http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/429.html
Tweet |
勤続66年、84歳で現役も 老舗企業に学ぶ高齢化社会の幸せ経営
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180910-00000059-sasahi-life
AERA dot. 9/11(火) 16:00配信 AERA 2018年9月17日号より抜粋
【一生元気一生現役】西島/最年長の兵藤勝哉さんに教わる23歳の福原幹さんは「知識も技術も持つ尊敬できる先輩。兵藤さんを見ていると自分もモチベーションが上がります」(撮影/写真部・小山幸佑)
【やってみなはれ、変えてみなはれ】サントリー/人事部フロアにある打ち合わせスペース。創業1899年、従業員3万7745人と日本を代表する企業でも「体をリラックスさせ、柔軟なアイデアが出やすいように」と、社員の発案でつり革を設置(撮影/片山菜緒子)
「働き方改革」の名のもとに様々な施策が行われている昨今。新しい働き方というと、ベンチャーなど若手の多い会社で実践されている印象があるが、実は老舗企業でも、社員の幸福度が高い例はある。
高齢化社会における幸せ経営のヒントが詰まっているのが専用工作機械メーカーの西島だ。同社には定年がない。自分から「引退したい」と言わない限り働き続けることができる。親子ほど年の離れた同僚は一般的だが、ここでは60歳も年の離れた社員が一緒に働く。140人の従業員のうち24人が60歳以上だ。
西島では60歳以上であっても週5日、午前8時から午後5時までのフルタイム勤務だ。週2、3日などの勤務を認めていないのは、刻一刻変わる現場作業についていけなくなるから。若者もベテランも同一のフェアな環境で、社員は生涯をかけて技術を磨いていく。
1924年の創業時から定年を設けていなかったが、積極的に「定年なし」とうたうようになったのは95 年頃。バブル崩壊で仕事が激減した時期に、渥美半島の名産「電照菊」の出荷作業の自動化を相談された。太さの違う茎を傷めずにつかんで選別し、箱詰めする技術は、鉄やアルミとは違う難しさがあったが、その難局を打破したのがベテラン技術者だった。
最年長社員は84歳の兵藤勝哉さん。16歳で入社し勤続66年。工作機械の心臓部である主軸組み立てのスペシャリストだ。
「モノづくりがやりたくて入社して、ここまで働き続けられて本当に幸せなことだと思います」
自分がかかわった部品が使われた車を見ると、誇らしくなる。
兵藤さんはこの夏、西島豊社長(39)に今年いっぱいで引退することを伝えた。
「体力も能力も衰えてきたのを感じます。この仕事が大好きだからこそ、引退を決めました」
同社は経営理念にある「一生元気 一生現役」で働き続けてもらうため、健康診断の項目を増やし、昼食は社員食堂で減塩メニューを提供。食堂で働くのも84歳の社員、安形朝子さんだ。敷地内にある畑で取れた野菜を使った手作りの味噌汁や漬物が好評だ。西島社長は言う。
「自分が必要とされ、働き続けたいという前向きな思いを持つ大先輩の背中から、私たちが得るものはとても大きい」
前野教授によれば、働き方改革で行き詰まる企業に多いのが、一律に残業削減を押し付け、幸福度が下がっているパターン。その罠からの脱却に成功しているのがサントリーだ。同社は長年、社員の残業削減に頭を悩ませてきた。06年からの10年間で削減できた社員1人あたりの年間総労働時間は約30時間。ところが直近のわずか2年で、70時間超も減らせた。
変化の起点は、部署ごとの「独自性」に着目したことだ。昨年、各部署の課長クラスの約400人を「働き方改革推進リーダー」に任命。自由に働き方を変えられる裁量権を持たせた結果、その部署に今いちばん必要な見直しが一気に進んだという。そこにたどり着くまでには「手痛い失敗もあった」と、人事部の竹舛啓介さん(38)は語る。
「数年前、働き方を見直すために外部コンサルの協力も得て、詳細な労働改善マニュアルを作ったんです。自信作でしたが、結果はどの部署からも『うちじゃ使えない』と見向きもされなくて……。大事なのは“自発性”だと気付かされました」
現在、取り組んでいる「TOO(隣のおせっかいおじさん・おばさん)」というユニークな活動も、もとは3人のシニア社員が自発的に始めたもの。
「『自分にできることは何か』と考えたシニア社員が、仕事で悩む社員に声をかけ、相談に乗るようになったんです。トップから新人まで、縦断的にアドバイスできるのは、経験豊富なシニア社員だけ。とても心強いです」(竹舛さん)
同社は、こうした現場ならではの知識や活動を「変えてみなはれ」という社内専用サイトに集約、全員で共有できるようにしている。いわば、働き方の工夫の集合知だ。
さらに、サイトに投稿されたアイデアや取り組み例に対してつけられた「いいね!」の数に応じて、会社が各部署にインセンティブを支払う「ピアボーナス制度」も近々導入予定だ。
「上から評価するのではなく、全員が『これいいね!』ってたたえ合う風土ができれば組織は変わっていくと思います」(同)
上から押しつけられても幸せにはなれない。仲間と関係を密にし自分を受け入れてもらう。ベテランには知恵を借りる。社員一人ひとりが、そしてチームが自ら進んで動けるようにすることが、幸福につながっていく。(編集部・石臥薫子、深澤友紀、ライター・澤田憲)
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民128掲示板 次へ 前へ
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民128掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。