#二極化
ドイツ銀行、大学新卒者の採用拡大−コスト削減戦略の一環で Steven Arons
2018年7月25日 1:29 JST ドイツ銀行はグループ全体で実施しているコスト削減の一環として今年、大学新卒者の採用を増やした。同じコスト削減の影響で、ベテラン幹部の退社が相次いでいる。 同行広報によるプレゼンテーション資料では、2018年の新卒者の採用は774人に上った。前年に比べ20%多く、少なくとも過去5年間で2番目の高水準。採用者のうち半分は法人金融とテクノロジー事業に配属されるという。 Young Recruits Deutsche Bank hired 774 graduates this year, a 20% increase on last year Source: Deutsche Bank documents
クリスティアン・ゼービング新最高経営責任者(CEO)率いるドイツ銀行は、コスト節減戦略の下、来年末までに7%以上の人員削減を目指している。新卒者の雇用に傾斜する中で、これまでに法人金融部門責任者のアラスデア・ウォーレン氏、グローバルM&A(合併・買収)責任者のトーマス・ピケマル氏、アジア太平洋株式事業責任者のジェームズ・ボイル氏、ヘッジファンド関連事業責任者のバリー・ボーサノ氏らが退社した。 原題:Deutsche Bank Steps Up Graduate Hiring Amid Cost Cutting Drive(抜粋)
モルガン・スタンレーがクレディ・スイスの仮想通貨専門家を雇用 2018-08-02 名門投資銀行モルガン・スタンレーが、クレディ・スイス銀行に12年務めたベテランで、仮想通貨取引の専門家であるAndrew Peel氏をデジタル資産市場の新しい代表として雇用したことが明らかになった。7月31日、イギリスのヘッドハンティング会社であるeFinancialCareersが報告した。 ビジネス特化型SNSのLinkedInに掲載されたプロフィールによれば、Peel氏はクレディ・スイス銀行のセールス及びトレーディングイノベーション部門で副会長を3年務め、「ビットコインを含む仮想通貨の取引の専門家」としての役割を果たしたと記されている。さらに、2013年6月時点では「仮想通貨市場の主唱者」という肩書も記されている。 仮想通貨の熱狂者を同社のチームに呼び集めるモルガン・スタンレーのスタンスというのは、他の巨大な金融セクターと比べれば比較的穏やかなものであるとされている。 2017年の秋には、JPモルガンのCEOであるJamie Dimon氏が「ビットコインは詐欺」、「チューリップの球根よりも酷い」と批判している。クレディ・スイスのCEOであるTidjane Thiam氏がビットコインを「バブルの典型」と言ったのも同様のスタンスである。 しかし、それとは対象的にモルガン・スタンレーのCEOであるJames Gorman氏は、ビットコインを「投機的である」と警戒する一方で、中央銀行システムへの「興味深い挑戦」とも語っており、ビットコインはブロックチェーン技術が招いた「自然な結果である」という見解を示した。 また、モルガン・スタンレーは、2017年12月にシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)とシカゴ・オプション取引所(CBOE)がビットコインの先物取引を開始したわずか1ヶ月後の2018年1月に、同様に自社の顧客へビットコインの先物取引の提供を開始している。 伝統的な金融セクターから仮想通貨業界へとシフトする人物も昨今は増えてきている。米メディアのフォーチュンは先月、仮想通貨業界にフォーカスした「40歳以下で影響力のある40人」(40 under 40)を公表したが、その中にはゴールドマン・サックスの役員の一人Rana Yared氏や、デジタル資産担当副社長のJustin Schmidt氏、JPモルガンでブロックチェーン事業を率いていたAmber Baldet氏などがいる。 昨今話題となっているETF承認もだが、こうした巨大投資家の積極的な姿勢は、仮想通貨愛好家にとっても良いニュースと言えそうだ。 参考:eFinancialCareers
ロンドンのバンカー待つ「ゆでガエル」の運命−ギルバート Mark Gilbert 2018年8月2日 14:23 JST ドイツ銀が清算業務の半分をフランクフルトに移すとFT報道 ロンドンで雇用が生まれず、ダブリンやパリでポストが埋まる可能性 ドイツ銀行がユーロ建てデリバティブ(金融派生商品)取引のクリアリング(清算・決済)業務のうち、約半分をロンドンからフランクフルトに移したと英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。
このニュースは驚くに当たらない。マネーは最も歓迎されると感じる場所に流れ、優遇される場所にとどまるものであり、英国の欧州連合(EU)離脱後のロンドンは、金融にとってより好ましくない環境になるという現実をあらためて思い起こさせるにすぎない。 ロンドン証券取引所グループ(LSE)はこれまで、傘下のクリアリングハウス(清算・決済機関)LCHを通じて、ユーロ建てデリバティブ取引のクリアリング業務を牛耳ってきた。しかし、ドイツ取引所のテオドア・バイマー最高経営責任者(CEO)は2月のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、クリアリング業務で25%のシェア獲得を目指す意欲を示し、6月の会議では「敵が弱みを見せれば、波状攻撃を仕掛けるのが当然ではないか」と語った。 クリアリング業務は、英EU離脱後の金融システム規制の行方を左右する主戦場になっている。5730億ドル(約64兆円)規模のビジネスがEU当局の監督権限の外に置かれることが、ブリュッセルやフランクフルトを非常に不快にさせるのは明らかだ。 ドイツ銀の法人顧客グループのグローバル共同責任者シュテファン・ホープス氏はFT紙に対し、フランクフルトへの業務移転が人員の異動につながらず、「クリアリング業務を行うのは、ロンドン在勤の同じ人間であり、別のクリアリングハウスを使うだけだ」と説明した。 しかし、それは当面のことにすぎないだろう。1、2年後にユーロ建てデリバティブ取引の清算・決済ボタンをフランクフルトのボルフガンクではなく、ロンドンのジェーンが押す合理的な理由があるだろうか。 欧州の金融センターとしてのシティー(ロンドンの金融街)の地位を脅かす目下のはっきりした危険は、数千人規模のバンカーが一斉に脱出することではない。ロンドンで雇用が生まれず、ルクセンブルクやダブリン、パリで代わりにポストが埋まるということだ。ドイツ国債トレーダーやイタリア債のセールスウーマン、政府系ファンド(SWF)リレーションシップバンカーの採用場所を検討する投資銀行が、どうしてロンドンにデスクを割り当てようとするだろうか。 「ゆでガエル」のストーリーは現実には考えにくい。カエルはゆで上がるまでおとなしくしているわけではなく、我慢できないほど温度が上がれば鍋から逃げ出そうとするだろう。ロンドンはまだそこまでいってはいないが、英国が合意なしにEUを離脱する見通しはこれまで以上に高まったように思われる。ドーバー海峡を渡る金融業者の数は今後増えることになりそうだ。 A Lot to Lose The U.K. dominates clearing of euro-denominated derivatives Source: 2016 central bank survey, via Bloomberg Intelligence
(このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません) 原題:London Traders Are Frogs Boiling in a Brexit Pot: Mark Gilbert Deutsche Bank Shifts Half Clearing from London to Frankfurt: FT(抜粋) This column does not necessarily reflect the opinion of the editorial board or Bloomberg LP and its owners. 最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE
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