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トヨタとソフトバンク、時価総額1位と2位が握手したワケは?
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181009-00010007-wedge-bus_all
Wedge 10/9(火) 12:40配信
(Rodrigo Reyes Marin/AFLO)
日本の株式市場で時価総額トップのトヨタ自動車と、2位のソフトバンクが自動運転やライドシェアなど次世代の移動サービス事業で手を握った。車づくりでは世界でナンバーワンのトヨタが、車とは直接的には縁のなかったソフトバンクと提携するとは誰も予想してなかった。しかし、提携を発表した4日に豊田章男社長と孫正義社長ががっちりと握手を交わした。
「強者連合」
孫社長は「この提携は第一弾で、より幅広い提携になることを願っている」と述べたのに対して、豊田社長は「新しい仲間と提携したことでモビリティサービスを拡大できる」と応じ、得意分野を生かせる「強者連合」による相乗効果が期待できそうな雰囲気が感じられた。
株式市場では両社は「仲が悪いのではないか」と見られていたようだが、自動車を取り巻く環境がまさにコペルニクス的な大変革が起きる中で、両社の経営陣は時代の先を見据えていた。
豊田社長はこの日の会見で「トヨタが自動運転やライドシェアなどの事業で提携しようとした会社(例えば米国のウーバー・テクノロジーズや中国の滴滴出行)の資本を見ると、どれもソフトバンクが筆頭株主になっていることに驚いた」と述べて、ソフトバンクを敵に回すことは不可能だと判断した。それなら手を組んで味方につけるしかないとして、トヨタの側からソフトバンクに声をかけた。その後、両社の若手社員による会議を進める中で、移動体サービスで提携することが最善の道であることになった。
豊田社長が「会いたい」と言っていると聞いた孫社長は「えっ、まじかよ」と反応して最初は信じられなかったという。この提携のタイミングを「流れは自然にそういう方向にあった。人工知能(AI)に力を入れているソフトバンクとモビリティ(車)ではトップの両社が手を組めば、もっと進化した次世代のモビリティを実現できる。今の時代が両社を引き合わせた」と説明した。これまでの常識ではあり得なかった垣根を超えた異業種のトップ企業の提携は、モビリティサービスが中心を占めるであろう未来を見据えると、当然あり得るというのが孫社長の見立てだ。
社風は異なるがビジョンは共有
「車には愛が求められるので『愛車』と呼ばれる。私はこの愛を大事にしている」と大企業のトップらしからぬ情緒的な発言をする豊田社長。
一方のソフトバンクは特別の傑出した技術を持っているわけでもない。孫社長は兆円単位のファンドを世界各地の将来的に芽が出そうなビジネスに種まきをして、収益を計算する。『孫正義300年王国への野望』(杉本貴司著、日本経済新聞社)によると、「部下に対して『2000年から2300年までの300年間の売り上げ計画を作れ』と命じた」そうで、未来志向の稀代の経営者なのかもしれない。このやり方だけを見ても、トヨタとソフトバンクは社風が相当異なる感じがする。
しかし、豊田社長は「両社のビジョンは同じで両社首脳4人の意見はかみ合った」と指摘した。つまり、次世代の移動サービス事業であるモビリティについての考え方では一致したということだ。しかも、トヨタは世界中で大量の自動車を提供できる。
一方のソフトバンクは出資したライドシェア企業を足し合わせると世界のライドシェアの90%のシエアを持つことになり、膨大なデータが自動的に集まってくる。中でも中国のライドシェア市場トップの滴滴出行を傘下に入れているだけに膨大なデータを集積できる。世界中でモビリティのデータをこれだけの量を蓄積できる企業は欧米にもないと見られており、多種多様なデータが得られるソフトバンクはAIを進化させる上で大きな強みになる。トヨタもこの点に関しては、ソフトバンクには到底勝てないと見たに違いない。
AIの性能の優劣は、消化したデータの量によって決まると言われている。大量のデータで訓練されたAIは、あらゆる事態に遭遇してきているため事故や故障が少なくなる。ほかのAIと違って洗練されており、こうしたAIを自動運転車などモビリティに組み込めば、世界的にも負けない競争力を発揮することができる。となると、トヨタとソフトバンク連合は進化することはあっても離れられないパートナーとなっていくかもしれない。
配車サービスからスタート
まずは両社が共同出資した新会社「モネ・テクノロジーズ」を活用して、配車サービスなどの事業を開始する。その先には、トヨタが20年代半ばまでに開発する計画の完全自動運転車「イー・パレット」の普及も視野に入れている。商品を自宅まで運んでくれる移動型の無人コンビニや、患者を診察しながら病院まで送り届ける自動運転車など、ドライバーの要らない移動サービスの実現を目指そうとしている。
日本企業が苦手としてきた、ハードとソフトを融合させて、社会インフラまで構築する新しいプラットフォームを世界に先駆けて生み出そうとしている。モビリティを軸にして、これまで欧米企業に先を越されてきた社会インフラを作ることができれば、技術立国ニッポンがインフラ作りでも優位に立つことができ、人口の減少で影が薄くなりがちな日本のプレゼンスを世界に誇示できる。
孫社長は「AIを使ってモビリティプラットフォームを活用して未来の需要を当てはめていく」という表現を使い、具体的にはこのプラットフォームにより「世界で年間125万人が死亡している交通事故をなくしたい」と語った。「モネ・テクノロジー」が発展していけば、今回の「強者連合」は単なる日本の2大企業の提携と言うよりも、人類の歴史を塗り替えるほどの意義のあるものだったと振り返ることになるかもしれない。
どうなる優先順位
その場合に問題となるのが、両社がこれまで組んできている提携、友好関係をどのように整理するかだ。トヨタはこれまでに携帯電話ではソフトバンクのライバルであるNTTグループやKDDIと、次世代通信規格「5G」のコネクテッドカー(つながる車)の活用で提携関係にある。一方、ソフトバンクがトヨタのライバルである米大手自動車のGMのライドシェア用自動運転車を開発するGMクルーズと提携している。そのGMは10月3日にホンダと自動運転で提携し、ホンダはGMクルーズにも出資すると発表した。
こうなると、片方の手で握手しながら、別の手では握手した相手のライバルとも提携する関係になり、相関関係がこれまで以上に複雑になってくる。提携関係にある会社にしてみれば、「一体どっちの味方なのか明確にしてくれよ」ということになる。この日の会見では、この件について両首脳からの発言は聞かれなかったが、いずれは優先順位をつける経営判断をしなければならなくなる。
「100年に一度の大変革の時代に、これまでの関係を気にしていては時代に取り残されてしまう」と断言してしまえばそれまでだが、日本の大企業のトップがこうした決断ができるかどうかも注目点の一つになる。豊田社長、孫社長がどのような選択をするのか、これまで両社と提携関係を築いてきた企業にとっては気が気ではないはずだ。
まだ続く合従連衡
AI、自動運転の技術は日進月歩で進化している。その展開次第では、期待されていた新技術がすぐに陳腐化してしまうリスクがある。電気自動車(EV)が中心になる自動運転では、バッテリーの技術開発の行方が注目されており、航続距離の長い短時間で充電できる画期的な新型バッテリーが実用化できれば、一気に自動運転車の構図が変わる可能性がある。それだけに、自動車業界を含む移動体サービスビジネスをめぐる合従連衡が、これで確定したとは言い難いところがある。
日本企業はハードを含むモノ作りには競争力を発揮してきたが、EVになると部品点数が少なくなり、日本企業が得意としてきた匠の技術はそれほど必要なくなる。代わりに求められるのが、移動体サービスを制御する技術など、全体状況を把握しながら人手をかけずにコントロールするAIを駆使したソフト技術、ノウハウが重要になってくる。この分野はまだ確立されたものがないだけに各社が開発にしのぎを削っている状況だ。
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