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30代・年収2億円の中国人夫婦「残念な」東京旅行 日本の誇る「おもてなし」の弱点とは?(ニューズウィーク)
http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/685.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 7 月 07 日 22:12:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

30代・年収2億円の中国人夫婦「残念な」東京旅行 日本の誇る「おもてなし」の弱点とは?
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/07/302-1.php
2018年7月6日(金)18時20分 劉 瀟瀟(三菱総合研究所 研究員)※東洋経済オンラインより転載 ニューズウィーク


銀座の「おもてなし」は富裕層にも行き届いている? Yuya Shino-REUTERS


観光産業の成功には、富裕層誘致が不可欠である。スイスでのスキーからオーストラリアの海でダイビング、フランスのワイン生産地巡りからアメリカでの豪邸購入まで、世界中の富豪が好きなところで好きなことを満喫している。日本もインバウンドにおいて、富裕層誘致を重視すべきと感じている。

筆者はインバウンド研究を始めてから、数十人の中国富裕層にインタビューや密着取材をしてきた。年収2000万円のプチ富裕層から中国でも有数の富豪一家、土豪(成金の富豪のこと)から教養もセンスも一流のエリートまで、さまざまな方々から日本観光で感じたホンネを伺っている。

最近感じているのは、富裕層の訪日観光満足度が下がっていることだ。

それはもちろん、リピートにより新鮮味が減ったことと、情報技術の発達や中国国内市場が日本とシンクロすることにより、わざわざ日本でしか買えない/体験できないことが減ったことに原因がある。

しかし、もっと本質的な理由は、おそらく、日本が「富裕層を心からもてなそうとする気がない」ことなのかもしれない。もちろん、すばらしい個別対応ができるところもある。だが、今回、中国人富裕層の典型的な東京旅行、特に「コト消費」の代表である「食」「移動」を通して、筆者が感じた課題を提示したい。

■新婚旅行気分を日本で味わった若年夫婦

先月密着取材した夫婦は、30代前半にして年収2億円の富裕層である。夫は弁護士事務所を開業後、投資ファンドを設立している。妻はモデルのような顔立ちとスタイルで、2人の子どもを育てる専業主婦だ。子どもがいなかった頃は欧米に年3〜4回旅行していたが、今は子どもがいるので、近場のアジア諸国がメインになった。

中でも、日本が大好きだ。子どもをUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)とTDL(東京ディズニーランド)に連れて行けば、気楽で楽しい旅行になるし、日本には親子連れを配慮した施設も多い。子育てに疲れ、時々ラブラブな恋愛の頃に戻りたいときは、子どもを阿姨(アーイー:お手伝いさん)に預け、気軽に2人で3泊の「模擬新婚旅行」ができるのは日本である。

今までの日本での主な観光行動は、絶景のホテル/旅館に泊まり、薬局やブランドショップで新商品を買い、着物体験し、たくさんのインスタ映えする写真を撮るのがメインだった。最近の趣味は、ミシュランガイドで星を獲得したレストラン・飲食店の食べ歩きと美術展・個展の鑑賞になった。

今回の3泊4日の東京旅行もそうだった。

子どもから解放され久々にデート気分で意気高揚。着いた翌日のランチは、中国で「天ぷらの神」とも呼ばれている老舗だ。その店は中国の有名人によって紹介され、中国の若者の中では非常に有名である。筆者は彼らから予約をお願いされ、電話をした。が、発音のアクセントで外国人とバレた瞬間、「ネット予約でお願いします」とすぐに電話を切られてしまった。

その冷たい態度が気になり、もしかしたら、外国人対応にちょっと問題があるかもと富豪妻に相談したところ、「ネットで予約できることだけでも便利だわ。きっとおいしいから大丈夫だよ」と喜んでくれた。確かに、単独の外国人の入店は禁止(1人の日本人......定義がよくわからないが日本人がいればOK)、外国人だけでは予約不可をうたっているほかの厳しいレストランに比べれば、まだいいほうだ。

■なぜミシュラン店が料理を「low level」と紹介するのか

当日、「日本人は遅刻が大嫌いだからね」とご夫婦は、予約時間の30分前に到着。席に案内され周囲を見てみると、カウンター10席の中、8席は20〜30代の訪日中国人であった。後2人は中高年層の日本人カップルであり、何かのお祝いのようだった。

英語メニュー、お茶、おしぼりを出すと店員はすぐに消えた。メニューには「おまかせ」と「ランチ」(値段が少し安め)がある。妻は「夜は赤坂のミシュランレストランで懐石料理をいただくし、天ぷらは揚げ物で苦手なので軽めにしたいな」と言い、店員に、英語でどちらの量が少ないかと聞いたところ、店員は、「The normal one is high level, the lunch menu's level is very low.」と何回も言う。同行者全員この店員の「low level」という言葉に愕然とした。

万が一英語が不得意な店員さんで誤解したらよくないと思い、念のため同席した私が日本語で富豪妻と同じ質問をしたが、店員はどちらの量が少ないかについてはまったく答えず、「ランチメニューの質は、おまかせと全然違う」としか言わなかった。

結局、比較という意味でこの夫婦は1つずつ頼んで食べ比べたが、「舌が肥えていないせいかもしれないが、おまかせの食材の形がちょっときれいな気がする程度、味は変わらない」というのが2人の共通した感想だった。実際、カウンターからも見えるので同じ食材を使っていたのも分かるのだ。

「単に少なめに食べたいのに、なぜレベルが低いコースを食べないといけないかな」と落ち込む妻を慰めるために、「ビジネスだからやはり高いコースを売りたかったのだろう」と夫が優しくフォローした。この2つのコースの金額差は3000円。お酒代を含めた2人で消費した5万円に比べたら、気にもならないどうでもいい金額だ。

その夜の赤坂での懐石料理、翌日は中国人の中で伝説にもなっている銀座のすし店、ともに、予約だけでかなり苦労した。お店は外国人からの予約を受け付けないので、仕方なくアプリを使い、数万円の手数料を払い、やっと予約できた。この予約はどこかの会社が接待枠としてキープしていたのを転売したものだそうで、キャンセルだけはさせないぞという雰囲気が満々だった。

予約時間の2時間前から、15分ごとに「今どこですか?」「絶対遅刻しないでください」「1分でも遅刻したら、予約保証金1元も返金しないからね(通常は一部が支払いに充当される)」のような連絡が仲介業者から絶え間なく来ていた。「直接予約できないし、仲介業者に依頼したらこんな感じになるし、日本人って本当にまじめですね。私たちはやはり信頼されてないね」と苦笑していた。でも、楽しみにしていたお店だったので、それなりに楽しめ、写真もいっぱい友達にシェアした。

この3店に行けたら、しばらく職場でもママ友でも自慢できる話になるようだった。なお、後者の2店も、お客はほとんど外国人だった。

■富裕層向け商売の本質を忘れていないか

どちらのお店も、おそらく、日本企業の接待でさえめったに使えない高級店で、今はインバウンドで来日した顧客で支えられているのではないかと推測できる。英語の表現力が足りず「low level」と言ってしまったり、またはどうせ外国人は繊細でないから「食材が全然違う」とごまかしたり、あるいは、今までドタキャンされ本当に困ったから仲介業者に頼んでずっとリマインド連絡をしてもらおうと思ったのかもしれない。

しかし、このような外国人対応の簡略化、ノーショウ対策がよくできたとしても、高い料金を払う訪日富裕層の本当のニーズを満たしてはいないだろう。

富裕層向け商売の本質を忘れているような気がする。それは、訪日富裕層がここでしか味わえない美味を味わい、その美味と値段に相応のサービスを享受すること。お店側は、外国人にも日本人にも、最高の料理やサービスを提供することにより、高額な売り上げ、リピート、口コミの拡散を獲得することだろう。

つまり、広告しなくても来るという盛況さから離れ、真剣に対応を考える必要がある。メニューの説明方法の標準化や電子化、コンシェルジュ・銀行との提携、紹介制の導入など、もう一歩頑張れば、高級店らしいおもてなしを提供できるのではないだろうか。

もう1つの課題は、「移動」である。

50代以上の訪日中国人富裕層だと、メンツを重視し無理をしてでも、友人を紹介してもらい、旅行中は運転手に24時間待機してもらうのだろうが、若者世代の訪日中国人富裕層だと、頼まれた友人も迷惑だし待ってもらうのも申し訳ないので、おカネで解決しようと考える。

この若者富裕層夫婦も、これまでは来日時「中国語が通じるハイヤー」を利用していたが、無許可だったらしく、最近の「白タク」への取締り強化で、使えなくなった。そこで、タクシーに乗ることにした。

「Uberは日本では規制の影響でなかなか浸透しないですね。理由はよくわからないが、日本は、本当に、独特の文化ですね」とご夫婦は感慨深く言いながら、「2人の大人ならいいですが、子どもを連れて来るとき、荷物も多いし子どもの面倒もあり、一回一回タクシーを拾うのが無理かもしれません。ハイヤーだったら中国語のわからない運転手とどうやってコミュニケーションを取ったらいいのかな」と真剣に悩んでいた。

この夫婦を銀座シックス(GINZA SIX)やアップルストアに案内した後、とある銀座の居酒屋へ行った。GUCCIのTシャツにエルメスのサンダル、ピンクのエルメスバーキンは店内でとても目立ったが、酔っていた日本人サラリーマンにあふれた「日本の日常」に興味津々の2人だった。「日本のドラマみたい」とクスクス笑った。

■あまりにもぞんざいな扱いを受けてしまった2人

店を出たのが、22時。大手町にある超一流Aホテルに泊まっていると聞き、「地下鉄ならすぐですよ」と話したら、妻が「私は一度東京の地下鉄に乗ってみたいのだが、旦那が公共交通機関を嫌で......」。

あ、そうでした! 中国では、おカネがない人がバスや地下鉄に乗るという意識があることを忘れていました〔中国人観光客が「白タク」に乗りたがる理由(2017年12月28日配信)〕。

銀座のタクシー乗り場がわからず、タクシーを拾おうとしたら、3人のタクシーの運転手さんに違うタクシー乗り場を指さされ、なかなか乗せてくれなかった。

その後も、「Aホテルか、近い」と文句を言い、去って行ったタクシー、ホテルの名刺を渡したら「知らん」と言い行ってしまったタクシーに遭遇したりして、15分後、ようやく大手町まで乗せてくれるタクシーを見つけることができ、見送ることができた。

ホテルに到着したというメールをもらったが、その最後には「日本は秩序がよくて本当にすばらしいが、最近外国人が嫌われているようなので、劉さんもお気をつけて」と書いてあった。日本のドラマとアニメが好きで日本料理に目がなく、かつ消費リミットがない若者富裕層が、何でこんな寂しい気持ちになったのだろう。

      
銀座にあったタクシー乗り場の案内。こういった看板も確かにあるが、外国人にはわかりにくい(筆者撮影)

おそらく、日本社会全体が中流中心になっており、富裕層に不慣れなところが多く、外国人富裕層の移動事情もよく理解できていないためだろう。

外国人にわかる夜の銀座のタクシー乗り場の案内、外国語が通じるタクシーの増加、多言語タクシーアプリの普及化、またホテルと連携した移動サービスなどで、「いらっしゃい訪日客」という意識があることをちゃんと伝える必要があるだろう。

夫婦が帰国するとき、「またいらっしゃってください」とあいさつしたら、「はい、また来ます」と明るく返事をもらった。

レストランもタクシーの件もあって半信半疑に「本当ですか?」と投げかけてみたが、「はい、また来ます。次は築地で本当に新鮮なおすしとウニ丼を食べたいし、エルメスがいつも東京で買えたので、また買いに行きたいです」と妻が言った。

■「また来ます...」発言の真意

「お店も厳しいし、移動もいろいろ大変みたいですが......」とさらに掘り下げようとしたら、「だって、日本は厳しいってみんな知っているよ。自分が欲しいものがあるからまた遊びに行きます」と。

なるほど。日本が外国人観光客に厳しいことは、よく知られていることだった! リピーターの増加や「恐ろしい」口コミの拡散スピードで特に富裕層の間で広まっているようだ。

実際、その夫婦の紹介でほかの訪日富裕層の方にもインタビューしたが、みんな淡々としたいこと(買い物、観光、スキーなど)を済ませて帰国した。それはつまり、日本の自慢の「おもてなし」に期待をしなくなったということだ。築地はおもてなしというより観光地+新鮮さで有名なので一度行ってみたい。エルメスのバーキンや超高級時計を買えるかどうかは「運」が必要なので、たまたま東京での「運」がよかったのでまた買いに行きたいと思う。

相変わらずの高い消費額だが、いつの間にか他国と差別化できる「温かい人情」「friendly city」などの要素が彼らの口から語られる感想に入らなくなっている。

物流がどんどん発達しており、いつか築地鮮度の食材が中国でも食べられるだろうし、運がいいところはほかにもあるはず。富裕層の誘致には、値段相応、かつ唯一無二の体験の提供が不可欠であり、それがいつの間にか消えている感じがした。

東京オリンピック・パラリンピックまであと2年、観光立国の正念場になる時期だと、いま一度、訪日中国人富裕層に提供すべきものを再検討すべきなのではないかと思う。



 

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コメント
 
1. 2018年7月07日 22:13:48 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1184]
シンガポールが富裕層を落とせる3つの理由「おもてなし」をおカネに変える仕組みとは?
花輪 陽子 : ファイナンシャルプランナー 2018年07月07日

なぜシンガポールは富裕層におカネを上手に使わせることができるのか。 日本も「おもてなし」をもっとおカネに変えてもいいはずだ(筆者撮影)
よく「日本のおもてなしはすばらしい」と言われます。しかし、「それでおカネをたくさん稼いでいるかどうか」となると別の話です。その点、日本が学びたいのが「シンガポール版おもてなし」です。住んでいるとわかるのですが、シンガポールはやや大げさに言えば「富裕層がおカネを落としていくおもてなしの手法」を知っているのです。

つい先日も、同国は見事にそれをやってのけました。6月12日の米朝首脳会談です。ホテル代など13億円のコストで優秀なホスト国(VIP対応が完璧にできる国)であることを、全世界に印象づけました。たとえば同国のチャンギ空港は「アジアナンバーワンのハブ空港」というブランドをドバイ空港(アラブ首長国連邦)と熾烈に競っています。「通行規制」などによる国民の不便を考えても、「世界のVIPをおもてなしできる国」というプレゼンテーションができたのは非常に意義があったのです。

たった561万人の人口で観光収入が2兆円超
観光収入のデータを見ると、同国がいかに富裕層を集めているかは一目瞭然です。2017年の観光収入は約2兆1960億円、外国人旅行者数は約1740万人。一方、日本はそれぞれ約4兆4162億円、約2869万人。人口約561万人、面積は東京23区と同程度、GDPも神奈川県と同程度なのに、日本全体の観光収入の約半分を稼ぎ出していることを考えると、驚異的です。

デービッド・アトキンソン氏は『新・観光立国論』のなかで観光立国を目指すうえで必要なのは「気候」「自然」「文化」「食事」という4つの要素だと指摘しています。しかし、食事はともかく、シンガポールはこれらの3つの要素で恵まれているとはお世辞にも言いがたいです。実際にこれらの4つを求めて、日本を訪れるシンガポール人が多いほどです〔国籍・地域別にみる訪日外国人の旅行消費額(2018年1〜3月期)を見ると、シンガポールは12位(1.2%)と小国の割に多い〕。

ではなぜ、シンガポールは少ない資源でこれほどの観光収入を稼いでいるのでしょうか。それは同国のおもてなしは戦略的で計算高いからです。もちろん富裕層から稼いでいるという理由も大きいのですが、至るところにおカネが落ちる仕組みが作られており、自然とおカネが稼げるようになっているのです。日本も少子高齢化で国内経済が伸び悩んでいますが、経済成長をしていくには観光収入を増やしていく必要があります。そのためには無償のおもてなしは終わりにして「シンガポール流稼げるおもてなし」を取り入れるのも手です。具体的には次の3つが参考になります。

ひとつずつ解説しましょう。

玄関口の時点で快適度を上げている
1.旅行者にストレスがかかりにくい

齊藤成人著『最高の空港の歩き方』では、英スカイトラックス社の空港ランキングで5年連続世界一を獲得したチャンギ空港のすごさが語られていますが、シンガポールのすごさは全般的にストレスがかからないことです。「空港にいることを楽しめる」「快適に過ごせるオペーレーションがすごい」というほかに、「あえて静かな空港にすることによっておカネを稼いでいる」という面白い記述がありました。アナウンスを最小限に抑えてできるだけ静かな空港にして、快適度を上げようという考えなのです。

そのほかにも、滞在する人にとってストレスがかかりにくい仕組みになっています。たとえば、空港からのタクシーは一列ではなく放射状に出ていて待ち時間を短縮しています。タクシースタンドとは別の場所から配車アプリを使ってライドシェアを呼ぶことも可能です。

配車アプリを利用すれば通常はわずか数分以内に配車されます。タクシーやライドシェアの利用料金は日本のタクシー代の半額程度です。空港から市内へも車で30分程度と、交通のアクセスがいいです。成田空港とは大違いです。たとえ何時にチャンギ空港に着いたとしてもタクシーに乗って短時間で滞在先や訪問先に行けるので、着いた日からアクティブに経済活動ができる仕組みになっています。世界を飛び回る「ジェットセッター」には極めて評判がよく、「出入り口を制す者、富裕層を制す」なのです。

2.店員の「笑顔」はインセンティブで作られる

シンガポールには欧米流のチップ制度はありません。しかし、実は販売員などにインセンティブを与えて売上額に応じてボーナスが入る仕組みになっていることも多いのです。

たとえばレストランのテーブル担当も有料の水やお酒などのボトルを熱心に勧めますし、アパレルなどの販売員も積極的です。顔見知りの販売員が「WhatsApp」などのSNSで新作入荷やイベントやセールなどの案内をこまめに連絡してくれることもよくあります。気になったので仲がいいスタッフに聞いたところ、顧客から予約を取り決済が完了したらポイントがついて店員の報酬に反映される仕組みがその企業にはありました。

また格付けシステムもしっかりしています。空港や店舗などあちこちにタッチパネルが置かれていて、押すだけで簡単にサービスの評価(5段階評価など)ができるようになっています。その評価がボーナスに反映されることが多いのです。ですからできるだけ「大変満足」を押してもらうよう、店員は頑張ります。またアンケート調査もしっかりしています。複雑なものだと有料になるのが一般的で、政府も大企業も、アンケートと引き換えにバウチャーをよく贈呈しています。セミナーの後もアンケートに答えたり、口座を開設したりすると景品がもらえるといったこともあります。

ある有名モールのアンケート調査に答えたら、なんと謝礼が約1万6000円分の商品券だったこともあります。当然質問も多岐にわたり時間もかかるのですが、それだけ徹底しています。このように見返りが大きいと正確に書く人が増え、より正確な調査を行うことができるのです。このように、同国では政府も企業も、顧客の要望のヒアリングとサービスの改善を常時真剣に行っているのです。

3.「支払う金額に応じたサービス」を

日本はまだまだ大衆が中心のマーケティング(市場調査や広告宣伝・販売活動などをしながら顧客を増やしていく取り組み)ですが、シンガポールでは違います。どちらかというと欧米に近く、支払う金額に応じて受けられるサービスが小刻みに決められているのが一般です。代表的なのは銀行です。商業施設の会員カードメンバー、レストランなども4?5段階に分かれています。

たとえば、レストランは米国のように「1.ファストフード」「2.ファストカジュアル」「3.カジュアルレストラン」「4.アッパーカジュアル(呼び名が変わる場合も)」「5.ファインダイニング」などに分類されており、客単価はしだいに高くなり、サービスや手間暇も多くなります。

いろいろなものが無料提供される日本のほうが珍しい
日本のように、どんなレベルのお店でもウェットティッシュやお茶が無料提供されるといったことは珍しいのです。

たとえば「2.ファストカジュアル」のレベルに該当するレストランでテーブルに置かれていたウェットティッシュを使ったことがありますが、会計の時には使った数に応じて1組160円程度の代金を請求されました。もちろん中国茶や水も有料です。飲茶(ヤムチャ)など、細かいものをたくさん頼んでいたらレシートを見ても気がつかない人もいるでしょうし、消費者が気づきにくいところから料金を取っています。

一方、日本のように無料だとそれはそれですばらしいのですが、顧客はたくさん使ってしまいがちで、店のコスト意識も低くなってしまうのではないでしょうか。

おしぼりに至っては顧客単価が2万円程度する「5.ファインダイニング」レベルの店なら香り付きで出ていたことが何度かありました。シンガポールのサービスチャージは10%なので、無料で提供しても元は十分に取れます。日本では中級店クラスでもしっかりしたおしぼりが出ますが、シンガポールではホテルなどの高級店でリクエストをしないかぎり、出てきた記憶がありません。

品質の高いサービスには対価を求めるシンガポール
逆に、「3.カジュアルレストラン」といわれるクラス以上からはテーブルごとに担当がつくのが一般的です。店員は客がオーダーしたものはしっかり覚え、違うテーブルでオーダーされた物が間違って運ばれてくるということはまずありません。「アレルギーや苦手な食材がないか」「ここまでのサービスに満足しているか」といった質問もこまめにしてくれます。プリフィックス(メニューから好きな料理を自由に組み合わせて選ぶ方式)の場合でもメインディッシュが苦手でどうしても食べられないときなどは頼めば変えてもらえる場合もあり、融通が効きます。シンガポールにはベジタリアン、ビーガン(酪農製品も食べない絶対菜食主義者)、ハラル対応ができるレストランも数多くあります。


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また値段設定は本当にしっかりなされています。特に評価されている店の単価は相応となるため、「予約が何カ月も取れないレストラン」などという店はあまりありません。「1.ファストフード」「2.ファストカジュアル」の人気店は当日並ぶスタイルの場合が多いですが、それ以上のクラスでは数日前に予約をすれば取れる場合が多いです。突然の訪問客に「連れて行く店がない!」ということも起こりにくいのです。

世界中から超富裕層や多種多様な人を受け入れているシンガポールは、個別対応が本当に上手です。特に超富裕層の扱いは上手。この層は細やかだといわれる日本人の眼からみても「神経質すぎる」と感じるような人も多々います。しかしこの「手間暇」を「稼ぐ力」に変えられるのがシンガポールのタフさだと感じます。日本もしっかりしたサービスをするなら、それに応じたおカネをどんどんとってもいいのです。2020年に開催される東京オリンピックやその後に向けて、日本もシンガポールから学べるところは多いのではないでしょうか。


2. 2018年7月07日 22:28:00 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1185]

>>01 2017年の観光収入は約2兆1960億円、外国人旅行者数は約1740万人。一方、日本はそれぞれ約4兆4162億円、約2869万人。人口約561万人、面積は東京23区と同程度、GDPも神奈川県と同程度なのに、日本全体の観光収入の約半分を稼ぎ出している

補足

実際はシンガポールの一人当たり消費額は日本以下だから、やはりマスとしての人口数


つまり金融と物流ハブとしての人口吸引力、特に英語と中国語圏、両方の通り道になっていることが大きいだろう



3. 2018年7月08日 01:14:06 : ABzezkVDCk : Nd3XGeBWb5c[7]
大阪にカジノを作って日本人が接客してもうまくはいかないだろう。

4. 2018年7月08日 06:09:21 : wTqrxDwRMY : vEeN2335v8Q[331]
 
 愛だって 2億はないが 億は あるかも〜〜

 ===

 だけど 海外旅行は せいぜい ビジネスを利用するくらいで 普通のツアーに

 乗っかって行って マズイ飯も 不満を言わずに 食べさせられて 

 さほど 高価なホテルに 泊まるわけでもない 

 ===

 この前 行った スペインなんかは 1日 14キロも 歩かされて 

 囚人が 鎖につながれて 数珠になって 行進するのと 大した違いはないよ〜〜
 
 ===

 いたるところの 土産物店に 案内されると 愛の場合 直ぐに買い物しちゃうから

 手荷物が どんどん 増えて それはそれは 「難行苦行のツアー」なんだよね〜〜

 ===

 スペインは 景色の良いところも あるが〜〜 ま〜〜 教会ばかり 見て歩くわけで

 日本で言えば 「四国のお遍路」の 御寺参りと 大した違いはないのだよね〜〜

  
 


5. 2018年7月08日 06:13:49 : wTqrxDwRMY : vEeN2335v8Q[332]

 ただね〜〜

 海外旅行をすると それぞれの国が いかに「豊」であるか が わかるんだ

 ===

 逆に 日本は どうして このように 「貧しい国」なんだと 思い知らされる

 ===

 スペインは 豊かな国だった よ〜〜〜
 


6. 中川隆[-13409] koaQ7Jey 2018年7月08日 06:39:37 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-16345]

【小浜逸郎】安倍政権20の愚策(その3) 観光立国、カジノ法案
https://38news.jp/economy/12129


インバウンド、インバウンドと、
政府は日本を観光立国にしようと
騒いでいます。

しかし内需拡大を目標に自国の生産力の
拡大を諮ろうとせず、ガイジンさんに
頼るようになった国は必ず衰えます。
ところで訪日外国人の内訳ですが、
韓国、中国、台湾、香港の4地域で、
全体の73%を占めます。
欧米加豪の合計はわずか14%。
しかも2014年当時、前者は67%、
後者は18%でした。
http://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/since2003_tourists.pdf
つまり増えているのは、お隣からの
訪問者であって、欧米人の割合は
減っているのです(絶対数は微増)。
韓国や中国がいまの日本にとって、
不安定な関係にあるということを
忘れないほうがいいと思います。
しかも訪日外国人の4割は、
観光客ではなくビジネスマンです。
これらの人は日本でちゃっかり稼ぐ
意図で来日します。
訪日外国人の増加を素直に喜べません。
もう一つ素直に喜べない理由。
じゃんじゃん高級ホテルの建設でも
進むなら話は別ですが、
実際には、サービスの悪い民泊の増加
による料金低下競争が起きています。
老舗旅館などが閉鎖されつつあります。
デフレ不況期にこういうことが起きると、
移民による賃金低下競争と同じで、
日本の経済全体に悪影響を及ぼすのです。

さらに、次の点が決定的に重要です。
最新の統計では旅行収支1.3兆円の黒字
と出ていますが、
これってGDPのわずか0.26%です。
この程度の黒字幅をもって、
日本経済に好転の兆しがあるかのような
幻想をマスコミが振りまいています。
この種の幻想は、政府がやるべきことを
やらない口実として利用され、不作為の
事実を隠蔽する効果を生むだけです。

カジノ法案(IR実施法案)が衆議院で
可決されました。
これも「観光立国」というまやかしの
政策の一部です。
パチンコや競馬・競輪などでギャンブル
依存症が多いことは知られていますから
カジノが出来たからといって、
急に依存症が増えるとは思いませんが、
政府がやるべきことをやらず、
デフレ脱却を先延ばしするなら、
カジノがあろうとなかろうと、
貧困層が増え依存症も増えるでしょう。
さらに、カジノ収入のすべてが国庫に
収まるのではなく、7割は賭博事業会社の
懐に入るという事実に注目すべきです。
さぞかしラスベガスなどで鳴らした
名うての外資に狙われることでしょう。
ここにも米国の大きな圧力を感じますし、
農業や電力や水道の自由化と同じように、
グローバリズムを無反省に受け入れる
日本政府の亡国路線が見えます。
日本は「観光立国」などという浮かれ騒ぎ
にうつつを抜かすのではなく、
一刻も早くデフレ脱却のために、
内需拡大を目指すべきなのです。
社会資本が充実し経済活動が繁栄すれば
その国は魅力を増すので、
観光客などはおのずと増えます。

下図は2016年の訪問者数の国際順位。
https://38news.jp/economy/12129



[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

7. 2018年7月08日 16:52:34 : kNeY0s9eJg : _DtOmeuKCLg[47]
>東京オリンピック・パラリンピックまであと2年、観光立国の正念場になる時期だと、いま一度、訪日中国人富裕層に提供すべきものを再検討すべきなのではないかと思う。

観光立国としていろんなあり方が存在して当然であり、それぞれが検討していくべきことにすぎない。
 本論でいわれるようなことは、あまり政策的なことでなく、これが東洋経済でさらにそれをニューズウィークで取り上げられていることに驚きです。


8. 2018年7月08日 19:54:11 : XIsvNAajdE : BEm0er9qaBs[167]
夫婦一緒に旅行するからだろ。

9. 2018年7月08日 21:34:15 : pxgwgovz2Q : W8I8Zx2GSxE[531]
化けの皮 剥いだら見える つまらなさ

訪日の 狙いカジノの ロケハンか?


10. 2018年7月08日 23:08:06 : MnOJrz1PiY : Y2OUcbNSdzs[1]
おもてなしと言ったって「日本人富裕層向け」のおもてなしだろう。外国人向けに研究した事などない。

まぁどこの国でも同じだ。自国の富裕層向けのサービスを万国に共通する「おもてなし」と決め付ける。ところが外国人にとっては日本人向けの「おもてなし」が「苦行」になるケースは想定しない。

人間組織のやる事など数千年も変わらん。だから自国の縄張りを敗戦などによって縮小させたり自民族の人口を減らしたりするのは売国行為だと言っているのだ。


11. 2018年7月09日 11:40:37 : 41rtq8hg52 : nOM_4_2pn1I[1]

政府やマスゴミが自慢げに紹介する「日本のおもてなし」は過剰で見当はずれなものも多い。

ウザい!疎ましい!おせっかい!

日常から解放されゆったりしたい…ほっといて欲しい。

そして求めた事だけ、高いサービスを提供してもらいたい。

↑ここが日本は弱いかも


12. 2018年7月09日 19:46:16 : xk8RhRwJrV : xg9iACF_eJk[-523]
>>4、5

お前はスペインでも何処でも行って、屁でも垂れて永久に寝ててくれていいよ。


[18初期非表示理由]:担当:言葉遣いが適さないコメント多数により全部処理

13. 2018年7月10日 22:08:12 : xk8RhRwJrV : xg9iACF_eJk[-583]
[18初期非表示理由]:担当:言葉遣いが適さないコメント多数により全部処理

何とかの一つ覚えかよwww




[18初期非表示理由]:担当:言葉遣いが適さないコメント多数により全部処理

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