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私がこの10年で目の当たりにした、中国が世界中で欧州と日本を席捲していく様(Business Journal )
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/128.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 8 月 06 日 01:24:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

私がこの10年で目の当たりにした、中国が世界中で欧州と日本を席捲していく様
http://biz-journal.jp/2018/08/post_24302.html
2018.08.06 文=篠崎靖男/指揮者 Business Journal


 南アフリカ・ダーバン(「Getty Images」より)


 僕は今、南アフリカのインド洋側の都市、ダーバンで仕事をしています。1497年にヴァスコ・ダ・ガマがアフリカ周りのインド航路を発見して以来、ヨーロッパとアジアを結ぶ拠点として発展してきた港湾都市です。

 当地のオーケストラは、100年前の英国植民地時代に建てられた、華麗なコロニアル様式(植民地時代の建築様式)をコンサート会場として使用しています。とてつもなく巨大な建物で、英国がどれほど植民地から搾取してきたかを、今もなお見せつけるようです。

 ダーバン周辺はサトウキビ栽培にも適した土地で、英国は植民地のインドから多くの労働者を連れてきて働かせました。そこで製造した砂糖をダーバン港からヨーロッパに運び込み、英国はますます栄えていったわけです。ダーバンは今でもインド系住民の比率が高く、カレーが名物料理のひとつでもあります。ちなみに、インド独立の英雄であるガンジーも、一時期ダーバンに逃げていたことがあります。

 現在のダーバンは、アフリカ大陸最大の港湾都市でもあります。特に、ソマリアの海賊に船をシージャックされる事件が多発した際には、ソマリア沖を通過するスエズ運河航路を避け、日数と経費がかさむのにもかかわらず、アフリカ航路を取る船舶が急激に増えたため、大型コンテナ船でダーバン湾はパンク状態になりました。港に停泊しているのは、日本では見たこともないような巨大コンテナ船ばかりです。実は、日本には巨大コンテナ船に対応できる深さを備えた港湾がないそうで、上海、釜山のようなハブ港に荷下ろしされた荷物が、小さめのコンテナ船に載せられて日本に運ばれるのです。

 1980年代を振り返れば、神戸港が世界4位のコンテナ取扱量で、アジアのハブ港の役割を果たしていましたが、近年、コンテナ船は巨大化しており、その流れに日本が乗り遅れてしまったことは残念です。2015年の国土交通省の調査では、名古屋港が日本最高で世界19位です。ちなみに1位は上海港で、総取扱貨物量は名古屋港の3.7倍です。

■急速に勢力を拡大した中国

 僕がダーバンのオーケストラを初めて指揮してから10年になります。毎年訪れて指揮をしているので、毎年ダーバンの港の変化を見つめています。最初の頃はA.P.モラー・マースク(デンマーク)、MSC(スイス)のような欧米系の大手海運会社のコンテナ船が、「世界の海は自分たちのもの」とでも言うような雰囲気で停泊していました。しかし、間もなく状況は一変します。中国系の会社の船がその場を奪い始めたのです。その後、中国の船舶がダーバン港の主役になるまではあっという間でした。

 そんな時期に、南アフリカ駐在の日系商社のほぼすべての支店長と会食の場があり、彼らに「このままだと、日本は中国に追い抜かれる」と話したのですが、彼らは鼻で笑うだけでした。しかし、実際には僕の予想よりもはるかに早く、2011年には中国がGDP世界第2位に踊り出て、今もその座にあります。

 このころが、ひとつの分岐点だったのかもしれません。当時、経済都市ヨハネスブルクのホテルは、中国人でいっぱいになりました。日本で、「南アフリカは治安が悪いんじゃないの? 気軽に行っても大丈夫?」などと様子見をしていた時に、中国人は南アフリカのみならずアフリカ全土に進出していたのです。その姿を見ると、大航海時代にヨーロッパの列強がアフリカに進出していったような勢いを感じます。

 それは数字にも裏付けられています。港湾取扱貨物量世界ランキングを見ると、2000年はシンガポール、オランダ・ロッテルダム、米・サウスルイジアナ、中国・上海、香港の順番で、まだ欧米が上位でしたが、15年には、上海、シンガポール、中国・青島、中国・広州、ロッテルダムと、中国が大躍進しています。コンテナ取扱量を見ると、ベスト10のうちの6つは中国の港で、それ以外は、シンガポール、ロッテルダム、豪・ポートヘッドランド、韓国・釜山です。つまり、この15年間で世界的物流はすっかり変わったのです。

■ダーバンのオーケストラの再興

 南アフリカはアフリカのなかでも飛びぬけて経済規模が大きく、ほかの国と比較すると生活も安定しています。確かに治安が良いとはいえませんが、現在はロシアや中国とともにBRICSの一員として、世界の注目を浴びる国に急成長しています。特に2010年のFIFAワールドカップ・南アフリカ大会開催をきっかけに、インフラも随分と整備されました。

 17世紀後半からオランダ系の移民が入り込んだ土地ですが、その後、英国の植民地となり、独立後も英国から経済や文化の強い影響を受け続けています。ところで、「アパルトヘイト」をご存じでしょうか。1948年に施行された悪名高い人種隔離政策です。白人と有色人種は居住場所まで隔離されました。簡単に言うと、移民の白人が、先住者の黒人を追い出したわけです。1994年に撤廃されましたが、アパルトヘイト施行中は、黒人はまともな教育すら受けられませんでした。僕が初めて訪れた頃は、まだホテルのフロントには白人が必ず1人はいたものです。やはり、黒人だけでは心許無かったのかもしれませんし、当時は、僕も実際にそう感じていました。しかし、それが最近では、しっかりと教育を受けた黒人だけでフロントがしっかりと回るようになりました。教育の重要性を感じます。

 現在、南アフリカには3つのメジャーオーケストラがあります。アパルトヘイト時代には、国家の文化予算のほとんどは白人につぎ込まれていたので多くのオーケストラがあり、英国をはじめ西欧からもたくさんの音楽家が集まっていました。しかし、アパルトヘイトが終息し、人種の比率に応じて国家予算をつけることになったため、少数派である白人文化であるオーケストラはすべて倒産の憂き目を見たのです。

 それは、今、指揮をしているダーバンのオーケストラも同じでした。その後、彼らも復興を目指しますが、大きな問題にぶち当たりました。多くの楽員はすでに職を求めて国を離れていたのです。しかしながら他方では、1989年にドイツで「ベルリンの壁」が崩壊したことで、ロシアや東欧の優秀な楽員は自国から出たがっていました。彼らも、「再び暗黒の共産主義に戻るのではないか」と不安だったのでしょう。これをチャンスと、ダーバンのオーケストラは東欧に出向いて楽員の誘致を図り、その結果、著名なオーケストラのコンサートマスターをはじめ、多くの優秀な音楽家を手に入れることができたのです。今もなお、彼らのルーツであるスラブ系の音楽、チャイコフスキーや、リムスキー・コルサコフの楽曲は特別な演奏となります。

 さて、今週の仕事は、「女性の日」の特別コンサートです。人種はもちろん、性別も超えて南アフリカは発展しています。国連は、3月8日を「国際女性の日」と決めていますが、南アフリカでは8月9日を「国民の女性の日」として祝日に制定しています。

(文=篠崎靖男/指揮者)



●篠ア靖男

 桐朋学園大学卒業。1993年アントニオ・ペドロッティ国際指揮者コンクールで最高位を受賞。その後ウィーン国立音楽大学で研鑽を積み、2000年シベリウス国際指揮者コンクール第2位受賞。
 2001年より2004年までロサンゼルス・フィルの副指揮者を務めた後、英ロンドンに本拠を移してヨーロッパを中心に活躍。ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、BBCフィルハーモニック、ボーンマス交響楽団、フランクフルト放送交響楽団、フィンランド放送交響楽団、スウェーデン放送交響楽団など、各国の主要オーケストラを指揮。
 2007年にフィンランド・キュミ・シンフォニエッタの芸術監督・首席指揮者に就任。7年半にわたり意欲的な活動でオーケストラの目覚ましい発展に尽力し、2014年7月に勇退。
 国内でも主要なオーケストラに登場。なかでも2014年9月よりミュージック・アドバイザー、2015年9月から常任指揮者を務めた静岡交響楽団では、2018年3月に退任するまで正統的なスタイルとダイナミックな指揮で観客を魅了、「新しい静響」の発展に大きな足跡を残した。
 現在は、日本はもちろん、世界中で活躍している。ジャパン・アーツ所属
オフィシャル・ホームページ http://www.yasuoshinozaki.com/




 

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コメント
 
1. 2018年8月06日 07:57:09 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1125]

#普通に考えれば、武者の予想は外れ、中国の覇権の拡大は続くだろうが

絶対ということはありえない

 

ドル高で米国の覇権が復活する!トランプノミクスでも景気後退は起こらない

2018年8月6日(月)
森 永輔

2月初旬を底にドル高が進行している。エコノミストの武者陵司氏はこのドル高が米国に覇権の復活をもたらすと指摘する。果たしてドルはどこまで高くなるのか、そして、ドル高はいつまで続くのか。

(聞き手 森 永輔)


トランプノミクスの政策はレーガン大統領の経済・財政政策と同じ(写真:Fujifotos/アフロ)
武者さんが1年前に予想していた通り、ドル高が定着してきました。ドル指数は2月初旬を境にして、上がり続けています。8月1日時点の実効為替レートは94.35。

武者:そうですね。ドナルド・トランプ米大統領が就任して以降、ドルは下がる傾向にありました。しかし、私はこれをテクニカルな調整局面だと思い、長く続くことはないと考えていました。


武者陵司(むしゃ・りょうじ)
武者リサーチ代表。ドイツ証券とドイツ銀行でアドバイザーを務める。 1949年生まれ。1973年、横浜国立大学経済学部を卒業し、大和証券に入社。大和総研を経て、1997年にドイツ証券に入社。2005年に副会長に就任。2009年、武者リサーチを設立。(写真:菊池くらげ 以下同)
 ドル安基調に入ると主張する人たちは大きく二つのグループがあります。第1は景気循環を重視するグループ。これまでのドルの実質実効為替レートの動きをみると、10年のドル安、6年のドル高というサイクルを繰り返してきました。このグループの人たちは、2011年以降ドル高が続いている点に目を向け、「そろそろリセッションが近づいてきた。ドル安に向かう」と考えたのです。しかし、米経済のファンダメンタルズをみれば、米景気はさらに強くなっています。

7月27日の発表では、米国の4〜6月期のGDP(国内総生産)成長率は年率換算で4.1%を記録しました。これは2014年7〜9月期以来の高い数字です。

ドル高はトランプノミクスがもたらす必然
武者:そうですね。もう一つのグループはトランプ政権の政策から米経済をみるグループです。彼らは、トランプ政権は貿易赤字を減らすため、輸出に有利なドル安を指向するとみていました。

 しかし現実には米企業は海外市場で価格競争をしていません。なので、輸出振興のためにドル安を誘導する必要はないのです。

 2月以降にドル高が進んでいるのは、米国経済の腰が実は強いこと、トランプ政権の政策が実はドル高を促すものであることに市場が気付いたからでしょう。

 米経済が好調であればドル高につながります。経常収支の赤字が縮小し、国際金融市場に供給されるドルが減るからです。

 トランプ政権は財政の拡大を指向しています。その一方でFRB(米連邦準備制度理事会)は金利を引き締めている。よって、金利は必然的に上昇します。そして、諸外国との金利差の拡大がドル高を誘発する。同様のポリシーミックスを取ったレーガン政権時代にもドル高が進みました。

 さらに、トランプ政権は貿易戦争を本気で始めました。これに勝つためにはドル高が有利です。“敵”を追い詰めるためにはドル決済の道を断ち、ドルを供給しないのが最も有効ですから。これまでのイランへの制裁を振り返れば明らかでしょう。ドルは「有事のドル」どころか「真の決済通貨」なのです。 対中貿易戦争が展開する中で、米国がドル供給を断つと示唆すれば、中国のお金持ちはみなドル買いに走るでしょう。金よりも円よりもユーロよりも、やはりドルです。

ドル高でも米国から買うしかない
武者さんは、ドル高をてこに米国が帝国としての覇権を強めていくと主張されています。ドル高と米国の覇権にどういうつながりがあるのですか。

武者:私は、トランプ大統領を帝国主義者とみています。孤立主義者、保護主義者、差別主義者――はどれも当たりません。「Make America Great Again」が意味するのは、覇権国である米国をこれまで以上に強くするということです。軍事力の拡張を宣言し世界のヘゲモニーを握ろうとしているのは明らか。


 そして、中国が力をつけ続け、米国と並ぶ覇権国になること決して許しません。「中国をいかに封じ込めるか」を最優先課題にしています。それは、今まさに進んでいる貿易戦争と中国製造2025潰しをみれば明らかでしょう。

 米国が中国の台頭を抑え、世界の警察官として国際秩序を再構築するためには、それを支える財政基盤と経済基盤が欠かせません。これを支えるのがドル高なのです。ドル高になれば、海外の産品を安く買うことができます。米国は必要な産品の80〜90%を輸入で賄っているので、これは重要です。進んだ技術を持つ企業をM&Aすることも容易になります。これにより、さらに産業競争力を高めることができる。

ドル高は輸出にマイナスになるので、米国の力を削ぐという見方もあります。

武者:確かにそうです。しかし、今の米国には当てはまりません。輸出に当たってほとんど価格競争をしていないからです。例えば航空機は米ボーイングと欧州エアバスの独壇場です。アップルのiPhoneが持つブランド力にとって代わる存在もありません。軍事装備品も同様です。ドル高になり、それぞれの現地通貨建ての価格が上昇しても、米国から買うしかない。

 したがって、ドル高は米国の覇権、それを支える経済基盤を強化するのにプラスの面が多く、マイナス面はほとんどないのです。

ドル高はこれから20年続く
トランプ政権はドル高を誘導する政策を進めているものの、肝心のトランプ大統領が7月20日、ドル高への不満をツイッターに投稿しました。「中国、欧州や他の国々は通貨を操作し、金利を低くしている。その間、米国は金利を上げ、ドルは日に日に強くなり、我々の偉大な競争力を奪う」と。この矛盾をどう見ていますか。

武者:トランプ大統領には為替に対する定見がないのでしょう。ドル高とドル安のどちらが適切なのか、専門家に聞いて回っているとの話が漏れ伝わっています。

 その一方で、トランプ政権の経済政策を支えるスタッフはドル高を指向しています。ピーター・ナバロ大統領補佐官は中国との覇権争いに注目しており、これに勝つためにはドル高が必要であると主張しています。ドルが強くなれば、世界経済における米国のプレゼンスが高まります。世界のGDPに占める米国の割合が大きくなる。中国との交易条件も米国に有利に変わります。

ドル高はいつでも続くとみていますか。

武者:これから20年は続くでしょう。

え、20年ですか。

武者:長期的にみると米国は、40年にわたってドル安を容認してきました。ニクソンショックによって金との兌換を停止して以来です。これは覇権国であることを自己否定する行い。世界経済におけるプレゼンスは低下するし、米軍の世界展開にかかる軍事費を賄うのにもマイナスの影響をもたらします。これと同じだけの期間、ドル高が続いてもおかしくありません。

どこまで上がるでしょう。


武者:対円ではそれほど高くはならないでしょう。1ドル=130〜140円くらいでしょうか。日本企業も海外事業をさらに広げ、経常黒字を拡大させるからです。

 一方、元に対しては1ドル=10元くらいまでいくのではないでしょうか。

今は1ドル=6.8元ですから5割近いドル高ですね。

武者:ええ、人民元は劇的に弱くなります。

 理由は二つ。一つは、貿易黒字が強い勢いで減っているからです。2015年をピークに年率で20%程度ずつ減少しています。その理由の一つは人件費の上昇。今では中国はアジア新興国で最も賃金の高い国になっています。これが輸出競争力を押し下げている。

製造2025はいずれ破綻する
 もう一つは、輸入の増大です。国内経済を引っ張るドライバーが変わってきました。数年前までは国内投資――インフラと住宅、不動産――でした。いずれも鉄とセメントと人件費の塊です。国内景気を刺激する要素ですね。しかし、これらの投資はいずれも過剰状態になってしまった。

 そこで中国が始めたのが産業構造をハイテクにシフトさせるための投資です。これを実現するためには、必要な機械や素材を輸入しなければなりません。

武者:そしてハイテクにシフトさせるための投資の波及効果は中国国内に還流せず、海外に流出してしまうのです。中国国内では作れないですから。

 こうした背景から、貿易収支の悪化は避けられません。貿易黒字はあと数年でほぼゼロに至るでしょう。

 加えて中国は多額のサービス赤字を抱えています。貿易黒字が減少すれば、経常赤字に転落するのは避けられません。あと3年といったところでしょうか。

サービス赤字の根源は何ですか。

武者:いま、中国人が猛烈な勢いで海外旅行に出ていますよね。

なるほど。だとすると、中国が進める「製造2025」はもろ刃の剣になりますね。輸入を拡大させる根源ですから。

武者:私は、この政策がいずれ破局を迎えると考えています。

 経常赤字が続けば外貨準備高が減少し、人民元への懸念が再び浮上します。これが元安を生み、元流出の圧力が高まる。

 中国政府はこれに対応すべく、資本規制を発動するとともに、金融引き締めに舵を切る。すると、今度はそれが不動産バブルの崩壊を促すのです。これを回避するためには、金融を引き締めつつ財政政策をぼんぼん打たざるを得ない。このような政策はいずれ破綻します。

 国内的には問題を鎮圧できるかもしれません。統制国家ですから、元を無尽蔵に刷り増し、企業の会計情報も改ざんして、問題が表ざたになるのを防ぐ。しかし、海外に対してそうした措置は通用しません。問題があきらかになれば、海外企業は資金を回収する動きに出るでしょう。中国経済は海外からの投資によって成長してきました。このドライバーを失うことになるのです。

米国企業が生み出すイノベーション
トランプ政権が米国の覇権を確かなものにするためドル高を進める決断をしたとして、果たしてそれを実現できるものなのでしょうか。


武者:米国にその能力があるのか、ということですね。私はあると考えています。インターネットの時代に入り、米国企業が世界最大のイノベーションを生み出しているからです。プラットフォーマーは、中国を除けば、米国企業が独占しています。グーグルしかり、フェイスブックしかり、です。

 米国の経常収支をみると、サービスと一時所得収支の黒字が2000年代半ばから拡大しています。これは、まさしく、インターネットプラットフォーマーが海外における事業を拡大したこと、知的財産権の販売を拡大したことを示しています。米国企業が海外で稼いだ約3兆ドルの資金を米国に還流させることなく積み上げているのはこの証左です。

 40年にわたるドル安は、企業競争力の低下と、それに伴う経常収支の赤字、それが導くドル供給の増大が原因でした。米国の経常赤字は拡大を続け、2006年には8000憶ドル、GDP比5.7%に達しました。この流れが今は逆転しています。

新たな産業革命がトランプノミクスを支える
トランプノミクスが米国経済を弱らせるとの見方があります。トランプ政権が進める積極財政と減税が国債の発行を増やし、金利を上昇させる。これが、企業活動の負担となり、米国の景気を冷やす、というシナリオです。そうなれば、ドル高と米国の覇権の復活は遠のく。この見方に対してはどう考えますか。

武者:通常の場合ならば、確かにそうでしょう。しかし、今は通常の時ではありません。

 景気が良いのに物価が上がらない。失業率は低下しているのに賃金は上がらない。金利も上がらない。2005年にFRBのグリーンスパン議長が「コナンドラム(謎)」と呼んだのと同じ現象が起きているのです。

 これは、新たな産業革命が起きているからです。インターネットの時代になり、供給力に天井がなくなりました。大きな投資をしなくても、企業は供給力を拡大することができるようになった。なので、インフレが起こる前に供給力を上げることができるのです。

IT(情報通信)の世界が分かりやすいですね。音楽レーベルは楽曲のファイルをコピーするだけで新たな製品を製造することができます。製造コストはほぼゼロ。スマートフォン用のアプリを開発しているメーカーもほぼコストゼロで新たなソフトをコピーし、ダウンロードに供することができます。

武者:そうです。言い換えれば、サービスを投入するにあたって、投入する資源がほとんど必要なくなったのです。だから物価も金利も上がらない。この状況にある限り、トランプ政権が進めるドル高政策が米国経済を傷つけることはないと考えます。

武者さんが指摘される新たな産業革命の担い手は、グーグルやアップルをはじめとするIT大手ですね。いま、これらの企業に対する圧力が高まっています。フェイクニュースへの対応をめぐってフェイスブックは逆風にさらされている。グーグルも7月、OS「Android」の支配的地位を乱用しているとしてEU(欧州連合)から43億超ユーロの制裁金を科されました。こうした逆風がさらに強くなり、新たな産業革命がとん挫、ドル高をてこにした米国の覇権強化の足を引っ張ることはありませんか。

武者:そこは読めないところです。ただし、いくらペナルティーを科しても、例えばグーグルに代わるプレーヤーがほかにあるでしょうか。とって代わるのは難しい気がします。そうだとすると、サイバー世界における支配力を米国企業が高めこそすれ、低下させることはないのではないでしょうか。


2. 2018年8月06日 10:43:15 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1134]

#既に、中国の動向を無視しては、軍事、経済、環境など、あらゆる問題は解決できない状況になっている


 

トップニュース2018年8月5日 / 09:08 / 2時間前更新


焦点:ティッシュやトレパ値上がりに拍車か、パルプ問題の深層

Richa Naidu and Martinne Geller
3 分で読む

[シカゴ/ロンドン 31日 ロイター] - エスカレートする貿易戦争では、トイレットペーパーやティッシュまで槍玉に挙がっているが、品薄のリスクがあるのはプロクター&ギャンブル(P&G)(PG.N)の「チャーミン」など米国製品にとどまらない。

関税による価格上昇は、消費者向け製品を扱うメーカーにとって泣き面に蜂だ。ティッシュやおむつ、生理用品の主原料となるパルプのコストが上昇し、ただでさえ利益が圧迫されているためだ。

トイレットペーパーの「チャーミン」、ペーパータオルの「バウンティ」や「パフス」ティッシュを手掛ける米日用品大手P&Gは、これら3ブランドについて、平均5%の値上げを小売各社に通告したと31日に発表。同社は、おむつの「パンパース」についても、北米市場で平均4%の値上げを進めつつあると述べている。

米日用品大手キンバリー・クラーク(KMB.N)は、直近の四半期に「クリネックス」などティッシュ製品の価格を世界各国で2%引き上げる一方で、通年での予想利益を引き下げた。

ウッドチップや古紙を使って製造されるパルプは、ティッシュ製品の多くにとって唯一の原料であり、大半のおむつや生理用品でも部分的に使用されている。ユーカリ1本分のパルプからは、実に1000ロールのトイレットペーパーが製造できる。

ティッシュやトイレットペーパーの材料となる広葉樹パルプ価格は、2016年後半以来、約6割上昇していると、各国税関データに基づいて価格を追跡調査する紙パルプ製品評議会は指摘。おむつや生理用品に使われる針葉樹パルプ価格も同時期に21%上昇した。

「各社は製品価格を引上げざるを得ない。針葉樹パルプで21%、広葉樹パルプで60%も多く払うのであれば、誰かに転嫁しないことには事業存続は不可能だ」。同評議会のシニア・アナリスト、アルノー・フランコ氏はそう語る。

国際的パルプ不足の核心にあるのは、世界最大のパルプ消費国であり、しかも需要が最も急速に拡大している中国だ。

2016年には中国の景気減速により、パルプ価格は過去最低の水準にまで落ち込んだ。しかし翌年、中国経済が好転すると広葉樹、針葉樹パルプともに需要が増大。いくつかの大規模パルプ生産工場が予定外の閉鎖となったこともあって、市場は需要に応えきれなくなった。

さらに、中国は世界廃棄物の主要リサイク業者役を降りようとしており、2018年上半期における中国の古紙輸入量は、前年同期比52%減の710万トンにとどまった。中国による未分別古紙の輸入禁止措置が昨年末発動したことで、中国は包装に用いられる回収パルプを突如として大量に必要するようになったのである。

貿易摩擦が状況を一層複雑にしている。カナダは今年に入り、米国との貿易紛争の一環として、米国製ティッシュ、トイレットペーパー、ペーパータオルなど5億7500万ドル相当に関税をかけた。

中国からの輸入品2000億ドル相当に対して米国がさらに関税をかけるとの脅しを続けるならば、中国も報復関税で対抗する可能性が出てくる、と業界幹部らは懸念している。

もし中国がそのような対応を取り、同金額の米国製品に報復関税をかけるならば、約24億ドル相当に上る米国の中国向け紙パルプ製品 も対象になると、全米林産物製紙協会で国際貿易担当シニア・ディレクターを務めるジェイク・ハンデルスマン氏は予想する。


「われわれの産業にとって、中国は非常に重要な市場だ」とハンデルスマン氏。「これはとうてい歓迎できないニュースだ」

Slideshow (2 Images)
<波及効果>

パルプは、ペーパータオルなどの消費者向け製品の主原料というだけでなく、それを材料として作られる梱包材料は、多くの企業が使っている。紙製品の生産出荷コストが増大する中で、消費者は、ティッシュや生理用品など日用品の支出負担が増大するリスクに直面する。

ニールセンのデータを投資運用会社バーンスタインが分析したところ、今年すでに、米国消費者のあいだではこれらの製品に対する支出が増大しているという。

結局のところ、消費者が支払う価格は、幅広い製品の価格バランスを決める小売業者次第となる。そのため、メーカーが転嫁したコストがそのまま価格に反映されるとは限らない。例えば、小売業者はおむつの値上げを防ぐためにペーパータオルの価格を引き上げるかもしれない。

Procter & Gamble Co
82.33
PG.NNEW YORK STOCK EXCHANGE
+0.33(+0.40%)
PG.N
PG.NKMB.N
そのため、P&Gは6月、「パルプ調達コストは上昇しているが、自社製品の値上げは回避している」と語っていが、米国の消費者が小売店で「チャーミン」に払う価格は今年に入り上昇している。米国における同製品の平均小売価格は、7月中旬までの1カ月間で6.4%上昇したことが、バーンスタインによるデータ分析によって明らかになった。

同様に、ペーパータオル「バウンティ」の小売価格は約6カ月前から上昇しているが、「パフス」ティッシュの小売価格は今年は下落か横ばいだ。P&Gはニールセンのデータについてコメントしなかった。

「パルプは広く普及している。パルプ価格が変動すると、いわば水まき用ホースのなかをゴルフボールが通るように、業界のコスト構造全体に影響が生じる」。アリックスパートナーズで消費者向け製品担当コンサルタントを務めるデビッド・ガーフィールド氏はそう指摘する。

スウェーデンに本拠を置くエシティの場合、消費者向けティッシュ製品におけるコストの25%をパルプが占めている。柔らかさを出すために再生パルプではなく、バージン・パルプにほとんど頼っているためだ。

同社のパルプ調達コストが前年比で35%も急騰したため、第2四半期には、消費者向けティッシュ部門が想定していた営業利益の半分近くを食いつぶしてしまったという。

「1年前には、パルプ価格上昇はおそらく一時的なものにすぎないとの見方も業界内にあった」とエシティのマグナス・グロス最高経営責任者(CEO)はロイターに語った。「今では誰もそんなことを信じていない」

(翻訳:エァクレーレン)


 

 
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33836590W8A800C1CR0000/
プラごみ年3億トン発生、損害は1兆円超 OECD
社会
2018/8/6 10:02

 世界でプラスチックごみの発生量が増え続けて年間3億トンを超え、環境中に流出して観光や漁業にもたらす悪影響などの損害が年間約130億ドル(約1兆4千億円)に上るとの報告書を、経済協力開発機構(OECD)がまとめた。

 プラスチックごみは一部が焼却やリサイクルに回るが、投棄や埋め立てで環境中にたまる量も増えており、2050年には約120億トンに達すると予測している。

 OECDは「プラスチックの使用量増加や不適切な廃棄が環境に深刻な影響を及ぼしている」と指摘。使用抑制やリサイクル強化のため、レジ袋などの使い捨て製品の有料化や課税を各国が導入する必要があるとした。

 報告書によると、世界のプラスチックごみの発生量は、最新データの15年に3億200万トンに上り、1980年の約5千万トンから6倍に増えた。

 一方、リサイクル率は現状で全体の15%程度にとどまっている。欧州連合(EU)は30%近いが日本は二十数%だった。

 OECDは「海に流れ出たプラスチックごみがアジア・太平洋地域の観光業に与える損害だけでも年間6億2200万ドルに上る」と指摘。海岸のごみの回収作業、観光客の減少、漁業への悪影響などで多額の経済損失が生じていると分析した。

 さらに、海の野生生物の生存を脅かし「プラスチック中の化学物質が食品を通じて人体に入り、人間の健康を脅かすリスクもある」と警告した。

 報告書はリサイクルが進まない理由として、リサイクル品は質が劣ることや、関連業界に零細業者が多いことを挙げた。加工しやすくする可塑剤や、燃えにくくする難燃剤といった人体や環境に有害な物質が含まれていることも要因だとした。〔共同〕


3. 佐助[5900] jbKPlQ 2018年8月06日 14:12:21 : RbPZf2tsH6 : K9EhTpDjOxI[319]

世界通貨はドル一極集中から,複数通貨になります。

1990 年に、日本で最初のバブルが破裂、2010 年には米国で破裂した。ニクソンのキンドル交換停止から40 年目の2012 年、ユーロ通貨バブルははじけ、ブラジル・中国・インド
のバルブもはじけた。新興国のバブルがはじけたことは,2015 年に認識されている。

しかし信用縮小恐慌の収束を、古い経済学の常識にまかせたので、三年ごとに三段階で世界と各国の信用が縮小し、その世界経済の傷口が回復するのに、2025 年までかかる。

そこで危機を10 年早く収束する方法は、ドルやユーロ等の主要通貨が、キンとのリンクを宣言しなければならないのにしなかった。

ようするに土地住宅バブルを、日本、米国、ブラジル・中国・インドは、十年ごとに弾きながら、世界信用恐慌を進行させてきた。ユーロ危機は、域内域外の高金利の債券の支払い停止が避けられないことが、最大の原因となっている。

ドルとユーロと円が世界の75%のキンとリンクさせると、通貨の信用縮小は収束する。そして、次産業革命を、10 年前倒しさせるなら、高度成長路線を復活できる。そうなれば、
過去のように、世界大戦という巨大な殺人消費需要の助けを借りなくても、信用・金融恐慌から脱出することができる。

「世界通貨の変遷」最近だけ抜粋,空白年は,キンガエリ相当期間の混乱期。
1962年〜1892年は,第一次ポンド,ポンド以前は複数通貨制
1902年〜1932年は,第二次ポンド,
1942年〜1972年は,第一次ドル,ニクソンショックまで
1982年〜2012年は,第二次ドル,ドル本位制が強化された
2022年〜2052年は,第一次複数通貨(本命は,ドル・ユーロ・円または元)

世界通貨のポンドからドルへの移行が根因で,政治・経済の混乱が起きた。
今回もドル一極集中から,ドル・ユーロ・円(元)への移行が根因で政治経済が混乱している。

日本は1990年代にバブルが弾け,サブプライム・2008年のリーマンシヨックから先送りされている2018年以降の二番底・三番底を経て,複数通貨制になるまで大混乱は続く。

2020年までは極右集団の活動期で,「古い政治概念の破壊が行われ」混乱したが,革新的平和的に新機軸になるので,「新たな産業」で大変革すると,人類は繁栄する。それは「原発ゼロ即」による「産業革命」の前倒しです。

中国は,多民族・多部族国家なので,これを解消し,一党独裁政権の採用を2025年までに自壊しないと,世界通貨の仲間に入れない。

ただし,日本の産業革命が遅れると,中国の大都市・朝鮮半島・東南アジアの工業都市が日米欧を追い抜き,「商品の世界的優位性を獲る」


4. 佐助[5901] jbKPlQ 2018年8月06日 14:47:42 : RbPZf2tsH6 : K9EhTpDjOxI[320]

間違えました,訂正します

「世界通貨の変遷」
1962年〜1892年は,第一次ポンド,ポンド以前は複数通貨制
1862年〜1892年は,第一次ポンド,ポンド以前は複数通貨制に訂正,すみません


5. 2018年8月06日 23:53:46 : OD90XnrUqM : XYF0tvX3uQA[2]
★米国の経済覇権の根幹にある債券金融システムがいずれバブル崩壊し、それが米国覇権の終わりになる。このとき、日銀のQE(量的緩和策)によって米金融システムをテコ入れしている日本は、米国のバブル崩壊によって大打撃を受ける。中国やBRICSは、米国の金融崩壊後に備え、ドルの使用を減らし、金地金を備蓄しており、きたるべき米金融崩壊から受ける打撃も少なくなる。中国やBRICSは「ノアの方舟」を建造し始めている。日本は、米国とともに溺れる運命にある。
http://tanakanews.com/180805japan.htm

6. 2018年8月07日 01:23:24 : lXsHnXkr3U : 7eA8_JpBzrA[1]
>#普通に考えれば、武者の予想は外れ、中国の覇権の拡大は続くだろうが

>絶対ということはありえない

普通に考えなくても武者の予想が外れるのは、引用している頭が痛くなるような

矛盾だらけのインタビューを見ただけでも解るだろ。

多くのことには、絶対と言うことはありえないが、武者の予想に関してだけは、

絶対に外れると言うことは、そのインタビューを読むだけでも解る。

だって回答がすべて行き当たりばったりなんだもの。


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