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FRBの「勝負の一手」が世界の株価暴落を招く可能性 注目すべきは「利上げ」だけではない(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/552.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 6 月 21 日 14:44:45: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


FRBの「勝負の一手」が世界の株価暴落を招く可能性 注目すべきは「利上げ」だけではない
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/56209
2018.06.21 安達 誠司 エコノミスト  現代ビジネス


出口政策の進捗状況

FRBは、6月12、13日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)で今年2回目の利上げを決めた。さらに、年内にあと2回の利上げを実施する見通しに変更し、今年の利上げを3回から4回に増やした。

この結果、アメリカの政策金利であるFFレートは1.75〜2.00%となったが、あと2回の利上げが本当に実現すれば、FFレートは、2.25〜2.5%(中心値は2.4%)まで上昇することになる。

現在のアメリカのインフレ率は2%近傍なので、FFレートからインフレ率を差し引いた実質FFレートが年内についにプラスの領域に入る可能性が高まった。

アメリカの場合、景気に対して中立な政策金利の水準であるとされる自然利子率は、ゼロから0.5%程度(サンフランシスコ連銀のエコノミストらの推計)であるので、年内に実質FFレートはこの自然利子率とほぼ同水準になる。

したがって、政策金利でみると、アメリカの金融政策はようやく「正常化」が展望できる状況になったと考えられる。FRBの経済見通しによれば、FFレートの長期的な均衡値は2.9%であるため、2019年にさらに2回利上げを実施すれば、均衡水準に到達することになる。

これまでFRBは、政策金利をゼロから段階的に引き上げてきたが、この間、アメリカ経済はそれほど大崩れすることなく回復プロセスを続けてきた。その意味では、これまでのところ、FRBの出口政策は成功裡に進捗しているといえる。

「質的・量的緩和」が終わる時

ところで、リーマンショック後、FRBは、政策金利を理論的な下限であるゼロ%にまで引き下げた後、政策手段を「マネタリーベース(FRBの総資産残高)」という「量」に切り替えた。

正確にいえば、FRBは、住宅ローンの証券化商品であるMBSや長期国債を市中から購入することで、「量」の拡大とともに信用リスクの大幅な低減や長期金利の低下を実現させた。

このような「質」的な緩和によって、投資家は思い切ってリスクをとることが可能になり、この投資家のリスクテイキングな行動がアメリカに景気を回復させてきた。

FRBが、このような投資家の行動が行き過ぎたものになると判断するのであれば、FRBにとっての金融政策の正常化は「質(すなわち、信用リスクや長期金利)」の調整という次の段階に入ることになろう。そして、この「質」の調整が、FRBによるMBSや長期国債の購入量の減少を伴うとすれば、これは同時に「量」の調整にも進展していくことになるというのは自明であろう。

すなわち、「質的・量的緩和」が終わるという意味での、真の「金融政策の正常化」は、「量」の減少をともないながら、長期金利の上昇と信用スプレッドの拡大(社債などの利回りと国債の利回りの差の拡大)が実現するということになろう。

過去の経験則では、平均的には、長期金利(10年物国債利回り)は名目の経済成長率の近傍に収斂する(図表1)。



FRBの経済見通しによれば、FRBが考える長期的な名目経済成長率の水準は3.5〜4%弱程度であると推測される(実質経済成長率の長期均衡値が1.8%、インフレ率がコアPCEデフレーター上昇率で年率2%)。したがって、アメリカの長期金利(10年物国債利回り)は、FRBの金融政策正常化が成功裡に実現すれば、4%程度まで上昇してもおかしくはないということになる。

最近のアメリカの10年物国債利回りは3%弱の水準であるから、今後もFRBによる金融政策の正常化が進むとすれば、長期金利にはまだ上昇余地があるということになる。

一方、「量」でみたFRBの金融政策は、金利よりも株価や為替レートの動きに大きな影響を与えうる(これまでのところ、金利の他の資産価格変動との相関はそれほど高くない)。この金融政策の「量」の一つであるマネタリーベースも現在、金融政策の正常化の過程で減少過程にある。

5月のアメリカのマネタリーベース残高は前年同月比で2.5%の減少となっている。過去、マネタリーベースの伸び率がマイナスに転じる局面では株価は大きく調整することが多かった。したがって、最近のマネタリーベースの減少は株価の先行きにとって懸念材料という指摘をこれまでも行ってきた。

実際、2月以降、アメリカの株価は全体でみると調整色を強めているが、それでも、ここまでのところ、調整幅は限定的であり、投資家がリスク回避的な行動(リスクオフ)をとりつつあるとは言い難い。この理由は何だろうかというのが次の問題になる。

マネタリーベースの対名目GDP比率

そこで、マネタリーベース残高を名目経済成長率と関連づけて考えてみると(カーネギーメロン大学のベネット・マッカラム教授が考案した「マッカラムルール」といわれるもの)、アメリカのマネタリーベース残高は、2016年半ば以降、約3.5〜4%程度の名目経済成長率を実現させる規模に等しい水準で推移していると推測される(図表2)。



この「約3.5〜4%の名目経済成長率」というのは、すでに述べた通り、FRBが想定する名目経済成長率の長期的な均衡値に近い水準である。すなわち、現時点において、FRBは政策金利と同時にマネタリーベースという「量」に関しても景気を悪化させないように極めて慎重にコントロールしており、これが株価安定にも寄与していると考えられるのである。

金融政策における「量(マネタリーベース)」の効果については、学界においては完全決着はついていないものの、否定的な見解が優勢である。だが、実際のデータでは「質(金利)」よりも「量(マネタリーベース)」の方が経済や資産価格に対する影響力が強いという結果が出る。

FRBが学界の趨勢に従う姿勢をとるのであれば、かなりドラスティックな「量」の削減を進めていたはずだが、実際は極めて慎重に削減している点は評価に値する。

したがって、今後も、FRBが「実務面」を重視し、慎重に「量」の削減を進めていくのであれば、株価は案外、金利の上昇に影響を受けずに小幅な調整で終わる可能性もある。

より具体的には、現在、マネタリーベース残高の対名目GDP比率は20%弱であり、これは、リーマンショック前の同水準(5%前後)よりもかなり高い(図表3)。



もし、金融政策の「正常化」を早急に進めるのであれば、この水準をなるべく早く5%程度に下げるべく、大幅なマネタリーベースの削減を行うはずである。だが、実際は、この水準は極めて緩やかに低下している。

今後も名目GDP成長率を3.5%程度に維持しつつ、マネタリーベースの対名目GDP比率をこれまでと同じペースで低下させるように調整していけば、マネタリーベース減少ペースも年率5%程度にとどまるものと試算できる。この場合、FRBの金融政策はそれほど大きな波乱要因にならないかもしれない。

「過剰流動性」が発生するリスク

一方、今後、FRBが「量」の削減ペースを加速させる場合は、株価や為替レートの波乱要因になるリスクがある。

例えば、2020年末時点で、マネタリーベース残高の対名目GDP比率を5%になるように、一定速度でマネタリーベースを削減させていく場合、マネタリーベースは2020年末には、前年比で25%弱の減少になると試算できる(図表4、5)。





一応、シミュレーション上は、名目GDP成長率を3.5%で設定しているが、現実には、大きく低下する可能性も否定できない。

今後、筆者は両方の可能性があると考える。すなわち、場合によっては、マネタリーベースの削減ペースが加速するリスクもあると考える。

それでは、両者を分ける要因は何か? それは、今後、FRBが設定している「(超過)準備預金に対する付利」を撤廃する否かであるかもしれない。

FRBが長期国債などの資産を購入した場合、それは金融機関の準備預金の増加要因となる。FRBはこの準備預金に対して2%弱の金利を付与している。これは、金融機関はFRBにお金を預けていればリスクなしに2%の金利収入を得られることを意味している。

だが、それと同時に、超過準備に金利をつけているが故に、大量のマネーが市中に流れ出すのを未然に防いでいる側面もある。これは、いわゆる「過剰流動性(市中にお金が大量に流れ出す現象)」を止めているということを意味する。そして、金融政策的には、それ故にマネタリーベースの削減ペースもマイルドになっている側面があると思われる。

このように考えると、今後、もし、どこかのタイミングでFRBがこの準備預金の付利を廃止した場合、「過剰流動性」が発生するリスクが一気に高まることになる。だが、これは逆にFRBにとっては、「過剰流動性」の発生を未然に防ぐために「量」をドラスティックに削減する機会が生じたことを意味する。

つまり、FRBが準備預金に対する付利を廃止し、かつ、マネタリーベースの対GDP比率をリーマンショック前の水準(5〜6%、現在は20%弱)に戻すような政策をとると仮定すると、前述のように、マネタリーベースは年率で25%程度の減少となる。このような大幅なマネタリーベースの減少は株式市場や為替市場で大きな波乱要因になりかねない。

以上より、今後のFRBの金融政策を考える際には、利上げの回数だけではなく、マネタリーベースという「量」、及び、準備預金に対する付利の取り扱いなども注意深く見る必要があるのではなかろうか。


 

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コメント
 
1. 2018年6月21日 15:16:52 : ioi7C6Azq2 : xSYYRQ2mbpA[58]
短期の金利の上昇は短期の資金を低金利で調達して、長期の資金を高金利で貸し付ける金融のメカニズムを破壊する。短期の融資と返済の繰り返しを招く。借入金を返済してから、また借りる短いサイクルの行動が物理的に金融逼迫と金融危機を引き起こすことになるのである。

2. 2018年6月21日 18:55:42 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[858]

#想定どおり、リスクは高まる ゆえに欧州は慎重

 


 
外為フォーラムコラム2018年6月21日 / 14:46 / 30分前更新
コラム:限界に近づくドル高、夏の終わりに待つ円高=嶋津洋樹氏
5 分で読む

嶋津洋樹 MCP チーフストラテジスト

[東京 21日] - ドル高が止まらない。主要6通貨に対するドル指数は20日に一時95.299と昨年7月以来の水準まで上昇。ドル高派にとっては、引き続き「予想した通り」の展開となっている。

とはいえ、ドル高派が年初から一貫して順調だったわけではなく、4月中旬まではむしろ、苦難の連続だった。特に2月初めにかけては、米10年債利回りが年初の2.5%を下回る水準から、当面の上限と目されていた2.75%を突破し、2.9%手前まで上昇。ドルも連動して上昇すると予想されたが、実際はむしろ下落し、2月以降はほぼ横ばい圏での推移にとどまっていた。

年初からのドル安が4月中旬に転換したきっかけはあまりはっきりしていない。

しかし、良好な企業業績が確認される中で、習近平・中国国家主席が講演で金融業や自動車製造業を含む分野での外資出資制限の緩和や関税引き下げ、知的財産権の保護強化の方針を示したこと(4月10日)、原油がWTI先物価格で約3年5カ月ぶりとなる1バレル=69ドル台を回復したこと(4月19日)、それを受けてインフレの上振れ観測が強まり、米10年債利回りが3%を突破したこと(4月24日)などが複合的にドルを押し上げたと筆者は考えている。

6月に入ると、イタリアで新政権が発足し、ユーロが買い戻されたこと(6月1日)、米中通商協議が新たな合意などがないまま終了(6月3日)し、両国間の貿易摩擦が激化するとの懸念が広がったこと(6月4日)を受けて、ドルが反落。その後、米朝首脳会談(6月12日)などを控えて、レンジ相場となったが、米連邦公開市場委員会(FOMC)後に公表されたドットチャート(フェデラルファンド=FF金利の予想分布)を受けて、米連邦準備理事会(FRB)が今年末までにあと2回、合計4回の利上げに踏み切るとの見方が強まったことで、再びドル高が勢いを盛り返した。

この間、アルゼンチンやトルコなどで金融市場が動揺し、米国の利上げやそれを受けたドル高が新興国の経済、金融市場にとって逆風になるとの見方が台頭。市場参加者は足元で新興国への投資スタンスを慎重化させ、資金の一部を米国へ回帰させている。ドルは基軸通貨としての安心感がある上、足元の政策金利が1.75―2.00%と、ゼロ近辺ないし大幅なマイナス圏にあるユーロや円、スイスフランなどの主要通貨と比べて、魅力的な資金の退避先である。FF金利が今後さらに引き上げられるとの見通しを前提にすれば、ドルはなおさら魅力的に見えるだろう。

つまり、足元のドル高は絶対的なFF金利の水準に加え、金融政策の相対的な位置付け、それを正当化する米国のファンダメンタルズの相対的な良好さなどが材料視されていると考えられる。

<ドル指数の100超えは望み薄か>

もっとも、過去を振り返ると、こうした材料でドルを説明できる期間はそれほど長くない。特に金融政策の転換点が近づくにつれて、市場参加者は足元の実績よりも先行きの見通しを強く意識し始める。このため、ドルは実際の金利や金利差、ファンダメンタルズなどとは連動しにくくなる。FOMC参加者の多くがFF金利の中立水準を3%程度と考えている中で、FF金利が1.75―2.00%にまで引き上げられたということは、米国の金融政策が転換点に近づきつつあることを示唆している。

このことは、とりもなおさず、足元のドル高が意外と短期間で終わる可能性も示している。

例えば、IMM通貨先物の非商業部門(いわゆる投機筋)の取り組みを見ると、主要10通貨に対するドルの売り越し額は4月17日までの週に2011年8月以来の高水準を記録した後、急速に縮小。5月29日までの週には2017年12月末以来の水準まで低下したが、その後は2週連続でドルの売り越し額が増加した。きっかけはともかく、4月中旬以降の急速なドル高は、投機筋のドル安ポジションが解消される中で起こったと言える。それが6月に反転したことがFOMC前までのドル反落をもたらしたと考えられる。

12―13日のFOMC後、投機筋がドル安とドル高のどちらにポジションを傾けたかは現段階では分からない。だが、米国の金融政策が転換点に近づきつつあるとすれば、ドル高のポジションを今から積み上げるという方針はそれなりに勇気が要る戦略と言えるだろう。

もちろん、ドルと裏表の関係にある商品市況は米中の貿易摩擦が激化するとの懸念から軟化。その中でも最も影響の大きい原油は、サウジアラビアがトランプ米政権の要請を受けて、ロシアとともに相場安定に向けた増産を模索していると報じられている。こうした環境は、ドルの上昇とともに、商品そのものや、そうした一次産品の輸出に大きく依存する新興国の資産下落に賭ける取引に大きな収益をもたらす可能性がある。ドルが北半球で夏休みが本格化する8月までに一段と上昇することもあり得ると筆者は考えている。

しかし、主要6通貨に対するドル指数が100を超えて直近高値の2017年初の水準を目指すかというと、それはさすがに難しそうだ。今年2月から直近ピークの半値戻しにあたる96がせいぜいではないか。

その理由は、まず米国景気の回復が成熟過程にあると考えられること。そのことが金融政策の足元までの正常化につながっているわけだが、上述した通り、FF金利は徐々に中立水準に近づきつつある。米国のイールドカーブがフラット化し、景気後退を示すとされる逆イールドが意識されているということは、景気回復と金融政策の正常化が折り返し地点を越えて、後半戦にあることを端的に示していると言えるだろう。

<ドル高圧力減じる政策・政治要因>

次に、米国に追随するように、欧州でも金融政策が正常化へ向かっているため、ドル高の圧力は徐々に減衰すると考えられる。

実際、ドラギ欧州中銀(ECB)総裁は政策金利の引き上げ時期こそ、2019年の夏終了以降と慎重な姿勢を示したが、資産購入プログラム(APP)については年内に終了すると明言。イングランド銀行(英中銀、BOE)も当初に市場参加者が想定していたよりはゆっくりとしたペースであるものの、利上げを継続する姿勢を示している。北欧でも、ノルウェー中銀は9月、スウェーデン中銀は12月にも最初の利上げに踏み切るとの見方が多い。

日本は、黒田東彦日銀総裁が現行の金融緩和策を粘り強く続ける姿勢を繰り返し強調。一見すると、欧米の中銀と一線を画しているようにみえるが、そうとも言えない。というのも、物価が1%を下回り、欧米との距離が広がっているにもかかわらず、国際決済銀行(BIS)や欧米の中央銀行と同じトーンで金融安定の重要性を説いているからだ。

6月のロイター調査では、日銀が次に金融政策を変更する場合は、「引き締め」だと予想する専門家が41人中38人と圧倒的。日本経済が本来目指すべき安定した物価水準については、17人もが1.0%付近と回答している。こうした日銀とそれを取り巻く専門家の姿勢は、日本が円高を容認しているという国際的な見方につながりかねない。

そこへ「アメリカファースト(米国第一)」を唱えるトランプ大統領である。夏休みが終われば、11月の中間選挙まで2カ月程度。そのタイミングでドル高が続いていれば、トランプ大統領だけではなく、多くの米国の政治家が黙っていないだろう。全米を遊説しながらマスコミやSNSを通じて、米国以外の国が自国通貨を意図的に安く誘導し、米国の労働者から仕事を奪っていると批判するトランプ大統領の姿が目に浮かぶ。これまでの経験を踏まえれば、その相手国には中国や韓国、ドイツとともに日本が入るだろう。

ドル高は足元から1―2カ月がピークで、夏場以降は対円、対ユーロともに徐々に上値が重くなる可能性が高い。その段階で日銀が金融安定を優先し、物価安定の目標達成へのコミットメントを後退させたり、目標そのものを柔軟化させようとすれば、一気に円高に振れるリスクがある。

嶋津洋樹 MCP チーフストラテジスト(写真は筆者提供)
*嶋津洋樹氏は、1998年に三和銀行へ入行後、シンクタンク、証券会社へ出向。その後、みずほ証券、BNPパリバアセットマネジメントなどを経て2016年より現職。エコノミスト、ストラテジスト、ポートフォリオマネジャーとしての経験を活かし、経済、金融市場、政治の分析に携わる。共著に「アベノミクスは進化する」(中央経済社)

*本稿は、ロイター外国為替フォーラムに掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいています。

 


 

ワールド2018年6月21日 / 17:16 / 1時間前更新
スイス中銀が主要政策金利据え置き、緩和的政策を維持
1 分で読む

[ベルン 21日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行、SNB)は21日、主要政策金利の据え置きを決定し、緩和的金融政策を維持した。

3カ月物LIBOR誘導目標レンジをマイナス1.25─マイナス0.25%で維持。ロイターのまとめたアナリスト予想でも全員が据え置きを予想していた。

中銀預金金利もマイナス0.75%で変更なし。

為替市場の状況は依然不安定とし、スイスフランの上昇阻止に向け引き続き介入の用意があると指摘した。

フランは「過大評価」との表現を維持し、為替市場の状況は「脆弱」との認識を示した。

 


外為フォーラムコラム2018年6月21日 / 13:31 / 29分前更新
コラム:「日銀置いてけぼり」は本当か、ECB正常化の険路=唐鎌大輔氏
5 分で読む

唐鎌大輔 みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト

[東京 21日] - 6月14日に開催された欧州中央銀行(ECB)政策理事会で拡大資産購入プログラム(APP、以下単にQE)の年内打ち切りが発表されたことが話題になっている。

日本では海外中央銀行がタカ派寄りの金融政策を決定すると、すぐに「日銀が置いていかれる」という解釈をしたがる向きが多く、今回も例によって「ECB、QEを年内で終了」との見出しとともにそのような論調が目立った。

しかし、理事会後のユーロ相場急落が明示するように、この会合で示された本当に重要な情報は「QE終了」ではなく「マイナス金利継続」である。

金融市場は「QE終了」をほとんど気に掛けていない。これはQEの年内終了はもともと既定路線と言われていたからだ。あえて意外だった点を挙げるとすれば、その発表が7月ではなく6月だったことくらいだろう。

今回の見どころは、1)QE終了、2)保有資産の再投資継続、3)当面のマイナス金利継続、の3点が決定されたことにある。メディアの関心は1点目に集中したが、今後にとって重要な意味を持つのは2点目と3点目だ。特に、2点目に関し「2019年夏以降、できる限り長く、政策金利を現行水準(マイナス金利)に据え置く」という表現が用いられたことが、強烈なユーロ売りにつながった。

以下、今回話題となったECB理事会を解説したい。

<タカとハトの双方に花を持たせた格好>

繰り返しだが、QE終了は既定路線だった。「年内で終わり」という方向で意見集約は進んでいたし、それが市場予想でもあった。その方針を7月ではなく6月に早出しした理由は定かではないが、筆者はタカ派への配慮があったと読んでいる。一部報道にもあるが、政策理事会メンバーの中には金利に関し、「2019年半ばの利上げ可能性を示唆してほしい」という強気な意見もあったという。

しかし、上で見たように、低金利方針に関する「2019年夏以降、できる限り長く」との新たな表現はそのようなタカ派好みの強気な意見とは全く相いれない表現だ。ゆえに、せめて(既定路線である)QEに関してはタカ派の意をくんで早期に終了宣言を出すことにしたのではないだろうか。ドラギECB総裁会見でも今回の決定について記者から「ハト派とタカ派の均衡ないし妥協」だという感想が漏れていた。

結局、「QEはタカ派」「利上げはハト派」といったように、2つの重要論点について双方に花を持たせようという政治的な配慮が働いた可能性があると筆者はみている。

<もたもたしていると「選挙の罠(わな)」に>

次に2点目の再投資継続に伴うバランスシートの規模維持に関しては依然、情報に乏しく、見通しを語るのは尚早だろう。会見では「再投資はどのくらい続けるつもりなのか。利上げ開始時期との関連はあるのか」と尋ねた記者もいたが、ドラギ総裁の回答は「再投資方針については議論していない。これは将来の会合で議論する」と素っ気なかった。やはり現段階で現実感を持って議論できるような論点ではないのだろう。

景気に恵まれ、通貨高をさほど気に掛けない米連邦準備理事会(FRB)ですら2014年10月にQEを終了させてから再投資方針を停止するまでに丸3年かかった。これから景気が山をつける可能性が高く、通貨高に嫌悪感を示しがちなECBはもっと時間がかかっても不思議ではないだろう。

仮にFRBと同じ3年で道筋をつけたとしてもバランスシート縮小の決断は2021年6月というイメージになる。「0.40%というマイナス金利が金融機関を痛めつけるからこそ、早めの出口を模索するのではないか」との見方にも一理はあるが、可能性が高いとは思えない。

これらの議論と総合すると「2019年9月に利上げに着手し、2020年中にプラス金利へ復活し、2020年後半から2021年にかけてはバランスシート縮小」というのが最速イメージだろうか。だが、時間をかけるほど欧州は各国の重要選挙が循環的に巡ってくる。

特に2019年秋にはギリシャやポルトガルといった財政上、大きな問題を抱えそうな国々が総選挙の季節を迎える。2021年まで引っ張れば、「ポスト・メルケル」を賭けた総選挙がドイツで行われるし、2022年になればフランス大統領選挙がある。極右候補の台頭がないとも言い切れまい。欧州では、もたもたしていると、すぐにこうした「選挙の罠(わな)」にはまるリスクがある。

<FRBが利上げを止めるタイミング>

QEを止めるのは既定路線、再投資停止は遠い未来の話となると、ECBにとって喫緊の問題は3番目の論点、利上げの処遇である。いや、利上げそれ自体が問題ではない。厄介なのは利上げに乗じて発生するユーロ高である。

6月に改訂されたECBスタッフ見通しによれば2018―20年までのユーロ圏消費者物価指数(HICP)はプラス1.7%とされており、2018―19年については前回3月予想のプラス1.4%から上方修正されている(2020年は1.7%のまま)。

しかし、上方修正の主たる理由は原油価格上昇であって賃金インフレをベースにしたものではないし、何より2020年まで見通してもプラス2.0%に到達できないという状況は変わっていない。かかる状況を前提にして、一段の通貨高を推し進めようとする政策運営が果たして可能なのだろうか。

ECBはマイナス金利を導入した2014年6月以降、実に4年間にわたってユーロ安を享受してきた。この間、ECBが頻繁に主張してきたのが対米金融政策格差の存在だった。確かに、2015年12月から数えて7回の利上げを行い、バランスシート縮小にまで着手したFRBに比べれば、ECBの正常化プロセスは著しく劣後しており、政策格差は確かにあった。この点、欧米金利差に応じてユーロ売りが続いてきたという主張にも、相応の正当性はあったと言えよう。

しかし、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でも明らかになったように、順調に行けば2019年秋にはフェデラルファンド(FF)金利が中立金利すなわち「利上げの終点」に到達している可能性がある。恐らく、その頃までには不況の有力なサインである逆イールド(長短金利差の逆転)も発生していよう。

今回の声明文を見る限り、ECBが最速で利上げを実施できるとしたらまさにその2019年秋ごろなのだが、「FRBが利上げを止める」のと同時に「ECBが利上げを始める」という運営が果たして可能なのか。仮に、そのような欧米金融政策格差が一転縮小する局面に入るのだとしたら、ユーロ相場は騰勢を強めよう。もとよりユーロ安の元凶はマイナス金利だと言われていただけに、利上げ着手のニュースだけでもユーロ相場は急騰する可能性がある。

過去1年でユーロは対ドルで最大15%程度上昇したが、ECBはそうした為替相場に対し不快感を隠さなかった。そのような気質のECBが、立ち往生するFRBを尻目に利上げに邁進するのはそれなりに勇気が要ることだろう。

さらに言えば、年初来のユーロ圏の基礎的経済指標悪化はユーロ高に起因する部分もありそうだ。ストライキやインフルエンザ流行などの一時的要因だけが原因ならば、4月以降に急回復しても不思議ではないが、現実はそこまでの明るい兆候はない。

特にけん引役となるドイツは輸出の失速に応じて成長減速が見込まれており、その要因としてユーロ高が無関係だったとは考えにくい。少なくともECBが利上げに至るためにはこうした基礎的経済指標が明確に改善してくる必要があろう。この点、すでにユーロ圏の景気拡大が歴史的な長さで持続していることを踏まえると、難しいように思える。

よって、2019年の利上げは最大でも9月以降に1回、経済・金融情勢を考えればゼロ回という可能性も否定できないというのが筆者の見立てである。

唐鎌大輔 みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト(写真は筆者提供)
*唐鎌大輔氏は、みずほ銀行国際為替部のチーフマーケット・エコノミスト。日本貿易振興機構(ジェトロ)入構後、日本経済研究センター、ベルギーの欧州委員会経済金融総局への出向を経て、2008年10月より、みずほコーポレート銀行(現みずほ銀行)。欧州委員会出向時には、日本人唯一のエコノミストとしてEU経済見通しの作成などに携わった。2012年J-money第22回東京外国為替市場調査ファンダメンタルズ分析部門では1位、13年は2位。著書に「欧州リスク:日本化・円化・日銀化」(東洋経済新報社、2014年7月)


 

ビジネス2018年6月21日 / 17:31 / 1時間前更新
ECB、物価が正しい方向に向かっていると確信=仏中銀総裁
1 分で読む

[パリ 21日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのビルロワドガロー仏中銀総裁は21日、保護主義などのリスクが景気の不透明感を高める要因になっているが、ECBは物価が正しい方向に向かっていると確信していると述べた。

総裁は、仏中銀の会合で「世界的な貿易戦争がエスカレートするリスクは、もはや考えられないことではない」と発言。「景気循環のどこにいるか、正確な位置は少し分かりづらくなっているかもしれないが、物価については、正しい方向に向かっていると相対的に確信を持てる」と述べた。


3. 2018年6月22日 19:02:16 : pxgwgovz2Q : W8I8Zx2GSxE[193]
辛うじて 歪み支える 厚化粧

4. 2018年6月23日 02:38:07 : z1VqBPgsd2 : Jpb22HXI3xg[4]
FRBの経済見通しによれば、FRBが考える長期的な名目経済成長率の水準は3.5〜4%弱程度であると推測される(実質経済成長率の長期均衡値が1.8%、インフレ率がコアPCEデフレーター上昇率で年率2%)。したがって、アメリカの長期金利(10年物国債利回り)は、FRBの金融政策正常化が成功裡に実現すれば、4%程度まで上昇してもおかしくはないということになる。

住宅支援金利で緩和マネーが住宅に凍結状態で経済に循環しない。

住宅支援緩和の終わりとなれば、0金利依存住宅価格の修正開始急務となる。

修正が遅れれば、住宅の暴落となり、

株式市場の問題ではない。



5. 2018年6月23日 02:43:40 : POZjRfxucw : mym1y3rXRt8[7]

FRBの金融政策正常化が成功裡に実現すれば
4%程度まで上昇しておかしくはないということになる。

3%では超低利依存の不正価格。


>4%で

やっと、

米住宅の正価がみえ始める。


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