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「老朽化マンション」の不都合な真実(Wedge)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/617.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 9 月 28 日 12:40:30: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

「老朽化マンション」の不都合な真実
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180928-00010000-wedge-bus_all
Wedge 9/28(金) 12:14配信


(出所)国土交通省

 国土交通省によると、2017年末のマンションストック総数は644万1000戸で、居住人口は1533万人と推計され、国民の約1割に当たる。そのうち、築40年以上の老朽マンションは72万9000戸あり、全体に占める割合は約1割だが、10年後には2・5倍の184万戸、20年後には5倍の351万戸と爆発的に増える。

 このまま日本の「巨大都市」は、供給過剰で空き家だらけの「虚大都市」になってしまうのだろうか。実は自ら住むマンションの生死は、自分たちの選択にかかっている。マンション管理組合を通じて、「他人任せ」ではなく、自らマンション管理にコミットする姿勢こそが今、求められている。こうした住民が多いマンションは生き残っていく可能性が高い。

水漏れ、ガス漏れ…… 管理不全で進むスラム化


横浜サンユーが再生を支援している横浜市内のマンション。1回目の修繕は終わったが、2回目のめどがたっていない

 横浜市内で小規模のマンション管理業をしている、横浜サンユーの利根宏社長の案内で、同市中区にある1974(昭和49)年に建てられた築44年目のマンションを訪問した。

 9階建てで34戸のうち、11戸が外国人、1階には飲食店が入っている。本来は見えないようになっているはずの配管が天井部分にむき出し、継ぎはぎ工事をした跡が見える。それでも、駅からの便がよいこともあって部屋は全室埋まっている。

 昨年12月に管理組合が民間金融機関から1500万円借りて、第一次工事として、外壁塗装、防水など初めての大規模修繕工事をした。しかし、資金不足から第二次工事の見通しは立っていない……。

 74年に建設され、分譲後は管理会社に管理を委託しなかったこともあり、マンションのメンテナンスがないがしろにされてきた。マンション内の管理組合は機能しておらず、修繕費と管理費も区別なく合算で徴収するという形態で、滞納者も複数いた。

 そんなスラム化の一途をたどるなか、このマンションを所有する親戚から管理を委託された田邊賢一氏は、マンションの惨状を見るなり「スラム化マンション延命化」を事業として行う横浜サンユーに駆け込んだ。

 旧建築基準法の基で建っているため、建て替えとなると戸数を減らす必要があるほか、高齢者、外国人が多く金銭的にも難しい。そのため、まずは田邊氏自身が管理組合の理事長となり、延命策として大規模修繕を提案した。

 これは同意され、管理費、修繕費を払わないオーナーとは弁護士と話し合い、競売にかけるなどして体裁を整え、金融機関から1500万円の融資を受けてなんとか、第一次の大規模修繕にこぎつけた。

 しかし、修繕費として25万円の一時金を各戸が負担しなければならないということが判明すると、離反者が出ることになった。しかも理事会の決議で「理事長は居住者から選出する」ということになり、田邊氏は理事長の職を解かれた。

 その後、迷走が続いている。田邊氏の後を受けた新任の理事長に問題が山積するマンションを委ねるには無理があり、第二次の修繕はやり残されたまま。さらに、年1回必要な浄水槽の清掃などもストップしていることから茶色い水が出たり、外国人居住者が生肉を排水管に流すため水漏れが起きたり、老朽化のためガス漏れが4件発生するなど、事態は悪化している。

 これほど管理状態が悪いと日本人の入居は難しく、結果的に外国人の比率が増える傾向になる。それでも、利根社長は「延命は可能」と、再度の田邊氏の理事長就任に向けて背中を押す。

管理会社も逃げ出した 築55年の老朽マンション

 一方こうしたケースとは違い、大規模修繕も定期的に行い、管理組合も無借金経営を貫いてきても、延命がいよいよ限界に近づくマンションもある。東京都世田谷区にある「田園メイゾン」は、有名建築家が設計した築55年の全17戸からなる6階建てだ。建築当初からエレベータがあり、東日本大震災後に行った耐震調査で新耐震基準を満たしていることも判明した。

 しかし、骨格は頑丈であっても、老いは確実に進行している。「音漏れ、におい漏れは許容の範囲だが、大規模修繕の直後に雨漏りが一段と酷(ひど)くなった」と住民の一人は嘆く。5年前には汚水管が破裂して、複数の部屋が大惨事に。上水管も相当傷んでいるが、壁の中に埋め込まれており、修繕することすらできない。

 こうした深刻な老朽化に対し、財閥系の大手管理会社は、4回目の大規模修繕工事を前に、「責任を持てないので系列の業者では工事できない」と断ってきた。管理会社に紹介された中堅業者によって今年8月に工事は終わったが、その途端、管理会社は管理費の2割アップを突き付けてきた。

 自らも不動産業界に身を置く管理組合の永井聖理事長は、「管理会社は一般的に大規模改修で3割、日々の管理で2割5分のマージンを抜く。ここまで築年数が経つと次の大規模改修も見通せず、日々のメンテもさらに増える。味がなくなったこのマンションから逃げ出したいのだろう」と見る。

 「管理費の値上げは飲めない」と断ると、案の定、管理会社は間髪入れずに管理契約の打ち切りを通告してきた。「単純な大規模修繕を繰り返す時期は終わったので、これからは修繕費をただ積み立てるだけでなく、いかに使って延命していくかが問われる」(永井氏)と未知の領域に足を踏み入れる。

 延命措置と並行してマンションの建て替えの道筋を引くことも理事長の大事な役割である。しかし、理事長を悩ますのは法律の壁である。日照権の問題で、容積率は建設時の300%から200%へと減らされている上、風致地区にも指定されたため、建て替えの際にはセットバックも必要だ。この条件では、今の住居スペースより大幅に狭くなり、半分の住戸は家族では居住できない広さになり退去を余儀なくされる。このため住民の総意を得るのは難しい。

 マンションの「終活」が二進(にっち)も三進(さっち)もいかないなか、「マンション寿命」のカウントダウンは刻一刻と進んでいく。

中西 享 (経済ジャーナリスト)


 

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コメント
1. 2018年9月28日 12:59:26 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1567] 報告
2018年9月28日 長嶋 修 :株式会社さくら事務所創業者・会長
人気タワマンでも40年後は廃虚!?恐ろしいマンション劣化の真実
新築・中古ともに、「都心」「駅近」などの好条件マンションの価格高止まりが続いている。しかし、湾岸や武蔵小杉など人気エリアの花形タワーマンションであっても、状況次第では数十年後には「廃虚化」が待っている。恐ろしいマンション劣化の真実を解説する。(さくら事務所会長 長嶋修)
新築はもはや「高根の花」
中古価格もいまだに上昇中
数十年後、住民の高齢化や空き家増加によって修繕が難しくなり、廃墟と化すマンションは必ず出てくる。「都心」「駅近」の人気物件であっても、廃墟化する可能性はある(写真はイメージです) Photo:PIXTA
 マンション価格の高止まりが続いている。不動産経済研究所によれば、2018年7月の首都圏新築マンション発売価格平均は6091万円と2017年度平均を上回り、東京都区部に至っては7270万円と、もはや一般的なサラリーマンには手の届かない価格水準。「都心」「駅直結」「駅前」「駅近」「大規模」「タワー」といったワードに象徴される大多数の新築マンションは、「高根の花」となりつつある。
 こうしたことも手伝って人気が集まってきたのが「中古マンション」であり、こちらもやはり「都心」「駅近」などの物件が強い。
 REINS(東日本不動産流通機構)によれば、首都圏中古マンション価格は2012年12月の民主党から自民党への政権交代以降一貫して上昇を続けている。例えば東京都心3区(中央・千代田・港区)の中古マンション平均成約価格は、政権交代以降60%アップの6247万円と、1990年代のバブルを上回る価格水準だ。

 ただし、「都心」であっても駅からの距離による格差は生じている。東京都心7区(千代田・中央・港・新宿・目黒・品川区)の中古マンション成約価格は、2013年には駅から1分離れるごとに平方メートルあたり8222円の下落を示していたが、2018年5月時点では、駅から1分離れるごとに平方メートルあたり1万8205円もの下落と、ダウン金額が多くなっている。
湾岸や武蔵小杉でも条件次第で
「都市の墓標」化するマンションも!
 それでは「都心」や「駅近」であればずっと安泰かというと、答えは「NO」である。タワーマンションが林立する都心湾岸地区や武蔵小杉(神奈川県)といった人気エリアも例外ではない。たとえ一定程度、立地が良くても、都市の墓標になりえる理由があるからだ。そして「駅から遠い」「築年数が古い」といったマンションはさらに不利で、将来は廃虚化が進むものも出てくるだろう。
著者の最新刊「100年マンション 資産になる住まいの育てかた」
 また、空き家問題といえば、これまでは主に「一戸建て」に焦点が当たってきたが、やがて「マンションの空き家問題」が顕在化するだろう。マンションは一戸建てと異なり、共同住宅であるがゆえに、個人の意思で修繕や解体などの処分はできない。空き家増に加え住民の高齢化や賃貸化も進むことによって、必要な修繕費用も捻出しにくくなることから、修繕も解体もできずに、ただ朽ち果てていくだけの「廃虚マンション」の出現可能性が社会問題として浮かび上がりそうだ。
 全国のマンションストック総数は2017年末時点で約644.1万戸。マンションの居住人口は約1590万人と推計される。これは、日本の総人口1億2652万人(2018年6月1日現在の概算値)の12.6%にあたり、国民のおよそ8人に1人がマンションに住んでいることになる。東京都の全人口1382万人(2018年5月現在)より208万人も多い水準だ。
 マンションストック総数のうち、築30年以上のマンションは、およそ184.9万戸あるが、うち40%にあたる72.9万戸は築40年以上。これが2022年には128.7万戸、2027年には184.9万戸、2034年には351.9万戸と激増していく。簡単に言えば、マンションの築年数分布は、我が国の人口ピラミッド同様、高齢マンションが極端に多い構図となっているわけだ。
 新築マンションに入居すると、住民が管理組合を結成する。入居から当面の間は、管理組合役員に自ら立候補して管理組合の運営に主体的に関わるなど、住民の意欲も高いことが多いが、年月がたって区分所有者の高齢化、賃貸化、空室化などが進行するにつれて、徐々に管理組合の理事のなり手不足、修繕積立金の収支悪化、大規模修繕や建て替えなどの意思決定ができないなどといった機能不全が見られるようになりがちだ。国はこうした「管理不全マンション」が今後、さらに増加していくことを懸念している。
住民の高齢化と賃貸化が
マンションを廃虚にする
「マンションの再生手法及び合意形成に係る調査」(国土交通省)のアンケートによれば、高経年マンションほど空き家化、賃貸化、高齢化が進み、自己居住率(持ち主自らが住んでいる住戸の割合)が低下するといったマンションの姿が浮かび上がる。
 築40年を超えたマンションでは、自己居住しているのは全体の75.6%にすぎず、その居住者のうち21.7%が75歳以上。つまり、築40年になると、持ち主の4人に3人しかそこには居住しておらず、その居住者も4人に1人は75歳以上となっているのだ。75歳未満でそこに居住しているアクティブ層は全体の59.2%と、半分強しかいない。
 同アンケートでは、高経年マンションほど管理組合総会決議の投票率が低下し、所有者不明の発生する割合が高くなること、また、所有者不明のケースでは、所有者の相続未完了や連絡が全く取れないなどで本人確認に苦労していることがわかる。賃貸率が20%を超えると、管理組合総会での大規模修繕の可否などを取り決める、総会での普通決議の投票率が極端に低下することも報告されている。
 住民の高齢化が進めば、大規模修繕のための修繕積立金の値上げや一時金も徴収が難しくなっていく。多くが定期収入のない年金生活者であることや、高齢であることから長い将来を見通せなくなっているからだ。
 また、賃貸化が進むことも、管理を難しくする大きな要因である。「平成25年マンション総合調査」(国土交通省)によれば、マンション全体の賃貸割合は13.7%、空室率は2.4%にすぎないが、経年により賃貸割合は高まり、築40年を超えると賃貸率は20%を超え、空室率は26.3%に上る。
 賃貸化が進めば、所有者がそこに住まなくなる分、マンション管理への意識は希薄化する。そもそも外部居住者は理事になれないといった管理規約を設けているところも多い。
 国土交通省が2016年から2017年にかけて、管理組合に対して行った調査(「マンションの再生手法及び合意形成に係る調査」)によると、「連絡先不通・所有者不明」の部屋があるマンションは全体の13.6%。連絡先不通・所有者不明物件のあるマンションの内訳は、築40年以上が29%、築30年以上40年未満が24%と、高経年マンションが多数を占める。
 所有者と連絡が取れない部屋が増えると「管理費・修繕積立金が徴収できない」「管理が行われないことで劣化が早まり周囲に悪影響を及ぼす」「多数決による総会決議が困難になる」など、マンション管理に様々な支障をきたす。同調査では、今後は建て替え決議などの成立が困難になっていくと回答した人の割合は70%に達している。
タワーマンションの修繕は
さらに難題が山積み
 横浜市立大学の齊藤広子教授は「マンションの空き家率は10%未満なら管理組合の対応で何とか問題を表面化しないで進められるが、10%を超えると日常的に管理組合運営が困難となり、20%を超えると長期的な展望も、それに向けた取り組みも難しくなり、負のスパイラルに陥りやすくなる。さらに空き家化が大幅に進むとエレベーターが止まり、ガス・電気・水道も止まり、居住が困難となり、自力での再生は難しくなる」と警鐘を鳴らしている。
 国交省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」によれば、建物の階数や規模などによりばらつきはあるものの、15階建て・5000平方メートル未満のマンションの場合、専有面積平方メートルあたり218円を、修繕積立金の平均的な目安としている。5000〜1万平方メートル未満なら202円、1万平方メートル以上なら178円程度が目安となる。ざっと平方メートルあたり200円として計算すると、例えば70平方メートルのマンションなら適正な毎月修繕積立金額は1万4000円。この水準の積立金を入居直後から続けていれば、おおむね問題ないでしょうというわけだ。
 しかしこの水準も、消費増税は織り込んでいないほか、昨今高騰している建築費水準も計算には入れていない。大規模修繕費用は金融機関からの借り入れを伴うケースも多いが、やがては現行の金利水準も切り上がるだろう。大半のマンションは、こうした条件を十分に勘案した積み立てができていない。それらは廃虚予備軍と言っていいだろう。
 ましてやタワーマンションは、足場を組んで外壁の修繕が行えないため、ゴンドラなどによる高所作業だ。一般的なマンションに比して作業性は落ち、基本的に風速10メートルを超えると作業は中止となる。従って、工期は長めで非常にコスト高なのだ。
 加えてタワーマンションは、エレベーターや階段など共用部分の面積比が大きく、コンシェルジュサービスやラウンジ、スポーツジムなどのサービスもあるから、管理費もただでさえ高め。所有者にとっては二重苦である。
 とあるタワーマンションの大規模修繕は2年10ヵ月かかり、総額は6億円以上だった。また、設置されている高速エレベーターなどの設備は、世界に1つしかない特注品で非常に高額であることが多く、相見積もりが取れず、修繕や交換には莫大なコストがかかる。そもそもエレベーターや情報通信機器など技術進化の激しい分野では、30年前と同じスペックのエレベーターに交換するとは考えにくく、コストは想定よりアップする可能性が高い。
 そうなると建物がどんどん劣化していくのに必要な修繕もままならず、建物が朽ちていくのを見届けるしかないといった「タワーマンションの廃虚化」が進むだろう。
 もちろん、そうならないためにきっちり対策をしている優良マンションもある。都心湾岸地区や武蔵小杉に林立するタワーマンション群では、持続可能なマンションと、廃虚となっていくマンションの二極化が始まるのだ。

https://diamond.jp/articles/-/180763?


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2. 2018年9月28日 14:34:38 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1578] 報告
都心再開発の主役「大型オフィスビル」の新潮流とは
渋谷、八重洲・・・不動産は「ソフト」の時代を迎える
2018.9.28(金) 曽我部 健
新たなエコシステムを作り上げようとする八重洲(写真:マリンプレスジャパン/アフロ)
 都心で進む再開発。2020年東京五輪はその大きな要因とされた。しかし、2020年と関係なく、再開発には新しい流れができつつある。ソフトの時代だ。
これからの不動産のあり方をニッセイ基礎研究所・金融研究部准主任研究員の佐久間誠氏に聞いた。(取材・文/曽我部 健)

オフィスビル需要に隠された新潮流
 「再開発」は不動産業界の一大トピックスだ。業界全体の好景気を支えたといえるが、一方で都心オフィスビルの供給過多を心配する声は多かった。ただ当面その予想は外れたと言えそうだ。三幸エステートの調査によると、丸ビルに代表される大規模でスペックの高いAクラスビルの空室率は1.2%(2018年2Q)。この数字はオフィス需要が堅調であることを示している。

 佐久間氏はこの状況をこう分析する。

「背景にあるのは、活況なIT産業のオフィス拡張意欲が高いこと、そしてより魅力的な「場所」を働き手に提供しなければ優秀な人材が確保できないことがあります」

 どういうことか。

「従来の製造業を中心とした産業構造では『売り上げを伸ばすこと=工場を増やすこと』でした。企業は工場を作り、この工場を効率化することが重要だった。しかし、経済の中心となりつつあるIT産業において生産現場となるのは工場ではなく、オフィスです。事業を拡大するにはシステムエンジニアの数を増やす必要があり、それにはオフィスを増やさなければなりません。また、オフィス環境が快適で、さらにそのオフィスが通勤しやすい利便性の高い場所、ステイタスのある場所にあれば、企業は人材確保もしやすくなります」

 デジタル化による産業構造の急速な変化の中で、生産現場が「工場」ではなく「オフィス」へと変わっていく。それも、ただ働く場所としてのオフィスではなく、付加価値を作るオフィスだ。

「作業するためだけであれば、スペースさえあればよかったかもしれません。しかし、求められる仕事がクリエイティブを伴うのであれば、これまでのオフィスとは違う形だよね、という意識が根底にあると思います」

 とはいえ、昨今の働き方の変化は「場所」を問わないようにも見える。

「SNSを中心に、デジタルな世界でのコミュニティやネットワークが拡大していますが、最近はその反動としてリアルなコミュニティの重要性が再認識され始めています」

 おもに管理し、作業する場だったオフィスが、クリエイティブな場所へと変わり、そのクリエイティビティを高めるための「リアル」な要素を兼ね備える必要がある――。いわば「ハード」の価値だけではなく「ソフト」面の価値を訴求すること。

 オフィスビル需要にはこうした今までにない「価値」が反映されているのである。

 その象徴として起きているのが「ワンフロアが大きいほうが交流しやすく、社内のコミュニティを育みやすい」という流れだ。企業の集積が進むビジネスエリアであれば、社外とのコミュニティを醸成することもできる。

「再開発が進む渋谷が好例です。米グーグル日本法人は、2019年に六本木から渋谷ストリームに移転しますが、貸室面積1.4万坪のオフィスフロアを一括賃借します。人員増を視野に入れ、現在の実に2倍以上の社員を収容できるスペースになる予定です」

「大手町ビルヂング」に注目が集まる理由
 この変化は新築の大きなビルにとどまらない。

 佐久間氏が「注目のモデルケース」として挙げるのが、日本経済の中心地・丸の内の「大手町ビルヂング」である。

 大手町ビルは、三菱地所が本社にしてきた低層・横長のレトロなビルだ。

 竣工したのは1958年なので、築60年である。再開発ブームの中、三菱地所は「大手町ビルヂング」を取り壊して再開発するのではなく、リノベーションして活用しようとしている。

「大手町ビルに入居するのは、トヨタ自動車の自動運転を支える通信技術やインターフェイスなどを開発する部門などの先端企業やコワーキングスペースです。従来の丸の内は金融機関など大企業の本社、法律事務所、会計事務所など、賃料負担力の高い業種や企業が多かった。そうすると多様性や活気という点でほかの地域に劣ってしまいます。加えて、建物自体もスクラップアンドビルドすることが多かった。大手町ビルヂングは築古の物件をリノベし、賃料を抑えることで、多様な企業や人を呼び込もうとしている。丸の内にエコシステムを創造しようという、非常に画期的で新しい試みです」

 こうした例は先進企業の多いニューヨークでもよく見られるもの。まさに「ハードよりもソフトが重要」ということを象徴しているケースといえる。

 このソフトとは「人が集まる仕組み」と言い換えてもいい。例えば、東京駅周辺は丸ビルができたことにより大きく変わった。さらに日本橋口前も開発中の「東京駅前常盤橋プロジェクト」によって変わっていくだろう。

再開発が進む都心部の未来予想
 ではこれからの「再開発」はどうなっていくのだろうか。佐久間氏は2020年以降についてこう予測する。

「丸ビルに代表されるAクラスビルの賃料は、2019年後半にピークを迎え、以降2022年前半まで下落に転じることが予想されます。理由は18年?20年に多くのビルが竣工して供給過多になり、また、19年10月に予定される消費税増税により景気が一時的に落ち込むと予想されるため。しかし、大規模ビルは21?22年に落ち着いたのち、23?24年以降にまた大きな供給が始まります。今後も虎ノ門、八重洲、常盤橋などに大きなビルが誕生し、大規模ビルの供給は続いていくでしょう」

 こうした状況は、例えば企業のCRE戦略などに大きな影響を与えていくだろう。

「企業が不動産を所有しておくだけ、というのは右肩上がりの時代、または変化の少ない時代だからこそできたことなんです。各企業は『今後変化が起こる』ということを認識する必要があります。その時代の変化に対し、差別化が難しいコモディティ化した不動産で対応するには、ハード(箱)ではなくソフト面で価値を高める必要があるということ。『オフィス=働く場所』『ホテル=寝る場所』ではなく、もう一歩踏み込んだ価値を提供しなければならない時代に入ってきているのです」

 ハードからソフトへの収益構造の移行は、パソコンの例を見てもよくわかるはずだ。活発な再開発が示すのはソフトの時代という事実なのである。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54226


 


配信日:2018年9月27日アイビー総研株式会社 関 大介氏が、J-REIT投資の考え方について、解説いたします。
第149回 新規上場銘柄への投資について【J-REIT投資の考え方】
1.新規上場の動きが続く背景と市場の評価
7月末に公表された日銀の政策変更が微調整であったことも影響し、J-REIT価格は安定的な推移を続けている。東証REIT指数は、9月下旬の時点で昨年末より50ポイント程度高い1,750ポイント前後での推移を続けている。
このような順調な市況を背景にJ-REIT市場への参入を目指す動きが続いている。8月だけでも投資家向けアパート販売のシノケングループ(以下、シノケン社)は8月8日に投資法人(仮称シノケンリート投資法人)の設立を目指すことを公表した。シノケン社は個人向けのアパート販売及び管理受託を行っているが、投資法人との物件競合を避けるために1億円程度の物件は従来通り個人投資家に販売し、その規模を超える物件を投資法人に売却するとしている。まずは70億円程度で上場前REIT(※1)を組成し、300億円規模での東証上場を目指す方針を示している。
また、8月24日にマンション分譲の日本エスコン(以下、日本エスコン社)は既に設立し110億円の資産規模になっている上場前REIT(※1)の「エスコンジャパンリート投資法人」に対して、さらに7物件を売却することを公表した。投資法人への売却価格及び時期は決定していないが、日本エスコン社の売却予定7物件の簿価は64億円強になるとしていることから、投資法人の資産規模は200億円に近づくものと考えられる。
J-REITの組成はスポンサー企業にとっては、安定的な売却先となるという大きなメリットがある。さらに売却物件の管理や資産運用会社を通じた運営報酬という安定的な収益源を確保できる「事業」という側面もある。特に一般顧客を対象とする不動産販売が事業のメインとなっている企業にとってメリットが大きいため、企業価値を上げるために取る必然的な選択肢と言える。
ただし、資本市場における新規上場銘柄に対する評価は厳しい。上場時の価格動向は市場の影響を受けることになるが、直近5年の動向を見ると2015年以降は初値が公募価格を下回る事例が増えている。2018年は9月に上場した伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人(証券コード3493)も含め、9月まで上場の4銘柄全ての初値が公募価格を下回る結果となった(図表1参照)。

2.価格低迷の背景と投資スタンス
新規上場銘柄の価格が低迷する背景には、主要な投資用途の違いがあったとしても不動産賃貸業という他銘柄と差別化しにくいというJ-REITの特徴がある。さらに不動産価格が高騰している中での上場となっているため、他銘柄の多くが潤沢な含み益を持つ中で新規上場銘柄は投資家を引きつけなければならない。
加えて不動産価格の高騰は2013年頃から指摘されていたが、日銀が追加緩和策を打ち出すことでJ-REIT価格が上昇し結果的にプレミアム増資が可能な状況となっていた。新規上場銘柄であっても既存銘柄と同様に高い価格で増資が可能になることで1口当たり分配金が増加し、価格上昇が続くというプラスのスパイラル(循環)が結果的に成立していた。
しかし、今後は日銀の金融緩和策が長期化したとしても、J-REIT価格が大幅に上昇するような政策が打ち出される可能性が極めて低い。つまり今後の上場銘柄は、分配金が大幅に上昇するようなプレミアム増資は期待できないと考えられる。プレミアム増資の実現が難しい状況に加え、不動産価格の高騰の影響で上場後に取得する物件の取得利回りは既存ポートフォリオを下回る可能性も高くなっている。安易に物件取得を続ける銘柄では、分配金が減少するリスクさえ投資家は考慮する必要性がありそうだ。
リーマンショック前にも、マンション分譲会社を中心に新規銘柄が一気に増加するという動きは見られた。その頃とは異なり、スポンサー企業が破綻してもJ-REIT同士の合併が可能になったという点では投資リスクは少なくなっている。しかし投資家としては、上場後の価格動向を見極めた上で投資を行っても「乗り遅れる」という事態にはならないだろう。唯一、新規上場銘柄で価格上昇期待があるとすれば、これまでにない投資用途の銘柄が登場する時と考えられる。
※1:シノケン社・日本エスコン社ともに「私募REIT」とプレスリリースでは記載しているが、既にJ-REIT市場には上場を志向しないオープンエンド型の私募REITが存在している。この2社は投資法人の上場を目指しているため、本稿では上場前REITと標記している。
※2:2018年9月時点で上場している銘柄を対象としている。
コラム執筆:アイビー総研株式会社 関 大介
<本内容は、筆者の見解でありアイビー総研株式会社及びJAPAN-REIT.COMを代表したものではありません。個別銘柄に関する記載がある場合は、その銘柄の情報提供を目的としており、お取引の推奨及び勧誘を行うものではありません。また執筆時点の情報を基に記載しております。>
次の記事「第148回 物流系銘柄の価格低迷要因について【J-REIT投資の考え方】」
https://info.monex.co.jp/lounge/approachjreit/2018/09/27-033203.html


[18初期非表示理由]:担当:要点がまとまってない長文orスレ違いの長文多数により全部処理

3. 2018年9月28日 19:06:42 : iHxdjNnDoE : n@HzeCuCX3s[6] 報告
暴落の リスク怖くて 下げさせず

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