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日産ゴーン会長、無資格検査発覚でも年報酬7億円…スバルの吉永会長も1億円超え
http://biz-journal.jp/2018/07/post_23986.html
2018.07.10 文=編集部 Business Journal
カルロス・ゴーン日産自動車会長(写真:ロイター/アフロ)
3月期決算企業の株主総会では、大株主の国内機関投資家の態度が変わった。これまでは経営側の議案を黙認してきたが、内部の基準に合わなければ反対票を投じ、議案ごとに賛否を明らかにする方針だ。
6月の株主総会では、株主が議案を提出する「株主議案」をした事例が42社に上った。背景には、金融庁などが機関投資家に求められる規範として2014年に示した「スチュワードシップ・コード」がある。これにより、企業には社外取締役の導入といった体制準備を、機関投資家には企業との対話を促す指針ができた。日本の企業には「株式の持ち合い」など独特の慣行があるが、これを国際標準に近づけたいとの思いがある。
そこで、各社が株主総会後に東京証券取引所に提出した臨時報告書に基づき、株主総会議案の賛成率を調査した。
素材メーカーを中心に、データ改ざんや検査不正などの問題が相次いで発覚し、日本企業のモノづくりへの信頼は大きく傷ついた。
自動車の無資格検査が発覚した日産自動車は6月26日に開いた株主総会で、2人の取締役選任など3議案を可決した。女性レーシングドライバーの井原慶子氏と、元経済産業審議官の豊田正和氏を社外取締役に選任する議案に対する賛成率は、ともに99%を超えた。ちなみに、カルロス・ゴーン会長などほかの取締役は、改選の年ではなかった。
株主総会では、昨年9月に発覚した無資格検査問題について、株主からの批判が相次いだ。西川廣人社長兼CEO(最高経営責任者)は、問題の責任をとって役員報酬の一部を返納した。株主総会では、返納後の17年度の報酬が前年比26%増の4億9900万円だったことを明らかにした。
ゴーン氏の報酬は7億3500万円で、前年より33%減った。4年ぶりに10億円を下回った。トヨタ自動車で役員報酬がもっとも高かったのは、販売を担当するディディエ・ルロワ副社長の10億2600万円。ゴーン氏は自動車業界トップの高給取りの座を明け渡した。
しかし、日本にほとんどいない勤務実態に照らし、「実質的にはゴーン氏がトップ」(自動車担当のアナリスト)といった辛口の評価もある。トヨタの豊田章男社長は3億8000万円だった。
■スバルは4度目の不正発覚で吉永会長が代表権を返上
出荷前の自動車の検査不正が相次いで発覚したSUBARU(スバル)は、6月22日に株主総会を開いた。専務執行役員から社長に昇格した中村知美氏を中心とする経営体制が発足した。一方で、前社長の吉永泰之氏の処遇は二転三転した。
株主総会での取締役選任の賛成率は、会長になった吉永氏が77.42%と低かったのは当然といえる。新社長の中村氏については94.50%。一連の不正問題を受け、英国機関投資家のリーガル・アンド・ジェネラル・グループ(L&G)は、SUBARU株を売却したと発表した。
1億円以上の役員報酬は吉永氏の1億3300万円のみ。
スバルで検査をめぐる不正が浮上したのは17年10月。資格のない従業員が完成車検査をしていた。12月に調査報告書を提出したが、これとは別に燃費データを書き換えていた問題が明らかになった。
吉永社長兼CEO(当時)は責任を明確にした。18年3月に社長交代を発表、4役員が退任、専務執行役員の中村氏が社長に昇格するという内容だった。6月の株主総会後、吉永氏が代表取締役会長兼CEOに就任する予定だった。
4月末に書き換え不正の報告書を提出したが、6月5日に、完成車の試験をめぐる新たな不正が発覚した。昨秋以降、不正が発覚するのは4度目だ。これで事態は一変した。会長となる吉永氏は代表権を返上し、CEOを辞任することになった。CEO職は中村氏が兼務する。中村氏は思わぬかたちで経営を引き継ぐこととなった。
■神戸製鋼所は、刑事事件のリスクを抱えての船出
アルミ・銅製品などのデータ改ざん問題を起こした神戸製鋼所は、6月21日に株主総会を開催した。4月に就任した山口貢社長は、一連の不正問題を陳謝したうえで「不退転の決意で再発防止と信頼回復に取り組んでいく」と述べた。
取締役選任の賛成率は山口氏が86.12%、尾上善則副社長が89.96%で9割を下回った。社外取締役では、元みずほコーポレート銀行副頭取の沖本隆史氏が「独立性に問題あり」と指摘され、賛成率は84.43%にとどまった。
自動車や航空機部品向けのアルミ・銅製品部材などの品質データを改ざんし、国内外の延べ700社に、顧客の要求を満たさない製品を出荷していた。不正は少なくとも1970年代から続いていたという。
株主からは「日本を代表するような会社の信頼が根底から崩れている。末端に責任を押し付けるのはおかしい。(不正を生む)風土をつくったのは会社」といった、企業体質を批判する声が相次いだ。事実、役員経験者5人が不正に関与し、それを黙認していた。
川崎博也会長兼社長は引責辞任した。データ改ざんをめぐっては、東京地検特捜部と警視庁が不正競争防止法違反(虚偽表示)の疑いで6月5日、神戸市の本社などを家宅捜索し、刑事事件に発展した。米国とカナダでは集団訴訟も抱える。経営陣は厳しい船出となった。
■三菱マテリアル、竹内社長の遅すぎる辞任
三菱マテリアルは6月22日、株主総会を開いた。株主総会後に開いた取締会で、竹内章社長が代表権のない会長に退き、副社長だった小野直樹氏が社長に昇格する人事を正式に決めた。
報道陣には公開されなかったが、株主総会では株主からは一連の不正問題に関する質問が相次ぎ、怒鳴り声が響く場面もあった。前社長の竹内氏が会長として経営陣に残ることの是非を問われると、竹内氏はガバナンス強化に取り組んできた経緯を説明し、正当性を主張したという。
取締役選任の賛成率は、社長を引責辞任する竹内氏が75.17%と極端に低かった。80%を下回れば、「実質不信任」との厳しい指摘もある。新社長になった小野氏の賛成率は90.30%だった。
ほかに賛成率が9割を割ったのは、副社長(技術統括本部長)の飯田修氏の84.27%、専務執行役員(金属事業カンパニープレジデント)の鈴木康信氏の80.28%、社外取締役では三菱UFJ信託銀行会長の若林辰雄氏の75.14%。メインバンクからお目付役として送り込まれた社外取締役は、機関投資家からは「独立性に問題あり」とされ、賛成率は低くなる傾向が顕著になっている。
三菱マテリアルでは昨年11月以降、子会社5社で品質データの改ざんが相次いで発覚した。一連の問題の最終報告書を3月に発表したが、本社は関与していないと説明してきた。子会社社長2人を更迭する一方、本社の役員は社長以下、減給処分だけで済ませた。処分の軽さを疑問視する声が出ていた。
6月8日に「ない」としていた本体でも不正が発覚。竹内氏はようやく社長辞任を表明した。しかし、竹内氏は会長に残るうえ、記者会見も開かなかった。22日の株主総会後、新社長の小野氏がようやく記者会見したが、竹内氏は姿を見せなかった。
小野氏は、本社に不正の疑いがあることを隠した対応について、「適切だった」と繰り返し強弁した。情報開示に後ろ向きな企業体質は改まっていないと指摘する声が多い。
竹内氏がガバナンスの強化策を指導・監督する会長にとどまることについて、三菱グループ内部からも批判の声が上がる。竹内氏は対応の拙さに加え、出処進退の是非を問われるという二重の過ちを犯した。
三菱マテリアルの信頼回復には、時間がかかりそうだ。
(文=編集部)
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