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いよいよ世界恐慌の覚悟が必要…不気味な日米同時バブル 日本経済一歩先の真相
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/238797
2018/10/05 日刊ゲンダイ
株価だけはグングン上昇(C)日刊ゲンダイ
1日に発表された9月の日銀短観は、景気の悲観的な先行きを物語る。大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は3期連続で悪化。3期連続悪化はリーマン・ショックで過去最低を記録した2009年3月以来、9年半ぶりだ。
3カ月先を示す先行きDIも2〜3ポイントの悪化を見込む。米中両国が互いに譲らぬ追加関税合戦や高水準で推移する原油高など、先行きの景気を冷え込ませる不安材料はいくつもある。
ここ数年、景気はヨチヨチ歩きの状況で、年間GDPは1%台の低成長が続く。恐らく今年も2%成長は達成困難とみられるのに、株価だけはグングン上昇しているのには目を疑ってしまう。日経平均株価は1991年以来、27年ぶりの高値をつけ、過熱感は強まるばかり。気がつけば、あの「失われた20年」を産み落とした平成バブルの崩壊寸前の水準まで株価は駆け上っている。
当欄は先週、史上空前のニューヨーク株高を「実態の伴わないヤンキー・バブル」と評したが、バブルはヤンキーだけではなかった。東京市場でも同じ現象が起きているのだ。日本の場合は、市場に公的資金をバラまき続ける安倍政権の株価押し上げ策に買い支えられているとはいえ、日米同時バブルという不気味な状況に変わりはない。
無限のバブルは絶対あり得ない。いつか見えない天井にぶつかれば、たちまち破裂する。しかも日米同時バブルは、どちらか一方がはじけた途端、もう一方も必ずはじける。膨らみ続けた日米のバブルが同時に破綻すれば、その衝撃が世界経済に与える悪影響は計り知れない。
平成バブルがもろくも崩壊した際は、4大証券の一角を担った山一証券が3兆5000億円の負債を抱えて廃業に追い込まれた。長銀、日債銀などの大手金融機関も次々消え去る大騒動が勃発したものだが、このような混乱が世界規模で起こりかねないのだ。
リーマン・ショックから丸10年。欧米諸国にやや遅れて日本も加わり、金融緩和のバラまき政策にカジを切り続けた。その結果、世界規模でカネ余り現象が起き、世界の借金総額はリーマン・ショック直前に比べ、1.5倍に膨れ上がった。そのカネの多くは株式市場に流れ込んでいる。
市場が逆回転し始めれば、必ず恐慌が起こる。それが歴史の教訓だ。1929年に始まった世界恐慌は世界大戦の原因となった。日米同時バブルが発生した今、いつ世界を暗黒に叩き込む大恐慌が起きてもおかしくないのだ。そのことを常に念頭に置かなければならない。
高橋乗宣 エコノミスト
1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。
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— 日刊ゲンダイ (@nikkan_gendai) 2018年10月4日
これ、不気味ですねぇ😖
— スガちゃんマン (@viento_yutaka) 2018年10月4日
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— 吉川 幸男 (@FP_Yoshikawa) 2018年10月5日
『…日米同時バブルは、どちらか一方がはじけた途端、もう一方も必ずはじける。膨らみ続けた日米のバブルが同時に破綻すれば、その衝撃が世界経済に与える悪影響は計り知れない…』
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