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あなたの会社もアマゾンに殺される? 無関係な業界はなし、企業生き残りの策とは
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181008-00010004-nikkeisty-bus_all
NIKKEI STYLE 10/8(月) 7:10配信
若手リーダーに贈る教科書
米アマゾン・ドット・コムの創業から20年余り、世界で3億人以上が利用する最大の電子商取引(EC)サイトを中心に、その影響力は年々大きくなっている。事業の規模と領域を貪欲に拡大するその姿は「帝国」と評されるほどだ。一方、アマゾンとの競争に敗れて退場を迫られる企業も増えている。今回の書籍「デス・バイ・アマゾン」は、アマゾンの拡大戦略とそれに翻弄される小売り・流通業界の動きを追いながら、変わる消費の未来と生き残りのヒントを提示する。
◇ ◇ ◇
著者の城田真琴氏は、大手シンクタンクの上級研究員です。先端技術の動向や企業・社会への影響などの未来予測を手がけ、総務省の「スマートクラウド研究会」など国の研究会やフォーラムにも参加しています。「FinTechの衝撃」(東洋経済新報社)など多くの著書があります。
「アマゾン時代」を生き延びようとする各社の例を紹介
■帝国の進路に「恐怖」が広がる?
本書のタイトル「デス・バイ・アマゾン」とは、アマゾンの拡大で窮地に陥ると予想される企業の株価から算出する指数(インデックス)です。2012年に米国の投資情報会社が設定したもので、小売最大手のウォルマート、百貨店大手のメーシーズ、会員制卸売り大手のコストコ・ホールセールなど米国の大手流通企業を多く含みます。日本では「アマゾン恐怖銘柄指数」と呼ばれています。
このインデックスは、アマゾンの躍進で業績の悪化が見込まれる小売関連企業54社で構成されている。(中略)これらの企業に共通するのは、収益の大半をリアル店舗から得ており、販売している商品は自社のオリジナル商品ではなく、他社の商品が中心という点である。
アマゾン恐怖銘柄指数は、その名が示す通り、アマゾンの株価が上昇すれば、それに反比例して下落していくのが特徴であり、アマゾンの新規事業参入やM&Aなどのニュースが発表されるたびに大きく変動する。
(第0章 アマゾン恐怖銘柄指数とは 10ページ)
■将来性を見込んだ分野、赤字でも投資
城田真琴氏
ネット通販の巨人となったアマゾンは、人工知能(AI)を利用した無人レジのコンビニ店「アマゾン・ゴー」を出店したり、オンライン薬局や高級スーパーを買収したりしているほか、金融サービスの本格展開を狙っているとの見方も有力です。もはや「うちは関係ない」といえる業界はない状況です。
こうした貪欲な拡大策の背景には、当初の赤字をいとわず、将来収益が見込める分野や強化したい分野に積極的に投資するという独特の姿勢があります。実際、祖業であるネット通販でさえ、日本を含む海外部門は赤字続きです。17年の決算でみると、売上高の10%にも満たないクラウド事業「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」が営業利益の7割以上にあたる43億ドルを稼ぎ出しているのです。
こうした収益源があるからこそ、出店に多額の費用がかかり、採算が厳しいと思われる「アマゾン・ゴー」も展開できるのです。著者は、その狙いについて、次のように分析します。
eコマースでは、「ある商品のページを何度も訪問しているのに買わなかった」「一度カートに入れたのに、最終的には購入に至らなかった」といったデータ収集が当たり前のように行われている。一方、実店舗においては、一切行われてこなかった。実店舗でもこうしたデータが収集できれば、その商品の購入阻害要因(価格、デザインなど)を探る上で大きなヒントとなりうる。
(第1章 消える店舗、消える店員――アマゾンがリアル店舗を再定義する 46ぺージ)
こうしてネット通販とリアルの店舗で得た消費者の情報を総合すれば、その行動は「見事に丸裸になる」と著者は指摘します。店を訪れた人に、ネットでしているような「おすすめ情報」を提示する、さらに人によって異なる値引きをするなど、小売業変革の可能性が見えてくるのです。
■「アマゾン・サバイバー」への道は
では、小売・流通企業が生き残るには、どうすればいいのでしょうか。著者は、アマゾンが提供できない価値で存在感を示すほか、場合によっては協業で成長力を取り込むような柔軟な対応が必要と述べます。
たとえば、米コーヒーチェーン大手のスターバックスは、コーヒーの知識が豊富なコーヒーマスターからレクチャーを受けられる店舗やコーヒーに関連する書籍を集めた店舗などを増やしており、シアトルの旗艦店はテーマパークのような雰囲気といいます。実質的な創業者であるハワード・シュルツ氏が「スターバックスはコーヒーを売っているのではない。体験を売っているのだ」と言う通りです。
値段だけを考えれば、コーヒー1杯が300〜400円というのは、決して安くはない。しかし、消費者はスターバックスの店舗で過ごす、リラックスできる時間の対価として、この価格を受け入れ、料金を支払う。
(第3章 ショッピング・エクスペリエンス――リアル店舗の生き残りの鍵 106ページ)
一方、アマゾンのAIスピーカー「エコー」では、スターバックスは協力・利用の道を選んでいます。アマゾンの音声認識サービス「アレクサ」と自社のウェブサービスとを連携させるようなソフトを開発。あらかじめ近くの店舗と好みの飲み物を設定しておき、エコーに「スターバックスに、いつものドリンクをつくっておいてと連絡して」と言うと注文が通り、並ばずに受け取れるサービスを実現しているのです。
本書では、ほかにもスポーツ用品のナイキや高級アパレルブランドのレベッカ・ミンコフなど、様々な企業の生き残り策を多数の写真とともに紹介しています。米国で起きていることは、日本にもすぐやってくるでしょう。その意味で「少し先の未来」をのぞくような読み方もできる一冊です。
(雨宮百子)
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