断基準で正当化されなくても為替操作国としての認定が可能になるとしている。またもう一つの方法は、ある国が競争的な通貨切り下げを行っているか否かを判断する上での基準の変更だと、長官は語った。
  米財務省は現在、200億ドル(約2兆2500億円)以上の対米貿易黒字、国内総生産(GDP)比3%超の経常黒字、繰り返し行われる為替介入の3つの基準に基づいて為替操作国と認定するかどうかを決めている。この基準の枠組みは議会が定めるが、具体的な基準は財務省の裁量で設定できる。
  ムニューシン長官は21日、中東歴訪の最初の訪問国、イスラエルのエルサレムでインタビューに応じ、「ある時点でわれわれは基準を変更すべきかどうか検討する可能性がある」と発言。「われわれは常にこれらの事を検討している」と述べた。
原題:Mnuchin Open to Change in Currency Test as U.S. Spars With China(抜粋)
(ムニューシン長官の発言や詳細を追加して更新します.)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-21/PGF4HO6JTSED01

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民128掲示板 次へ  前へ


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民128掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民128掲示板  
次へ