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外為フォーラムコラム2018年10月16日 / 00:06 / 2時間前更新
為替条項発言にも反応薄、歴史的円安から抜け出せない訳
佐々木融 JPモルガン・チェース銀行 市場調査本部長
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[東京 15日] - ドル円相場の底堅さが続いている。10月13日にムニューシン米財務長官が日本との物品貿易協定(TAG)を巡り、通貨安誘導を封じる為替条項の導入を求める考えを示したにもかかわらず、週明け15日早朝の円相場は不気味なくらい落ち着いていた。
数年前までのドル円相場なら、早朝から1円くらい円高に振れていてもおかしくないニュースだ。
円高がかなり進んだ状況でのことなら理解もできるが、円は今、歴史的と言ってよいほど割安な水準にある。例えば、過去20年間で米国のインフレ率は50%も上昇しているが、日本のインフレ率はほぼ横這いだ。何かしらの「財」を中心に考えた時、その「財」に対して米ドルは50%減価した一方、円の価値は変化しておらず、米ドルは円に対して50%減価している。
それにもかかわらず、現在のドル円相場は20年前と同じ水準にある。つまり、米ドルの対円に対する価値の低下がドル円相場に反映されていないのである。米財務省も指摘しているように、円の実質実効レートは過去20年間の平均に比べて20─25%程度割安な水準にある。
<円が上昇しない3つの理由>
歴史的な最安値圏にある円相場が上昇しない背景には、日本からの根強い対外投資フローと、原油価格の急上昇による貿易収支の悪化、「歴史的」とまでは言えないまでも、2007年以来11年振りの水準まで拡大している10年債の日米金利差という3つの組み合わせが影響しているのではないかと考えている。
まず、今年の日本企業による対外直接投資は昨年の16兆8000億円を上回り、2年連続で過去最高を更新する可能性がある。外貨で資金調達したり、為替リスクをヘッジしていることもあり、実際の円売り額は対外直接投資の半分程度とJPモルガンは推定している。それでも円売りはかなりの額に上る。
特に対外直接投資に絡む円売りは、対外証券投資に絡むものと異なり、マーケットが多少不安定になっても止まることがないため、根強い円安圧力につながりやすいと考えられる。
また、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立法人(GPIF)がリスク資産への投資を積極化させた15年以降、日本の投資家による対外証券投資に絡む年間の円売り額は推計で平均20兆円程度に膨らんでいる。(10─14年度の年間平均は5兆円程度)。今年も同様のペースで円売りが続いているものと考えられる。
さらに、ここに来て無視できなくなってきているのが貿易収支の悪化である。
日本の貿易収支は北海ブレント先物がおおむね1バレル=100ドル以上で高止まっていた11年から赤字に転じ、年間の赤字額は14年に10兆円に上った。11年から14年までの貿易収支悪化のおよそ半分はエネルギー価格の急騰で、残りの半分はアジアからの輸入急増で説明できる。JPモルガンは、12年11月の衆議院解散前後から始まったアベノミクスで急速に進んだ円安の主因は、貿易収支の急激な悪化であった可能性もあると考えている。
今年の日本の貿易収支(国際収支ベース)は足元の原油価格急騰により、昨年、一昨年の5兆円前後から2兆円台へと半分近くに急減するとみられる。JPモルガンでは「前年の貿易収支」と「今年の日米10年金利差」を変数にして、今年のドル円相場を予測するモデルを参考にしている。
それによると、当社の予想通り今年の貿易収支が2兆8000億円となり、来年の日米10年金利差が330ベーシスポイント(bp)(日本の10年金利が20bp程度と想定すると米10年金利は3.5%まで上昇)まで拡大すると、来年のドル円相場は120円台まで上昇する計算になる。
日本の貿易収支が10兆円の赤字に悪化した14年、日米10年金利差は200bp前後にとどまっていた。また、対外直接投資は12兆円台まで膨らんでいたものの、円売りを伴う対外証券投資はさほど活発ではなかった。そうした中でドル円は126円の手前まで円安が進んだ。
今の貿易収支は当時ほど悪化していないが、日米10年金利差は300bpを超え、さらに拡大しそうだ。対外直接投資は過去最高を更新する可能性があり、対外証券投資も活発な状況が続いている。
前述の通り、円は歴史的な最安値圏にある。しかし、資本フロー、貿易収支、日米金利差の組み合わせに鑑みると、対米ドルでもう一段の円安があってもおかしくないと言える状況かもしれない
(本コラムは、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
佐々木融氏(写真は筆者提供)
*佐々木融氏は、JPモルガン・チェース銀行の市場調査本部長で、マネジング・ディレクター。1992年上智大学卒業後、日本銀行入行。調査統計局、国際局為替課、ニューヨーク事務所などを経て、2003年4月にJPモルガン・チェース銀行に入行。著書に「インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?」「弱い日本の強い円」など。
https://jp.reuters.com/article/column-forexforum-tohru-sasaki-idJPKCN1MP1UU
ドル相場、2024年までに4割下落−外為市場40年のベテランが予測
Lananh Nguyen
2018年10月16日 2:48 JST
• 年金基金の為替ヘッジするリンダール氏、ドル相場の15年周期主張
• 1ユーロ=2ドル、1ドル=75円になると予想
外為市場で40年の経験を持つAGビセット・アソシエーツのウルフ・リンダール最高経営責任者(CEO)は、2024年までにドルがユーロに対し約40%下落すると予想している。
理由は単純だ。ドルは1970年代以降、下落と上昇を15年周期で繰り返しており、今やそれが再現されつつあるとみるからだ。リンダール氏の予想は突拍子もなく、理由付けも単純過ぎると受け取る向きもあるようだが、ドルは昨年9%下落し、ヘッジファンド運営会社ブリッジウォーター・アソシエーツのレイ・ダリオ氏も9月にドル急落の見通しを話している。これらを考慮すると、まったく途方もない予想だとは言えなさそうだ。
ウルフ・リンダール氏
Bloomberg
米国と欧州の年金基金やファミリーオフィスの為替リスクをヘッジしているリンダール氏(64)は8月にコネティカット州ノーウォークにある自身のオフィスでインタビューに応じ、「ドルの大幅な下落を見込んでいる。すべての金融市場に大きな影響が及ぶ」だろうとし、株式相場の急落と商品価格の上昇を引き起こす可能性があるとの見方を示した。米国の経済成長率が世界の他地域を上回り、米金融当局が利上げを続けていることから、ドルは買いを集め、今年に入り約2%上昇している。
リンダール氏はドルの長期的な対ユーロ相場のチャートを盛り込んだカードを作成、業界の会合などで配布している。景気循環など他のサイクルは認めているが、「投資家はドル相場の15年サイクルについて知らされると、まず懐疑的な反応を示し、存在を否定しようとする」と8月のリポートに記述。この思考法や株価調整の可能性を受け入れないとなると、ドル反転に適切なヘッジをしていない米国外の投資家にとっては「過去45年間で最も危険の高い投資環境だ」と指摘した。
同氏は昨年のドル下落はほんの始まりにすぎないと警告し、2024年までに1ユーロ=2ドルに、対円では1ドル=75円へと下げが進むと見込む。ブルームバーグがまとめたアナリストの予測中央値は2022年で1ユーロ=1.28ドルとなっている。
To see FX forecasts for the euro, run {FXFC EURUSD GO} on the Bloomberg terminal. <br>
原題:Why One FX Veteran Is Predicting a Huge Drop in the Dollar(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-15/PGNCX76S972A01?srnd=cojp-v2
リスクオフ時に購入するなら円、安全通貨としてフラン抜く−シティ
Austin Weinstein
2018年10月16日 7:07 JST
• 米国株指数の下落率が2%以上となった時のフランと円を比較
• スイスの銀行規制変更や日本人の海外資産拡大などが要因
投資家がリスク回避に動いている時に外為市場で取引するなら円の購入しかない。
これはS&P500種株価指数の下落率が2%以上に達した時にスイス・フランと円のパフォーマンスを比較したシティグループのアナリストらの見解だ。 フランは2008年の世界的な金融危機の前までは明らかに円を上回る安全通貨だったが、その後、円がトップの座を奪ったのは「歴然」としていると、カルビン・ シー氏らアナリストがリポートで指摘した。
円はこの2週間に確実に強さを示した。S&P500種株価指数が2日連続で2%余りの下げを記録した期間に円は対ドルで約1.4%上昇した。一方、フランはこの間0.6%上昇にとどまった。
アナリストらは「市場のボラティリティーが年末にかけて高い状態が続くと見込まれる中で、リスク回避の動きがより頻繁に起きる可能性が高まっている」とし、「保有する上で際立って安全な通貨は1つしかない」 とリポートで言及した。
円が08年以降に最も安全な通貨となったことに関して考えられる要因として、円のショートカバーのポジションが増えたことやスイスの銀行規制変更、フランに対する円の下落を挙げた。また日本人の海外資産が膨らんでいることも指摘した。これによってレパトリ(本国への資金還流)の規模はスイスより大きくなる。
また中央銀行の政策の違いも重要だ。日本銀行が危機後に市場介入に動いたのは8日だけだが、スイス国立銀行(中央銀行)はフラン高を抑える目的で恒常的に介入していると、アナリストらは分析している。
リポートでアナリストは「円が割安な中で日本人は純ベースで世界最大の国際的な民間投資ポジションを持っている上に、日銀は介入しない姿勢を取っている。リスクオフの唯一の為替取引は円の購入だ」と記した。
原題:Yen Reigns Supreme Over Franc as a Haven When Markets Get Messy(抜粋)
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
LEARN MORE
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-15/PGNSO26KLVR601?srnd=cojp-v2
ドル・円が112円台へ上昇、麻生財務相発言で為替条項懸念和らぐ
小宮弘子
2018年10月16日 11:49 JST 更新日時 2018年10月16日 15:48 JST
• 貿易交渉に現実問題として為替を入れるのは基本的にないと財務相
• 欧州イベントなど控えて動きづらい−三菱UFJ銀
東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=112円台へ上昇した。先週末にムニューシン米財務長官が言及した為替条項に関連して、麻生太郎財務相が米国との貿易交渉に為替が入ることはないと述べたことを受け円売りが強まった。
16日午後3時34分現在のドル・円相場は前日比0.3%高の112円07銭。日本株の上昇を背景にリスク回避圧力の緩和が意識される中、相場は111円73銭を日中安値にじり高の展開。午後には米金利の上昇も追い風となり、一時は112円15銭まで値を切り上げた。
みずほ銀行の加藤倫義参事役は、実需の買いで投機勢が下を攻めあぐねていたところ、麻生財務相の発言があり、「株価も上がっていたので、短期のショート(ドル売り持ち)が切らされた」と説明。「ムニューシンの話を本気に捉えているなら、まだ様子見だろうが、そうでないならリスクオフが終わればドル・円は買いだろう」と話した。
麻生財務相はこの日の閣議後会見で、為替問題について日米間で対話や議論が行われている事実はないとし、貿易交渉に現実問題として為替を入れるのは基本的にないと述べた。ムニューシン米財務長官は週末に、日本との物品貿易協定(TAG)交渉で通貨安誘導を防ぐ為替条項を含めるよう求める意向を示していた。
米財務省は今週、半年次為替報告書を公表する。三菱UFJ銀行の平井邦行上席調査役(ニューヨーク在勤)は、「日本が為替操作国に指定されたりするようなことがない限り、ドル・円がここから急落することはない」と指摘。もっとも、「いったん115円を失敗した相場」で上にも行きづらいとし、17日から欧州連合(EU)首脳会談を控えて、英国の欧州連合(EU)離脱問題を巡る不透明感や米国とサウジアラビアの関係悪化など「一難去ってまた一難」という状況の中、ドル・円は動きづらいと語った。
ポンド・ドル相場は1ポンド=1.31ドル台半ばで小動き。一方、ユーロ・ドル相場はイタリア予算案を巡る欧州委員会との対立懸念を背景に1ユーロ=1.15ドル台後半で弱含みとなった。
ドルが下落、サウジ記者失踪巡る情勢緊迫で
Robert Fullem
2018年10月16日 4:44 JST 更新日時 2018年10月16日 6:26 JST
• ブルームバーグのドル指数、2週間ぶり低水準近くで推移
• 対中追加関税の可能性、予想下回る米小売売上高もドル圧迫
15日のニューヨーク外国為替市場ではドルが下落。失踪していたサウジアラビア出身の記者がサウジによる取り調べ中の過失で死亡したことを同国政府が認める可能性があると伝わった後、ブルームバーグのドル指数は2週間ぶり低水準近くにとどまった。
ドルはポンドを除く主要通貨に対し下げた。半期に一度の米財務省為替報告書の公表を控え、ドル強気派がドルの買い持ち高を縮小した。
ニューヨーク時間午後4時40分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前週末比0.2%低下。ドルは対円で0.4%安い1ドル=111円76銭、対ユーロでは0.2%安の1ユーロ=1.1580ドル。
トランプ大統領は週末放送されたCBSとのインタビューで、さらなる対中関税を課す可能性があると述べた。米商務省が発表した9月の米小売売上高は前月比0.1%増で伸びがエコノミスト予想に届かなかったことも、ドルに対する投資家心理にマイナスとなった。
カナダ・ドルはこの日、米ドルに対し上昇が目立った。カナダ企業の景況感の高さを示すカナダ銀行(中央銀行)調査結果が材料視された。
ユーロはドルに対し小幅高。米小売売上高の発表後には、1ユーロ=1.1606ドルで日中高値を付けた。
欧州時間の取引
主要10通貨のうち円とスイス・フランが上昇率で上位となった。株式相場の軟調と、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る週末の協議で合意に至らなかったことが背景。ブルームバーグのドル指数やポンドは下落した。
原題:Dollar Dips as Saudi Tensions Weigh on Sentiment: Inside G-10(抜粋)
Havens Gain on Stock Slump as Pound Hurt on Brexit: Inside G-10
(第1段落を書き換え、4段落以降を追加して更新します.)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-16/PGO7506TTDS001
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