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米強気相場は終幕か、強気派と弱気派の「言い分」恐怖指数VIX上昇、株安で「ボルマゲドン」債券下落、リスク回避巻き戻しの流
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/822.html
投稿者 うまき 日時 2018 年 10 月 16 日 19:22:03: ufjzQf6660gRM gqSC3IKr
 

(回答先: サウジ失踪記者対応、米政府は金融界の先例にならうか 投資フォーラム、グーグルなど3社も参加中止 サウジ皇太子「失脚」の現 投稿者 うまき 日時 2018 年 10 月 16 日 19:18:44)

トップニュース2018年10月16日 / 13:52 / 2時間前更新
アングル:
米強気相場は終幕か、強気派と弱気派の「言い分」
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[ニューヨーク 15日 ロイター] - 米総合500種株価指数.SPXが先週急落したことで、過去最長となっている米国株の強気相場が終焉を迎えるのかどうか、投資家の見方が分かれている。

以下に強気派、弱気派それぞれの主張を5つずつまとめた。

<強気派>

●企業利益

リフィニティブのI/B/E/Sによると、S&P500社の利益は今年23.1%もの増加が見込まれている。

●米景気

パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は先週、米景気は「著しく明るい」と述べた。ストラテジストは、景気拡大期に弱気相場に入るのは珍しいとしている。

コモンウェルス・ファイナンシャル・ネットワークの首席投資責任者ブラッド・マクミラン氏は「景気後退に陥らない時の相場下落は急速だが、短命に終わる傾向がある」と言う。

●金利上昇は問題なし

米国債利回りの上昇も、段階的であれば心配は少ない。ファンドストラットの調査統括、トーマス・リー氏は「弊社は米国がインフレ環境にあると考えている。そうした時、金利上昇は株価上昇を伴いがちだ」と述べた。

●相場調整は良い事

長期的な強気相場という意味では、相場の急落は良い事と考えられる。慢心した投資家が去り、割高な株価が修正されるからだ。ホライゾン・インベストメント・サービシズのチャック・カールソン最高経営責任者(CEO)は「リフレッシュのためには定期的な掃除が必要だ。それが終われば相場は上昇できる」と言う。

●自社株買い

企業の自社株買いはしばらく低調だった。しかし企業は今後も資金を自社株買いに回すと見られ、ゴールドマン・サックスのストラテジストらによると、S&P500社による自社株買いは2019年に22%増えて9400億ドルに達する見通し。

S&P500種
2750.79
.SPXCHICAGO BOARD OPTIONS EXCHANGE
-16.34(-0.59%)
.SPX
.SPX
<弱気派>

●企業利益は見た目より弱い

今年は減税効果で企業利益が伸びたが、2019年のS&P500社の増益率は10%に鈍化する見通しだ。賃金上昇その他のコスト増を考えると、この数字でもまだ高過ぎるのではないかと懸念する投資家もいる。

●FRBの利上げ

パウエルFRB議長は最近、政策金利は中立金利の推計値に向かって上昇を続け、その水準をやや上回る可能性もあると述べた。一部の投資家は、利上げスピードが速すぎることを警戒している。

インベスコの首席グローバル市場ストラテジスト、クリスティナ・フーパー氏は「FRBの金融引き締めは行き過ぎかもしれない。利上げとバランスシート正常化という2つの手段を併用しているから、なおさらだ。これは経済成長を損ない、株式市場に混乱や不安定さをもたらしかねない」と述べた。

●政治の不透明感

米中貿易摩擦の激化がリスクとして指摘されている。

●債券利回り上昇

債券利回りは上昇し、魅力を増しており、投資家の資金が債券に流れ始める可能性がある。

●ハイテク株の反転

ここ数年、株価の高値更新を主導してきたのはハイテク、インターネット関連企業だが、足元の相場急落ではこれらの株が特に大きく下げた。

ハイテク株の下落が続くなら、他のセクターでは循環物色の穴を埋められないのではないかと一部の投資家は懸念している。
https://jp.reuters.com/article/us-stocks-outlook-factbox-idJPKCN1MQ0D3


 

トップニュース2018年10月16日 / 11:22 / 10分前更新
焦点:
恐怖指数VIX上昇、株安で「ボルマゲドン」再来あるか
Trevor Hunnicutt
3 分で読む

[ニューヨーク 12日 ロイター] - 今年2月の株価急落で大金を失ってから数カ月後、米小売大手ターゲットの元マネジャー、セス・ゴールデン氏は再びボラティリティー上昇とは逆方向に賭けている。

ゴールデン氏は、株価変動が小さい局面で利益が得られる商品に賭けてきた結果、過去6年間で数百万ドル稼いだと言う。シカゴ・オプション取引所(CBOE)(CBOE.Z)の一部相場が混乱してから数カ月内に、ボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX).VIXに連動する複雑な金融商品を取引し続けた投資家の1人だ。

「『ボラ売り投資家』の大半は2月にダメージを受けなかった。損失を出したのは新規参入者や、そもそもボラティリティーで取引すべきではない人々だ」とゴールデン氏は話す。

再び株価が急落し、10月初めには12を下回る低水準だったVIX指数が29まで上昇したことを受け、VIX取引に再び注目が集まっている。また、ボラティリティーが長続きしない方に賭ける取引が緩やかに再構築されていることも一因だ。

多くの投資家が打撃を受ける中で、新たに市場に参加しようとする投資家も後を絶たなかった。米国では3─9月に、12億ドル(約1340億円)超がVIXに連動する上場取引型金融商品(ETP)に流入したことが、ファクトセット・リサーチ・システムズのデータに基づきロイターが計算したところ明らかとなった。

これは、2月初めにインフレ懸念から株価が一時急落した「ボルマゲドン」が起きる前月の17億ドルに匹敵する。VIX指数は2月6日、前日の18から50に急上昇した。一部投資家は投資金額の9割以上を失った。

2017年に米紙ニューヨーク・タイムズに紹介されてから有名になったゴールデン氏は現在ウェブサイトを運営し、トレーダーにアドバイスを提供している。同氏によると、ETP取引を続け、2月に出した損失はすでに取り戻したばかりか、それを上回る利益を出しているという。ロイターは同氏の会計処理を独自に確認することはできなかった。

ゴールデン氏は、ボラティリティーが急上昇する前に一部利益を確定し、現在は低下してまた元に戻るのを待っていると言う。

「こうした日々のために私は生きている」と、この間の急落でゴールデン氏は語った。

2月の急落では、VIX指数や関連商品が不正操作されているとの疑いが浮上。多くの訴訟が起き、米当局による調査も続いている。

<レバレッジ低下>

以降、VIX指数を運営するCBOEと一部関連商品の運営元はそれぞれ、予想するのが困難なほど激しく市場が変動しないよういくつか変更を行った。

CBOEは流動性を改善するため、VIX指数先物価格の清算時の入札方法を修正した。一方、関連商品の運営元は微調整を行い、レバレッジを低下させた。

2月の急落について「事実上テクニカル」なものだったと主張した英バークレイズのアナリストは今月に入り、ショートボラティリティー戦略を下支えしている要因として、強い米国経済、今のところ限定的な貿易摩擦の経済的影響、新興国通貨安、来月の米中間選挙などを挙げた。

しかし最近になって同アナリストは、米連邦準備理事会(FRB)が政策を誤る可能性が高まっており、投資家が米中貿易戦争の影響への関心を高めていることを踏まえ、見方を変えたと指摘している。

Cboe Global Markets Inc
99.26
CBOE.ZBATS STOCK EXCHANGE
-0.85(-0.85%)
CBOE.Z
CBOE.Z
「われわれは、短期的にボラティリティーが上昇し続けると予想しており、この下落局面での買いは推奨しない」と記している。

「(2月と)今回違うのは、われわれが指摘し得るカタリスト(触媒)が実際にいくつか存在することだ」と執筆者の1人であるマニーシュ・デシュパンデ氏はロイターに語った。

投資家は株価下落と市場の混乱を警戒してVIX先物を取引する一方、これらデリバティブ商品は、市場が着実な上昇局面にある際には需要が低下し、価値が失われる傾向にある。投資家は、金融危機(2007─09年)後に発売されたいわゆる「VIXインバース」商品により、市場で平穏な時期が続いている間にそれを利用して利益を上げることが可能となった。

<個人投資家のリスク>

VIXインバース商品は本来、プロの投資家が市場での価格変動リスクを抑えるための一助となるよう開発された高度なヘッジ手段だが、上場されてから、市場が平穏時に儲かる商品として個人投資家の間でも人気が出た。

2月までの2年余りで、同商品は600%近く値上がりし、パフォーマンスの高い投資商品の数々を一気に飛び越え、ソーシャルメディアや金融サイトで話題となった。

「支持者の多くは2月以降、1─2週間でVIX取引に戻ってきた」と、TABBグループのデリバティブ調査責任者のラッセル・ローズ氏は言う。「多くの人が株式取引を行おうとしている。大手ヘッジファンドはすべて同じことをしている。VIX商品は投機の新たな方法を探している人たちにその門戸を開いている」

一部アナリストは、急落の一因として、過剰なレバレッジや準備不足な個人投資家の自信過剰を指摘する。

「多かれ少なかれ、ラスベガスに行く代わりになる。自宅のオフィスからもできる」と、VIX指数を開発したバンダービルト大学のロバート・ウェイリー教授は語る。

同教授は指標としてのVIXは支持するが、VIXに連動するETPが個人投資家にリスクをもたらすことを懸念している。

VIX取引を行っている個人投資家数は明らかではないが、入手可能なデータからは、同市場において相当な役割を依然担っていることが示されている。

VIX商品を扱う投資顧問会社「インベスト・イン・ボル」のマネジングパートナー、スチュアート・バートン氏は、投資家が再び大きなリスクを取りつつあると指摘する。「生き残っている商品がレバレッジを下げているのは良い手だが、まだ先は分からない。人々はポジションを2倍に増やしている」

(翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)
https://jp.reuters.com/article/vix-volmageddon-idJPKCN1MQ04X?il=0


 

債券下落、リスク回避巻き戻しの流れ−日銀オペ運営に警戒感も
三浦和美
2018年10月16日 7:49 JST 更新日時 2018年10月16日 16:04 JST
• 長期金利0.145%に上昇、先物は4銭安の150円16銭で引け
• 20年入札や日銀オペ方針の見直し観測重し−岡三証
債券相場は下落。国内市場で株高・円安が徐々に進む中、前日のリスク回避の動きを巻き戻す展開となった。
  16日の長期国債先物市場で中心限月12月物は前日比2銭高の150円22銭で取引を開始。朝方は買いが先行したものの、午後の取引にかけて日経平均株価が上昇基調を強め、ドル高・円安が進むと売り優勢となった。一時は150円14銭まで水準を切り下げる場面があった。結局は4銭安の150円16銭で引けた。
  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「ドル・円相場がやや円安方向になるなど、少しリスク回避が巻き戻されている」と指摘。「18日の20年債入札を控えて警戒感があるほか、来週には日本銀行が市場調節に関する懇談会を予定していることから、買い入れオペ方針の見直しが意識されていることも相場の重しになった」と言う。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の352回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高い0.145%で推移した。
  この日の東京株式相場は大幅反発。外国為替市場でドル・円相場が値を戻す展開になったことなどを背景に、日経平均株価は前日比1.2%高の2万2549円24銭で引けた。前日に1ドル=111円台後半まで円高が進んでいたドル・円相場は、日米貿易交渉での為替条項を巡る懸念が緩和し、112円台前半までドル高・円安に振れた。
  日銀は23日に市場調節に関する懇談会を開催する。最近の金融市場の動向および市場調節の運営や国債市場の流動性などの内容が予定されている。
5年債入札
  財務省がこの日に実施した5年利付国債入札の結果は、最低落札価格が100円76銭と、ブルームバーグがまとめた市場予想の中央値と一致した。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は4.88倍と、前回の5.53倍を下回った。小さければ好調を示すテール(最低と平均落札価格の差)は1銭と前回と同水準だった。
  岡三証の鈴木氏は、「5年債入札は予想通り無難な結果だったため、狭いレンジでもみ合っている相場に変化はない」と話した。
過去の5年債入札の結果はこちらをご覧下さい。
新発国債利回り(午後3時時点)
前日比
2年債 不成立
5年債 -0.065% +0.5bp
10年債 0.145% +0.5bp
20年債 0.675% +0.5bp
30年債 0.915% +0.5bp
40年債 1.090% 横ばい

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-15/PGNVZW6JIJUW01
 

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コメント
1. 2018年10月16日 19:41:21 : ZzavsvoOaU : Pa801KbHuOM[27] 報告

バロンズ】ハイテク銘柄、中長期リスク高い

FAANGの2014年以降の年間リターンは38%となっている PHOTO: JOEL ARBAJE
By
Al Root
2018 年 10 月 16 日 07:03 JST
• 株価調整は中長期的なファンダメンタルズ変化の兆候でもある
 ハイテク投資家にとっての差し迫った疑問は、「ナスダック総合指数の2日間で5.3%の下落が意味するのは根本的な変化なのか、それとも一時的な懸念にすぎないのか」だ。
 答えは恐らく、その両方だろう。ハイテク株のピークは過ぎたとは言えないものの、投資家が長期的なリスクを重視しつつあることはますます明確になっており、そうした動向が中長期的に影響を及ぼす可能性がある。とはいえ、その前に株価が高値を更新したとしても驚くには当たらない。
 相場の下落が押し目買いのチャンスだと主張するアナリストもいる。例えばマッコーリー・セキュリティーズのサラ・ヒンディアン氏は12日付のレポートでマイクロソフト(MSFT)の投資判断をアウトパフォームに引き上げ、「相場の調整に乗じてマイクロソフトの投資判断を修正する」と書いている。
 ハイテク株の買い増しを目論む投資家を非難することは誰にもできない。ナスダック総合指数の年初来の上昇幅は8.6%と市場全体の2倍を超えており、フェイスブック(FB)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)、アップル(AAPL)、動画配信大手のネットフリックス(NFLX)、アルファベット(GOOGL)から成るFAANGの2014年以降の年間リターンは38%となっている。
 ハイテク投資家にとっての良いニュースはバリュエーションが依然として妥当な水準にあることだ。2000年のハイテクバブルでは、1年が経過してもハイテク株は市場平均に対して200%割高だった。現在のプレミアムは30%にすぎず、FAANGでさえさほど割高ではない。この中ではネットフリックスとアマゾンが最も割高だが、増収率も最も高い。
• 中国への追加関税が大きなリスクに
 われわれは先週、今後のハイテク株を左右するのがバリュエーションではないことを学んだ。関心の的はやはり投資家にとって既知の問題であるプライバシーだ。グーグルがソーシャルネットワーキングサービス(SNS)サイトであるGoogle+の閉鎖を先週決定したことに驚いた人はいないはずだ。
 S&P500指数のセクター分類に使用されている世界産業分類基準(GICS)の変更も、最近の取引でノイズとなってはいるものの、ニュースではない。新たな分類の下ではハイテク銘柄は幾つかのセクターに分割され、例えばアルファベットやネットフリックス、フェイスブックは「コミュニケーション・サービス」セクターとなる。

ハイテク銘柄のバリュエーションは依然として妥当な水準
 これらは根本的な問題ではないし、大手ハイテク企業のビジネスモデルを変えることもない。だが、中国はその要因となり得る。先週はそうした変化が感じられた。過去最大規模となる2000億ドル相当の中国からの輸入品が関税の対象に加えられ、決算発表で追加関税の影響の大きさに言及する企業が相次いだ。世界のスマートフォンの約60%が中国で生産されており、コンピューターではその割合はさらに高い。
• 「スパイ」半導体問題、米企業の利益と時価総額を押し下げか
 追加関税の発動とほぼ同時に、中国の諜報組織がアップルやアマゾンなど米国企業が使用するサーバーに「スパイ」半導体を埋め込んだとの報道があった。いずれの企業も疑惑の内容を否定しているものの、生産を中国に依存している企業への懸念を引き起こしていることは確かだ。
 アップルのサプライヤーがセキュリティーまたは生産地の移転に粗利益の10%の投資を余儀なくされた場合の利益への影響は、本誌の試算では年間100億ドルに上る。これにナスダック総合指数構成銘柄の現在の株価収益率(PER)である20倍を適用すると、2000億ドルを超える株式価値が失われる可能性がある。最初の報道の直後に行った本誌の分析では失われた株式価値は全体で200億ドル未満となったが、この額は小さ過ぎると思われた。1週間後に再び分析したところ、その額は予想通り約1000億ドルに膨れ上がった。とはいえ、それでも本誌の最悪シナリオの約半分にすぎない。残りの半分(約1000億ドル)はアップルがセキュリティー投資を増やすと決定するかどうかにかかっている。
 さらに、他のFAANGが自らセキュリティー投資を増やすと決定した場合、全体的な利益と時価総額の喪失はそれぞれ200億ドル、4000億ドルとなる可能性がある。
 本誌はFAANGのそれぞれについてリスク評価を行った。貿易、サプライチェーン、プライバシー、規制などに関するさまざまな評価基準でリスクの捕捉を試みる定性的指標である。案の定、プライバシーとサプライチェーンの問題へのエクスポージャーが大きいフェイスブックとグーグルのランクは最低となり、ネットフリックスが最もリスクから遮断されている。セキュリティーはFAANGの足かせとなり続けるだろう。だが、ハイテクは死んではいない。


バロンズ】金利上昇の影響、セクター別に分析

金利上昇で株価を上げるセクター、下げるセクター PHOTO: GARY MUSGRAVE
By
Avi Salzman
2018 年 10 月 16 日 07:04 JST
• 買いのチャンス到来銘柄も
 米国では金利が再び上昇し、株式投資家を困らせている。この3週間で、米10年国債の利回りは2.99%から3.23%に急上昇し、2011年以来となる高水準に達した。歴史的に見ればまだ平均以下だが、金融危機後の超低金利が約10年間続いた後だけに、市場は敏感に反応している。
 国債利回りが急上昇した10日、ダウ工業株30種平均(NYダウ)は832ドルという2月以来となる大幅な下落を記録。週間でも4.2%低下した。投資家は尻込みしそうだが、金利上昇は全てのセクターにとってマイナスに働くわけではない。
 「割安に見える金融、エンタープライズテクノロジー、資本財およびサービスは、金利上昇によって恩恵を受ける。一方、比較的割高に見える公益事業、食品、生活必需品にとっては、ダメージの方がはるかに大きい」。バンクオブアメリカ・メリルリンチの米国株・クオンツストラテジストであるサビタ・スブラマニアン氏は、このように指摘する。同氏は今回の相場急落を、波に乗り切れていなかったシクリカル銘柄を買うチャンスとみている。
 金利上昇は消費者や企業にとって借り入れコストの上昇を意味する。ノンジャンボ(政府系公庫のローン限度限度枠内)の30年住宅ローンの平均金利は先週、2012年以降で初めて5%を突破した。企業にとっては借り入れのリスク、さらには返済不能に陥るリスクが高まる。
 その一方で、金利は好景気に伴って上昇する傾向がある。サントラストの調査によると、過去65年間で金利が上昇した15期間で、株価は年率で平均12.6%上昇し、下落したのは3期間のみだった。ただし急激な金利上昇に対して株式相場は弱く、クレディスイスによると米国債利回りが1日に12ベーシスポイント(bp、0.12%ポイント)以上上がると相場は一般的に下落する。
 今回の金利上昇の一因は、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が2〜2.25%の政策金利について「(正常化への)道のりはまだ長い」と今月コメントしたことだった。確かに、FRBは2015年から利上げを続けているものの、そのペースは過去の水準と比べると大幅に鈍く、現在のインフレ率に基づけば政策金利は3.5%前後が妥当だという見方もある。
 一般的にはシクリカル銘柄がディフェンシブ銘柄に比べて金利上昇環境に強いが、以下でセクター別に影響を分析する。
• 金融
 バンクレート・ドット・コムのデータによると、1年物譲渡性預金(CD)の平均金利は2016年初めの0.27%から0.78%に上がったものの、ホームエクイティローンの金利は4.69%から6.19%と大幅に上昇し、銀行の利ざやは拡大した。2008年から翌年にかけての金融危機以来、各行は規制強化によりキャッシュや低リスク投資の割合を増やしてきた。低金利下ではそれが利益の重しになっていたが、金利上昇により、そうした資産はインカム製造マシンに化ける。
 三大リテール銀行のJPモルガン・チェース(JPM)、ウェルズ・ファーゴ(WFC)、バンク・オブ・アメリカ(BAC)は預金を急速に増やしてきたため、金利上昇により特に大きな恩恵を受ける。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、米国の全銀行預金に占める3行の割合は2007年で20%だったが、2017年末の時点で約3分の1まで拡大している。ディスカウントブローカー(手数料の安い証券会社)も金利に敏感で、例えばチャールズ・シュワブ(SCHW)は第2四半期の営業収益の57%を利息収入で得た。金利が1年間で0.5%ポイント上昇したことにより、利息収入は前年同期に比べて3億5400万ドル増加しており、これは同期の全増収分の99%を占めた。
• 公益事業
 金融セクターの対極にあるのが公益セクターだ。金利上昇期は、投資家が配当利回りの高い公益事業株から相対的に低リスクながら利回りが高くなった資産へと流れる。加えて、公益事業会社は一般的に負債が多く、金利が上がると借り換えコストが跳ね上がる。
 ユーティリティーズ・セレクトSPDRファンド(XLU)は年初来で3.1%のリターンを記録しており、株式相場が急落した先週10日も下げ相場に強いところを示した。しかし、今後もこの流れが続くと考えるべきではないだろう。
• エネルギー、素材、資本財およびサービス
 エネルギーセクターや素材セクターの企業も高負債体質だが、こちらは景気に敏感であるため、好景気のシグナルである金利上昇に強い。資本財メーカーは貿易戦争への懸念などで市場全般に対して出遅れていたものの、製造業が好調を維持し、企業が減税に後押しされて設備投資を増やす中で魅力を増している。
• 住宅、自動車
 住宅建設業界の雲行きは、金利上昇によってますます怪しくなってきた。上場投資信託(ETF)のiシェアーズ米国住宅建設(ITB)は今年に入って27%下落している。金利上昇で持ち家取得はますます困難になり、購入意欲は一層低下しつつある。それは住宅ローン申請件数の低下にも表れている。建設労働者の不足に加え、トランプ政権の鉄鋼やアルミニウムへの追加関税で資材コストは上昇しており、業界の環境は極めて厳しくなっている。
 好調時も投資家にあまり関心を持たれなかった自動車銘柄も、同様の環境下にある。米国の消費者は新車購入で86%以上、中古車でも55%をローンに頼っている。各社は金利上昇をまだ消費者に転嫁しておらず、今なお大幅な割引やインセンティブを提供しているが、長く続けるのは難しいかもしれない。
• ハイテク
 アマゾン・ドット・コム(AMZN)や動画配信のネットフリックス(NFLX)といった大手ハイテク企業は無配で利益も時価総額に比べるとまだ小さい。それでもバリュエーションが極めて高いのは、将来のキャッシュフローを大いに期待されているからだ。その将来キャッシュフローに一定の割引率を適用して理論株価が求められるわけで、ハイテク株の最近の株価下落は、金利上昇に伴う割引率の上昇が原因と言えるかもしれない。
 一方で、大きなキャッシュフローを生み出しながらもバリュエーションの低い従来型のハイテク企業は魅力を高めている。例えばネットワーク機器大手のシスコシステムズ(CSCO)の配当利回りは2.9%だが、株価収益率(PER)は15倍と、市場平均をやや下回っている。IBM(IBM)も同様で、4.5%の配当利回りを誇り、自社株買いも頻繁に行う「キャッシュフロー製造マシン」だ。


 

バロンズ】株価急落や金利上昇、対処法は

株価下落と金利上昇の対応策を検討 PHOTO: IVAN BANDURA
By
Daren Fonda
2018 年 10 月 16 日 07:04 JST
• 金利上昇のポートフォリオへの影響
 米中の貿易摩擦や世界的な成長鈍化への懸念から株価が下落する中、金利上昇はさらなる不安材料となっている。10年物米国債利回りは、1カ月前の2.9%から最近3.2%超に急上昇した。債券としては大きな動きであり、それが株価下落時に生じたことは、投資家が期待するようなセーフティーネットとしての機能を国債が果たしていないことを示している。金利上昇はまた、住宅ローンなどの借り入れコストの上昇も意味する。これら全てを念頭に置いて、対応策を検討したい。
 まず明らかな対策としては、株式や債券を売却し、現金の保有量を増やし、金利やインフレ率上昇に強い金のような資産を追加することだ。しかし、市場の乱高下を理由に長期的な資産配分まで変えてしまうことは避けたい。
 米連邦準備制度理事会(FRB)が短期金利を引き上げ始めて以来、債券価格の下落とそれに伴う利回り上昇が生じている。長期金利はインフレや経済成長への期待、企業の信用力、債券の需要などの影響を受ける。
 長期債は依然としてリスクが高い。満期が長いほど、金利上昇につれて債券の価格は下がるからだ。年初来、30年物米国債の利払い後のリターンはマイナス10%だが、米国の債券市場全体は比較的安定しており、利払いを含むトータルリターンはマイナス2.6%となっている。

上昇傾向:短期金利は景気後退期よりも上昇、30年物米国債の利回りも上がり、住宅ローン金利を押し上げている(黒:FF短期金利 緑:住宅ローン30年固定金利 黄色:30年物米国債利回り)
 米国の短期社債や短期国債の保有を続けていた場合、年初来のリターンは1%に満たない。ハイイールド社債は1.9%、ハイイールド地方債は平均3.3%と比較的好調を保っている。
 金利上昇は資本コストが上昇し、株価収益率(PER)などへの圧力から期待リターンの低下につながるため、株価にとっても逆風だ。投資家は金利上昇が経済に及ぼす影響も考慮するようになる。
 債券は元本を維持する上でまだ役に立つかもしれないが、FRBによる金利引き上げをはじめとして市場に圧力がかかる中、株価下落時に債券価格が上がる時期は終わったと見るのが妥当だろう。
 金利上昇が不安であれば、債券投資は短期の債券やファンドを中心にすると良い。ピムコ・ショートターム(PSHAX)は年初来リターンが1.9%、30日利回りは2.2%と、トップのパフォーマンスを上げている。マネジャーが機敏に対応できるなら、アクティブ運用、戦略的運用、「トータルリターン」などのファンドを通して市場への圧力を回避できる可能性がある。ピムコ・ストラテジック・ボンド(ATMAX)の年初来リターンは2.9%、利回りは1.8%、デュレーションは1.1年と短くなっている。ボヤ・ストラテジック・インカム・オポチュニティーズ(ISIAX)のリターンは2.2%、利回り3.3%、1.8年のデュレーションを有する。
• マネー・マーケット・ファンドや預金はやや魅力的に
 クレーン・データによると、個人向けの課税マネー・マーケット・ファンドの利回りは平均1.53%で、1年前の0.75%から上昇している。バンガード・プライム・マネー・マーケット(VMMXX)の利回りは2.2%となっている。オンライン銀行マイセイビングズダイレクトは、最大200万ドルの預金に対して2.25%の年間利回りを提供している。アメリカン・エキスプレス・ナショナル・バンク、アリー・バンク、バークレイズ・オンライン・セービングの口座の利回りは1.9%となっている。
• 住宅ローン金利と住宅価格にも影響
 金利上昇によって住宅価格は圧力を受ける一方、借り入れコストは上がる。フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社、FRE)によると、1993年以来過去6回の住宅ローン金利上昇期に住宅販売件数は平均5%低下した。米抵当銀行協会によると、30年物米国債に連動する固定金利30年住宅ローンの平均金利は5.05%と、2011年2月以来の最高水準に達している。
 一方、変動金利の住宅ローンは、5年後に金利を調整するもので平均4.3%とそこまで高くない。変動金利住宅ローンが参照する短期フェデラルファンド(FF)金利は、FRBの予想では2019年にかけて上昇を続ける可能性が高い。現在の金利がより有利と言えるかもしれないが、金利が調整される2023年にも同じことが言えるかは誰にも分からない。

 
新興国資産の売り、過去との違いを分析
WSJは今年の相場下落を過去3回の下落と比較した

By
Christopher Whittall
2018 年 10 月 16 日 10:46 JST
 過去10年で最大級となっている今年の新興国資産売りは、これまでとは違う途上国の変化を浮き彫りにしている。
 米金利上昇と貿易摩擦が引き金となった今回の新興国売りは、ドル建て債務への依存度が高いアルゼンチンやトルコなどの国に集中している。他国も圧迫されてはいるが、外貨依存度が相対的に低いことからそれほど打撃を受けていない。

イスタンブールの外貨両替所 PHOTO: SEDAT SUNA/EPA-EFE/REX/EPA/SHUTTERSTOCK
 途上国経済のそれ以外の変化にも今年の極端なボラティリティーの一因がある。かつて新興国市場に融資していたのは主に銀行だったが、今では資産運用会社がそうした国々の債券や株を買うことで供給する資金の方が多い。貸し手やファンドにリスクが広まるため、この点は重要だ。また、相場変動の拡大につながる可能性もある。銀行の融資と違い、投資家は資金を引き揚げられるからだ。
 多くの投資家は途上国経済が一段の苦難に見舞われると予想し、根拠として米国債利回りの急上昇やドル上昇、貿易摩擦を挙げている。
 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は今年の相場下落を過去3回の下落と比較した。2008年の下落のきっかけは金融危機、13年は米国債の利回り上昇、15年は中国経済の成長を巡る懸念だった。
リターン
 リターンを基準にすると、2018年の下落は過去10年で最も深刻な部類に入る。



 株式市場でも外国為替市場でも、今年の下落は13年の「テーパー・タントラム」より急速に見える。当時は、連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和を縮小するとの観測が米金利を押し上げ、新興国市場の債務に悪影響を及ぼした。ドルなどの外貨建て債券の下落は現在よりも深刻だった。今年は自国通貨建て債券の状況が当時より悪い。
 今回それ以外で重要な違いは、下落の大部分が一握りの国に集中していることだ。UBSのストラテジスト、バーヌ・バウェジャ氏によると、今年は新興国債券と米国債の利回り格差拡大の約35%をトルコ、アルゼンチン、ベネズエラが占めてきた。「主な新興国市場では、危機の瀬戸際にある国はほとんどない。非常に単純な話で、多額の対外債務がないためだ」という。
資本の流れ
 新興国の海外マネー依存度は10年前に比べると低くなった。国際金融協会(IIF)によると、新興国市場への海外資本流入は07年の対国内総生産(GDP)比9%近くに対し、17年は4.35%だった。そのため新興国経済は海外マネーの引き揚げに以前ほど脆弱でなくなっている。
 投資家が最も懸念している国の1つであるトルコの17年の対外債務は、国際通貨基金(IMF)の計算によると対GDP比53%前後だった。
 IIFのエムレ・ティフティク氏は「新興国市場は現在、対外的なフローの点でずっと堅固だ」と述べた。
 新興国市場への資金流入源も変わった。今では資産運用会社が債券・株式を買って提供するキャッシュが銀行融資を上回っている。金融危機前には銀行融資の方がずっと多かった。
 このことは、新興国市場でのデフォルト(債務不履行)増加による損失を資産運用会社と銀行システムが共有することを意味する。それにより、システミックな危機の可能性は低下するが、年金資金に影響が及びかねない。また、銀行融資の期間が比較的長いのに対し、ファンドはたいてい素早い投資・引き揚げができるため、ボラティリティー拡大につながり得る。
新興国市場への純流入(3カ月移動平均)

Source: IIF
.(単位:10億ドル)

 IIFのデータによると、新興国市場に外国から流入する資金の減少はちょうどテーパー・タントラム時と同じくらい突然だった。
 今回の危機が始まる前には13年と同様、流入は高水準で推移していた。1月の純流入額(3カ月移動平均)が400億ドル(約4兆4700億円)を超えていたことは、投資家がいかに強気だったかを物語っている。現在の懸念は、08年や15年と同様にこうした流入出が数カ月でマイナスに転じるかどうかだ。そうであれば、新興国資産がさらなる痛みに見舞われる前兆かもしれない。
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ヘッジファンドの売り一巡か、先週の急落の元凶−強気派は一安心
Dani Burger
2018年10月16日 13:03 JST
• 株式ロング・ショート戦略のヘッジファンドらの今月の成績最悪
• 元凶のこれら投資家はすっかり降参したもよう−JPモルガン
先週の株安で痛手を受けた強気派にとってわずかな慰めは、急落の元凶だったヘッジファンドの売りが一巡したもようであることだ。
  JPモルガン・チェースによると、株式ロング・ショート戦略のヘッジファンドはリスクパリティー戦略の投資家、バランスト戦略の投資信託と並んで今月のパフォーマンスが最悪となった。こうした投資家が急落の中であわててエクスポージャーを減らしたことが下げを加速させたが、この売りは一巡したもようだと、ストラテジストらが指摘した。
  「最近の株式相場調整の中心にあったこのタイプの投資家はすっかり降参したのだろうか?答えは大方についてイエスだ」とニコラオス・パニギリツオグル氏が12日付のリポートに記した。
  米商品先物取引委員会(CFTC)の最新のデータによれば、ヘッジファンドは9日までに、米株のロングポジションを2月以来の最大、過去5年で2番目の大きさに積み上げていた。


原題:Hedge Funds at the ‘Core’ of Stock Slump May Be Done Offloading(抜粋)
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https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-16/PGO9R26JIJUQ01

 

セントラルロンドンの売り手は強気−全英の住宅市場低迷でも
Lucy Meakin
2018年10月16日 12:16 JST
• セントラルロンドンの住宅売値、10月は前月比で2.4%上昇
• 全英住宅価格、10月としては2010年以来最も小さな伸び

Residential housing in London.
Photographer: Chris J. Ratcliffe/Bloomberg
英国の全国住宅市場が10月としてはここ8年で最悪の市況となっているにもかかわらず、ロンドン中心部にある高級住宅街の物件の売り手は強気だ。
  不動産ウェブサイトのライトムーブは15日、10月の住宅売値がセントラルロンドン地区で平均62万5064ポンド(約9200万円)と、前月比で2.4%上昇したと発表。
  一方で10月の全英住宅価格は平均30万7245ポンドと前月比で1%上昇にとどまり、10月としては2010年以来最も小さな伸びとなった。前年同月比では0.9%上昇した。
  ただセントラルロンドンでの売値上昇は夏季終了後の季節的持ち直しも反映しており、英住宅市場を巡る懸念材料は引き続き多い。英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)は先週公表したリポートで、市況低迷と買い手側の強い警戒感を指摘した。

原題:Central London Stirs Amid Worst U.K. Housing Market Since 2010(抜粋)
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
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https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-16/PGO7Y66K50Y201

2. 2018年10月16日 19:43:42 : ZzavsvoOaU : Pa801KbHuOM[28] 報告
バロンズ】米株市場の激震、強気相場は終了か
By
Ben Levisohn
2018 年 10 月 16 日 07:05 JST
• 見果てぬ夢
 米国の株式市場が見ていたのは夢だった。投資家は力強い米国経済、減税、財政刺激策が金利上昇、追加関税の影響、米国以外の国の景気減速を相殺してくれると確信していた。その結果、2018年1月から9月末までのS&P500指数のリターンは、米国以外の株式相場が5%以上下落したのを尻目に11%の上昇となった。

米株市場の激震、強気相場は終了か
 ところが先週、相場は一変した。S&P500指数は4.1%安の2767.13、ダウ工業株30種平均(NYダウ)は1107ドル6セント(4.2%)安の2万5339ドル99セント、ナスダック総合指数は3.7%安の7496.89となった。相場の総崩れによって、ようやく投資家たちが目を覚ました。
 警告はほぼ一斉に現れた。フェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標がさらに高まる可能性を米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が指摘したことを受けて、10年物米国債の利回りが7年ぶりの高水準に達した。中国についてのペンス副大統領の講演は米中両国の緊張関係が長引く可能性があることを投資家に認識させた。さらに、中国がハイテク製品にスパイチップを仕込んでいた疑いがあるという報道は、ハイテク株に打撃を与えた。
 打撃を受けたのがハイテク株だけであればよかったが、景気に対する懸念がそれに追い打ちをかけた。火曜日には国際通貨基金(IMF)が経済成長見通しを引き下げた。また、追加関税を起因とする利益率の低下が、塗料・化学品大手であるPPGインダストリーズ(PPG)と建設用ファスナーの小売・卸売業者であるファスナル(FAST)という、通常であればほとんど注目されない2社で浮き彫りとなり、米国も関税の影響を受けずにはいられないことが立証された。
 資産運用会社グレンミードの個人資産部門で最高投資責任者(CIO)を務めるジェイソン・プライド氏は「利益率の低下とFRBの利上げが一連の変動を引き起こしている」と指摘する。投資家が莫大(ばくだい)な金額を夢に賭けていなければ、NYダウがわずか2日間で1400ドル近く下落することはなかったかもしれない。
 投資銀行のRBCキャピタル・マーケッツのストラテジストが指摘した例を挙げると、NYダウが上昇することに賭ける際に資産運用者が利用する先物取引は1月のピーク以来の高水準となっていた。相場の急落は混雑する劇場で「火事だ」と叫ぶようなものだった。資産運用者たちはこれらのポジションを直ちに解消しなければならなかった。
• 強気市場の終焉(しゅうえん)か
 とはいえ、これで強気市場が終了したわけではない。投資家は徐々に景気後退を織り込むため、市場の天井は時間をかけて形成されることが多い。従って、通常は株式市場から途中で退場する機会がある。以前の弱気相場でも、投資家は市場から退場して金融危機の痛みを避ける目的で、逆イールドカーブを待っていた可能性がある。逆イールドカーブは景気後退の信頼できる予兆だ。

 最大の懸念事項は、これまでの約8カ月が天井形成過程で、相場が既にピークを打っていることだ。賢明な投資家はそう考える。だが、まだ逆イールドカーブにはなっていない。実際、国債相場の突然の下落が投資家を安全な10年物米国債に向かわせるまで、イールドカーブはむしろスティープ化していた。
 失業保険申請件数やクレジット・スプレッドなどの景気先行指数も高水準を維持している。ヤルデニ・リサーチのエドワード・ヤルデニ社長は「これで景気後退に陥るとは思えない。景気後退にならなければ、弱気相場になることはないだろう」と語る。
 株価が金曜日に反発したことで真の相場崩壊は延期となったが、株価が再び上昇局面を迎えるまで、さらなる恐怖、下落、痛みが待ち受けている可能性は高い。ウェルズ・ファーゴ証券の株式とクオンツ戦略の責任者であるクリストファー・ハービー氏によれば、「そのプロセスはシャンプーのCMのようで、泡立て(相場下落)、リンス(銘柄入れ替え)、その繰り返しだ」。
 しかし、少なくとも夢が直ちに悪夢に変わることはなさそうだ。

 

 
バロンズ】貿易戦争、ノーベル経済学賞の教授に聞く
2001年受賞のジョセフ・スティグリッツ・コロンビア大教授
ジョセフ・E・スティグリッツ・コロンビア大学教授
ジョセフ・E・スティグリッツ・コロンビア大学教授 PHOTO: NATHAN BAJAR
By Leslie P. Norton
2018 年 10 月 16 日 07:01 JST

• 米中貿易戦争の今後の展開について

 2001年のノーベル経済学賞受賞学者、ジョセフ・E・スティグリッツ・コロンビア大学教授に話を

聞いた。

本誌:貿易戦争の今後の展開は?

スティグリッツ教授:中国との貿易赤字に関する米国側の前提が非常に奇妙だ。例えば、米国は世界

最高の国で、最高に効率的なのだから、輸出より輸入が多いのは中国が不正をしているに違いないと

の考えがあるが、エコノミストなら誰でもそのような考えはばかげていると言うだろう。貿易赤字が

生じるのは貯蓄が投資を下回っているからだ。さらに2017年12月の減税と2018年1月の政府の支出

増加決定によって、貿易赤字と財政赤字はともに今後大幅に増える見込みだ。どのような貿易協定が

結ばれようと、事態は悪化するだろう。例えば、中国から衣料品を輸入しなければ、代わりにスリラ

ンカやバングラデシュ、ベトナムから輸入するため、米国の労働者の状況が改善するわけではない上

、コストも若干上昇し、消費者にとっては状況が悪くなる。中国が米国から石油やガスを買うと合意

した場合は、中国はこれまで買っていた国から買うのをやめ、それらの国は別の国に売るようになる

。世界全体の需要と供給は変わらない。

Q:ほかにも誤解はあるか?

A:中国が大した経済国ではないと思われていることも間違いの一つだ。国民一人当たり所得が150

ドルの国が米国を追い抜き、世界最大の経済大国になると30年前に誰が想像できただろうか。中国は

7億5000万人もの人を貧困から救った。人類史上最も重要な出来事の一つだ。また、中国の成長は米

国の犠牲の上にあるという考えも間違いだ。実際のところ米国製品を買うお金のある人が増えた。中

国は、世界との技術格差を縮小するための2025年に向けた戦略を持っている。知的財産権問題の性

質は変化してきており、米国企業は合弁によって知的財産を中国と共有することを問題視しているが

、中国側は米国企業の進出を強要したわけではないと主張している。人工知能(AI)に関していえば

、中国は知的財産権を盗んでいるどころか、世界最先端の水準にある。中国の強みは、米国のような

プライバシー保護の制約がないことだ。

Q:中国は貿易戦争にどう対応するだろうか?

A:中国は何らかの対応に迫られるが、米国側に譲歩するとは考えられない。鉄鋼に関してロス商務

長官が交渉に当たり、解決策を持ち帰ったこともあったが、トランプ大統領は、「私が望むのは関税

だ」の一点張りだった。ここまで無知な人が相手であれば、中国側が受け入れ可能な対応策は何もな

いかもしれない。一つの可能性として、北朝鮮の金正恩委員長とトランプ大統領の首脳会談のような

指導者同士の顔合わせがある。米朝首脳会談では実質的成果はなくとも、トランプ大統領はスポット

ライトを浴びることができた。

Q:中国の選択肢は何か?

A:中国の方が裁量可能な手段が多くある。レアメタルの供給を中止することもできる。中国で操業

する米国企業に一時的に課税強化することもできる。中国には米国人が保有する数千億ドル相当の資

産があり、人質のようになっている。また、貿易戦争が政治問題や北朝鮮問題での協力、南シナ海で

の領有権主張、中東内での国連の協力などに波及しないと想像することは難しい。中国経済が鈍化し

ているため中国は弱く、貿易戦争を乗り切れないとの主張は意外に感じる。貿易戦争が長引けば、米

国経済も悪化する。大半のアナリストは既に2019〜2020年の景気低迷を予想している。

• グローバル化と国内政策について

Q:グローバル化の終わりか?

A:グローバル化の問題とは、グローバル化そのものというより、むしろ各国内の対応の問題だ。開

発途上国との貿易に国を開けば、国内での未熟練労働者への需要は減少し、賃金低下や失業率上昇に

つながることを認識すべきだった。脱工業化が起き、市場だけでうまく構造変革が進まない場合、政

府の援助なしでは不幸な人が増えることに備えて、政府はもっと多くの対応を施しておくべきだった

のだ。本当に責めるべきは国内政策であり、さらには貿易調整支援政策に反対した人だ。

 トランプ大統領は世界的な協定は米国にとって不公平だと言っているが、それはあきれた話だ。も

ともと米国あるいは、もっと具体的には米国企業が構想したもので、労働者の犠牲のもとに利益を得

るように仕向けたものだ。われわれが必要とするのは国内のより良い管理とより良い協定だ。グロー

バル化によって労働者は福祉、社会的保護、賃金の悪化を受け入れざるを得ないという議論を時々耳

にする。生活の全ての面が悪化するなら、どうしてより幸福になることができるのか。

Q:次に何が起こるのか?

A:それは政治的な質問だ。トランプ大統領の保護主義的なイデオロギーに圧倒された共和党は、財

政健全化や自由貿易に関する主義主張を放り出してしまい、日和見主義的な自国民優先政党となり、

人種差別的で外国人排斥的な雰囲気もただよう。奇妙な展開だ。体制側はもともとグローバル化と世

界的な責任を信奉していたが、今や雇用確保や賃金上昇を求めるだけの政治で、民主党との対立は少

なくなった。民主党はこの点を受け入れ、社会的な保護、平等、雇用といったより広い課題解決にあ

たることを私は期待している。民主党の進歩主義的な政治課題が成功した場合は、グローバル化の問

題により平等な解決を導き出し、世界からの孤立を招かずに済むことになるだろう。

Q:世界貿易機関(WTO)に関して懸念しているか?

A:今や重点はグローバル化の崩壊を防ぐことだ。WTOは紛争解決メカニズムで、貿易協定には不可

欠な存在だ。まもなくWTOの上訴裁判所は定足数不足で機能できなくなるだろう。トランプ大統領

は新しい判事の任命に拒否権を発動した。大統領が考えを変えない場合は、世界中の国が団結して、

国際的な法の支配を守る必要性を主張するよう期待する。

• ユーロ圏と仮想通貨について

Q:ユーロは存続できるか?

A:答えはユーロ圏が改革可能か否かにかかっている。改革しなければ欧州は危機に次ぐ危機となる

公算が大きく、ついに崖から転げ落ちる可能性も高い。次に危ないのはイタリアだ。政治的にも悪い

方向へ変化している。ギリシャは小国で、自立を恐れていたが、イタリアは異なり、反ユーロ感情も

強い。離脱が起きる前からある国を市場が攻撃し、単一通貨の銀行システムから退出することもあり

得る。欧州側は改革するか、あるいは危機への対応が政治的に不可能と判断するかのいずれかになる

が、後者の場合、崩壊はほぼ不可避だ。

Q:ユーロ崩壊の確率は?

A:欧州統合への強い決意がみられる一方、ユーロあるいはドイツの圧倒的強さへの不満も強い。1

回の危機で欧州統合が崩れるとは思わないが、たとえ1回の危機での瓦解の確率が10%だとしても、

何度も度重なると、累積的な確率は非常に高くなる。移民問題が大きな影響を与えてきたことも考慮

しないといけない。

Q:ビットコインをどう思うか?

A:ドルは価値の貯蔵や交換の手段として優れている。ビットコインは価値の変動が大きく、価値の

貯蔵には向いていないし、交換手段としては法逃れや犯罪に利用しやすいのでもてはやされるが、目

に余れば政府が阻止しようとするだろう。

 

中国と新冷戦時代へ、 動き出した米国トランプ政権内で対中強硬姿勢が強まっている
訪中時のトランプ米大統領と習近平中国国家主席(2017年11月、北京) ANDY WONG/ASSOCIATED PRESS
By
Michael C. Bender, Gordon Lubold, Kate O’Keeffe and Jeremy Page
2018 年 10 月 16 日 15:32 JST 更新
 【ワシントン】トランプ政権が周到な計画の下、中国に対して反撃に動き出した。ホワイトハウスには、中国が長年、見境なく攻撃的な振る舞いを続けているとの認識があり、反撃は軍、政治、経済の各分野に及ぶ。両国の関係が一層冷え込む可能性が浮上した。
 トランプ政権発足から1年半、世界の二大大国である米国と中国の関係にとって、「北朝鮮をどう抑制するか」と「貿易不均衡をいかに是正するか」という2つのテーマをめぐる交渉が全てだったと言える。世界の注目を集めるこうした取り組みの裏で、ホワイトハウスは対中強硬姿勢へのシフトに向けて準備を進めていた。北朝鮮問題で中国の協力が得られなくなり、通商協議も行き詰まる中、対中強硬戦略が表面化してきた。
拡大する貿易不均衡米国の対中貿易

Source: U.S. Census Bureau
.(単位:十億ドル)

 複数のホワイトハウス高官や政府関係者へのインタビューから明らかになったのは、新たな冷戦を思わせる状況下で行われている両国間の最近のやり取りが、米国の対中政策から逸脱していないということだ。こうしたやり取りはまさに米国が望んだものであり、来月にブエノスアイレスで開催される20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて開かれるとみられるトランプ氏と習近平・中国国家主席の首脳会談は注目されるだろう。
 マイク・ペンス副大統領は今月4日、米中関係について講演し、激しい対中非難を展開した。ペンス氏は「米国は新たな対中方針を採用した」と述べ、トランプ大統領は引き下がらないというメッセージを送った。
 米財務省は10日、中国対米投資の安全保障上の審査を強化する新規則を発表した。司法省は同日、ベルギーで逮捕された中国の情報工作員について、GEアビエーションなどからの企業秘密の窃取に関わった容疑で訴追するため身柄を米国に移したと発表した。検察が拘留中の人物を中国の情報工作員と公式に認めるのは今回が初めてだ。
 エネルギー省は11日、原子力技術の対中輸出規制を強化すると発表した。政権は先ごろ、中国国営メディア2社に外国の代理人としての登録を義務付ける司法省の指示を承認した。
 アナリストによると、中国政府関係者の多くは米国が一気に対中強硬戦略にシフトしたことに驚いており、米国が事を荒立てる中で中国は関係を安定させようと急いでいる。
 南京大学で米中関係と国際安全保障を研究する朱鋒教授は「米国は強硬姿勢をますます強めており、あらゆる面で中国と対立している」と指摘する。「中国政府はとにかく冷静でいるべきだ。新たな冷戦が中国の国益になるのか。答えはノーだ」
 米国の一連の動きは、1979年の米中国交樹立にさかのぼる「建設的関与」戦略から米国が明確な方向転換を図ったことを意味する。この戦略の土台には、中国が経済、経済の両方で徐々に自由化を進めるとの期待があった。

フロリダの別荘マールアラーゴで習国家主席と初会談後を行うトランプ大統領(2017年4月6日) PHOTO: LAN HONGGUANG/XINHUA/GETTY IMAGES
 米国が方向転換したのは、2012年に中国トップに就任した習氏が偉大な大国を目指すと宣言し、政治と経済の権限を再び中央に集中し始めてからだ。米国は中国が来た道を戻り始めたと受け止めた。
 昨年12月の段階で米国が対中強硬姿勢に転じることは予想されていた。米国は「国家安全保障戦略」の中で北朝鮮やイラン、ジハード主義のテロ組織と共に中国を米国に対する最大の脅威に挙げた。当時、トランプ氏はそれとは対照的な個人外交を展開していた。
 政権発足当初、トランプ氏は習氏をほめそやし、大統領就任前に受け取ったグリーティングカードについて必要以上に好意的に取り上げたり、2017年春にはトランプ氏の別荘「マールアラーゴ」の夕食会で「これまでで一番おいしいチョコレートケーキ」を一緒に食べたりした。北朝鮮の脅威に対して共に戦う潜在的な友好国を危険にさらしたくないと言い、中国を為替操作国に認定するという選挙公約を破り捨てた。
 その後、ホワイトハウスの補佐官チームにタカ派のメンバーが加わった。トランプ氏も、物議をかもした自身の行動――中国の中興通訊(ZTE)に救いの手を差し伸べるなど――が十分に報われていないことに気付いた。ある政権高官によると、トランプ氏は習氏と10回程度の電話会談や書簡の往復を行い、数度の直接会談を通じてやり取りをしたが、中国側の気のない回答になぶり殺しにされているかのようにいら立ったという。
 米政府関係者によると、米国が先月、ロシア製の戦闘機「SU35」と、地対空ミサイルシステム「S400」に関連する装備を購入した中国軍の機関とそのトップに対する制裁を決定すると、中国政府は激怒した。
 中国は駐中国米大使に正式に抗議し、ワシントンを訪問中だった海軍トップの帰国を命じたほか、米海軍艦船の香港寄港も拒否した。
 中国の王毅外相は先ごろ、外交問題評議会で講演し、中国が世界の覇権を握ろうとしているとの米国の懸念について、深刻な戦略的判断の誤りだと述べた。
 「事態が収拾するのは貿易に関するディール(取引)が成立したときだ」とある政権高官は話す。「習氏は現状を見て、『トランプはやると言ったことをやっている』ことに気付き、仕事に取りかからなければならないと思い始めている」

国連総会で話す中国の王毅外相(9月26日、ニューヨーク) PHOTO: EVAN VUCCI/ASSOCIATED PRESS
厳しい教訓
 11月の米中首脳会議は、通商問題をめぐる緊張の緩和にはプラスに働く可能性があるものの、米国の強硬姿勢が和らぐことはなさそうだ。ワシントンでは、米中関係の強化に長年取り組んできた人々の間にさえも、中国に対する幻滅が広がっている。
 例えば経済界では多くの人が、世界第2位の中国経済が米国企業に開かれることを期待して中国との「共生」政策を支持していた。中国が米国のテクノロジーを強引に獲得しようとしたことでこの楽観的な空気は不信に変わった。
 米商工会議所は中国が米国の企業から知的財産を盗んでいると批判している。中国を世界トップの製造大国に押し上げるべく中国政府が策定した産業振興策「中国製造2025(メード・イン・チャイナ2025)」を厳しく批判する報告書もまとめた。
 米国防総省の高官はこれまで中国の軍高官との間で政治の雰囲気の変化に左右されない関係を構築しようとしていた。しかし彼らも我慢の限界に達したという 。
 米国はその能力を見せつけることで中国軍との関係を構築しようとしたが、その取り組みは中国側に悪用された。ジョゼフ・ダンフォード米統合参謀本部議長が昨年、米中両軍の間の正式な対話メカニズムを確立するために北京を訪問したあと、そのことをこれまで以上にはっきりと認識した。ホテルの部屋に置いてあった補佐官のタブレット端末を何者かが操作していたことが分かり、米軍は中国との付き合いに消極的になった。

昨年、北京を訪れたダンフォード米統合参謀本部議長(2017年8月15日) PHOTO: ANDREW HARNIK/ASSOCIATED PRESS
 ジェームズ・マティス国防長官は今月、北京を訪問する予定だったが、米中双方が会談の目的で折り合えずにいた。その後、南シナ海で中国の駆逐艦が米海軍の艦船に異常接近する事態が発生し、マティス氏の訪中は中止された。
 トランプ氏は当初、大統領選の選挙遊説で中国を敵と呼び、中国に対して敵対的な姿勢を示していた。
 「私は中国人をやっつける。私は中国に勝つ」。トランプ氏は2015年、サウスカロライナ州ブラフトンの選挙集会でこう話した。「賢ければ中国に勝てる。しかし政府はどうしたらいいか分かってない。政府は中国のトップを公式晩さん会に招くが、私はこう言ったんだ。『なぜ彼らのために夕食会を開くのか。彼らはわれわれから金を搾り取っている。マクドナルドに連れて行って、それから交渉に戻ればいい』」
 こうした考え方がトランプ氏の支持者に受けた。ウォール・ストリート・ジャーナルとNBCニュースが4月に行った合同世論調査では、トランプ氏を支持する共和党支持者のうち、中国を友好国と回答した人はたった4%だったが、敵と答えた人は86%に上った。
 トランプ政権は発足直後にも対中強硬策を検討していたが、それどころではなくなった。政権発足から100日の間に北朝鮮は5回もミサイルを発射し、ロケットエンジンの試験を行った。さらに米国は中国との間だけでなく、欧州連合(EU)やカナダ、メキシコとも貿易摩擦を抱えることになった。
 このころは対中融和姿勢を求める声もあった。当時、アイオワ州の知事だったテリー・ブランスタッド氏はトランプ氏に、中国と同州の農業貿易を理由に発言をトーンダウンさせるよう要請した。ブランスタッド氏は駐中国大使に選ばれた。
 米大統領選後に習氏と会談したヘンリー・キッシンジャー元国務長官は中国から帰国すると、トランプ氏は選挙公約に縛られるべきではないと述べた。キッシンジャー氏は習国家主席からの心のこもったメッセージをトランプ次期大統領に伝えた。
 トランプ氏の娘婿で大統領上級顧問のジャレッド・クシュナー氏は昨年の大統領訪中の段取りをつけ、両国関係の重要性を強調した。スティーブン・ムニューシン財務長官は大統領と中国に、両国間の溝を埋められる人間として自らを印象付けた。トランプ政権の国家経済委員会で初代委員長を務めたゲーリー・コーン氏は対中関税に反対した。

中国の汪洋副首相と話すムニューシン米財務長官(2017年7月、ワシントン) PHOTO: BRENDAN SMIALOWSKI/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
「解き放たれた」対中強硬派
 事情に詳しい関係者によると、ムニューシン氏は橋渡し役としてほとんど成果を出せなかった。同氏は対中政策への影響力を失い、中国政府との交渉が予想以上に困難なことが分かった。コーン氏は政権を去り、クシュナー氏の関心は他のテーマに移った。
 そこで台頭したのが軍出身のジョン・ケリー大統領首席補佐官らタカ派の側近だ。事情に詳しい関係者によると、ケリー氏の中国観はダンフォード統合参謀本部議長のそれと同じく、経験に基づいていた。
 昨秋の大統領訪中時、ケリー氏は「核のフットボール」に近づこうとした中国政府関係者ともみ合いになった。核のフットボールとは大統領が核ミサイル発射を命令するための機器が入ったブリーフケースのことだ。ケリー氏は、謝罪の受け入れは拒否する、もし中国の政府高官がワシントンに来て、米国の国旗の下に立ち悔恨の念を表すのであれば謝罪を受け入れると同僚に語った。

昨年11月北京で行われた米中首脳会談時のケリー大統領首席補佐官(中央)とブランスタッド駐中国大使(中央右) PHOTO:JONATHAN ERNST/REUTERS
 通商担当のピーター・ナバロ大統領補佐官は長年の対中強硬派で、この夏には米国のテクノロジー業界を脅かす中国の経済侵略について報告書をまとめた。ナバロ氏は「The Hundred-year Marathon: China’s Secret Strategy to Replace America As the Global Superpower(邦題 China 2049 秘密裏に遂行される『世界覇権100年戦略』)」という本を政権関係者に配っている。
 国家安全保障問題担当の大統領補佐官に新たに就任したジョン・ボルトン氏も以前から中国への強硬姿勢を主張している。ある政権高官によると、ボルトン氏はさらに厳しい対中政策を推進するため、国家安全保障会議アジア上級部長であるマシュー・ポッティンジャー氏を「解き放った」という。
 元海兵隊員でウォール・ストリート・ジャーナルの記者だったこともあるポッティンジャー氏の見解は、国家安全保障戦略に反映された。同氏は中国が米国のシンクタンクや大学、地方政府に対して影響力を行使するためにどのような形で金を使っているかを詳しく調査するプロジェクトの監督にも関わった。
 ポッティンジャー氏は先月、ワシントンの中国大使館で開かれたイベントに出席し、ホワイトハウスが米中間の競争関係をはっきり認めるため対中政策を改めたと明かし、「米国では競争は禁句ではない」と述べた。
 米政府関係者は今後も対中圧力が継続されるとみている。トランプ政権内では以前、中国の南シナ海進出を支援する民間企業を処罰する案が議論されたものの、棚上げされたことがあった。これと同じような制裁が再び検討されている。
 ホワイトハウス関係者は情報機関が把握している米国の選挙やサイバー空間への中国の影響に関する情報の機密解除が進むだろうと話した。商務省は中国の少数民族でイスラム教を信仰するウイグル族の抑圧に米国の監視技術が使われないようにするため、輸出規制を強化する。
 ホワイトハウスは米国の対外支援に関する審査報告書を約1カ月後に公表する予定だ。政権高官によると、審査の狙いは中国で、少なくとも間接的には中国政府のインフラ整備プロジェクト「一帯一路」を標的にしているという。
 ペンス副大統領は一帯一路の関連プロジェクトの一部を批判し、被援助国を借金漬けにしていると述べた。ペンス氏は先週の講演で「米国は公正さ、相互主義、主権の尊重に根差した関係を追求する」と述べた。「その実現のために、われわれは強力かつ迅速な措置を取っている」
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中国にドットコムバブル到来か、IT業界に既視感
ユニコーン企業が急増、厄介な規制や貿易摩擦でリスクも増加
上海の街角で待機する出前サービス「餓了麼(ウーラマ)」と美団点評の配達員 YUYANG LIU FOR THE WALL STREET JOURNAL
By
Phred Dvorak and Liza Lin
2018 年 10 月 16 日 09:03 JST
 度を超えた支出に法外なバリュエーション――。20年前のドットコムブームが再び戻って来たようだ。しかし、今度の主役ははるかに大きい中国企業だ。
 スマートフォン経由でコーヒーを受注する北京に本拠を置くスタートアップ企業が、立ち上げからわずか7カ月で評価額が10億ドル(約1118億円)以上のいわゆる「ユニコーン」の領域に到達した。「トラック業界のウーバー」と呼ばれる別の企業は、評価額が2017年売上高の300倍に高騰した。米配車大手ウーバー・テクノロジーズ自体の評価額は売上高の10倍程度だ。

スマホ経由でコーヒーを受注するスタートアップ企業「瑞幸咖啡(ラッキン・コーヒー)」PHOTO: JASON LEE/REUTERS
 しかし、中国にダイナミックな活気を見いだしている投資家がいる一方で、厄介な国内規制や世界的な貿易摩擦などの要因が相まって市場が一段と脅かされつつあると見る投資家もいる。最大のリスクは、ドットコムバブルが再び崩壊することだ。つまり、2000年代に米IT(情報技術)セクターの価値を数十億ドル吹き飛ばし、IT投資を何年も冷え込ませたサイクルが中国にも到来する可能性だ。
 そうした兆候は既に現れている。中国の上場IT企業の株価は先週、世界的なIT株の下落や米中の貿易紛争激化に対する懸念を受けて急落した。上海総合指数は先週7.6%、IT銘柄が多くを占める深セン市場は10.1%それぞれ下落した。
 さらに米政府は最近、テクノロジー関連のスパイ行為で中国政府を非難しているほか、人権侵害についても懸念を表明している。もし米国が中国IT企業を対象に制裁を科せば、それら企業は製品の主要市場を失う結果になりかねない。
 中国IT産業の成長を主に支える同国のネットサービス大手は自国では政府からのプレッシャーに、海外では対米関係の緊張にさらされているほか、株価下落にも直面。「にわかに板挟みの状況に陥っている」と、米シンクタンク、ユーラシア・グループのテクノロジーアナリスト、ポール・トリオロ氏は指摘する。「こうした問題は今後、悪化する一方だ」
急増する中国のユニコーン企業
バリュエーションが10億ドル以上の非公開企業数の変化(「PLAY」を押す)
China's Unicorns Bulk Up
Valuations of private companies worth $1 billion and up
PLAY
2012'13'14'15'16'17'182012
$1$20$100 billionAlibabaU.S.ChinaOthers
Note: 2012-2017 are at the end of the year; 2018 as of Sept. 30
Sources: Dow Jones VentureSource; staff reports
米企業上回る調達額
 今のところ、スタートアップ企業についてはブームが続いている。ダウ・ジョーンズ・ベンチャーソースのデータによると、中国のユニコーン企業109社は総価値が米国のユニコーン企業127社のそれを上回る(5350億ドル対4780億ドル)だけでなく、米企業に比べてかなり速いスピードでユニコーン企業になっている。
 シリコンバレー有数のベンチャーキャピタル(VC)企業セコイア・キャピタルのファンドに詳しい関係者によると、同社は最新のグローバルファンドの資金の大部分(最大60%)を初めて中国に投資する可能性がある。ファンドの運用資金は80億ドルと同社史上最大となる見通しだ。
 ベンチャーソースのデータによると、中国のスタートアップ企業の資金調達額は今年これまでに710億ドルと、初めて米スタートアップ企業の調達額(70億ドル)を上回りつつある。その投資額は5年前の18倍と2000年代のIT株バブル以来のペースで成長しており、中国が世界のテクノロジーハブとしてシリコンバレーを追い越すのではないかとの見方も出ている。


 しかし、中国IT企業の支配力は脅かされつつある。中国政府が民間IT企業の影響力に警戒感を強めているほか、IT最大手の多くが黒字化のめどがほとんどたたないまま価格消耗戦で資金を急速に使い果たしている。
 今年の中国スタートアップ企業に対する投資の約45%が国外からのものであることを考えると、余波は世界に及ぶ可能性がある。一部の投資家は既に痛手を受けている。
 そうした事態が垣間見えるのが、中国の自転車シェアリング企業だ。それら企業は昨年、資金を迅速に投じることができなかった。北京や上海などの国内都市に数百万台の自転車を設置したあと、一部企業は欧米の都市圏征服を目指していた。
 しかし今、キャッシュフロー問題が顕在化しつつある。事情に詳しい関係者によると、摩拝単車(モバイク)は最近、直近の資金調達ラウンド後の評価額を10億ドル近く下回る価格で身売りした。またOFO(オフォ)は海外事業の拡大計画を後退させており、業界3位の小藍単車(ブルーゴーゴー)は昨年、経営破綻した。

昨年破綻した小藍単車(ブルーゴーゴー)の修理待ち自転車(2018年、北京) PHOTO: WU HONG/EPA/SHUTTERSTOCK
厄介な国内規制
 もう1つの不確実要素が、中国の規制環境だ。中国の巨大IT企業の躍進は長らく国家の誇りとなっていた。中国指導部は依然イノベーション(技術革新)を促してはいるものの、テンセントホールディングスやアリババ・グループ・ホールディングなどの国内IT最大手の多くに対する統制を強め、政府の意に沿わない製品の販売をやめさせたり、阻止したりしている。
 中国共産党機関紙の人民日報は6月、投資を「ギャンブル」にしかねないITスタートアップ企業への資本殺到に警鐘を鳴らした。スマホメーカーの小米科技(シャオミ)は意欲的な新規株式公開(IPO)計画を縮小し、最終的に当初期待していた評価額の約半分となる540億ドルで7月に上場することを余儀なくされた。
 それでも資金は流入し続けている。中国の投資会社、高瓴資本集団(ヒルハウス・キャピタル・グループ)は9月、新たに106億ドルのファンドの組成を明らかにした。アジアのプライベートエクイティ(PE)企業の調達額としては過去最高で、米投資ファンドKKRが昨年立ち上げたファンドの調達額93億ドルを上回る。ヒルハウスによると、ファンドは「大幅に応募超過」となった。
‘ 第1に(中国企業は)巨大な可能性を秘めており、第2に中国企業の成長ペースは国外の同業他社をはるかに上回る ’
—元生資本(ジェネシス・キャピタル)の創設者の彭志堅(リチャード・ペン)氏
 中国ITブームの支持者はリスクを冒す価値はあると話す。
 その1人がテンセントの元幹部で投資会社、元生資本(ジェネシス・キャピタル)の創設者の彭志堅(リチャード・ペン)氏だ。ジェネシスは、トラック業界のウーバーと呼ばれる満幇集団(フル・トラック・アライアンス・グループ)の最新の資金調達ラウンドで出資している。「外部の多くの人は、中国企業の資金調達ペースは過剰でバリュエーションは非常に高いと考えている」とペン氏は指摘。「しかし、第1に(中国企業は)巨大な可能性を秘めており、第2に中国企業の成長ペースは国外の同業他社をはるかに上回る」と述べた。
第2のアリババへの期待
 格好の例がアリババだ。同社が2014年に実施したIPOは史上最大規模となり、米VCのGGVキャピタルをはじめとする投資家は巨額の利益を得た。GGVのマネージングパートナー、童士豪(ハンス・タン)氏によると、2003年にアリババに投資した当時、同社の評価額は1億8000万ドル前後だった。以来、同社の価値は2000倍以上に増加した。
 タン氏は「アリババの資金調達ラウンドはどれも高くついた」としながらも「しかし、同社は5000億ドル企業になり、もうすぐ1兆ドル企業になるだろう」と述べた。

中国のITブームの信奉者は、法外なバリュエーションを正当化できる十分なチャンスがあると指摘する PHOTO: YUYANG LIU FOR THE WALL STREET JOURNAL
 今は投資先を求めて多額の資金が流れ込んでおり、時に従来の指標ではバリュエーションを正当化するのが難しくなっている。一部のスタートアップ企業はまだ開発してもいない市場を基に見込み売上高を算出していると銀行関係者は話す。
 また、中国金融市場は依然制約があり、投資の選択肢が不足していることから、開かれた経済市場では他に向けられる可能性のある資金がスタートアップ企業に流れている可能性が高い。
 また、中国政府が最近、アリババやテンセントなどのIT大手に対する支配力を強めていることは、IT企業の事業見通しがいかに急速に変化しかねないかを物語っている。人工知能(AI)などの先端技術で世界をリードするにしろ、国内にデジタル監視網を構築するにしろ、IT企業は自社技術が政府の幅広い目標にいかに合致しているかに大きく左右される。例えば、テンセントのソーシャル・メッセージ・アプリ「微信(ウィーチャット)」は言論の取り締まりや群衆の監視に利用されている。
 アナリストの推計によると、テンセントの一部ゲームの規制当局による承認が遅れたことで、同社の4-6月期(第2四半期)売上高は15億ドル減少した。それ以前には、アリババの関連会社アント・フィナンシャル・サービス・グループが、政府が支援する制度を優先するため、高収益が期待できる信用スコア事業から手を引くことを当局に余儀なくされた。
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3. 2018年10月16日 20:14:44 : UGd5uG6y2Q : _7yrpMxYnqY[296] 報告
自社株を 勝って応援 痩せ我慢
4. 2018年10月16日 22:58:10 : ZzavsvoOaU : Pa801KbHuOM[30] 報告

米国株と債券のボラティリティー格差、株の強気派に買いサイン送る
Luke Kawa
2018年10月16日 15:45 JST
• 両者の格差は「極端な」水準とUBS、株式相場回復の前兆か
• 08年以降ではギリシャ債務危機や中国景気懸念のケースに類似
米国債利回りの上昇が株式相場急落に拍車を掛けた可能性があるものの、足元の債券市場は株式の強気派に向けて青信号を点滅している。
  UBSセキュリティーズの株式戦略責任者、キース・パーカー氏によれば、株式のボラティリティーが高まる一方で金利のボラティリティーはピークを過ぎたため、両者の格差は過去最高に近い「極端な」水準に押し上げられた。 
  CBOEボラティリティー指数(VIX)とメリルリンチ・オプション・ボラティリティー・エスティメート(MOVE)指数はそれぞれ、株式と債券の今後数カ月に予想される価格変動を示すが、UBSによると、両者の格差が0.35を超えると将来のリターンが特に魅力的になる傾向がある。
  パーカー氏は「相対ボラティリティーがこのような水準にある場合、S&P500種株価指数の3カ月先と半年先のリターンはそれぞれ平均プラス6.5%とプラス16%となっている」と説明した。
            

              
  2008年の金融危機以後は、ギリシャ債務懸念がピークに達した時や16年の早い時期に中国経済がハードランディングする恐れがあると投資家の懸念が高まった局面で目立った以外、この比率がこれほど極端に振れたケースはほとんどない。どちらのケースも米国株はその後回復した。
  パーカー氏は、米国の主要株価指数が持ち直す中、質の高い銘柄が回復を先導するはずだと語った。
原題:‘Extreme’ U.S. Stock-Bond Volatility Gap Is a Boon for the Bulls(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-16/PGOGO76S972L01?srnd=cojp-v2

 
米鉱工業生産指数:9月は製造業が0.2%上昇−市場予想と一致
Shobhana Chandra
2018年10月16日 22:20 JST
米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した9月の鉱工業生産指数(製造業、鉱業、公益事業の生産を対象、季節調整値)のうち、製造業は前月比0.2%上昇となった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値と一致した。全体の鉱工業生産指数は0.3%上昇した。市場予想は0.2%上昇だった。
  統計の詳細は表をご覧下さい。
原題:U.S. September Manufacturing Production Rises on Broad Demand(抜粋)

サウジ経済フォーラム、HSBCとクレディ・スイスなどCEOも欠席
Donal Griffin
2018年10月16日 19:46 JST
サウジアラビアで開催される予定の経済フォーラム「フューチャー・インベストメント・イニシアチブ」への参加見送りが相次ぐ中で、HSBCホールディングスのジョン・フリント最高経営責任者(CEO)も欠席を決めた。反体制派ジャーナリストを殺害した疑惑が持ち上がっているサウジに対しては、逆風が強まりつつある。
  事情に詳しい関係者によると、クレディ・スイス・グループのティージャン・ティアムCEOも出席を取りやめた。スタンダードチャータードのビル・ウィンターズCEOも参加を中止したと、同行広報が明らかにした。
  HSBCは49%株を持つサウジ合弁会社、HSBCサウジアラビアを通じて同国で最も積極的に事業を展開している外銀の1つ。HSBCはサウジ・ブリティッシュ銀行(SABB)の40%も持ち、SABBは今年初めにアルアウワル銀と合併することに合意した。クレディ・スイスはサウジ事業の拡大に向け動いており、支店開設免許の申請を模索していたほか富裕層顧客の資産を運用する担当者の採用を進めていた。
原題:HSBC, Credit Suisse CEOs Pull Out of Saudi Investor Conference(抜粋)


 
ゴールドマン:7−9月、投資銀行業務の収入が10%増−予想上回る
Sridhar Natarajan
2018年10月16日 21:43 JST
• 全体の純利益は前年同期比19%増の25億2000万ドル
• 株式引き受けの収入は2倍以上に増加、全体で4%増収
米ゴールドマン・サックス・グループの7−9月(第3四半期)は、投資銀行業務の収入が予想に反して前年同期から10%増えた。今月1日に就任した投資銀行部門出身のデービッド・ソロモン新最高経営責任者(CEO)にとって良い滑り出しとなった。

デービッド・ソロモンCEO
Photographer: Patrick T. Fallon/Bloomberg
  16日の決算発表によると、投資銀行業務の収入は19億8000万ドル(約2220億円)と、アナリスト予想平均の17億5000万ドルを上回った。
  トレーディングは主に低ボラティリティーが原因でウォール街全体で低調だが、ゴールドマンの同業務収入も31億ドルとアナリスト予想を若干下回った。債券トレーディング収入の10%減が響いた。
  全体の純利益は前年同期比19%増の25億2000万ドル(1株当たり6.28ドル)。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想平均は調整後1株利益5.38ドルだった。
  収入は4%増の84億6000万ドル。予想は83億6000万ドル。株式トレーディング収入は8%増の17億9000万ドル。
  債券引き受けの収入は6%減となった一方、株式引き受けの収入は前年同期から2倍以上に増えた。

原題:Goldman Bankers Give Solomon Surprise Gain in First Month on Job(抜粋)


 

 
ドイツ:ZEW景況感指数、10月は大幅に悪化ー貿易懸念の高まりで
Piotr Skolimowski
2018年10月16日 18:56 JST
ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)がまとめた独景況感指数は10月に悪化した。今月の株安や世界的な貿易摩擦が経済成長を損ねるとの懸念の高まりが反映された。
  ZEWが16日発表した10月の期待指数はマイナス24.7で、ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の下限も下回った。前月はマイナス10.6だった。
  ZEWのバンバッハ所長は「ドイツ経済に対する期待感が冷え込みつつある。その理由は何よりも米中貿易摩擦の激化だ」とコメントした。

原題:Investor Confidence in German Economy Falls as Trade Fears Mount(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-16/PGOPX76JIJV501?srnd=cojp-v2


 

ビジネス2018年10月16日 / 18:47 / 4時間前更新
世界の海外直接投資、上半期は41%減 米税制改革が影響=国連
1 分で読む

[ジュネーブ 15日 ロイター] - 国連貿易開発会議(UNCTAD)が15日発表した2018年上半期の世界全体の海外直接投資(FDI)は41%減の4700億ドルで、2005年以降で最低の水準になった。

UNCTADの投資担当責任者、ジェームズ・ザーン氏はFDIの減少について、トランプ米大統領の税制改革を受けて米企業が海外子会社から差し引き2170億ドルの資金を本国に送金したことが主因だと説明した。

ザーン氏は記者会見で、米税制改革や中国経済の自由化に言及した上で「投資の流れは政策に左右される度合いが高まり、景気サイクルに影響される度合いが低下した」と指摘。FDIの「全体像は暗く、今後の見通しはあまり楽観できない」と述べた。

今年上半期は米企業が外国への投資を縮小した中、中国への投資は6%増の700億ドルとなり、最大の投資対象となった。

発展途上国への投資は全体で先進国への投資の2倍となった。欧州への投資は93%減少。多国籍企業が欧州拠点を置くアイルランドのFDIは810億ドルの流出に転じ、スイスも770億ドルの流出だった。

一方で英国は660億ドルの流入。米国には465億ドルが流入した。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
テクノロジー2018年10月16日 / 18:32 / 4時間前更新
仮想通貨業者、預金や国債保有義務化へ 業界団体ルールで=関係筋
1 分で読む

[東京 16日 ロイター] - 日本仮想通貨交換業協会が、会員各社に対して、仮想通貨の盗難リスクに備えて預金や国債など安全資産の保有を義務づける方向で検討していることが分かった。関係者が16日、明らかにした。

9月に発生した仮想通貨取引所Zaifのハッキング被害で、運営するテックビューロ(本社・大阪市)が自己資金では利用者に補償できなかったことを金融庁が問題視していた。

ロイターが入手した仮想通貨交換業協会の自主規制の原案では、オンライン環境で利用者から預かった仮想通貨の秘密鍵を管理する場合、サイバー攻撃による秘密鍵の喪失リスクを評価したうえで、当該リスクに見合った額を銀行預金や国債、地方債などの安全資産で保有するよう義務付けた。

この原案では、上記の義務を履行するか、または保全対象額について銀行などとの間で保全契約を結ぶように求めている。

ただし、オンライン環境に複数のウォレットを設け、同時にサイバー攻撃を受けない仕組みを構築している場合などは、盗難リスクの評価で考慮することも可能であるとした。

この原案では、利用者から預かった仮想通貨が流出した場合に備え、損害賠償方針の明記を義務付けることも盛り込まれている。

仮想通貨交換業協会の担当者は、現段階で協会として決定した事実はなく、コメントは差し控えるとした。その上で、今回のハッキング被害を踏まえ「適切に自主規制機能を発揮していく所存だ」と述べた。

仮想通貨交換業協会は、金融庁に登録済みの仮想通貨交換業者16社で構成。今年8月、資金決済法に基づく自主規制団体に認定するよう金融庁に申請し、同庁が審査を続けている。認定自主規制団体になると自主規制ルールが各社に適用され、協会による会員各社への処分も可能になる。

改正資金決済法では、仮想通貨交換業の参入を容易にする観点から、交換業者の財務要件は最低資本金1000万円、純資産が負でないといった条件にとどまっている。今年に入って、巨額の流出事件が続出したことを踏まえ、有識者の間で財産規制の厳格化が必要だとの指摘が出ている。

*内容を追加します。

和田崇彦 編集:布施太郎
https://jp.reuters.com/article/cryptocurrency-japan-idJPKCN1MQ15I

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