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単独で赤字確実な事業は国を通せば止められる。JRが勝手にやる事にしておけば「自己資金なのになぜ反対するんだもん?」みたいにボケ通し、忘れたころに「財投」で支援できる。
二枚舌と見える無理筋な計画は、アベノミックス崩壊を目の前にした政権とJRの悪あがきに見える。
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「陸のコンコルド」、リニア新幹線の真実 9兆円をつぎ込む超高速列車の行く末
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/081500232/082400010/
金田 信一郎金田 信一郎
藤中 潤
2018年8月30日(木)
9兆円を投じるリニア新幹線プロジェクトがついに離陸した。町をなぎ倒し、超高速列車はどこに向かうのか──。
日経ビジネス2018年8月20日号より転載
https://cdn-business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/081500232/082400010/p1.jpg?__scale=w:500,h:292&_sh=0280600a90
(写真=Etienne DE MALGLAIVE/Getty Images)
リニア中央新幹線が走る各県に歓迎ムードが広がる中、1人、怒りが収まらない知事がいる。
「静岡県の6人に1人が塗炭の苦しみを味わうことになる。それを黙って見過ごすわけにはいかない」
静岡県知事の川勝平太は、そう東海旅客鉄道(JR東海)を批判する。
当初、川勝は「リニア推進派」だった。国土審議会の委員を務め、JR東海系の雑誌でコラムを担当したこともある。静岡を通過すると知って、いち早く南アルプスに登って視察した。
だが、計画が明らかになり、関係は暗転することになる。
●リニアの線路で「座り込み」
リニアは静岡県北部の山中を11kmにわたってトンネルで貫く。大井川の水源を横切るため、毎秒2トンの水量が減少するという。水道水として62万人が利用しているが、毎年のように水不足に悩まされ、昨年も渇水で90日近く取水制限をした。
JR東海はトンネル内で出た湧き水を、導水路を掘削して大井川に戻し、減量分の6割強を回復させるという。
「全量を戻してもらう。これは県民の生死に関わること」。そう言い切る川勝は、工事の着工を認めない。
・[画像]https://cdn-business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/081500232/082400010/p2.jpg?__scale=w:300,h:313&_sh=0820660560「立派な会社だから、まさか着工を強行することはないだろう」と話す静岡県知事の川勝平太
「もうルートを変えることも考えた方がいい。生態系の問題だから。水が止まったら、もう戻せません。そうなったら、おとなしい静岡の人たちがリニア新幹線の線路に座り込みますよ」
ルートを変える──。リニアを知り抜いた川勝は、それが不可能に近いと分かって発言しているに違いない。2014年に品川〜名古屋間を着工したが、27年の開通に向けてルート変更する余裕はない。
時速500kmで東京〜大阪間を1時間で走る。超高速ゆえに直線で走らなければ性能が発揮されない。今から障害物が見つかっても回避できない。
もちろん、カネと時間があれば、路線変更が可能かもしれない。だが、リニア計画に余裕は残されていない。すでに契約を結んだ工事に、開業1年前に完成するものもある。まだ契約していない区間も半分ほど残っている。
金銭面でも、止まって考える余裕がない。総工費9兆円で品川〜新大阪を結ぶ計画だが、名古屋までに5兆5000億円が投じられる。工事のピークには年間のリニア投資額が6000億円になる見通しで、名古屋まで開通した27年、JR東海の借金は5兆円に達する。もし1年延びれば、千億円単位で総工費が膨らむ危険がある。当然、開業で得られるはずの収入も入ってこない。
名古屋開通後、そのまま大阪への工事に突き進むことは財務的に難しい。そこで8年間はキャッシュフローを借金返済に充て、3兆円まで借金を減らし、再び大阪に向けて着工する。そのため、大阪開通は45年を計画する。ただ、後に解説するが、低金利の財政投融資で3兆円を調達できたため、最大で8年間の前倒しも視野に入れている。
しかし、1つの疑問が湧く。リニアが品川〜名古屋を40分で結んで、どれだけの人が利用するのか。現在、品川駅と名古屋駅で、地下深くにリニア駅の建設を進めている。
「新大阪に行く人が、途中の名古屋で乗り換えるケースは少ないだろう」。JR東海の幹部もそう認める。
[画像]https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/081500232/082400010/g1.jpg
●東海道新幹線も沈没する
では、名古屋開通後に、工事をストップしての体力回復は可能なのか。
実は10年、国土交通省の審議会でリニア計画の意見聴取に立った経済評論家の堺屋太一は、こう言っていた。
「名古屋で乗り換えて大阪は非現実的です。東京〜名古屋だけを造るのでは大赤字は確実。大阪まで一気に開通させる以外にない」と提言した。
だが、JR東海や推進派は、「あの発言は、大阪まで早くやれ、という意見だった」として、2段階に分けた工事計画の危険性を顧みようとしない。
さらに採算性を疑うのは、自ら「赤字事業」と認めた過去があるからだ。
13年、記者会見で社長(当時)の山田佳臣が、リニア計画は「絶対にペイしない」と答えた。だが、JRの経営陣は、「本人の意図と違う」と主張する。
「(リニア)単独のプロジェクトとして見たときには、5兆円のプロジェクトを回収するわけにはいかないですよと。やっぱり東海道新幹線と組み合わせて実現ができる」。副社長の宇野護はそう解説する。しかし、巨費を投じた超高速のサービスが赤字で、本当に全体の黒字化が達成できるのか。
「東海道新幹線だって客のほとんどが(リニアに)奪われるから収益が下がる。リニアがペイしなければ、両方沈没するんじゃないの」。立憲民主党でリニア問題を担当する衆院議員の初鹿明博はそう指摘する。
●「でっかいことはいいことだ」
では、なぜ巨費を投じて、JR東海はリニアという危険な挑戦に出るのか。
「東海道新幹線のバイパス」。経営陣から現場社員までそう答える。1987年に国鉄の分割民営化で東海道新幹線を軸としたJR東海が発足、その取締役に就任した葛西敬之(現名誉会長)がリニア担当となる。以降、一貫してこの考え方でリニア計画を推し進めてきた。
当初は、64年にスタートした東海道新幹線が、半世紀近く大規模改修していないことから、リニアというバイパスを造れば、新幹線を止めて工事できると説明していた。
ところが、JR東海の小牧研究施設で、土木担当者に聞くと、「今の修繕技術で、東海道新幹線は半永久的に使い続けられる」という。経営陣も「完全な取り換えはまずない」(宇野)と認める。5年ほど前に、その結論に行き着いたという。すでに大規模修繕工事を始めており、2022年度に終了する予定だ。では、なぜリニア計画をやめないのか。
「1本の糸にぶら下がったクモじゃないけど、やっぱり2本あることの強み」(宇野)だという。災害時のライフラインとしての重要性を主張する。「地下は地震の揺れに強い」(宇野)
だが、落とし穴もある。
「南アルプスをトンネルで貫通するが、そこには中央構造線断層帯や多くの活断層が走っている。ここに時速500kmの列車を走らせるべきではない」。南アルプスの地形や地層を調べ続ける大鹿村中央構造線博物館学芸員の河本和朗は、そう警鐘を鳴らす。
「そもそも、貨物列車がなくて、モノが運べないリニアは、災害時に役に立たない」。米アラバマ大学名誉教授の橋山禮治郎は、そう喝破する。
「でっかいことはいいこと、速いことはいいこと、という発想は時代遅れ」
橋山はかつて、日本開発銀行(現日本政策投資銀行)で調査部長を務めた経歴を持ち、世界の巨大プロジェクトの失敗を調査研究してきた。
「リニアはコンコルドと同じ」。コンコルドはスピードばかりを追求したが、コストが高く、騒音や排気ガスをまき散らした。赤字続きで技術改良もままならず、事故を起こして廃止された。
ちなみに、リニアの開発を日本と競っていたドイツは、中国・上海でリニア鉄道を実現しながら、08年に国がリニア撤退を決めた。コストが予定額を大きく超えることが分かったからだ。
●年間4200億円のコスト
翻って日本。
1962年、国鉄時代からリニアの開発がスタートし、73年には全国新幹線鉄道整備法で開発すべき路線として決定される。国鉄の分割民営化後、JR東海と鉄道総合技術研究所が開発を引き継ぎ、山梨県に実験線を建設する。ところが、地方の整備新幹線が優先され、リニアは「夢」と消えようとしていた。
そこに2007年、JR東海が「自己負担で建設する」とぶち上げる。
09年、JR東海は調査報告書を国に提出する。そこには、驚愕の数字が並ぶ。リニアの維持運営費は年3080億円、設備更新費は年1210億円、合わせて年4290億円がかかっていく。
だが、日本では高コストがさして問題にされなかった。10年、国交省の交通政策審議会に中央新幹線小委員会が設置され、委員長に東京大学大学院工学系研究科教授(当時)の家田仁が任命される。そして、翌11年、3・11の2カ月後、国は整備計画を決定する。
リニアにGOサインを出した家田に聞いた。9兆円もかけて、世界をリードする交通システムになるのか。
「なるかもしれないし、ならないかもしれない。東海道新幹線だって、最初は『世界の3バカ』と言われたわけでね。戦艦大和と万里の長城と。だから、分からないですわ」
続いてバイパス論が展開されていく。
「東海道新幹線を止めますなんて言ったら暴動が起きるわな。やっぱり一刻も早くリニアを造って、負荷を減らしていかないと。バックアップだから」
収入が15%増えるというJR東海の予測や、経済効果が年8700億円という試算は実現するのか。
「ぼくはそんなもの気にしてない。どうしても計算したいというからやったけど、真に受けていない」
財投で3兆円も借りて、本当に返せるのか。大阪まで完成するのは、最短でも約20年後のことだ。
「20年なんてあっという間ですよ。明日みたいなもの」
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■疑念はこれだけある リニアとスパコンの凄まじい闇<上><中><下>(日刊ゲンダイ)
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投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 12 月 21 日 18:50:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
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- 財投3兆円投入、リニアは第3の森加計問題 破格の安倍「お友達融資」を追う(地デジが追えないニュース?!) 戦争とはこういう物 2018/9/01 12:40:15
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