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アップルがスマホ中毒防止機能、恐ろしいSNS利用実態…フェイスブック、価値低下の危機(Business Journal)
http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/667.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 7 月 06 日 00:34:25: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

アップルがスマホ中毒防止機能、恐ろしいSNS利用実態…フェイスブック、価値低下の危機
http://biz-journal.jp/2018/07/post_23955.html
2018.07.05 文=松村太郎/ITジャーナリスト Business Journal

 
   アップルのロゴ(撮影=編集部)


 米アップルは6月4日から、カリフォルニア州サンノゼで世界開発者会議「WWDC 2018」を開催した。ハードウェアの発表はなく、秋に配信するiOS 12、watchOS 5、tvOS 12、macOS Mojaveの4つのソフトウェアとその新機能、新たなアプリ開発キットを披露する、「開発者会議」然としたイベントだった。

 そのなかでも注目を集めたのが、iOS 12に搭載されるスマートフォン(スマホ)中毒防止機能「スクリーンタイム」だ。この機能は、アップルが1月に主要株主と全米の教職員の団体から受け取った公開書簡に応えるものだ。子どものスマートフォンの使いすぎを防ぐ機能を盛りこむことで、アップルの価値がより高まるとしている。

 この書簡は、シリコンバレーで「スマホ中毒」や「デジタルデトックス」といったテクノロジーとの付き合い方やその管理を、2018年のトレンドにするには十分なインパクトだった。大株主からの要求に応える姿勢を見せることは、公開企業として重要だ。しかしアップルがこの公開書簡とトレンドを利用し、自分たちの思いを実現した側面も、垣間見ることができる。

■まったく把握していない「スクリーンタイム」

 自分がスマホの画面を1日何時間眺めているか、知っている人は少ないだろう。何件の通知を受けとり、何回スマホを手に取っているか。また各アプリに1日何時間を費やしているか。正確に答えられる人はいないはずだ。

「データがないものは改善できない。だからデータを可視化しよう」。これはシリコンバレーに限らず、企業がビジネスを加速させたり改善する際の、基本的な行動パターンといえる。それを人間に当てはめるという点はシリコンバレーらしい。

 アップルは、一人ひとりのスマホ使用を毎週レポートし、自分がどれだけスマホを見ているのか、SNSを何時間使っているのか、といったデータを示す機能をiPhoneに用意した。おそらく多くの人が、その結果を見てハッとするだろう。そして2週目、3週目とレポートが届くにつれ、自分は何をすべきかわかってくる。多くの場合、SNSアプリへの中毒症状を目の当たりにすることになるからだ。

■明らかなフェイスブック叩き

 同様の機能はWWDC 2018の1カ月前、グーグルの開発者会議「Google I/O 2018」でも、今秋から配信されるスマホ向けOS「Android P」の新機能として紹介された。

 ただし、Android Pの新機能の有効性は高くない。Androidの世界のシェアは85%だが、最新バージョンのAndroidのシェアは9カ月経過時点でそのうちの6%で、すべての人が新OSの機能を享受できるわけではないからだ。

 とはいえ、グーグルに続きアップルもアプリの使用時間に制限をかけることができるようになり、スマホ中毒の改善をしたい人に、より具体的な対処手段を提供したことになる。

 その機能の多くはSNSアプリに注がれると考えられる。グーグルもウェブの検索広告によって収益を得ているため、あまり強くは示さなかったが、アップルはそうしたビジネスモデルをよくは思っていない。ユーザーのデータを広告価値に変える点も、プライバシーを訴えるアップルからすれば敵だ。

 スマホ中毒も、SNSアプリが原因の大半を占めるとアップルは考えているようだ。そもそもスマホ中毒防止を株主から訴えられた際、アップル自身は中毒化する原因となるSNSアプリをつくっていない上、それらのアプリからの収益もないことから、今回のスクリーンタイム機能はさほど抵抗感なく導入できたのではないだろうか。

 一方、使用時間の抑制の対象となるフェイスブックは、ユーザーの滞在時間の減少が広告価値の低下につながる懸念がある。まだスクリーンタイム機能が利用できるiOS 12はリリースされていないが、秋以降、フェイスブックのユーザー動向に変化がもたらされる可能性も捨てきれない。

■フェイスブック批判はどこまで?

 フェイスブックのユーザーデータがCambridge Analytica(英データ分析会社)に流用された事件が発覚した直後の3月、アップルはiPad発表の教育イベントで、役員が語気を強めてユーザーの情報を売り物にする姿勢を批判した。もちろん、子どもや教育機関向けの製品発表の場で、アップルの配慮を知ってほしかったこと、それが製品価値を構成することのアピールだということはわかる。しかし、それにも増して、やや感情的にフェイスブックを批判している姿が気になった。

 そして今回は、ユーザーのスマホ利用の時間を制限し、その滞在時間を広告価値としてきたSNSアプリに対して圧力をかけるかたちとなった。一般的なアプリの使用時間は1回あたり1分程度で、一日当たり2時間、3時間を費やすものではなく、実用性の価値を与えているようなアプリに対しては、時間的に制限をかける必要性そのものがないのだ。

 今後、フェイスブックは2018年のトレンドであるスマホ中毒の是正と、これらに対応するアップルとグーグルの時間的な制限機能への対処を、いかに準備していくのか。また、我々にとって最適なテクノロジーとの関わり方は、どのようなかたちなのであろうか。

(文=松村太郎/ITジャーナリスト)


 

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