NY外為】ドルが下落、FRB議長の講演後に下げ幅拡大 米国株は上昇、S&P500種は最高値 Robert Fullem 2018年8月25日 5:19 JST 更新日時 2018年8月25日 6:13 JST ドルは一時111円11銭に下落、米国務長官の北朝鮮訪問の中止伝わり 漸進的な利上げが適切、経済過熱のリスクまだ高くない−パウエル氏 24日のニューヨーク外国為替市場ではドルが下落。経済成長とインフレに関するパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言や、中国金融当局が人民元の下支えに動く兆候を受け、ブルームバーグのドル指数は下げ幅を拡大した。 パウエル議長は講演で、インフレが2%超に加速する明確な兆候はないとし、インフレ期待が非常に大きく上昇ないし低下した場合、連邦公開市場委員会(FOMC)は「何でもやる」と述べた。一方、経済過熱のリスクはまだ高くないようだとし、漸進的な利上げが適切となる公算が大きいとの見方を示した。 ニューヨーク時間午後4時30分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.5%低下し、1週間ぶりの大幅な下げ。週間ベースでは0.6%下げた。ドルは対円で0.1%下げて1ドル=111円22銭、対ユーロでは0.7%安の1ユーロ=1.1623ドル。 予定されていたポンペオ国務長官の北朝鮮訪問をトランプ米大統領が中止したと伝わった後、ドルは円に対し一時1ドル=111円11銭で日中安値を付けた。訪問中止についてトランプ大統領は、朝鮮半島の非核化を目指した協議に「十分な進展」が見られないためだとした。 欧州時間の取引 パウエルFRB議長の講演を控え、ブルームバーグのドル指数が反落。オーストラリア・ドルは上昇し、米ドルに対しては一時0.6%高となった。オーストラリア与党自由党の党首選でモリソン財務相が勝利し、政治を巡る不安感が拭われた。 原題:Dollar Tumbles, Capping Worst Week Since Early July: Inside G-10(抜粋) Dollar Drops Before Powell as Aussie Shorts Unwound: Inside G-10 (第1段落を書き換え、4段落以降を追加して更新します.) 最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE 【米国株・国債・商品】S&P500種が最高値−FRB議長講演で Randall Jensen、Sarah Ponczek 2018年8月25日 5:36 JST 更新日時 2018年8月25日 6:14 JST 24日の米株式相場は上昇。S&P500種株価指数は1月に記録した従来の最高値を上回った。1月に高値を付けて以降、一時は大きく下げたが、景気拡大や企業の利益増加を手掛かりに相場は回復してきた。 米国株は上昇、S&P500種は最高値−FRB議長講演受け 米国債は上昇、10年債利回り2.81% NY原油は反発、週間では2カ月ぶりの上昇 NY金は5カ月で最大の上げ、FRB議長講演はハト派寄りとの見方 S&P500種は週間ベースで2週続伸。この日は米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が利上げペースを加速させる考えがないことを示唆したため値上がりした。一方でドルは下落した。パウエル議長は「力強い経済が継続するとみる十分な根拠がある」とし、「現在の漸進的な正常化プロセスは引き続き適切だと考える」と加えた。さらに、景気「過熱のリスクは高まっていないようだ」とも述べた。 S&P500種株価指数は前日比0.6%高の2874.69。ダウ工業株30種平均は133.37ドル(0.5%)上げて25790.35ドル。米国債市場では、ニューヨーク時間午後4時50分現在、10年債利回りが1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.81%。 ニューヨーク原油先物市場でウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は反発。週間では2カ月ぶりの上昇となった。北海の油田でのストライキや米国による対イラン制裁で供給が減少するとの懸念が広がった。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は89セント(1.3%)上昇の1バレル=68.72ドル。ロンドンICEの北海ブレント10月限は1.09ドル高い75.82ドル。 ニューヨーク金先物相場は上昇。5カ月で最大の上げとなった。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が、漸進的な利上げの維持を示唆したことが背景にある。ABNアムロの為替・金属ストラテジスト、ジョルジェット・ブーレ氏は電子メールで、「パウエル議長の講演はややハト派寄りと捉えられた」ことで金の妙味が高まったと指摘した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は1.6%高の1オンス=1213.30ドル。 フォート・ピット・キャピタル・グループのシニア・ポートフォリオ・マネジャー、キム・フォレスト氏はパウエル議長の講演について、「インフレと比較して、利上げに関しては軽く触れる程度にとどめる必要性があることをパウエル議長は理解しているようだ」と指摘。「グリーンスパン式の過度な引き締めに動くようには聞こえない。現在はインフレが恐らく最も重要な事項だということを理解している。だが景気回復、力強い成長を止めたくはない。パウエル議長は判断をデータに委ねるだろう」と加えた。 原題:Stocks Rise to Record, Dollar Falls on Dovish Fed: Markets Wrap(抜粋) Oil Rises on Supply Risks After Longest Losing Run Since 2015 Dovish Powell Read Gives Beleaguered Gold a New Lease on Life (市場関係者のコメントを追加し、更新します.)
米国株、ダウ反発し133ドル高 パウエル議長講演受け、利上げ加速の見方薄れる 2018/8/25 5:52 保存 共有 印刷 その他 【NQNニューヨーク=古江敦子】24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発した。前日比133ドル37セント(0.5%)高の2万5790ドル35セントで終えた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が24日午前の講演で、米経済の力強い成長が続くなかでも利上げペースを速めない姿勢を示唆した。投資家の買い安心感を誘い、幅広い銘柄が上昇した。 ニューヨーク証券取引所のトレーダー=ロイター 画像の拡大 ニューヨーク証券取引所のトレーダー=ロイター 24日は機関投資家の多くが運用指標にするS&P500種株価指数も3日ぶりに反発し、7カ月ぶりに過去最高値を更新した。 パウエル議長はカンザスシティー連銀が主催する経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で講演し、米経済の成長基調が続くなら「政策金利の一段の緩やかな引き上げが適切になりそうだ」と従来の方針を繰り返した。「物価が2%を超えて加速する明確な兆しは見えない」と、利上げペースを速める考えがないことも示唆した。 市場では、株式市場に投資資金が流入しやすい地合いが続くと受け止められた。長期金利上昇の観測がやや後退したことも米株の買い安心感につながった。 原油など国際商品相場の上昇を受け、化学のダウ・デュポンなど素材株、エクソンモービルやシェブロンなどの石油株が上げた。7月の米耐久財受注額の堅調さを受け米企業の設備投資の強さが意識され、建機のキャタピラーなどが上昇したことも相場を押し上げた。 ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前日比67.516ポイント(0.9%)高の7945.975と、7月25日に付けた過去最高値を約1カ月ぶりに更新した。アナリストが投資判断を引き上げたネットフリックスが大幅高。アルファベット(グーグル)も含め、主力ネット株が上昇した。インテルなど半導体株への買いも続き、指数を押し上げた。 無料・有料プランを選択 今すぐ登録 会員の方はこちら ログイン 保存 共有 印刷 その他 円、NY市場で小反発 1ドル=111円20〜30銭で終了 (2018/8/25 6:27) ロンドン株24日 反発 14ポイント高 資源株が高い (2018/8/25 0:52) NY原油が反発、イラン供給減の観測 金も反発 (2018/8/25 5:05) NY円、小反発 1ドル=111円20〜30銭で終了 FRB議長講演受け円買い優勢 2018/8/25 6:27 保存 共有 印刷 その他 【NQNニューヨーク=横内理恵】24日のニューヨーク外国為替市場で円相場は4営業日ぶりに小幅に反発し、前日比05銭円高・ドル安の1ドル=111円20〜30銭で取引を終えた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演で利上げを緩やかに進める姿勢を示し、対主要通貨でドルが売られたことが円を押し上げた。 カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウムで講演したパウエルFRB議長は「緩やかな利上げが適切」との主張を繰り返した。一方でインフレや景気過熱のリスクは小さいとの見解を示した。FRBが利上げを急がず、慎重に進めるとの見方から円買い・ドル売りが入った。 米長期金利の低下も日米金利差の拡大観測からの円買いを促した。対主要通貨で積み上がったドルの買い持ちを整理する動きが続いており、円の対ドル相場を押し上げた面もあった。 トランプ米大統領が来週予定されていたポンペオ米国務長官の訪朝を中止するよう求めたことが分かった。北朝鮮との非核化交渉に十分な進展がなく、貿易問題で対立する中国からの支援が得られなくなったことが背景だという。北朝鮮情勢や米中関係を巡る不透明感が、リスク回避目的の円買いを誘ったとの指摘もあった。 円は下げる場面もあった。日米欧の株式相場が上昇し、米株式市場ではナスダック総合株価指数やS&P500種株価指数が過去最高値を付けた。投資家のリスク選好が強まり、低金利で運用の際の調達通貨とされる円の重荷となった。 円の高値は111円10銭、安値は111円45銭だった。 円は対ユーロで4日続落し、前日比80銭円安・ユーロ高の1ユーロ=129円25〜35銭で取引を終えた。 ユーロは対ドルで反発し、前日比0.0085ドル高い1ユーロ=1.1615〜25ドルで終えた。パウエル議長が米景気に過熱リスクが小さいとの見方を示したことがユーロ買いを誘った。ユーロ売り・ドル買いの持ち高解消の動きも続いた。 ユーロの高値は1.1640ドル、安値は1.1582ドルだった。
「何でもする」FRBが支える株式相場 NQNニューヨーク 滝口朋史 北米 2018/8/25 5:23日本経済新聞 電子版 保存 共有 その他 「市場に優しい」米連邦準備理事会(FRB)への期待が米株式相場を支えた。24日の米株式相場は反発し、機関投資家の多くが運用指標に据えるS&P500種株価指数は過去最高値を7カ月ぶりに更新。FRBのパウエル議長が利上げを急がない姿勢を改めて示し、買い安心感を誘った。 「現在の緩やかな金利引き上げは双方のリスクに対応するものだ」。主要国の中央銀行の首脳らが集う国際シンポジウム(ジャクソンホール会議)… [有料会員限定] この記事は会員限定です。電子版に登録すると続きをお読みいただけます。 無料・有料プランを選択 今すぐ登録 会員の方はこちら ログイン NY株反発 S&P500とナスダックは最高値 (2018/8/25 5:52) FRB議長「物価過熱の兆候ない」利上げ打ち止め近づく (2018/8/24 23:00) 米強気相場、最長の9年半 緩和・減税・ITが支え (2018/8/24付) [有料会員限定] 中銀悩ます政策限界論 23日からジャクソンホール会議 (2018/8/23 14:33) [有料会員限定] 強気心理の行方握るFRBのリスク判断 (2018/8/23 6:38) [有料会員限定] FRB、金融緩和「新たな手法議論」 景気悪化に備え (2018/8/23 3:32) FRB議長「物価過熱の兆候ない」利上げ打ち止め近づく 経済 北米 2018/8/24 23:00 保存 共有 印刷 その他 【ジャクソンホール(米ワイオミング州)=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は24日の講演で「物価上昇率は2%を超えて過熱するリスクはみえない」と主張した。当面は「段階的な利上げが適切だ」としたものの、過度な引き締めは不要で、利上げの打ち止め時期が近づいたと示唆したものだ。FRB内には、早ければ19年中に利上げを打ち切る案も浮上している。 パウエルFRB議長は利上げの打ち止め時期が近づいていることを示唆した=AP 画像の拡大 パウエルFRB議長は利上げの打ち止め時期が近づいていることを示唆した=AP 主要国の中央銀行高官らが集う国際経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で話した。「物価上昇率は(目標の)2%に近づいたが、過熱リスクの高まりはみられない」などと主張。そのうえで「段階的な利上げによって米連邦公開市場委員会(FOMC)が分析する中立的水準に近づいてきた」とも指摘した。 中立的水準とは、景気を過熱させず冷やしもしない状態の政策金利の水準を指しており、FOMC参加者は2.9%(中央値)とみる。米政策金利は1.75〜2.00%と歴史的な低水準が続くが、パウエル氏は物価の過熱リスクは小さいと指摘して、中立水準を超える過度な引き締めを回避する考えをにじませた。 パウエル氏は「米経済は強い」とも主張。「力強い成長が続けば、さらなる段階的な利上げが適切になるだろう」と指摘した。「利上げを急ぎすぎれば無用に景気拡大の腰を折り、利上げが遅すぎれば景気過熱リスクを招く」と述べ、中立的とみる2.9%程度までは政策金利を緩やかに引き上げる考えを強調した。 次回のFOMCは9月下旬に開く。パウエル氏の発言は次回会合の利上げを示唆したもので、金融市場も既に早期の引き締めを織り込んでいる。次回会合では19年以降の金融政策シナリオも公表するが、利上げの打ち止め時期をどこまで明示するかが次の焦点となる。 パウエル氏は24日の講演で利上げの停止時期を具体的に示唆するのは避けた。FRBが現在のように3カ月おきに利上げを決断すれば、中立的な金利水準とする2.9%には19年半ばに到達する。FRB内には「9カ月後か12カ月後には利上げ路線からいったん離れるべきだ」(ダラス連銀のカプラン総裁)と19年中の利上げ停止を主張する高官もでてきた。 パウエル氏は講演で1990年代後半の「ニューエコノミー論」を取り上げ、インフレ率が低いままでも高成長が続く可能性を指摘した。当時のFOMCでは景気拡大によってインフレリスクが高まっているとの声が強まっていたが、議長だったグリーンスパン氏は物価動向を見極めるために利上げを見送り続けた。 パウエル氏は「物価が2%を超えて過熱する兆候はない」と、過度な引き締めを避ける考えを強調する一方、90年代後半を引き合いに「物価上昇の兆しが明確になれば利上げを継続すればよい」とも指摘した。利上げ停止が近づくと示唆するだけでなく、インフレ傾向が強まれば利上げを続ける方針も堅持している。 23日夜に開幕したジャクソンホール会議は3日間の日程。24日のパウエル氏の講演で実質的な討議が始まった。日銀からは若田部昌澄副総裁が参加するが、黒田東彦総裁は欠席した。 無料・有料プランを選択 今すぐ登録 会員の方はこちら ログイン 保存 共有 印刷 その他 中銀悩ます政策限界論 23日からジャクソンホール会議 (2018/8/23 14:33) [有料会員限定] 過去最長の米強気相場が意味するもの (2018/8/22 7:44) [有料会員限定]
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