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メルカリ、オーバーショートか…上場なのに今期決算「利益非開示」に市場で疑問広がる
http://biz-journal.jp/2018/07/post_23890.html
2018.07.02 文=編集部 Business Journal
人気が沸騰したメルカリのIPO(株式の新規公開)。6月19日の上場初日は、公開価格比66.7%高の5000円で初値を形成した後、一時ストップ高(1000円高)の6000円となった。
上場2日目の6月20日以降は、さすがに売りが先行した。
20日は短期資金が流出し、初値を割り込み、一時、4810円。終値は4910円(390円安)。週末の6月22日には4550円(260円安)で終わった。高値(6000円)からの下落率は25%弱。
25日には4営業日続落で一時4195円まで下げ、連日の安値更新となった。翌26日も4166円(105円安)と一時、安値を更新したが、その後、反発して4545円(275円高)で取引を終えた。4000円が下値の抵抗線という意識が市場にあるようだ。27日も高かった。
みずほ証券が6月19日に作成したリポートはメルカリの2019年6月期の連結営業利益を56億円、2020年同期を235億円と予想した。
今期(18年6月期)について、現時点でも会社側は利益を非開示としている。6月決算がすぐ締まる段階でのIPOなのに、利益を公表できないのは不可解である。市場に不透明感があるのはこのためだ。
“泥棒マーケット”という厳しい批判にも、創業者の山田進太郎会長兼CEOは、明確に答えなければなるまい。
上場当日に記者会見した山田氏は「テクノロジーに力を入れており、世界展開の武器として考えている。人材や海外事業、テクノロジーに投資していきたい」と語り、今後の事業については「金融サービスのメルペイがコアになるのではないか」とした。
「さすがにこれは行き過ぎ。オーバーショートだ」
メルカリの初値が5000円となった瞬間、ベテランの証券マンが呟いた。メルカリ・フィーバーに踊らなかったアナリストの見方はこうだった。
「冷静にみて株価3600円が適正株価。ご祝儀相場でも上限は4000円だろう」
それが、5000円で初値を形成して一時的とはいえ、6000円まで突っ走った。過度に人気が集中した結果、メルカリの売買代金は全市場を通じて断トツの1915億円。メルカリが上場したマザーズ市場の総売買代金の65%を1社で占めた。
■下値は4000円がメドか
「目先、株価5000円を維持できるかどうかが焦点。5000円を下回ると一気に崩れる恐れがある」(新興市場をウオッチするアナリスト)とされてきたが、あっさりと5000円の大台を割り込み、4000円に向けて下降線を描いている。
当面の下値のメドについては、LINEが参考になるという。LINEは公開価格を48.5%上回る4900円で初値を形成。いったん5000円まで上昇し、その後、4000円割れで株価が落ち着き、切り返した。2割程度の株価の調整を経て、反転したことになる。
LINEのケースをメルカリに当てはめると、初値(5000円)の2割安の4000円が下値のメド。その後に切り返せるかどうかがポイントになる。
LINEは公開株数をこなすのに5営業日かかった。一方、メルカリは上場2日目の前場で公開株数が一回転した。この点からみると、メルカリのほうが需要旺盛といえるが、人気先行だった点は間違いないところ。
上場初日は一時、ストップ高となったが、その後は前日比でマイナスが続く“全敗”状態。上場後に買い物を入れた投資家のほとんどがメルカリ株で損失を被っていて、東証マザーズ指数が年初来安値を更新する心理的要因になっているとの指摘がある。
目先の株価上昇を期待して参戦した投資家の見切り売りが続いている。
前述した理由に加え、今6月期決算の利益予想を非開示としていることが業績面での不透明感につながり、どうしても短期的な売買が中心になりやすい。
不明確な将来への期待をベースに株価が形成された“トガメ”が、はっきり出た格好。売りが一巡するのを待つしかないだろう。
(文=編集部)
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