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2050年、人口増で世界的飢餓の危機…農地と水資源の不足深刻化、農業生産追いつかず
http://biz-journal.jp/2018/07/post_24085.html
2018.07.17 文=小倉正行/フリーライター Business Journal
国連は昨年12月20日、第72回国連総会で「家族農業の10年間」(The Decade of Family Farming)を国連加盟国104カ国の賛成で可決し、2019〜28年が「家族農業」の10年間になることが正式に決定された。国連とその加盟国は小さな家族農業を再評価し、政策的に支援することが求められることになった。
世界全体の家族農家の推定数は少なくとも5億世帯以上に及び、世界の農家の9割である。世界の農地利用においても大きな割合を占め、世界の食料の約80%を生産している。家族農業といってもさまざまである。大半は小規模農家、超小規模農家である。低所得国では農家の規模はさらに小さく、世界の全農家の72%を1ha未満の農家が占めている。これとは対照的に、50haを超える農家は全体のわずか1%にすぎないが、世界の農地の65%を占有している。
では、なぜ国連は「家族農業の10年間」を採決したのであろうか。国連は家族農業の重要性とその意義について次のように述べている。
「2050年に目を向けてみると、人口は90億人台を超えると予想され、現在よりも多くの食料を、しかも場合によっては――より質の高い健康的な食料を、消費する人口を支えなければならないという――新たな課題に我々は直面することになる。同時に、農家および人類全体は、気候変動がもたらす新たな課題をすでに抱えている。土地資源や水資源の劣化拡大、その他の環境への悪影響は、高度な集約型農業システムが限界にきていることを示している。したがって、現在求められているのは、貧困層のアクセス拡大を支援する、真に持続可能で包括的な農業システムを見つけ出すことである。そうすることで、将来の世界の食料需要を満たすことができるようになるであろう。そして家族農業ほど、持続可能な食料生産の実例に近いものはない」(「世界食料農業白書 2014年報告」より)
国連は世界人口について「2050年には、現在の72億人から96億人へと増加することが予想されている」としている。それに対して、この人口増に見合うための食料増産については「2050年の農業生産を2006年の水準より60%以上増加させる必要があるとFAO(編注:国連食糧農業機関)は予想している」としている。しかし、農地拡大の条件については、「アフリカと南アメリカの一部を除き農地の拡大余地がほとんどないなか、土地不足と淡水資源の枯渇は今後深刻化すると予想されている」として、農地拡大どころか農地不足も懸念されているわけである。
■日本、敏感に反応すべき
また、これまでの人口増に対応してきた農業生産性の向上についても、次のように懸念を表明している。
「今後数十年で、耕作地を大規模に拡大せずに 食料の生産量を大幅に増産しなければならないが、直近の数十年で見ると、世界の小麦、コメ、トウモロコシなどの主要生産物の単収増加率は、1960年代や1970年代に比べて大きく鈍化している。問題は、単収の増加率が今後数十年における需要の伸びに追いついているか、ということである」
要するに2050年には世界の人口増に見合う食料生産が今のままではできず、世界的な飢餓もありうるとの見通しを立てている。そして、それを解決するためには、世界の農家の大半を占める小規模農家または超小規模農家の家族農業を活性化させ、単収を増加させて、全人類に必要な食料の確保を遂げようとしている。この食糧危機予想が、国連が「家族農業の10年間」の取り組みを世界に求めた理由なのである。
食料自給率38%の日本は、輸入に食料の確保を依存している。食糧危機予想にもっとも敏感に反応しなければならないのは、日本である。食料の争奪戦になった時、日本政府は国民の生存を守ることができるのか。今から私たちは身構えなければならない。
(文=小倉正行/フリーライター)
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