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顧客から集めた資金、家賃保証に 安易な不動産戦略の大きな問題点
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180911-00000501-fsi-bus_all
SankeiBiz 9/11(火) 10:30配信
静岡県沼津市のスルガ銀行本店
女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」破綻に端を発したスルガ銀行の不正が大きな社会問題になっている。さらに、東証1部の不動産会社「TATERU(タテル)」でも、預金残高データの改竄(かいざん)や市価の3倍近い価格で物件を販売していたことが発覚。土地活用とアパートローン、提携ローンを行ってきた他の銀行にも問題が波及する可能性が高い。(経済評論家・渡辺哲也)
金融庁は2016年から金融機関のアパートローンの急増に対し監視を強化しており、地方銀行などに強い警告を出していた。しかし、一部の地銀などはそれに従わず、積極的な融資を続けていたのだ。これには地銀の厳しい懐事情も絡んでくる。バブルの反省から企業や個人が借り入れに依存しなくなり、さらに低金利により利ざやを稼げなくなってしまったのだ。そこで容易に金利を稼げる提携ローンを拡大させていったのである。
基本的にアパートローンは、不動産会社による家賃保証とサブリースがセットであり、大家や銀行からすれば安定した収益モデルにみえる。だが、ここには大きな問題がある。不動産会社が破綻した場合、家賃保証とサブリースが無意味になってしまうのである。実際にかぼちゃの馬車でこれが起きた。
通常、銀行のローン審査は周辺の不動産相場や家賃相場を参考にして、それが適正な融資であるか判断する。そうしなければ、担保資産の担保評価割れが起きてしまうからである。長期の家賃保証とサブリースがセットであれば、これを簡易化できる。これが不正の温床になってしまったと思われる。
不動産会社は、不動産をできるだけ高く顧客に売りたい。このため、家賃設定をできるだけ高くし、それが継続可能なビジネスモデルであるかのように見せかけたのだ。
その意味では、同様の物件が少なく周辺家賃と比較が難しい女性専用シェアハウスというのは良い材料になったのだと思われる。周辺に比べ著しく高い家賃の物件に入居者が集まるわけもなく、顧客から集めた資金を家賃保証に充てることになり、結果的に破綻したのであった。
この問題の根底には日本の不動産担保ローン全体の仕組みの問題も絡んでくる。海外では事業用ローンはノンリコースが中心で、ローン残高が不動産評価を上回った場合、担保不動産を銀行に差し出せば残債は残らない仕組みになっている。このため、リスクは銀行持ちであり、これがリーマン・ショックの原因にもなったが、同時に適正な担保評価を行う要因でもある。
それに対して、日本の不動産担保ローンはリコースローンが中心で、担保を銀行に提供しても、その差額は顧客の債務として残ってしまう。これが不適正な融資が横行する要因なのだ。多額の資産を持ってさえいれば、事業計画の採算モデルが成立していなくても金を貸す、いざという場合、個人の資産で賄わせることができるからだ。
これでは何のために銀行があるのか分からない。本来、銀行はローン審査により大切な預金と融資先を守る責務があり、顧客を食い物にする今の在り方は銀行そのものの存在意義を失わせるものだ。
顧客の立場から見れば、預金しても金利を払わず、まともに金を貸さない、金を貸せない銀行などいらないのである。
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【プロフィル】渡辺哲也
わたなべ・てつや 経済評論家。日大法卒。貿易会社に勤務した後、独立。複数の企業運営などに携わる。著書は『突き破る日本経済』など多数。48歳。愛知県出身。
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