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60歳以降の働き方「キリギリス型」と「アリ型」、得なのはどっち
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181008-00000001-moneypost-bus_all
マネーポストWEB 10/8(月) 7:00配信 週刊ポスト2018年10月12・19日号
60歳を過ぎてフルタイムで現役並みに働くと損をする?
安倍政権は、年金支給開始年齢を「65歳」から「68歳」に引き上げるための地ならしを進めている。さらにその先には「70歳」への引き上げも検討されている。そうした年金改悪に、国民はどう対抗すべきなのか。
給料と年金の“ダブルインカム”は改悪に備えた「得する年金術」のポイントだ。定年後の再雇用で精一杯働くか、労働時間を減らして余暇を楽しむかというライフプランの選択にかかわってくる。
同期入社のAさんとBさんは2年前に60歳の定年を迎え、嘱託社員として会社に再雇用されたが、違う勤務体系を選んだ。
余暇を楽しみたい「キリギリス型」のAさんは週3日勤務で月給20万円、オフの日は趣味のカメラで撮影旅行や料理教室にも通っている。一方、少しでも多く働いて稼ぎを増やそうとする「アリ型」のBさんは週5日フルタイムで働き、月給30万円を得ている。
2人は62歳となる今年から毎月8万円の「部分年金」(厚生年金の報酬比例部分)の支給が始まる。ここで2人の明暗が分かれる。
現在の在職老齢年金制度は、65歳未満は「給料と年金」の合計が基準値の月28万円を超えると、超過分の半額を年金支給額から減額される。合計収入が28万円のAさんは、年金を1円も減額されずに給料と年金のダブルインカムを実現した。しかし、合計収入38万円のBさんは年金カットの対象で5万円を減額される。
さらに給料から天引きされる税金・保険料を加味して計算すると、「週3日勤務」のAさんの手取り収入が約24万円なのに対し、「週5日勤務」のBさんは約27万円とわずか3万円の差しかない(図参照)。
これでは労働意欲がわくはずがない。
在職老齢年金制度が続く間は、「給料は安くてもキリギリス型でのんびり働く」選択が有効になる。
ただし、年金が満額支給される65歳になると状況は変わる。在職老齢年金の年金減額基準が「年金+給料」の合計で47万円以上に上がるからだ。
Aさん、Bさんの年金支給額は65歳になると月約14万円にアップする。月給30万円のフルタイムで働くBさんの合計収入は44万円になるが、減額基準に届かず、Bさんも給料と年金満額のダブルインカムのメリットを受けるようになる。問題は定年後5年間もフルタイムで働いたBさんに、その後も働く気力と体力が残っているかどうかだ。
対照的に、定年後に英気を養ったAさんには、65歳を機にフルタイムの仕事を探す選択が生まれる。
人生100年時代に「年金減額」されない働き方を考えるなら、定年から64歳までは時短勤務で余暇を楽しみながら働き、体力が続けば65歳からフルタイムの仕事をする二段階プランを視野に入れるのもいい。
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