http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/496.html
Tweet |
老後資金を「貯める」前に知っておくべき、2つの大事なおカネの話 貯金がすべてではなかった
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57454
2018.09.17 川部 紀子 ファイナンシャルプランナー 社会保険労務士 現代ビジネス
退職までにいくら貯めればよいのか? 『まだ間に合う 老後資金4000万円をつくる! お金の貯め方・増やし方』の著者で、ファイナンシャル・プランナー、社会保険労務士の川部紀子氏によれば、標準的な夫婦の老後資金は「4000万円」だという。「そんなに貯められない!」と思った方も多いだろう。しかし、大事なことを忘れてはいないだろうか。退職金、そして遺産の存在だ。意外と忘れがちなのに重要なこの2つについて、川部氏が語った。
老後資金の強い味方「退職金」
老後資金は、「死ぬまでにかかるお金−もらえる年金=不足額」で計算できます。
もしかしたら単純に「この不足額を貯めなくてはいけないのか……」と思われたかもしれません。でもそうではありません。必ずしも、「貯める」という方法だけがすべてではないのです。
会社員の方がまず確認すべきは、退職給付制度、いわゆる「退職金」です。
私が退職金額について質問すると、ほとんどの人は答えられません。「退職金なんてないんじゃないの?」という声すら聞きます。
しかし私は、退職金を当てにしないでひたすら貯めるのが素晴らしいとはまったく思いません。そもそも、制度としてしっかり用意されている退職金を見込まないで老後資金を用意するのは至難のわざです。
退職金はゼロでも法律上は問題ありませんので、そういう会社ももちろんありますが、新卒から定年退職まで勤め上げれば3000万円以上という会社も存在しています。
次のデータからも、自分の退職金を確認すべきと感じるはずです。
「平成25年就労条件総合調査結果の概況」(厚生労働省)によると、退職給付制度がある企業が75.5%です。従業員数1000人以上規模の企業では実に93.6%が退職金制度「有り」が実態です。
同じ調査で、退職金の額も発表されています。それによると、最も多い大学卒(管理・事務・技術職)で2156万円、高校卒(管理・事務・技術職)で1965万円、高校卒(現業職)で1484万円となっています。
中小企業でも、69.8%の会社が退職金制度「有り」というデータがあります(2016年12月、東京都産業労働局労働相談情報センター「中小企業の賃金・退職金事情 平成28年版」、従業員10〜300人未満の都内の中小企業対象)。
その額は、大学卒で1128.9万円、高専・短大卒で1030.5万円、高校卒で1082.9万円となっています。
退職給付制度「有り」の場合、これだけの権利があるということです。この金額を無視して人生設計するのもどうかと思います。
退職金水準の高い会社であれば、老後資金をやみくもに貯める必要がないばかりか、極度の不安から解放されることにもつながります。
軽い気持ちで申し込んだ社内の貯蓄制度と退職金だけで老後資金をクリアできてしまいそう、という人も実は山ほどいます。
夫婦の退職金を合わせると、離婚さえしなければクリアという方も存在します。
その場合、お金をもっと自由に使うことができるわけですから、自分や家族や世の中のために、今までよりものびのびと趣味などにお金を使う計画を立てることができます。
逆に退職金がゼロだった場合は、退職金の多い人達とは違う作戦を立てなければ、と新たな自覚をしっかり持つようにしましょう。
いくらもらえるか把握している?
退職金のある会社には通常「退職金規程」というものがあり、一定規模以上の会社であれば規程を国に届け出しています。
その場合、よほどの理由がない限り会社が勝手に退職金をゼロに変更したり、大きく減らしたりするのは難しいのです。
そのため、制度変更を伴いながらも、過去の退職金水準を確保できるような仕組みが整っている会社が大半です。
ですから、まずは退職金の有無と金額を確認しましょう。老後資金を真剣に考えるには、まずはそれなしには始まらないと言えるほどです。
退職金は、退職時に一括で受け取ることとなる「退職一時金」だけでなく、「企業年金」(確定給付企業年金、確定拠出年金など)といった複数の制度を組み合わせて構成されている場合も多々あります。退職給付制度は何本建てで、トータルでいくらになるのか確認することが重要です。
例えば、退職金総額が2000万円だとして、そのうち退職一時金が1000万円、確定給付企業年金が600万円、確定拠出年金が400万円、といった具合です。
退職金は、何年働いたら一律いくらという分かりやすい会社もありますが、勤続年数、ポイント(職能、社内評価、役職、資格など)等で計算する会社も多く、規程を見ると複雑に感じるかもしれません。
でも、一般的な会社では、退職金を設計した際に「モデルケースの退職金額」を想定しています。22歳入社、60歳定年退職で2000万円などというイメージです。
このモデルイメージなしで会社が退職金を設計することはありませんので、担当部署に確認してみると良いでしょう。
ただし、制度の中に確定拠出年金が含まれている場合は、注意が必要です。なぜなら、「◯%で運用できた場合に60歳時点でモデルケースの金額達成」というように想定利回りを織り込んで制度がつくられている場合があるからです。
その場合は、想定利回りに達しないとモデルケースの退職金を下回ってしまうことになります。
もちろん、想定利回り以上の運用成績であれば、老後資金づくりに大きな貢献を果たす最強の制度ともなり得るので「注意」と書いたのは、必ずしも悪い意味ではありません。
「遺産」の話し合いはお早めに
あなたは、親御さんの懐具合や財産の状況を把握していますか?
親の資産を期待しないどころか、当てにしないことこそが美徳と考えている方々も多くいます。しかし、遺産はある程度人生設計に組み込んでおいていいのです。
当てにしていなかったとしても、いつかは必ず自分のところに入ってくるお金です。親と話をして、早めに把握した上で計画に組み込んでおくほうが、無駄なく合理的に貯めていくことができます。
また、親が一定額を以上を遺して亡くなった場合、自分に相続税の負担が発生する場合もあります。早めにその対策を講じることができるメリットもあります。
もちろん、親のお金は、まずは親自身のお金なので、あまり早い段階で話す必要はありません。一方の親が亡くなった後などのタイミングで話し合っておくと良いでしょう。
というのも、親世代は案外お金を持っている可能性が高いのです。
日本中の個人金融資産残高は記録更新を続け、1800兆円を超えました。大き過ぎてピンとこない数字ですが、日本の20歳以上の人数(約1億人)で単純に割ってみると、1人あたり1800万円にもなります。
一方で、貯蓄ゼロ世帯が3割というデータもありますし、現役世代で1人1800万円も持っている人は多くありません。
つまり、このお金は高齢者と一部の富裕層のところに集中しているということです。実際に、全体の約7割の金融資産は60歳以上が保有しているのです。
それでも、慎重で貯め込みがちな親世代は、「うちにはそんなにお金はないわ」などと子供には伝えていたりします。
その上、昔よりも子供が少ないので、将来子供のいないおじやおばからの遺産が入ってくる人もいるでしょう。
今後は多くのお金を持っている世代が亡くなっていくので、その遺産を相続して、いきなり大逆転する人が出てくると見ています。自分はどうなのか、きちんと知った上で計画を立てていくと効率的です。
一方で「老後破綻」という言葉も聞くようになりましたし、生活保護の高齢者も増えています。その場合も問題がありますので、いずれにせよ、親の状況はしっかり把握しておいたほうが良いでしょう。
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民128掲示板 次へ 前へ
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民128掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。