http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/671.html
Tweet |
大前研一氏 RIZAPの海外展開に伴うノウハウ流出を懸念
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180706-00000001-moneypost-bus_all
マネーポストWEB 7/6(金) 7:00配信 週刊ポスト2018年7月13日号
経営コンサルタントの大前研一氏が考察
急成長する企業が、さらなる拡大のために経営のプロをヘッドハンティングするのは、よくあることだ。経営コンサルタントの大前研一氏が、カリスマ経営者として知られるカルビー前会長兼CEOの松本晃氏を迎えると発表したRIZAP(ライザップ)グループの今後について、考察する。
* * *
「結果にコミットする」というキャッチコピーのCMで有名になったRIZAPグループは、2018年3月決算の売上収益が1362億円(前年同期比143%増)、営業利益が135億円(同133%増)で6期連続増収、5期連続増益となった。2019年3月期も売上収益2500億円、営業利益230億円という大幅な増収増益を見込んでいる。
この急成長に伴い同社は近年、大手企業の役員経験者を続々とヘッドハンティングしており、6月24日にはカルビー前会長兼CEO(最高経営責任者)の松本晃氏が新設のCOO(最高執行責任者)に就任した。
松本氏は伊藤忠商事、ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人、カルビーと渡り歩いた「プロ経営者」と呼ばれる人物だ。RIZAPグループの瀬戸健社長兼CEOは、記者会見で松本氏の役割について「ヘルスケア分野や海外展開などでのリーダーシップを期待したい」と述べ、プレスリリースにも松本氏が「海外への本格進出」を担当すると明記されている。
だが、瀬戸社長は松本氏のことを勘違いしているのではないかと思う。松本氏は9年間のカルビーCEO在任中、合理的な経営手法を導入して収益性の改善とグローバル化を加速し、売上高を2倍にしたとされるが、海外で会社をマネージした経験は浅いようだ。そういう人にパーソナルトレーニングジムのRIZAPのようなソフト事業の海外展開を任せても、軌道に乗せるのは至難の業だろう。
RIZAPグループは2003年の創業以来、貪欲なM&A(合併・買収)を展開し、これまでに多種多様な業種で76社も傘下に収めている。その結果、たしかにグループ全体の業績は伸びているが、収益の柱は2012年から6年間で会員数10万人を突破したRIZAPを軸とする健康・美容部門だけで、それ以外のエンターテインメント部門、住関連部門、アパレル部門は低迷している。
さらに、稼ぎ頭のRIZAPも、ノウハウがAI(人工知能)やビッグデータなどを活用した独自の科学的システムとしてきっちり固まっているわけではなく、研修で育成しているトレーナー頼みのようだ。となると、優秀なトレーナーが競合他社に引き抜かれたり独立したりすれば、顧客はそちらに奪われてしまうだろう。実際、すでにRIZAPと同様の効果を謳うジムがいくつも登場している。
他社が真似できないシステム、すなわちノウハウを「人」に依存しないシステムを構築することは、どんな業界でも極めて重要だ。
たとえば、コンビニ業界ではセブン-イレブンが1日あたりの売上高でファミリーマートやローソンを大きく上回っているが、同社の最大の強みはデータベースや棚管理などのノウハウを組み合わせたシステムと商品力である。それが確立されているから、「人」に左右されることなく、他のコンビニよりも多く売り上げることができるのだ。
したがって、これからRIZAPグループがやるべきことは、結果を正確に測れる分野でデータベースに基づいて指導でき、しかもそのノウハウはトレーナーやインストラクターが他社に移ったり独立したりしても使えない、というシステムの確立である。
その点で可能性があるとすれば、ゴルフスクールのライザップゴルフだろう。ゴルフはフォーム改善のノウハウがほぼ世界共通であり、データベースを基にシステム化してレッスンすれば、結果にコミットしやすいからである。とはいえ、すでにゴルフは世界的な斜陽産業だ。よってこちらも期待薄、ということになる。
松本氏のリーダーシップに期待するという海外事業そのものにも疑問符が付く。たとえば中国でRIZAPを展開したら、すぐ有力トレーナーにノウハウをパクられてしまい「LIZAP」や「IZAP」「ZAP」のような偽ブランドが次々と登場するに違いない。
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民127掲示板 次へ 前へ
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民127掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。