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「消える銀行、残る銀行」これからどう生き残っていけばよいのか? 銀行に残された最後の「付加価値」とは(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/746.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 10 月 10 日 11:20:15: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 



「消える銀行、残る銀行」これからどう生き残っていけばよいのか? 銀行に残された最後の「付加価値」とは
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57764
2018.10.10 泉田 良輔 テクノロジーアナリスト 現代ビジネス


地方銀行の9割は再編、メガバンクも大激変は不可避……。フィンテックの専門家で『銀行はこれからどうなるのか』などの著書で知られる泉田良輔氏は、銀行の「未来の姿」をこのように予測する。フィンテックなどテクノロジーの進化によって業界が大きく変わろうとしている今、各銀行はどんなことに取り組めばよいのか? また、銀行に残された最終的な付加価値があるとすれば、それはなんだろうか? 泉田氏が語った。

これからの銀行のビジネスモデル

銀行がこれほどまでにビジネスモデルの差異化を求められてきたことはあっただろうか。



日本銀行の黒田東彦総裁も、「金融機関がビジネスモデルを確立し、収益力を向上させなければ、金融システムの安定化に悪影響を及ぼす」とまで指摘しており、そのための取り組みとして、中小企業向けや個人向け貸出の需要掘り起こし、有価証券投資でのリスクテイク、手数料ビジネスの強化、店舗網の大幅な効率化を含むコストカットなどを挙げている。

こうした取り組みが金融機関の収益性を向上させるということは、テクノロジーでできることが現状から将来にかけても変わらないという前提では正しい。

しかし、テクノロジーの変化のスピードが加速した際に、金融機関主導でビジネスモデルを変えていけるかは疑問だ。これまでの記事(バックナンバー)で見てきたように「モバイル型」や「クラウド型」、果ては「プライベートバンク型」にまで、テクノロジー活用に競争優位を持ったプレーヤーが登場しかねないからだ。

資産をすでに持っている資産運用層は、節税や相続対応といった金融機関によるカスタムメイドのサービスを必要とするかもしれない。ただ、まだ運用できるような資産を持っていない、また将来にわたって資産を増やしたい資産形成層にとっては、利子のほとんどつかない銀行預金は決済シーンでの便利さがなければ価値を持たない。

どちらかといえばプリペイド方式で日ごろよく使うサービスでポイントを貯めたり、それらを簡単に(シームレスに)活用できるほうが実質的に得だからだ。

そしてそういった決済領域では、ネット企業や小売業をはじめとしたサービス業がそれらの使い勝手に関して、テクノロジーを活用して拡大していく。お金との関係について、決済やそれに付随するサービスの比重が利用者にとって高ければ高いほど、銀行がサービス業に対して競争優位を示すのは難しくなる。

現在のような金利水準であったり、インフレ率が「若干のデフレからややインフレ」といった水準であれば、資産形成層による銀行預金の捉え方は、これまで以上に重要性の低いものとなっていく可能性は高い。

当然ながら、預金を集めることができない銀行、または流出してしまうような銀行は、ビジネスモデルを再構築するどころの話ではない。新しいサービスを生み出していくという流れにもならないだろう。

したがって、銀行として特徴のあるビジネスモデルを確立するためには、サービス業などが決済領域や金融業に進出してくる場合にも、預金の意味を確立し、その預金を拡大させることが第一歩である。

魅力的な決済手段の提供を

銀行が決済で銀行口座を持っていることで便利な点といえば、デビットカードであろう。日本で広く普及しているとはいいがたいが、これを使うのであれば、間違いなく銀行口座に預金があることに意味がある。



また、日本ではクレジットカードの引き落としは銀行口座を通じて行われる。使われ方として、クレジットカードが実際はデビットカードのように使用されることが多いからだ。デビットカードではないが、1回払いであれば、(支払い日と締め日によって変わってくるが)支払いから1か月ほど後に口座から引き落とされる。

銀行が目先でやらなければならいことは、プリペイド方式や異業種がテクノロジーを活用してくる新たな決済手段に対して、魅力的な決済手段の提供と、それに絡めた預金拡大である。それが銀行として存続するために必要となる。

預金をもとに行われる貸出や投資機会を積極的に見出し、銀行が収益ポイントにしていくことができた仕組みが、結果としてビジネスモデルになっていく……。

ちょっと待て、これは本来銀行に求められている役割であり、これまでのビジネスモデルと変わりはない。先の黒田日銀総裁のコメントにもあるように、貸出の需要掘り起こしや有価証券投資では国債よりも期待収益率の高い投資先は、探せば数多く存在する。預金から投資信託等に資産を動かしたり、投資銀行業務のようにカスタムメイドの商品を提供することでも手数料収入は増える。

しかし、よく考えれば、こうした業務は金融機関であれば当然であり、目新しい内容ではない。また、日銀総裁に言われるようなことでもない。つまり、黒田総裁は一言でいえば、金融機関に「がんばれ」といっているに過ぎない。

では、がんばれば銀行は報われるのか。実際はテクノロジーの進歩が引き起こす環境の変化は、銀行にとってはそれほど簡単な問題ではない。

銀行に残された付加価値とは

たとえば将来、ビットコインのコア技術であるブロックチェーン技術を使った「スマートコントラクト」が広がったら、銀行はどうなるのであろうか。



投資家は世界中の投資機会にシームレスにアクセスすることができるようになる。また、契約内容が担保された上で超過収益を手にすることもできるようになる。これまで銀行のような機関投資家にしかアクセスができなかった投資機会に、個人が参加できるようになるかもしれない。

銀行預金のように一定の金額が保護されるような運用先ではないが、スマートコントラクトを活用して安定して利回りを得られるような新たな投資案件が出てくればどうだろうか。

これまでであれば、ファンドや投資信託でなければアクセスできなかったような案件に直接アクセスでき、またファンド運営者や信託銀行に報酬を払わなくともよくなればどうだろう。リスクがあると認識した上で、いま以上に預金から投資に資金がシフトする可能性は高い。

預金者から見た際の銀行の価値は、「銀行口座にある預金を決済に利用することができること」と、預けた預金を運用して増やしてくれる「資産形成の手段」としてだ。

預金者が銀行にお金を預けて得られる対価は利子である。その利子の源泉は、銀行による貸出や有価証券投資を行った結果としての利益(時には損失)である。利子の源泉は、銀行による投資機会の目利きとリスク管理によるものなのだ。

スマートコントラクトが普及した状況で、現在のように銀行に預金として預けている状況が続くだろうか。たとえば、これまで現金や預金として保有していた資産の情報をブロックチェーン上に載せることができ、自分の「デジタル・ウォレット」に保有できるようになればどうか。

銀行預金をしても利子がつかない状況であれば、銀行に預ける理由はない。決済もスマートコントラクトを活用して、銀行口座を介しなくともシームレスにできるようになっているかもしれない。そもそもシームレスに自分の「デジタル・ウォレット」から決済できるため、プリペイドという概念すらなくなっているかもしれない。

そうした環境で銀行に残る最終的付加価値は、投資機会の発掘と目利き、そして顧客へのアドバイスだけかもしれない。投資機会にシームレスにアクセスはできるようになっても、どの投資機会が投資家にとって最適なのかのはわからないままだろう。その中で銀行は、どう生きるかを決めなければならない。

          
世界的な低金利やフィンテックの波にさらされる銀行の未来を、気鋭のアナリストが予測する一冊。


 

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コメント
1. 2018年10月10日 19:20:02 : UGd5uG6y2Q : _7yrpMxYnqY[132] 報告
株高は 末恐ろしき 罠を秘め

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