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日本のコネクテッドインダストリー戦略 次なる発展へ
2018年09月29日13:21
日本のスマート製造について話すとなると、精密さを極めたロボット生産ラインの様子を頭に浮かべる人が多い。確かに、日本は長らくロボット計画を推進し、主に人工知能(AI)に力を入れてきた。だがロボットは日本が国家レベルで推進するスマート製造ではない。2017年に経済産業省はさまざまな繋がりによって新たな付加価値を創出したり社会課題の解決をもたらしたりする「コネクテッドインダストリー」戦略を提起した。これを受けて、三菱電機、ファナック、DMG森精機、日立製作所の日本企業4社が各社のモノのインターネット(IoT)プラットフォーム間でのデータ互換メカニズムの構築で共通認識に達した。IoT分野で、日本には技術水準の高い企業がたくさんあり、各社の優れた点を集結させ、ドイツのインダストリー4.0、米国のインダストリアルインターネット(工業のインターネット)などとのスマート製造分野での競争で優位性を勝ち取ろうと努力している。「国際商報」が伝えた。
日本の映像・情報製品のトップメーカー・キャノンの場合、ここ数年は工業自動化の流れを受けて、その精度が高く正確で高効率のロボットビジョン技術が工業分野のさまざまな場面で幅広く応用されている。キャノンは工業自動化の中でこの技術のニーズをつかみ取り、先進的映像技術をよりどころとしてシステムソリューションを提供し、自社のネットワークカメラ(IPカメラ)と独自開発の映像ソフトと連動して、ユーザーが「工場の可視化管理」をできるようにし、スマートファクトリーを構築した。現在、ロボットビジョンの市場はまだ成熟しておらず、キャノンには他のロボット企業にない得意技があるので、オートフォーカスやホワイトバランスなどのカメラ技術を工業ビジョンの分野に応用すれば、新たに生まれる製品は市場で極めて大きな魅力をもつものと期待される。そうなればキャノンの発展はもとより、ロボットビジョン産業の発展も力強く後押しすることになる。
今年7月、キャノン(中国)有限公司は中国の工業自動化市場に進出することを明らかにし、新しい製品ラインとなるキャノン工業映像プラットフォームを発表した。すでに2012年に、日本本社の責任者がロボットを利用した生産コストの引き下げを計画し、15年には4千億円を投じて世界最大の監視カメラメーカーのアクシス(スイス)を買収し、カメラ生産の全自動化の実現を目指した。その後もさらに多くの買収先を探しており、ロボット分野にはっきりと目標を定めたことがわかる。
103年の歴史をもつ安川電機も古いものの長所を活かして新しいものを次々打ち出している。ロボットの研究開発・生産では50年以上の蓄積があり、独クーカ、スイスのABB、ファナックとともに世界の4大ロボットメーカーの一角を担う。特にサーボモーターやモーションコントロール(MC)などのロボットコア技術で世界のトップレベルに位置する。7月からは中国の奇瑞汽車と電気自動車(EV)の設備製造をめぐり生産・販売協力を展開。安川電機によれば、傘下の中国子会社が奇瑞傘下の安徽瑞祥工業有限公司に少額の出資を行って合意を締結した。システムインテグレーターの瑞祥工業と手を結ぶことで、今後は中国市場でロボットとモーターを販売するという。
参考にすべきなのは、インダストリアルインターネットへの対応が世界的な潮流となり、多くの企業がまだ内部の相互接続の問題にかかずらっている時に、日本産業界はすでに異なる道を探り出し、「産業バリューチェーン」戦略を提起したことだ。この戦略は企業の相互接続の問題を追求して掘り下げ、1つの生態システムを構築し、たくさんの企業に利益をもたらそうとするものだ。
現在、日本は多くの科学研究分野でトップに立っている。ビッグデータ、クラウドコンピューティング、新材料、資源の再利用とエネルギーの貯蔵、ロボットなどだ。高齢化と製造業における深刻な若手労働者不足の問題がますます顕在化するのにともない、日本はスマート製造技術を利用して高齢化と人手不足に対処し、世界的なインダストリー4.0の流れの中でトップの地位を目指す必要がある。このために日本企業は自社の発展だけでなく、関連産業の買収にも力を入れている。メディアの報道によれば、日本のスマート製造産業は18年度末までに産業用ロボット部品と工作機械を手がけるドイツ企業5社を相次ぎ買収する予定で、産業自動化に不可欠なロボットのコア部品と工作機械の技術を手に入れるとしている。買収額は総額約500億円に上る見込みだ。ドイツはインダストリー4.0でトップに立っており、日本のスマート製造産業はドイツ企業の技術の力を大いに借りて、世界的な工場自動化のニーズをつかまえるとしている。また日本はさまざまな買収案件を通じて中米貿易戦争により不確定性が増した部品の供給網を補完する考えだ。
米モルガン・スタンレーは最新の報告書の中で、「日本はここ数年、マクロの面でもミクロの面でも改善の重要な兆しをみせている。マクロの面では、投資が増加を続け、労働参加率がさらに上昇し、技術移民が推進されていることから、名目国内総生産(GDP)の伸びがさらに加速するとみられる。GDP成長率の21〜25年平均は2.2%になる見込みだ。また高齢化の問題が独自の優位性をもたらす可能性もあり、AI、ロボット、自動化の分野への投資がさらに拡大することが予想される」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年9月29日
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